
■調査会社CIRP(Consumer Intelligence Research Partners)によると、アメリカ国内のスマートスピーカー市場ではアマゾン・エコーが依然としてダントツのシェアを誇っている。
CIRPは国内のスマートスピーカー導入台数が今年3月四半期の7,000万台から6月には7,600万台に増加したと報告。昨年6月の5,000万台から2,600万台も増えているのだ。
シェアトップはアマゾン・エコーのデバイスで69%のシェアを握っており、ついでグーグル・ホームの25%、アップル・ホームポッドの5%となっている。なお1年前はアマゾン・エコーが70%、グーグル・ホームが24%、アップル・ホームポッドが6%だった。
CIRPによるとスマートスピーカーの過半数はアマゾン・エコードットやグーグル・ホームミニなど50ドル以下の入門機となっている。スマートスピーカーは利便性以上に価格の安さが普及を後押ししているのだ。
アマゾンは6月、画面付きスマートスピーカーでは入門機の位置づけとなる「エコーショー5(Amazon Echo Show 5)」を発売した。90ドルのエコーショー5は7月、アマゾンの48時間セールのプライムデーで50ドルで販売されていた。エコーショー5はクリスマス商戦など、高いシェアの維持を目指し50ドル前後の販売が予想される。
アマゾン・エコーの圧倒的シェアは値段の安さやモデルの多さだけではない。様々な企業や機関と連携してエコーの遍在化も進めていることも背景にある。
昨年5月、住宅建設会社最大手レナーのモデルハウスをアレクサ仕様の「アマゾン・エクスペリエンス・センター(Amazon Experience Center)」にしたことを明らかにした。シアトルでは1億円以上もするスマートホームが1年を経たずに売り切れ、アマゾン・エクスペリエンス・センターも撤収している。
ミズーリ州セントルイスにあるカトリック系の私立大学のセントルイス大学(Saint Louis University)が昨年、キャンパス内にある大学寮にエコーを導入した。セントルイス大学用にカスタマイズしたエコードット2,300台をすべての寮室に設置したのだ。2年目となる今年はエコードット・セカンドジェネレーション2,300台を設置する。
エコーを病院にも導入する動きも始まっている。
ロサンゼルスの総合病院であるシダーズ・サイナイ病院は現在、100以上の病室にアマゾン・エコーを導入したパイロットプログラムを行っている。病室への導入ではヘルスケア用の音声アシスタントプラットホーム「アイヴァ(Aiva)」で患者と看護師のコミュニケーションを助けている。
たとえば、テレビのチャンネルを変えるなどの単純な用事をエコーで患者が音声コマンドできることで、看護師は医療的看護に割く時間が増えるのだ。
一方でコラボが上手く行かなかった事例も報告されている。一部のベスト・ウエスタン・ホテルズでは各部屋にエコー・ドットを導入するプログラムを今年初め開始した。しかし今年4月、スマートスピーカーが収集した音声の一部がアマゾンの従業員に「聞かれている」という報道がでたことで、利用者がエコーのコンセントを抜き使わないような事例が多発したのだ。
プライバシー問題がホテル業界でのエコー導入を慎重にさせている。
トップ画像:シアトルのアマゾン・エクスペリエンス・センター。1億円以上するスマートホームは1年を経たずにソールドアウトとなり、エクスペリエンスセンターはもうなくなっている。