2019年10月09日

【流通視察】、ウォルマートで行う最新10のコト!「このままではいけない」意識を育む?

191009ARコンパリゾン@ウォルマート
■ウォルマートは最近、ウォルマート・アプリにあるストアモードを強化している。ウォルマートに行くとウォルマート・アプリが「ストア・アシスタント(Store Assistant)」のストアモードになる。GPSによりアプリの画面が自動的にストアモードに切り替わるのだ。

ストアモードとは利用者が店内に入るとGPSによりアプリの画面が自動的に変わり、その店舗で提供している各種サービスから営業時間などの店舗情報、リアルタイム混雑状況、店内にある商品のプライスチェッカー機能が使えるモードのことだ。

ウォルマートはストアモードの店舗情報に店内マップも導入した。ウォルマート店内でお客からの最も多い問い合わせは、探している商品の売り場だ。ストアモードでストアマップを表示させ、利用者が商品名やカテゴリーを入力することで店内の在庫場所をマップ内で示す。

マップにはカスタマーサービスやトイレなども表示され、5,000坪以上のスーパーセンターでもスタッフに場所を聞く手間はなくなるのだ。

ストアモードにAR(Augmented Reality:拡張現実)技術を応用した機能がアップデートされた。新たに加わった機能はARスキャナーだ。ARスキャナーを使うと前にスキャンした商品の価格を比べれるだけでなく、レビュー数や5ツ星評価などでも比較が可能となる。プライスチェッカーによる単純な価格表示よりも商品比較が容易なのだ。

 ウォルマート・アプリの便利な機能はストアモードにとどまらない。「買い物リスト(Lists)」「リオーダー(Reorder)」「ウォルマートペイ(Walmart Pay)」「イージー・リターン(Easy Return)」とシームレスな買い物となる機能が満載している。

今年度末までに3,100店に拡大するカーブサイド・ピックアップの「ウォルマート・ピックアップ・グローサリー」や巨大自販機のような「ピックアップタワー」もアプリの利用が不可欠となる。つまりウォルマートの売り場をみるだけでは全く意味がなくなってきているのだ。

ウォルマートはアプリ開発を加速し毎日の買い物に役立てているため、アプリを使った買い物の仕方を学ばなければウォルマートを知ることにはならない。当

社のIT&オムニチャネル・ワークショップではオムニチャネル・ショッピングを行い、変化する買い物の仕方を探っている。

今日はウォルマートで行っているIT&オムニチャネル・ワークショップのカリキュラムを挙げる。

‥日の午前10時前(もしくは前日)にウォルマート・グローサリー・アプリから生鮮品など食品を注文し、同時にテイスティ(Tasty)アプリのショッパブルレシピからも食材を注文してみる。

▲Εルマートに向かいながら車内でウォルマート・グローサリー用アプリで「チェックイン」して、ウォルマートのスタッフが顧客の居場所をフォローをしている様子を確認。

バスをカーブサイド・ピックアップの場所に向かわせ、スタッフから生鮮品などの注文品を直接受け取り、注文した生鮮品のうち一部を返品扱いにしてスタッフ対応をチェックする。

づ垢帽圓前にウォルマート・アプリを見せ、入店後にアプリ画面がストアモードになっていることを確認する。ストアモードのストアマップで商品検索をかける。さらにARスキャナーを使い商品比較を行う。

ゥ好肇▲癲璽匹らピックアップ用のバーコードを表示させ、参加者にピックアップタワーで注文品をピックアップ。

ΕΕルマート・アプリにあるリストを使って、商品をスキャンさせてショッピングリスト機能を学習する。リストにあるチェックマークをつけてみる。最近、アップデートしたスマート・リスト機能を使う。

Д好肇▲癲璽匹砲△襯好肇▲泪奪彎紊脳ι文〆を行う。

┘好肇▲癲璽匹砲△襭腺劼鰺用した商品コンパリゾンを行って商品比較を行う。

視察&買い物後にセルフチェックアウトレジにてウォルマート・ペイを使って決済を行う。

アプリの履歴となったeレシートを操作しイージーリターン(返品手続き)を行い、リファンド&ノーリターン(返品せずに返金手続き)を行ってみる。

その他にはアプリを使ったマネー部門の「エクスプレス・マネー・サービス(Express Money Service)」を解説。スタッフが清算を行うモバイルシステム「チェックアウト・ウィズ・ミー(Check Out With Me)」で実際に買い物を行う。またファーマシーの「ファーマシー・エクスプレス・ピックアップ(Phamacy Express Pickup)」を説明する。

トップ画像:ウォルマートでストアモードにあるARを利用した商品コンパリゾンを行う参加者。

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。当社には「最高の顧客体験を実現する顧客起点のビジネスモデルを創造する」目的でコンサルティング依頼をしてくる企業もあります。業界によっては成熟期後のビジネスを考えなければならないのです。要は今の状態のままでは衰退するだけなので、新規に事業を立ち上げなければならない瀬戸際に来ているということ。新しくビジネスモデルのヒントを得るためにすぐにしなければならないのが意識改革。何十年にも染み付いた業界の思考特性や行動特性を根本から変えていくことは、喩えとして「巨人ファンから阪神ファンになる(もしくはその逆)」ぐらいの覚悟が必要です。この喩えを笑う人がいるのなら、生粋の野球ファンに「どうやったらライバルチームのファンに鞍替えできますか?」と聞いてみればいい。聞いているだけなのに、相手は不快な表情をするはず。「死んでも嫌だ!」という人の意識を変えるということはいかに大変かがわかるというものでしょう。
⇒米国流通視察で意識改革を行うには、世界最新の小売・流通イノベーションを大量に触れて、浴びるようにITによる顧客体験を行う必要があります。小売だけでなく朝食・昼食などにモバイルオーダーを使って注文し、ときにはウーバー(Uber)やエアビーアンドビー(Airbnb)のアプリも使ってみるべきです。食品スーパーなどの研修でありがちな売り場を見て回るだけでは何も得られません。売り場づくりや接客は日本のほうが優れていると勘違いします。ましてやアメリカに来てまで参加者に料理を作らせる料理対決イベントをやったり、筆記テストをさせたりするのは愚の骨頂で時間の無駄でしかありません。参加者の多くがスマホを使い倒している20〜30代と若い人たちにもかかわらず、売り場でアプリを使った買い物を全くしないのは噴飯もの。自動運転車(5G)の時代になっても馬車しか乗らせないようでは「このままではいけない」「変化に対応しなければならない」というような危機意識が社員に育ちません。バカの壁が立派で高い人には馬耳東風でしょうが...
 みんながやっているような日程で、みんながやっているような売り場を見て、みんながやっているようにやるのは羊の群れです。「死んでも変化は嫌だ!」という人の意識は変わりません。