
■日本では先日の台風19号で、一部の避難所が「ペット受け入れ不可」となり議論が巻き起こっていた。アメリカでは逆にどこにでもペットを同伴することで問題にもなっている。
日常的な問題になっているのが食品スーパーに犬を同伴する顧客だ。生鮮品などを扱う食品店では動物と一緒に買い物することは禁止されている。しかし、ダウンタウンにあるスーパーマーケットや富裕層の多い地域の食品スーパーでは若い顧客を中心に犬と一緒に買い物にやってくる。
注意しようにも「大切な家族だ」と逆ギレされSNS等で批判を拡散されることをおそれて、スタッフの多くは見て見ぬふりをする。
スーパーの入り口に注意書きのポスターを貼ったり、犬を見る目線に向けて低い立て看板を設置しても家族を同伴していると思っているペット同伴客には目に入らない。
犬を飼っている人なら視覚に必ず入るドッグハウスを入り口におくスーパーが徐々に増えている。犬小屋といっても普通の犬小屋ではなく、IoTなスマートドッグハウスだ。
スーパーマーケットチェーン最大手クローガーの傘下でワシントン州シアトル郊外に62店展開するQFCは4月、スタートアップのドッグスポット(DogSpot)のハイテク犬小屋を8店舗に置くことを発表。QFCでは現在までにドッグスポットを9店舗に導入している。
同じくワシントン州シアトルではQFCに続いて食品スーパーのニューシーズンズでもドッグスポットを導入した。
大手チェーンのスーパーマーケットであるアルバートソンズも一部でテストの開始した。34州に2,200店を展開するアルバートソンズはアイダホ州ボイジーの本社近くでドッグスポットの実証実験を行っている。
スマート犬小屋が置かれたのはアイダホ州ボイジーにあるアルバートソンズと今年3月に11万平方フィート(約3,100坪)でオープンしたメリディアン地区にあるアルバートソンズ・マーケット・ストリートの2店。
導入されるドッグスポットはアップデートバージョンとなり、120ポンド(約55キログラム)の大型犬も対応している。ドッグスポットは通常、利用料金が1分間30セントとなっているが、アルバートソンズでは最初の60分間は無料でペットオーナーに開放する。
またニューヨークなど東部に展開するストップ&ショップもドッグスポットを店に置き、同伴客にテスト対応する他、ウェグマンズでも実証実験が開始される計画だ。
ハイテクのドッグハウスはIoT仕様で利用者がダウンロードしたアプリでドアの施錠等をコントロールする。大型犬にも余裕となる横幅76センチx奥行85センチx高さ120センチのスマート犬小屋は、室温を一定に保つエアコンを完備。
ペットオーナーが買い物中でも、ペットの様子をアプリにある「パビーカム(Puppy Cam)」からリアルタイムでモニターできるよう、室内にはカメラも装備している。
犬小屋の素材も数十人の獣医からのアドバイスで作られており、入り口のドアは飛散防止で透明の強化プラスチックを使用している。非利用時にはUV殺菌灯で室内の衛生管理も自動で行うという。
利用の仕方はアプリをダウンロード後、アカウントを設定し会員になっておく。利用時の15分前にアプリ経由で予約を入れ、ドッグスポットをキーカードもしくはアプリで開錠する。操作は基本的にアプリで行い、最大90分まで利用が可能だ。
アメリカはいい意味でも悪い意味でも日本の5〜10年先を進んでいる。避難所でもペット同伴が当たり前になる頃、若い世代などが食品スーパーにも犬を同伴する事例が増えてくるだろう。ドッグスポットのようなIoT犬小屋が日本でも展開されることになるのだ。
トップ画像:スーパーの入り口近くに置かれているドッグスポット。ペット同伴の買い物禁止ポスターはペットオーナーの目に入らない。が、ドッグハウスなら頼まれもしないのに必ずチェックしてしまう。ドッグスポットはペットオーナーの習性を利用しているとも言えるのだ。