
■全米最大手スーパーマーケットチェーンのクローガーは、ラルフスなど傘下のスーパーマーケットで導入しているセルフスキャニング端末「スキャン、バッグ、ゴー(Scan, Bag, Go)」を中止している。
スキャン、バッグ、ゴー(SBG)は、店内にあるスキャニング端末で商品バーコードをスキャンしながら買い物を行うシステム。
スキャニング端末のバーコードを読み込ませることで、端末とレジを同期させ簡単に会計ができる。
買い物をしながら商品をそのままエコバッグに詰め込み、商品の合計金額の確認も常に可能だ。
スキャニング端末だけでなく、モバイル・アプリの「スキャン、バッグ、ゴー(SBG:Scan, Bag, Go)」もスマートフォンにダウンロードして使用できるようになっている。
それが先週あたりからシアトル郊外のQFCやフレッドマイアーでスキャン、バッグ、ゴーのアプリが使えなくなっているのだ。
またロサンゼルス郊外にあるラルフス・レドンドビーチ店ではアプリでエラー表示される他、端末も撤去されている。
ストアマネージャーによると不具合の多さからのスキャン、バッグ、ゴーを中断とした。
クローガーのパブリック・リレーションに問い合わせてはいるが、正式な発表はまだおこなっていない。
クローガーは傘下のスーパーなど400店舗でSBGを拡大していた。
ミシガン州を中心に中西部6州にスーパーセンターなど246店を展開するマイヤーは9月、スキャンしながら買い物を行う「ショップ&スキャン(Shop & Scan)」の全店導入が完了したことを発表。
セルフスキャニングシステムを全店に導入したチェーンストアはサムズクラブに続いて2番目となる。
ウォルマート傘下のサムズクラブでは3年前となる2016年9月、「スキャン&ゴー(Scan & Go)」を全店に導入。
サムズクラブのスキャン&ゴーは、事前にアプリに登録したクレジットカードで決済が可能となっているため、店のレジと同期する必要はないシステムだ。
店を出る際、決済後に表示されるQRコードをチェッカーの端末にスキャンさせ、商品を確認して店をでる。スキャン&ゴーで成功しているサムズクラブは、スキャン&ゴーをフューチャーした、文字通りレジがない小型店「サムズクラブ・ナウ(Sam's Club Now)」をダラス近郊に出店している。
またセブンイレブンは店内で商品バーコードをスキャン後、支払いはアプリ上でアップルペイやグーグルペイ、クレジットカード、デビットカードで決済を行う「モバイル・チェックアウト(Mobile Checkout)」をニューヨーク市内でも行っている。
他にも約1.5万店を出店するダラーゼネラルの「DGゴー(DG Go)」、ミシガン州で140店展開するスーパーのスパルタンナッシュの「チェックアウト・ナウ(Check Out Now)」、ニューヨーク州を中心に100店舗を展開するウェグマンズの「ウェグマンズ・スキャン(Wegmans SCAN)」、ペンシルベニア州を中心に460店を展開するジャイアント・イーグルの「スキャン・ペイ&ゴー(Scan Pay & Go)」、テキサス州などに約400店舗のスーパーを展開するHEBの「HEBゴー(HEB Go)」など大手チェーンや食品スーパーが実証実験を行っている。
セルフスキャニングシステムを10年前から導入しているストップ&ショップの「スキャン・イット(Scan It)」の事例もある。
一方で、ウォルマートはスーパーセンターなど125店舗で行っていた「スキャン&ゴー(Scan & Go)」を2018年5月に中止した。
ウォルマート元役員の話によると、スキャン&ゴーで40アイテムしかスキャンしていないのに100アイテムの商品を持ち出そうとしたお客の事例を挙げ、撤退の原因が万引であったと認めたのだ
。これはウォルマートに限った話ではないだろう。チェック体制がしっかりできていないと、高額な霜降り肉などをスキャンを意図的にスルーすることもあるのだ。
クローガーのスキャン、バッグ、ゴーの中止も表向きには不具合を理由にしているが、万引が背景にあったことは否定できない。