
■空前の空室率となりショッピングセンターがついに冬の時代に入った。
全米77都市のショッピングセンターをモニターしている不動産調査会社レイス社によると、昨年の第4四半期(10月〜12月期)のモール空室率は前期から0.3ポイント上昇し9.7%となった。
9.7%となるモール空室率は前年同期の9.1%から0.6ポイントも上昇したことになる。
モール空室率はリーマン・ショック後となる2011年第3四半期(7月〜9月期)に9.4%を記録。
それ以降は緩慢な回復基調にあったものの、アマゾン・エフェクトでモールの集客が伸び悩み空室率が上昇することになった。
モール空室率は昨年の第3四半期、9.4%と8年前の記録と肩を並べた。さらに大量閉店が相次いだことで記録を塗り替えてしまったのだ。
20年前からショッピングセンターのデータを収集するレイスでは、モール空室率が過去20年で最悪となっている。
調査会社コアサイト・リサーチによると、昨年に発表されたアメリカ国内の閉鎖店舗数はトータルで9,300店となった。2018年の閉鎖となった5,864店を超え、約60%も増えたことになる。
店舗閉鎖8,139店となった2017年をはるかに凌ぐペースで大量閉店が起きたのだ。コアサイト・リサーチでは2012年から統計を開始して閉店数が最多となった。
閉店数で最多となったのは靴チェーンでかつて全米ナンバーワンだったペイレス・シューソースだ。ペイレスでは昨年2月に企業清算を行い約2,100店を閉鎖した。
婦人服小売チェーンのドレスバーンも事業終了に向けて全米にある650店舗をすべて閉鎖したことで、親会社のアシナ・リテール・グループではドレスバーンを含む800店近くの閉鎖と報告されている。
また子供服チェーンのジンボリーも昨年1月、2度目の破産法を申請し全750店をスクラップした。
この3社の閉店数だけで閉鎖店舗数の3分の1を占めたことになる。
他に中西部や南部に展開するディスカウントチェーンのフレッズ(Fred's)の564店、ティーンや若い女性向けのファッションを扱うシャーロット・ルッセの512店、デパートメントストアのショップコの371店、ダラーストアのファミリーダラーの359店、スポーツ栄養補助食品やダイエット商品の販売を手掛けるGNCの332店、ファッション雑貨を展開するチャーミング・チャーリーの261店の閉店だ。
閉鎖となる店舗数が3桁に及ぶチェーンストアはアベニューやシアーズ、ディスティネーション・マタニティ、ウォルグリーンなどまだまだ続く。
昨年8月に経営破綻した高級ファッションのバーニーズ・ニューヨークも国内に残す予定だった店舗すべてが閉鎖となり、9月に倒産したフォーエバー21も100店舗以上の閉鎖だ。
2020年は始まったばかりだがすでに大量閉店のニュースが報じられている。
家具・インテリアのピア1インポーツは6日、北米に展開する全942店舗のうち約半分となる450店舗を閉鎖する計画を発表したのだ。
同日に公表したピア1インポーツの第3四半期決算では既存店・売上高前年同期比が11.4%減となった。
ブルームバーグでは事情に詳しい人物の話として同社は倒産の可能性も示唆しているという。連邦破産法11条の申請により半数以上の店舗の閉鎖もありえるのだ。
アマゾン・エフェクトで集客に苦慮するショッピングセンターは今年も地盤沈下する。これまでにない発想でテナントを誘致できなければさらなる空洞化を招き、廃墟モールとなるのだ。
