2020年01月13日

【ウェグマンズ】、食品スーパーもAIでパーソナライゼーション深化!売り場は選択肢?

200113ウェグマンズ
■ニューヨークなど7州に101店の食品スーパーを展開するウェグマンズは10日、顧客にむけたメールでホームページとアプリを大幅にアップデートすることを告知した。

顧客一人ひとりの買い物を最適化するパーソナライゼーションを導入することで、利便性の高い買い物を提供する。

ウェグマンズのアップデートではAIによるレコメンデーション機能を盛り込みショッピングリストにある商品にクーポンを提案する。

ストア・アプリでは定番となっているショッピングリストは商品検索と同様に重要な機能だ。「買い物メモ」「買い物リスト」とも呼ばれ、ユーザーにとって気になる商品や購入予定の商品をメモに残すためのリストになる。

「そろそろ買わないと」といつも考えているのにいざ買い物に出かけるとついつい忘れてしまう...そんなこともショッピングリストにメモに残しておけば買い忘れがなくなる。また普段購入する食品や食材などもショッピングリストを使うことで、買い物途中の目移りによるうっかりミスを防ぐことになる。

子供の誕生日パーティやクリスマス、年末年始のイベントで出す料理からテレビやネットで見かけた料理の食材まで、ショッピングリストを作っておけば何かと役に立つものだ。お店で実際の商品をチェックするための「とりあえずの備忘録」としても使うことも可能だろう。

スーパーマーケットでは、用途に分けて無限にショッピングリストを作成することができるのだ。

ウェグマンズではショッピングリストにある商品にクーポンをつけることで、よりユーザー個人に合ったサービスを提供できるとしている。ウェグマンズのパーソナライゼーションはホームページやアプリ上での検索にも提供するとしている。

 ウェグマンズのパーソナライゼーションは他のスーパーと同様に買い物の仕方のオプションにも現れている。ウェグマンズはデリセクションで顧客のライフスタイルに沿ったモバイルオーダーを提供している。

事前注文のモバイル・オーダーを導入すると、レジ待ち行列を緩和し、注文の聞き取りミスや勘違いによるヒューマンエラーを回避できる。その結果クレームが減少、顧客ロイヤリティが高まる効果がある。

ウェグマンズは食品スーパーでありながら、いち早くモバイルオーダーを導入し、旗艦店となるピッツフォード店など多くに拡大中なのだ。

ウェグマンズでは同社の専用アプリ「ウェグマンズ・ミールズ2ゴー(Wegmans Meals 2Go)」から事前注文を行うことになる。メニューはピザやチキン、サンドウィッチ、ラップ、サラダ、寿司など。

場所によって受け取りは「デリバリー(Delivery)」「カーブサイド・ピックアップ(Curbside Pickup)」「店内ピックアップ(Carryout)」と顧客の利便性にあったオプションが用意されている。

デリバリーはオンデマンド宅配業者のドアダッシュが行うのだ。デリバリー対象エリアは対象店から5マイル(8キロメートル)圏内。店頭価格からのマークアップはないが、デリバリーの場合は20ドル以上の注文が必要となる。

出前による手数料は一律10ドル(地域によって異なる)となっている。

ピックアップは店内の場合、デリセクションのミールズ2ゴー専用エリアで受け取る。またテキスト入力することによるカーブサイドピックアップでの受け取りも可能だ。両オプションとも手数料は無料で最低注文金額などの条件はない。

利用者はミールズ2ゴー・アプリをダウンロード後、クレジットカード等を登録しておく。デリバリーもしくは店内でのピックアップ(もしくはカーブサイド・ピックアップ)を指定し、メニューやトッピング等を選択後、宅配や受け取り時間を指定して決済を行う。

 ウェグマンズではまた、パーソナライズされた買い物の仕方も提供している。一部の店舗でテストしている「ウェグマンズ・スキャン(Wegmans SCAN)」はお客がスマートフォンに専用のアプリをダウンロードして、商品のバーコードをスキャンしながらレジで決済するシステムだ。

 アメリカの食品スーパーが提供するパーソナライゼーションとは、買い物のオプションを含めるとネットスーパーだけに限らないということも覚えておくべきだろう。

トップ画像:昨年秋にオープンしたウェグマンズ・ブルックリン店のショッピングカート。多くのカートにスマートフォン・ホルダーが付いている。スマートフォン・アプリを使った買い物を想定しているのだ。アプリにあるショッピングリストでパーソナライゼーションを深化させ、クーポン利用を最適化する。
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。日本と比較して米国では個人の権利と自由を尊重することを主張する個人主義が進んでいます。買い物にも個人主義が影響していて、パーソナライゼーションが日本以上に進んでいます。小売りのパーソナライゼーションとは顧客一人ひとりの買い物を最適化することです。日本のパーソナライゼーションについての記述を読むと、顧客の好みを分析して、顧客ごとに適すると思われる情報を提供することのみに偏っています。アメリカでは商品やクーポン等のレコメンデーションだけでなく、受け取りの選択肢である買い物オプションをいくつか用意しておくこともパーソナライゼーションです。売り場ではフルサービスのレジにセルフチェックアウトレジ、アプリを使い自分で商品バーコードをスキャンして買い物するセルフスキャニングシステムも買い物オプションです。店で買い物させるだけでなく、カーブサイド・ピックアップや宅配サービスのネットスーパーも広義としてのパーソナライゼーションです。モバイルオーダーもその一つですね。
 昨年末にも指摘しましたが、食品スーパーはさらにパーソナライゼーションが台頭します。売り場で買い物は、販売チャネルの一つということが明確になります。

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