2020年04月29日

【カーブサイド・ピックアップ】、未曾有の事態で空前絶後の208%増!CXにCJとは?

200429カーブサイド・ピックアップ@ウォルマート
■新型コロナウイルスの影響で、ネットで注文し店の専用駐車場で受け取るカーブサイド・ピックアップの利用が急増している。

クリック&コレクトとも呼ばれているカーブサイド・ピックアップは、利用者がネットで注文した商品を指定されている店舗駐車場にてスタッフから受け取るサービス。

利用者は通常、車から降りる必要はなく、注文品はスタッフがトランクに積んでくれる。

ウォルマートの「ウォルマート・ピックアップ・グローサリー」、クローガーの「クローガー・グローサリー・ピックアップ(旧サービス名はクリックリスト)」、ターゲットの「ドライブ・アップ(Drive Up)」とチェーンストアによってサービス名は異なるが、それぞれのチェーンでカーブサイドピックアップは数千店舗規模で拡大中だ。

 大手Eコマース企業などをモニターしている調査会社アドビ・アナリティクスによると、4月1日〜4月20日までのカーブサイド・ピックアップは、前年同期比で208%の増加となった。

また3月12日〜4月11日までのオンライン売上は3月1日〜3月11日までのベースラインと比べて49%の増加だ。

米国では現在までに40州以上の州で外出禁止令が発動されている。米国の住民の95%となる3億人が不要不急ではない外出を禁止されているのだ。

ネットスーパー等での買い物が増える一方で、需要増により宅配サービスで遅延が生じているため、待てない利用者が店までピックアップしに行く人が増加している。また外出禁止令の期間延長で外出したいものの、感染リスクの高い店内での買い物は控えたいというニーズも高い。

 ウォール・ストリート・ジャーナル紙によると、ウォルマートは3月の4週間、既存店・売上高前年同期比で20%近くも売上を伸ばした。スーパーセンターやネイバーフッドマーケットなど4,700店以上を展開するウォルマートではアプリ等を介したネットスーパーの売上も過去8週間で30%も上昇したのだ。

ウォルマートだけでなく、国内に1,900店を展開する競合のターゲットでは既存店ベースが3月25日までの4週間で前年同期比20%以上の増加となった。同社のデジタル売上高は既存店ベースで前年同月比100%増と驚きだ。

35州に2,800店近くを展開するスーパーマーケット最大手チェーンのクローガーでも3月の既存店・売上高前年同月比で30%の増加と驚異的に売上を伸ばした。

国内にストップ&ショップやジャイアント・フードなど2,000店のスーパーを展開するアホールド・デレーズUSAでも3月の既存店・売上高前年同月比は34%増となったのだ。コストコでもアメリカ国内の3月の既存店・売上高前年同月比は10.7%の増加で、Eコマース売上は同48.3%増と爆発的な売上となったのだ。

 店売りの成長にはカーブサイド・ピックアップなどのネットスーパーが欠かせない。ウォルマートでは3,300ヶ所以上でカーブサイド・ピックアップを行っている。

ウォルマートは先月からカーブサイド・ピックアップで非接触で商品を受け取れるサービスを開始した。ウォルマートの専用パーキングスペースで生鮮品などの注文品を受け取るとスタッフが差し出す端末にサインをする必要があった。これを非接触・非接近でサインを不要にしたのだ。

同様に1,600ヶ所以上で行っている宅配サービスでも面会しないですむ、置き配のオプションも行っているのだ。

ウォルマートは2週間前から朝7時〜8時までの1時間を「アット・リスク・オンリー(At Risk Only)」で60歳以上のシニアや妊婦、障碍者、医療従事者などのファーストレスポンダーに限定したピックアップを行っている。

ウォルマートは直近でも近隣住民のソーシャルネットワークであるネクストドア(Nextdoor)と提携し、近所同士でサポートする「ネイバーズ・ヘルピング・ネイバーズ(Neighbors Helping Neighbors)」を全店で開始した。足や体の悪い高齢者などがネクストドアを介して、カーブサイド・ピックアップの代行で近隣住民に依頼することができるのだ。

 ビフォア・コロナでも昨年の年末商戦時では多くがカーブサイド・ピックアップを利用して買い物を済ませていた。コロナ禍で定着したカーブサイド・ピックアップなどの新たな習慣はアフターコロナでも残っていくのだ。

トップ画像:ウォルマートのカーブサイド・ピックアップ。
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。グローサラントやボピス、カーブサイド・ピックアップ、モバイル・オーダーなどは後藤が誰よりも先に英語からカタカナにして当ブログで紹介したトレンドワードです。アメリカ流通業は日本の5年〜10年先を行っています。アメリカ小売業の事例を研究すれば日本が必ずフォローする商慣習等が出てくるのです。新しいワードが出てくると例えば「グローサラントの専門家」というふうに第一人者が現れます。今ならカーブサイド・ピックアップを勧める日本人コンサルタントも出てきます。でも彼らは机上の空論となる概念のみしか提供できていません。利用者がどのような接点を経て商品やサービスを購入するかの「カスタマージャー(CJ)」に、時系列ごとの「顧客体験(CX)」については不案内です。要するに体験したことがないから、わからないということ。以前から何度も主張しているようにアフターコロナでは、CJやCXの学習でデモ型、体験型の流通視察が増えます。
 ネットで注文して店の専用スペースで受け取る流れを順に追っていくと様々な顧客体験が潜んでいます、わかります?