
■ネット通販最大手のアマゾンは27日、ロサンゼルス郊外ウッドランドヒルズにスーパーマーケット「アマゾン・フレッシュ(Amazon Fresh)」を一般にオープンした。
アマゾン・フレッシュ・ウッドランドヒルズ店は今年4月から営業を開始していたものの、ネットスーパー専用のダークストアとして宅配サービスのみで稼働していた。
ダークストアとは店の中で買い物ができるインストア・ショッピングはなく、倉庫に専用の駐車スペースがついた食料品の受け渡し専用拠点。
アマゾン・フレッシュ・ウッドランドヒルズ店(6245 Topanga Canyon Blvd Woodland Hills, CA 91367)はシティバンクやオフィスデポ、AT&Tストアが入居する、道路沿いのネイバーフッド型ショッピングセンター内にある。
ロサンゼルス・ダウンタウンから西に車で40分(約40キロメートル)にあるウッドランドヒルズ地区は、年収中央値が8.5万ドルと比較的高い所得層が住んでいる地域だ。このショッピングセンターの隣には建設中のラグジュアリー・コンドミニアムがある。
トイザらスの跡地を使った33,000平方フィート(920坪)のスーパーの営業時間は午前7時〜午後10時。
今のところ招待状を受け取った地域住民のみ買い物が可能となるソフトオープニングとなっている。アマゾンフレッシュは数週間内に一般客にもオープンするとしている。
アマゾンフレッシュはコカ・コーラやスマッカーズのいちごジャム、ケロッグのシリアル、タイド(Tide)洗濯洗剤など一般的な食品スーパーの品揃えにアマゾン傘下のホールフーズ・マーケットのプライベートブランド「365」を扱っている。また生鮮品では精肉・シーフード・コーナーで対面販売を取り入れている。
アマゾンはレジなしコンビニエンスストアの「アマゾン・ゴー(Amazon Go)」やレジなし食品スーパーの「アマゾンゴー・グローサリー(Amazon Go Grocery)」を展開している。
アマゾン・フレッシュはレジなしとは異なり一般的なフルサービスのレジがあるものの「ジャスト・ウォーク・アウト(Just Walk Out)」技術を搭載したスマートショッピングカート「アマゾン・ダッシュカート(Amazon Dash Cart)」を導入している。
アマゾン・ダッシュカートはコンピュータービジョンを内蔵した複数のカメラや重量センサー、タッチスクリーンを搭載したショッピングカート。
ダッシュカートの使い方はアマゾンゴーの入店時と同様、利用者のスマートフォンのQRコードをダッシュカートのカメラでスキャンして買い物を始める。
ダッシュカートとスマートフォンが同期することでアレクサのショッピングリスト(買い物メモ)もスクリーンに映し出すことができ買い物に利用可能となる。
買い物は顧客が商品を手に取りカートに入れることで自動的に商品を認識する。コンピュータービジョンがトラッキングすることで、商品バーコードをスキャンする必要がないのだ。
カートに商品を入れると、ビープ音とともにスクリーン上のショッピングカートに商品名や数量、価格が表示される。ダッシュカートには重量センサーがあり、数量も自動的に解析できるようになっているようだ。
人工知能(AI)が商品を認識できなければ、ダッシュカートの先端にあるライトがオレンジ色に光り、もう一度カートに入れ直し認識させることになる。
リンゴのフジやギャラなど品種が異なる果物については、4桁のPLU番号を入力する。
ダッシュカートはクーポン対応しており、カメラでバーコードをスキャンさせることで利用可能となる。会計は通常のレジとは異なるダッシュカート専用レーンを通ることで顧客のアマゾン・アカウントに自動的にチャージされる。
決済直後にeレシートが顧客のスマートフォンに届くことになる。ダッシュカートはフルサイズ・ショッピングカートではなく、大きめの買い物かごを載せた小型サイズのショッピングカートとなっている。そのため二袋程度で買い物する利用者を対象にしている。
アマゾンフレッシュでは店内にキオスク端末としてスマート・スピーカーの「アマゾン・エコー・ショー(Alexa Echo Show)」を設置している。顧客が売り場を探す時に音声でアレクサに尋ねることが可能となっているのだ。
アマゾンフレッシュは単にスーパーというだけでなくシームレスなオムニチャネル化も実現している。
アマゾンで注文した書籍やCD、オモチャなどを店内の受付カウンター「カスタマー・サービス返品&受け取り(Customer Service Returns & Pickup)」やアマゾン・ロッカーで受け取れることで、スーパーで食品を購入するついでに注文品ピックアップもできるのだ。
カスタマーサービスでは返品コーナーも兼ねており、返品ではダンボールに梱包されていなくても受付カウンターで梱包してもらえるという。
買い物客には見えないもののアマゾンフレッシュにはもう一つ大きな特徴がある。アマゾンフレッシュのバックヤードには小型ロボット物流のマイクロ・フルフィルメントセンター(Micro-Fulfillment Center:MFC)が導入されているのだ。
カーブサイド・ピックアップや宅配に対応するMFCはスーパーマーケット店内もしくは店に併設する形で設置され、一般的な広さは1万平方フィート(約300坪)前後となる。MFCは1.5万〜1.8万アイテムを扱い、60アイテムの注文ではピッキングから袋詰めまで5分程度だ。
アマゾンフレッシュのMFCは7,200平方フィート(200坪)。周辺温度と同じMFCとなり、店舗面積となる33,574平方フィート(約940坪)の20%程度の広さとなる。
これまでメディアが報じたところによるとMFC開発のデマティク(Dematic)と提携したロボット物流となっている。
一方で青果や精肉などの生鮮品や乳製品、デリなどのプリペアドフードはスタッフにより売り場でのマニュアル・ピッキングになっている。比較的に一般的ではない商品もマニュアル・ピッキングとなり、限定的なMFC展開となっているのだ。
なおアマゾンフレッシュはロサンゼルス郊外ではアーバイン地区やノースリッジ地区、ノースハリウッド地区での出店が確定している。
またイリノイ州ではシカゴ郊外のシャンバーグ地区、ネイパービル地区、オークローン地区の3ヶ所、ニュージャージー州ではフェアウェイ・マーケットの跡地となるパラマス地区とウッドランドパーク地区の2ヶ所での出店が明らかになっている。
アマゾンフレッシュ(Amazon Fresh)のPR動画。アマゾンフレッシュは一般的な食品スーパーでありながら、オンラインとオフラインをシームレスに結ぶオムニチャネル化を実現したアマゾンの戦略的リアル店舗展開となる。








