2021年03月11日

【Amazon One】、手のひらペイ導入店が12店!入学したら先生がチンパンジーと同じ確率?

210311アマゾン・ワン00
■ネット通販最大手のアマゾンは9日、非接触の生体認証デバイス「アマゾン・ワン(Amazon One)」の取り扱い店舗を拡大した。

支払いオプションに手のひらとクレジットカードを紐付けた決済デバイスをアマゾンの店舗で拡大することで、利便性を高めながら生体認証の抵抗感を軽減していく。

アマゾン・ワンは手のひらをデバイスにかざすことで決済を終えるというもの。

アマゾンは昨年10月、シアトル市内にあるレジなしコンビニエンスストア「アマゾンゴー(Amazon Go)」1号店とアマゾンのメインキャンパスがあるサウス・レイク・ユニオンにあるアマゾンゴー3号店にアマゾン・ワンを導入。

その後、シアトル郊外のレドモンド地区にオープンしたレジなし食品スーパーの「アマゾンゴー・グローサリー(Amazon Go Grocery)」2号店に設置した。

またシアトル市内にあるショッピングセンターの「ユニバーシティ・ビレッジ(Univercity Village)」にある「アマゾン・ブックス(Amazon Books)」1号店とシアトル・タコマ国際空港近くにあるモール「ウエストフィールドサウスセンター(Westfield Southcenter)」の「アマゾン4スターストア(Amazon 4star Store)」にも支払いオプションとして採用。

今年2月にはシアトル市内にあるマディソン・ストリート沿いのアマゾン・ゴーなど、アマゾンゴー3店舗にも導入した。

今回はシアトル郊外のリンウッド地区のアルダーウッドモール(Alderwood Mall)の4スターにベルビュー地区にある「ベルビュー・スクエア(Bellevue Square)」のシアトル市内のサウス・レイク・ユニオン地区にある4スターとその隣に1年前にオープンしたばかりの「アマゾン・ポップアップ(Amazon Pop-up)」に設置される。

これによりアマゾン・ワンを導入した店舗は合計で12店舗となる。

 アマゾン・ワンの使い方は採用店の入り口やレジ付近に置かれている端末にクレジットカードや手のひらを登録して行う。登録は端末のタッチスクリーンにある「数秒でサインアップ(Sign Up in Seconds)」のボタン押して始める。

画面が切り替わり「クレジットカードもしくはデビットカードを挿入してください(Insert a credit or dibt card)」とあり「アマゾン・ワンをご利用の際にはこのカードで決済します」との説明に端末の下からカードを挿入する。

スクリーンに「最初の手のひらをかざしてください(Hover your first palm)」と表示され、カードを挿入したまま手のひらを端末にある円から3インチ(8センチ前後)離してかざす。手のひらを正しく読み込むため、スクリーンにあるサークルに合わせるように「もっと高く・低く離してください(higher/lower)」との指示だ。

読み込みが終わるとチェックマークに「ありがとうございました(Thanks)」とでる。次に「左手をかざしてください(Now, hover your left palm)」と表示され、左手のひらをかざす。その後は利用条件を尋ねる画面になりOKボタンを押す。

最後に携帯電話の番号を入力してサインアップは終了する。一連の手続き中はカードは挿入したままだ。

 生体認証の登録ではプライバシーも配慮しており、手続きの途中でも簡単に解約もできるように、どの画面にもキャンセルボタンが表示されているのも特徴だ。

登録後、アマゾンゴーではエントランスに設置されたアマゾン・ワン専用ゲートから入店できるのだ。アマゾン・ワンのゲートでは端末にあるサークルの上で手のひらをかざすとチャイム音でゲートが開くようになる。

スマートフォンを取り出しアプリを起動後、入店用のQRコードをゲートにかざす必要もなくなる。アマゾン・ワンは複数のセキュリティコントロールを行っており、手相等のイメージはそのまま保存しておらず暗号化してクラウド上で処理しているという。プライバシーに最大限配慮しているのだ。

 アマゾンはアマゾン・ワンの導入を徐々に拡大しながら、消費者の一部にある生体認証に対するアレルギー感を払拭する考えだ。

アマゾンは近い将来、アマゾン・ワンを傘下の食品スーパーであるホールフーズ・マーケットやアマゾン・フレッシュにも導入することになる。

またアマゾンがレジなし技術の「ジャスト・ウォークアウト(Just Walk Out)」の外販を行っているように、コンタクトフリーでストレスフリーなバイオメトリクス認証を小売店やスタジアム、企業などのサードパーティへの提供も視野にいれているのだ。
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。日本でも何年も前からアマゾン・ワンのようなイノベーションを先行している企業はあります。しかしアマゾンほど注目されません。「やっぱりGAFAが凄い」とか「DXに進んでいるアメリカは素晴らしい」ではありません。一方、日本人は自分たちを過小評価しているわけでもありません。理由はタイミングとマーケティング。イノベーションを世に出すタイミングは他社より早ければ良いというものではありません。新しいモノに対しては一般的に人は最初、拒否反応を示します。進みすぎたイノベーションは人を驚かせることが可能でも浸透はしません。またマーケティングも認証精度などの技術力や性能、スペックより、消費者のニーズにあったメリットを強調しなければなりません。「いいモノを作れば売れる」という寡黙な職人にありがちな提供側のご都合ではダメなんですね。すごい技術だけど全く伝わらない、いわゆるコミュ障イノベーション。こういった点から、イノベーションのわかりやすさも重要なんです。
 
⇒さらにいえばフックがあるような理解のしやすさです。フックとは心に引っかかるような絵として心に残るパワーワードを使うことです。技術系企業がプレスリリース等でイノベーションを発表する際(冗談ではなく)芸人さんから「わかりやすさ」についてアドバイスを聞くべきだと思います。なぜ芸人さんをリスペクトするかというと、物事を抽象化し、さらに具体化に落とし込む際、喩え方が凄まじく上手いからです。しかもそこに笑えるというフックがあります。例えば手のひら認証技術について言えば「認証精度で他人と間違える可能性が0.0003%」との具体例なら一旦、それを「ありえない確率」のなにかに抽象化します。で、あるあるのような笑えるネタ、つまり具体化にします。「絶対にあり得ない」あるあるネタで一周回って面白いのはコウメ太夫さんでしょうか。「偏差値の低い学校に入学したら、先生がチンパンジーでした」と世の中に存在し得ない具体的な事例?を出せば分かりやすいでしょう。
 「生体認証で他人と間違える確率は、入学したら先生がチンパンジーと同じ確率です。チクショー!!!」と。