2021年11月28日

【Amazon Fresh】、ジャスト・ウォークアウト導入は失敗?レジ間違いなど問題点アップ!

211128アマゾン・フレッシュ@セリトス00
■ネット通販最大手のアマゾンは18日、ロサンゼルス郊外に全米で22店舗目となる食品スーパー「アマゾン・フレッシュ(Amazon Fresh)」をオープンした。

ロサンゼルスでは9店舗目となるアマゾン・フレッシュ・セリトス店はキャッシャーフリー「ジャスト・ウォークアウト(Just Walk Out)」にフルサービスレジを併せ持つハイブリッド型だ。

ジャスト・ウォークアウトは、南カリフォルニアで初となる店舗。

またジャスト・ウォークアウトを導入したアマゾン・フレッシュでは、39,000平方フィート(約1,100坪)のセリトス店が最大となる。

シカゴ郊外に今月4日と11日にそれぞれオープンした35,000平方フィート(約980坪)をもつウエストモント店とモートングローブ店よりも広くなるのだ。

ハイブリッド型のアマゾン・フレッシュでは、売り場へのエントランスゲートが2種類ある。フルサービスのレジを通って従来どおりの買い物を行う「トラディショナル・ショッピング(Traditional Shoppingu)」用と「スキャンして入店(Scan to Enter)」と掲げられたジャスト・ウォークアウト用だ。

トラディショナル・ショッピング用ゲートではそのまま入店できる一方、ジャスト・ウォークアウト用ゲートではアプリにクレジットカード(デビットカード)、手のひらで入店することになる。

アプリはアマゾン・ゴーの入店と同様にアマゾン・アプリから利用者アカウントと紐付いたQRコードを表示させ、スキャンして入店する。

クレジットカード入店はゲートでカード挿入して入店。生体認証デバイス「アマゾン・ワン(Amazon One)」による入店は、事前にクレジットカードと手のひらを登録しておくことで、入店用QRコードの代わりに手のひらでゲートがオープンするのだ。

買い物が終わるとレジを通らず専用ゲートから出るのだが、その時も入店時と同じ種類のアプリ、手のひら、カードを使って売り場をでることになる。

 セリトス店がオープンした18日、筆者は手のひらを使って買い物を行った。

他の食品スーパーで買い物を行うように肉や野菜などの生鮮品を含め22品目(個数では29個)を購入した。10ドル引きのクーポンを使い、支払った合計金額は52.33ドル。

オープン時の賑わいでフルサービスのレジでは長い行列ができていたが、ジャスト・ウォークアウトによりレジ待ちせずストレスなく買い物ができた。破壊的といっていいほどの買い物体験だ。

人手不足の折、レジ係りに頼らない技術を食品スーパーに導入できるのもアマゾンにとっては大きな強みとなる。

しかし問題もあった。

ジャスト・ウォークアウトでは天井に設置したカメラの画像解析技術と人工知能(AI)を組み合わせ、お客を「カート」にして動きをフォローする。

お客が商品を手に取りショッピングカートに入れるとネットショッピングと同様にカートに商品が入った状態になる。

カメラだけでなく商品棚にある重量センサーも使って、手にとった商品の個数まで割り出すのだ。

なぜだかわからないがバナナ3本を手にとってカートに入れたのにも関わらず、AIはバナナ3房(2ポンド袋を3つで合計で2.7キログラム!)と計算していた。

45セント(3本x15セント)のところが、7ドルも課金されていたのだ。

後ほど自分のアカウントからリファンド申請したが、満足のいく買い物ではなかった。通常の食品スーパーでは、レジの打ち間違いなどほとんどないからだ。

 AIがミスをするという、めったにないことに遭遇したことも否定できないため、もう一度、アマゾン・フレッシュ・セリトス店で買い物を行ってみた。

今回も一般的な食品スーパーでの買い物となる生鮮品を含む16品目だ。

結果を先に言えば、残念ながら今回も間違いがあった。ネギを二束購入したにもかかわらず、一束しか入っていなかった。

1度に二束手にするようなトリッキーな取り方をしていなかったが、重量センサーも働いておらずコンピュータービジョンはミスしたのだ。

エラーばかりか、前回の買い物時で貰った10ドルクーポンを使ったのだが、こちらも値引きが反映されていなかった。

Eメールに送られてくるレシートも前回と同様、退店後から4時間以上遅れての着信となった。自分のアカウントに履歴が載るのも、退店から2時間以上を必要としていた。

また金曜日の午前中というお客の少ない時間帯だったが、他のアマゾン・フレッシュのように一部に欠品も目立ち始めていた。

 ジャスト・ウォークアウトを導入したハイブリッド型アマゾン・フレッシュは今後も続々とオープンする計画となっている。

しかし品揃えも貧弱な上に、すぐにレシートを確認できず、正確な計算や決済もできないような食品スーパーには未来がない。

抜本的な対策を講じない限り、アマゾン・フレッシュは赤字を垂れ流すことになる。

 今日は26日に行った買い物で、アマゾン・フレッシュで問題点となった画像をいくつかアップする。

トップ画像:先週オープンしたばかりのアマゾン・フレッシュ・セリトス店。ジャスト・ウォークアウトを導入したアマゾン・フレッシュでは、39,000平方フィート(約1,100坪)のセリトス店が最大となる。
211128アマゾン・フレッシュ@セリトス01
ジャスト・ウォークアウト用ゲートではアプリにクレジットカード(デビットカード)、手のひらで入店することになる。今回はカード入店だ。カード入店はゲートの端末の下からクレジットカードを挿入して入店する。

211128アマゾン・フレッシュ@セリトス02
ネットスーパー用にピックアップされたようでキャベツが1つしか残っていない。金曜日の午前中というお客の少ない時間帯だったが、他のアマゾン・フレッシュのように一部に欠品も目立ち始めていたのだ。

211128アマゾン・フレッシュ@セリトス03
今回も一部の青果物でトリッキーな掴み方をしてカートに入れてみた。画像にある玉ねぎは問題なく、正確に個数を割り出していた。一方、普通に取ったネギでAIがエラーを起こしていた。

211128アマゾン・フレッシュ@セリトス04
対面の精肉コーナーでも買い物を行った。ブッチャーが肉をピックアップし梱包後に質量と価格を掲載したステッカーを貼る。バーコードでスキャン後、それを受け取るとAIが買い物したと判断する。ブッチャーのマスクに注目。上唇と鼻がマスクから出ている。

211128アマゾン・フレッシュ@セリトス05

211128アマゾン・フレッシュ@セリトス06
アルコール売り場には、年齢確認のためスタッフが常駐する。売り場も一方通行で逆方向からは入れないようにゲートでふさがっている。ジャスト・ウォークアウトでないお客も迂回しなければならないのだ。

211128アマゾン・フレッシュ@セリトス07
とても気になったのは店内で販売されていたタブレットなどの製品。買い物をした26日(金曜日)はブラックフライデーであり、セールでエコーショー5が44.99ドル、エコーショー8が59.99ドルと安くなっているのだが、電子棚札の価格が全く反映されていない。ダイナミックプライシングに合わせてアマゾンのリアル店舗は電子棚札を採用しているのだが、これでは意味がない。どうなっているのだ?

211128アマゾン・フレッシュ@セリトス07a
買い物が終わるとレジを通らず専用ゲートから出るのだが、その時も入店時と同じ種類のアプリ、手のひら、カードを使って売り場をでることになる。入店した時と同じカードを挿入するとゲートが開いた。

211128アマゾン・フレッシュ@セリトス08

211128アマゾン・フレッシュ@セリトス09

211128アマゾン・フレッシュ@セリトス10
ジャスト・ウォークアウトは無人店・省人店とは決して言えない。出口ゲート(2人)にも入り口ゲート(2人)にもアマゾン・ワンの手のひら登録端末にも(一人)、アシスタント用にスタッフが常駐する。いつまでアシストが必要となるのだろうか?アルコール売り場に常駐するスタッフも考えれば「ジャスト・ウォークアウトが人件費を削減する」とはとても言えないのだ。

211128アマゾン・フレッシュ@セリトス11
出口ゲートでカードを挿入する前に25ドル以上の買い物で10ドル引きとなるクーポンをスキャンした。数時間後に判明したレシートを確認すると、10ドルの値引きは反映されていなかった。駄目だこりゃ!

211128レシート@アマゾン・フレッシュ01
211128レシート@アマゾン・フレッシュ02
アマゾン・アカウントにあるレシート。最下部にあるネギは2束購入したが、1束となっている。また10ドル引きのクーポンが反映されていない(合計金額は43.28ドル)。前回購入した際のレシートでは、各商品の価格の下に値引き額に「適用割引(promotion applied)」と表示されていた。

2021年11月19日 - 【Amazon Fresh】、22店舗目はLA郊外!ハイブリッド型の画像を30枚アップロード!!!

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。アマゾン・フレッシュ・セリトス店で買い物するとシニカルな気持ちになります。ジャスト・ウォークアウトでの買い物でダメな部分が見つかってくるからです。今回もネギの数量にミスがありました。二束買ったのに一束だけの会計でした。店内ではブッチャー(精肉コーナーのスタッフ)が、マスクをちゃんと着用していませんでした。店内で販売されている製品の電子棚札がブラックフライデーセールの価格に全く反映していませんでした。欠品や品薄、そしてレシートの遅延問題と、客離れが起きる要素ダラケです。リサーチが目的で買い物を続けていますが、お客の立場なら二度と来ません。レジ打ち間違いが頻発する食品スーパーにお客は来ません。仮に自分が得する間違いであっても、リスクも大きくなり安心して買い物などできません。買い物を終えてから数時間後でないとレシートも確認できないため、少なくともジャスト・ウォークアウトは利用しません。今の状態ではジャスト・ウォークアウトのアマゾン・フレッシュは失敗します。
 アマゾンの凄いところは、こういった失敗を乗り越えることです。抜本的な対策が取れるよう、スーパーマーケット業界から敏腕店長などヘッドハントする必要があると思います。