
■チェーンストア最大手のウォルマートが仮想通貨やNFTコンテンツなどメタバースを秘密裏に構想していることが同社の商標出願によって明らかになった。
仮想グッズ等を取り扱いながら、ウェルネスや金融までサービスを仮想空間にも広げ、ウォルマート独自のエコシステムを拡大する。
ブルームバーグ等の報道によると、ウォルマートは昨年12月30日に特許商標庁に複数の商標を出願しており、エレクトロニクスや室内装飾品、玩具、スポーツ用品、パーソナルケア商品などのデジタル商品の生成から販売を計画しているのだ。
商標出願とは別にウォルマートは「バース・ツー・ホーム(Verse to Home)」「バース・ツー・カーブ(Verse to Curb)」「バース・ツー・ストア(Verse to Store)」といったトレードマーク等も出願しているとも報じられている。
CNBCのメディアは「ウォルマートは独自の仮想通貨とNFTコンテンツの販売を計画している」と指摘しているのだ。
一方、ウォルマートはこういった報道に対して「未来の買い物体験を新興技術がどのように形作るかを私達は継続的に調査しています」とし「私達は常に新しいアイデアをテストしており、一部のアイデアは顧客が利用できる商品やサービスになります」と述べている。
実際、ウォルマートは小売り以外の事業を拡大している。
昨年11月16日に発表した第3四半期(8月〜10月期)決算で、CEOのダグ・マクミラン氏は「私達はWalmart GoLocalやWalmart Connect、Walmart Luminate、Walmart+、Spark Delivery、Marketplace、Walmart Fulfillment Servicesなどの事業を立ち上げている」と語った。
「ゴーローカル(Walmart GoLocal)」は、スパーク・デリバリーを使い他の小売店に提供するラスト・ワン・マイル宅配事業だ。ゴーローカルは昨年9月にローンチしたばかりだが、翌月にはホームデポが最初の大口顧客となっている。
ホームデポの受注システムとウォルマートの配送システムをAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)で連携させ、ネット注文品をホームデポの店舗から当日もしくは翌日に宅配する「ボドフス(BODFS:Buy Online Delivery From Store)」に利用されるのだ。
「マーケットプレイス(Marketplace)」はアマゾンのマーケットプレイスのようにウォルマートのサイトでサードパーティとなる業者が新商品もしくは中古品を出品販売することだ。
出品者となる売り手と買い手を結びつけるマーケットプレイスをウォルマートは2009年から拡大し、現在までに1億6,000万点以上の商品を扱っている。
マーケットプレイスに出品する業者を対象に注文を処理し、返品を管理し、出品者に代わってカスタマーサービスまで手掛けるのが「ウォルマート・フルフィルメント・サービス(Walmart Fulfillment Services)」となる。
ウォルマートの効率的なロジスティクス機能をリーズナブルなコストで利用でき、迅速に出荷できるようになるのが最大の魅力となる。
「スパーク・デリバリー(Spark Delivery)」は、クラウドソーシングをベースにしたネットスーパーの宅配を手掛けるサービスだ。
スパーク・デリバリーは、特定多数の人に業務を委託する雇用形態「クラウドソーシング(crowdsourcing)」で宅配ドライバーを募り、採用されたドライバーは自分の車を使って、都合に応じて勤務時間をリクエストしてウォルマートの宅配業務にあたることになる。
ウォルマートのネットスーパー宅配でギグワーカーとなる配達システムであり、ゴーローカルのドライバーにもなるのだ。
特定のカテゴリーや商品に関して小売店やメーカー等が実用的な知見を得るためのデータ分析サービスが「ウォルマート・ルミネート(Walmart Luminate)」となる。
ネットとリアルの週客数が1.5億人にも達することで、売上・客数・販促などのデータ解析を様々なメーカーやサプライヤーに提供できるのだ。
それにサブスクリプションサービスの「ウォルマート・プラス(Walmart+)」と広告事業の「ウォルマート・コネクト(Walmart Connect)」はすでに急拡大している事業となっている。
仮想通貨やNFTコンテンツなどのメタバースまで拡大するエコシステム構想は不明だがウォルマートは多店舗展開による成長戦略をすでに過去のものとしているのだ。
トップ画像:ウォルマートのマネーセンター。近い将来、ウォルマートの金融サービスでも仮想通貨でウォルマートコイン(仮)を取り扱うのだろうか?