2022年03月04日

【アマゾン】、書店に4スター全店スクラップ!アマゾン・フレッシュに経営資源を集中?

220304アマゾン4スター@ロングビーチ
■ネット通販最大手のアマゾンは3日、リアル店舗の「アマゾン・ブックス(Amazon Books)」「アマゾン4スター(Amazon 4-Star)」「アマゾン・ポップアップ(Amazon Pop-up)」の全店をスクラップすることを発表した。

アマゾンはリアル店舗展開の方針を見直し、ロンドンに昨年末にオープンしたばかりの2店舗を含め68店を閉鎖する。

2015年に1号店をオープンした書籍専門店のアマゾン・ブックスは12州とワシントンDCに24店舗を展開。

カスタマーレビューで評価が星4つ以上の商品を中心にそろえたアマゾン4スターは2018年に1号店をオープン以来、現在までに17州に33店舗を展開している。

4スターは3月3日現在、ニューヨーク州シラキュース地区のデスティニーUSAのモールなど16ヶ所で「間もなくオープン(Coming Soon)」と表示している。

またモールの通路など小スペースでアマゾン製品を展示販売するアマゾン・ポップアップは7州とワシントンDCに9ヶ所出店しているのだ。

イギリス・ロンドンでは昨年10月、ショッピングモールの「ブルーウォーター(Bluewater)」に4スターがオープンし、翌月にはロンドン西部のホワイトシティにある「ウエストフィールド・ロンドン(Westfield London)」にも4スターが出店したばかりだ。

一方、レジなし決済システム「ジャスト・ウォークアウト(Just Walk Out:JWO)」を導入したコンビニエンスストアの「アマゾン・ゴー(Amazon Go)」やアマゾンが自社開発したスーパーマーケット「アマゾン・フレッシュ(Amazon Fresh)」、買収したホールフーズ・マーケットの展開には変更はない。

アマゾン・ゴーはシアトルに臨時休業の1店舗を含む7店舗、シカゴに5店舗、サンフランシスコに4店舗、ニューヨークではスターバックスとコラボし昨年末にオープンした店舗を含め8店舗(1店舗は臨時休業)と全24店舗となっている。

アマゾンゴーは昨年初め、4店舗をスクラップしている。

アマゾンは今年1月、通常の3倍以上の広さとなる6,150平方フィート(約170坪)の郊外型アマゾンゴーをオープンすると発表した。

シアトル市内から車で30分程度の距離にあるミルクリーク地区にまもなく開店する予定であり、ロサンゼルス郊外にも出店する計画だ。

アマゾン・フレッシュはカリフォルニア州を含め6州とワシントンDCに24店舗を展開している。

シアトル郊外に昨年6月にオープンしたアマゾン・フレッシュ・ファクトリア店(14店舗目)以降、多くはジャスト・ウォークアウトを導入したハイブリッド型アマゾン・フレッシュでの出店となっている。

アマゾン・フレッシュはロサンゼルス郊外に出店予定となる6店舗を含め、中西部や東部など20ヶ所以上の出店が計画されており、その多くは建物が完成している。

ハイブリッド店は先月23日にオープンしたばかりのホールフーズ・マーケットにも応用さている。ワシントンDCグローバー・パーク地区のホールフーズではジャスト・ウォークアウトに現金支払い用にセルフ・チェックアウトレジを併用した店舗だ。

アマゾンはジャスト・ウォークアウトを導入したホールフーズをロサンゼルス郊外のシャーマン・オークス地区にもオープンする。

アマゾンの新業態店でいえばロサンゼルス近郊にあるライルスタイルセンター「アメリカナ・アット・ブランド(Americana at Brand)」に出店を予定しているアパレル専門店の「アマゾン・スタイル(Amazon Style)」がある。

約3万平方フィート(840坪)の売り場にはサンプルのみを展示し、40以上の試着室をもつ戦略店舗だ。

まだ全容は明らかではないが、アマゾンの最先端技術を導入したDX店になると指摘されている。

 アマゾンはブックストアに4スターストア、ポップアップを閉鎖するもののリアル店舗展開での資源をピックアップ・返品拠点になるアマゾン・フレッシュなどに集中することになる。

言い換えればアマゾンはベンチャー企業がそうするように店舗展開にも執着せず、「方向転換」「路線変更」を意味するピボット(pivot)を行っていることになる。

アマゾンは単にスピードだけでなく、アジリティとなる俊敏さや瞬発力にも強みがあるからこそできることなのだ。

トップ画像:ロサンゼルス郊外ロングビーチに2020年8月にオープンしたアマゾン4スター。カスタマーレビューで評価が星4つ以上の商品を中心にそろえたアマゾン4スターは非接触の生体認証デバイス「アマゾン・ワン(Amazon One)」も導入済みだ。
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。結局のところアマゾンはアマゾン・フレッシュに注力したのです。アマゾン・フレッシュは宅配やカーブサイド・ピックアップのネットスーパーも行っている他、ネット注文品を受け取れるロッカーもカスタマーサービスに設置しています。アマゾンフレッシュは単にスーパーというだけでなくシームレスなオムニチャネル化も実現しておりアマゾン・エコシステムには重要な役割を担っています。特にピックアップ返品拠点としての役割は大きい。アメリカの宅配は置き配が一般的ですが、玄関に置かれた配達物の盗難が大きな問題となっています。宅配泥棒のポーチパイレーツを防ぐ、最も手っ取り早い施策は利用者宅以外にピックアップ拠点を増やすことです。食品スーパーで宅配物を受け取れるなら生鮮品など毎日の買い物の「次いで」にできます。十分にバックスペースもあるのでお取り置き期間もロッカーに比べて断然長いですね。アマゾン・フレッシュでは返品もかんたんです。一方、閉鎖となる書店や4スターはそういったスペースが小さすぎました。
 ブックストアに4スター、ポップアップ全店のスクラップはなんだか「もったいない」気もしますが、アマゾンは破壊的イノベーションの店舗を展開したいのです。