
■ローンチしたばかりの超速宅配が営業を停止し破綻、再びロシアリスクを晒した。ニューヨーク・ブルックリンで2年前から営業を開始したフリッジ・ノー・モアが10日、突然営業を止め破綻した。
ウルトラファスト・デリバリーの超速宅配は日用品や食品など1,500〜5,000アイテムをもつダークストアから配達員が電動自転車などを使い、10〜15分という超スピードで宅配するサービスだ。
ニューヨーク・マンハッタンではここ1年でゲッター(Getir)、ゴーパフ(Gopuff)、ゴリラス(Gorillas)、ジョーカー(Jokr)などのスタートアップが誕生。
2020年10月からローンチしたフリッジ・ノー・モアは超速宅配では最も古い企業となる。
フリッジ・ノー・モアの専用アプリのトップページは現在、「申し訳ありませんが、追って通知があるまで一時的に閉鎖します(SORRY WE’RE TEMPORARILY CLOSED UNTIL FURTHER NOTICE)」と注文ができない状態となっている。
フリッジ・ノー・モアは前日の夕方、ニューヨークとボストンで働いていた600人をレイオフした。
ニューヨーク・ポスト紙によると内部からの情報として、フリッジ・ノー・モアの破綻理由を「ロシアリスク」とあげている。
今年1月からフードデリバリー大手のドアダッシュとフリッジ・ノー・モアは売却に向けて交渉が進められていたのだ。
最近まで資金提供も受けていたのだが今週に入り、ドアダッシュが今急に交渉をキャンセルし資金提供もやめてしまったという。
ウォール・ストリート・ジャーナル紙は昨年末、フリッジ・ノー・モアは創業から10ヶ月間で顧客一人当たり78ドルの赤字となっていることを報じた。
この問題についてドアダッシュはフリッジ・ノー・モアの幹部と協議を続けていたという。
内部関係者によるとコスト高以上に問題になったのはロシアリスクだったようだ。
フリッジ・ノー・モアはアメリカで創業されたのだが、二人の創業者がロシア出身の移民なのだ。
また当初から主にアルターキャピタル(Altair Capital)という投資ファンドから資金提供を受けていたのだが、こちらも創業者はロシア人だ。
ドアダッシュではフリッジ・ノー・モアを買収することにより、自社ブランドの毀損につながると見たのだ。
今週初めには超速宅配のスタートアップであるバイク(Buyk)もロシアリスクで営業を停止した。
ニューヨーク市内に昨年8月にローンチしたバイクは、ロシア出身のスタートアップだ。
ニューヨークとシカゴの配達スタッフ650人を先週末、一時解雇にした。バイクの事業停止は対ロシア経済制裁によりロシアからの資金の流れが止まったからだ。
バイクと先月、提携を発表したばかりのフードデリバリー大手のグラブハブは出前ロボでもロシアリスクの影響をモロに受けている。
グラブハブは3日、ロシアのネット大手ヤンデックスとの提携を終了することを発表した。
グラブハブは昨年8月からオハイオ州立大学のキャンパス内でヤンデックス自動運転部門「ヤンデックスSDG(Yandex Self-Driving Group)」が開発した自動運転ロボットによる出前サービスを開始。
6万人が通うキャンパスに続いて11月には自動運転ロボット「ローバー(Rover)」を使い、生徒など約4.5万人が通うアリゾナ大学のキャンパスでも同様なサービスを始めていた。
グラブハブも金融制裁やPRダメージによるロシアリスクを考慮し提携をキャンセルしたのだ。
2度あることは3度もあったわけだが、ロシアリスクによる影響はスタートアップ界隈でまだまだ進行しそうだ。