2024年02月11日

【バーンズ&ノーブル】、マンガで復活した書店チェーンが今年50店舗を新規にオープン!

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■書店チェーン最大手のバーンズ&ノーブルは今年、目標として新規に50店舗をオープンする。昨年は30店舗の新規出店を果たしており、アマゾンの隆盛やスマホの浸透で売上が落ち込んでいた書店チェーンが本格的にカムバックしているのだ。

パブリッシャーズ・ウィークリーによるとバーンズ&ノーブルは昨年、新規に30店をオープンするも不採算店などの閉鎖で10店舗ほど増加し609店舗となった。

今年はシカゴ市内に5店舗を増やすなど、過去15年で最大となる50店舗を目標に新規出店する。出店先の一部には使われなくなった銀行にオープンするも2022年に閉鎖したウォルグリーンの跡地に昨年破綻し精算したベッドバス&ビヨンドの跡地も含まれている。

バーンズ&ノーブルが復活した大きな要因にはコロナがある。新型コロナウイルス感染拡大により、異常な人気を獲得したのが実は日本のマンガなのだ。

米国のポップカルチャービジネス情報誌ICv2の調査によると漫画の印刷物とデジタルの売上は2022年、前年から9%も増加した。

凄いのが前年の売上だ。2021年はコロナの巣ごもりにより読書ブームもありマンガ売上は134%と2倍にも膨れ上がったのだ。

2020年も前年に比べて30%も増加しており、不要不急の外出を終日禁止する命令が出されたロックダウン下で漫画人気を不動にしたのだ。

なぜ漫画の需要が爆発したのか?

ネットフリックスやアマゾンなどの動画配信サービスでアニメの配信数を増やしたことが挙げられる。とくに日本のマンガをアニメ化した作品だ。

外出禁止で自宅に閉じ込められたティーンエイジャーなどの子どもたちが「東京喰種 トーキョーグール」「進撃の巨人」「僕のヒーローアカデミア」、そして「鬼滅の刃」などのアニメに夢中になった。そのうち多くの若い視聴者がアニメの原作の多くがマンガであることに気づいた。

外出について緩やかになると子どもたちはマンガを買いに走った。

マンガはアメリカンコミックと異なり白黒であり、ほとんどが質の劣る紙に印刷されている。つまりコストがかかっていないため、子どもたちのお小遣いで買えるほど安いのだ。

100ページ前後のアメコミに対してマンガは160〜180ページ以上と読み応えもある。たいがいのマンガは何十巻とシリーズ化されているため、次のストーリーも読みたい、マンガにハマってしまった子供たちは同じタイトルを継続して購入し続けることになる。

バッドマンやスパイダーマンなどのスーパーヒーローが登場するアメコミとは異なり、様々なキャラクターによって彩られている日本のマンガでは共感しやすいお気に入りのキャラクターも見つかる。マイナーなキャラクターを追いかけていると結果、さらにたくさんのマンガを買うことになるのだ。

 日本のマンガは毎週発売のペースにたいしてアメコミは毎月というペースでスピードが遅いということもある。

一方でアメコミのコンテンツのペースはマンガよりも速く簡潔だ。たとえば2人のキャラクター間の対決はコミック1巻で決着する。しかしマンガでは対決が終わるまでに2巻以上もまたがることもあり、連続して購入してしまう機会を与えるのだ。

 子供たちが買い手になるためデジタルより紙の本が売れる。学校帰りや週末に本屋に行き、立ち読みして本を買うのだ。2022年4月にすべてのブックストアを閉店したアマゾンに真似ができない。

マンガをデジタル等、キンドルで売ろうにもそもそもデバイスを持っていない上にデジタル上で読むのにマンガは適していない。紙のほうが読みやすいのだ。

SNSで子どもたちが好きなマンガにキャラクターまでシェアするから裾野も広がる。

 マンガが異常に売れたことと、2019年からバーンズ&ノーブルCEOとなったジェームズ・ダント氏の戦略がピッタリとハマったことも幸いした。

ダント氏は画一的だった品揃えのチェーンストア経営からユニークな品揃えとなる独立系書店の運営方式に切り替えたのだ。さらにダント氏は大手出版社から販促費等の宣伝費をもらわないことを信条にした。

協賛金などを受け取ってしまうと、買い手となる読者の好みとは別に最も目立つ売り場に大手出版社からの本が積み上がってしまう。読者が読みたい本とは異なった、本の売り場展開になってしまう。

でダント氏は1店舗目の書店をオープンした時のように、品揃えを書店員に任せたのだ。書店員もやる気になり、地域で人気になっていたマンガの品揃えを大幅に増やすことになった。

子どもという、文字通りの新顧客がバーンズ&ノーブルに来るようになった。

興味深いのはバーンズ&ノーブルが新規にオープンする多くが小型店ということだ。各店舗の書店員が品揃えをユニークしやすいということもあり、マンガを買いに来る子どもたちを意識していることも小型化の要因だ。

またバーンズ&ノーブルとマンガは相性がよい。なぜならアメコミの熱心なファンはバーンズ&ノーブルより「オタク」的なコミックショップで買い物している。

言い換えればバーンズ&ノーブルにとってアメコミはニッチ過ぎて扱えなかったジャンルでもある。それに比べてマンガはより広い層をターゲットにでき、小説を買いに来た両親に釣れられたマンガ初見の子供も気楽に手に取れる。

 さてアメリカで大人気のマンガだが一体、何がよく読まれているのだろうか?

サーカナ・ブックスキャン売上高データ(Circana BookScan Sales Reports)によるとナンバーワンは「デーモンスレイヤー(Demon Slayer)」こと「鬼滅の刃」だ。

2位はチェンソーマン(Chainsaw Man)。3位はスパイxファミリー(SPY x FAMILY)、4位は呪術廻戦、5位はベルセレク・デラックス(Berserk Delux)でここまでそれぞれの1巻目となる。

6位は呪術廻戦の0巻、7位はチェンソーマン12、8位はスパイxファミリー9巻、9位は僕のヒーローアカデミアの1巻、10位はスパイxファミリー2巻となっている。
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。もう全店閉鎖されましたが、アマゾン・ブックストアで気に入っていたセクションがあります。一般的なセクションはジャンル別や著者別、出版社別がありします。アマゾン・ブックストアで極めてユニークなジャンルとなっていたのはページ・ターナー(Page Turner)です。アマゾンには電子書籍のキンドルがありますが、キンドルを使って、本の読書データを採っているようです。データには1冊分を読み終えるまでのスピードも含まれています。つまり特定の書籍において読者がその本を読み始めてから読み終わるまでの時間や日数の平均をだしているようなのです。で、読了するまでの時間が短い小説をページ・ターナーとしてセクションを組んでいたのです。言い換えれば読み始めたら内容が面白くてページをめくることをやめられないというもの。ページ・ターナーは時間を忘れて読書に没頭できる書籍ですね。最近読んだ中では「バッタを倒しにアフリカへ」と500ページ以上にもかかわらず1日で読了した「エデュケーション 大学は私の人生を変えた」がページ・ターナーでした。
 一方で内容のつまらなさから途中で読むのを止めてしまった本もあります。特にダメなのはコタツ作家・学者・記者によるコタツ本。他人が書いた記事などを総合評論し、こたつの上だけで完結できる内容の書籍です。どれとは言いませんが、手抜きは嫌ですね。