2024年02月14日

【ロボタクシー】、LAで無料ライドツアー!視察研修も無人タクシーを利用し現地集合?


■アルファベット傘下で自動運転技術を開発するウェイモ(Weymo)は昨年秋からロサンゼルスで自動運転による「無人タクシー」のテストツアーを行なっている。

先月19日にはカリフォルニア州公共事業委員会(California Public Utility Commission: CPUC)にロサンゼルス市内での営業許可の嘆願書を提出。

テキサス州オースチンにも事業エリアの拡大を予定しており、ロサンゼルスにも近いうちにロボタクシーが走り回ることになりそうだ。

ロボタクシーのテスト「ウェイモ・ワン・ツアー」はロサンゼルス市内をサンタモニカやセンチュリーシティなど6ツの区域に分けて、期間を決めてそれぞれで無料ライドを行うもの。

ウェイモ・ワン・ツアーは現在、最終地域となるロサンゼルス・ダウンタウン内で2月9日〜3月3日までとなる。

ロボタクシーの使い方はカンタンだ。配車アプリ「ウェイモ・ワン」を使ってライドシェアのウーバーのようにスマートフォンから専用アプリを起動して目的地を入力する。

ピックアップ時間と目的地の到着時間、さらに料金が表示されるので後はライド・リクエスト・ボタンをタップして決済を終了するだけだ(ウェイモ・ワン・ツアーでは無料)。

日本のタクシーと違いアメリカの場合、タクシーのドアを乗客が手動で開くことになる。ウーバー等の場合では、ドアを開けると運転手が乗車する側の名前を確認してくる。

一方、ロボタクシーでは停まった際に他人が勝手にドアを開けて乗り込んでしまう可能性がある。そのため、乗客がアプリを使って後部座席のドアをアンロックする仕様になっている。

ただ到着後5分以内(停車後にカウントダウン開始)にアンロックしなければ乗客がいなかったと認識してどこかに去ってしまう仕様となっている。

乗客は目的地までのルーティングについてリクエストはできない。

ロボタクシーの料金はサンフランシスコ市内で1.3マイル(約2.1キロメートル)90セント(約130円)で1分間あたりだと40セント(約60円)となっている。それに基本料金として5ドルに加えて、1.5%のシティタックスがつくことになるのだ。

一般的にウーバーで10.41ドルに対して、クルーズのロボタクシーは8.72ドルになる。現在のところ利用料金には大きな差はないものの将来的にはITの進化や台数の増加等で大幅に値下げされるという。またロボタクシー競争も激化すればさらなる値下げが期待されるのだ。

 ロボタクシーの問題は料金ではない。

これまでの無人タクシーの実験走行により、一部が路上で突然停止して動かなくなり渋滞を引き起こしていたりする。

工事現場等の場所によっては救急車や消防車などの緊急車両をブロックするように停まってしまう事例も散見する。

昨年夏にはゼネラルモーターズ(GM)の子会社クルーズのロボタクシーがサンフランシスコで人身事故を起こし、州の陸運局から運行許可の取り消しにあっているのだ。

ロボタクシーに対する反発もあってか今月10日、サンフランシスコ市内のチャイナタウンでウェイモ車両1台が人々によって破壊され炎上という事件も起きているのだ。

ロボタクシーは全焼し残骸だけが残った。襲撃された様子はSNSで拡散。ウェイモによると幸いにも車内に乗客はおらず、けが人などは出なかった。

ウェイモは現地の治安当局と共に事故当時の状況について確認を進めており、サンフランシスコ警察も「火災原因を調べている」と明らかにしている。

 食品スーパーなど大手チェーンストアはロボタクシーに熱視線を送っている。

アメリカには高齢化する団塊世代のベビーブーマーがいる。戦後世代となる1946年〜1964年生まれで最も高い年齢は今年、78歳となる。

約7,300万人となるベビーブーマーは2030年、全員が65歳以上となり多くは80歳以上となるのだ。シニア層がいくら元気でも80歳ともなれば足腰が弱くなるばかりか、視力や判断力も衰え、自動車の運転は難しくなる。

国土の広いアメリカでは車は足代わりとなっているが、ベビーブーマーも年齢が上がってくると以前のように自由に車で動き回ることもできなくなる。

食品の買い物などの外出も車では難しい。宅配サービスは年々、拡充しているものの一部に不満も残る。年配者を中心に、お肉や野菜・果物など自分の目で見て選んで買い物したいというニーズがあるからだ。

将来的にはベビーブーマーが自分で運転する代りにロボタクシーを使ってスーパーに行くという選択肢ができることになる。スーパーマーケットチェーンも送迎まで提供できれば、客数が増やせることになる。

したがって高齢者やハンディキャップの人、さらには小さな子どもをもつ親に向けてロボタクシーによる「無料送迎付き」マーケティングも可能となる。

雨や雪が降らず天候が安定した地域にあるお店に限り、利用者も店から5マイル圏内(約8キロメートル)の住民に絞り、運行時間も平日の朝・昼と限定すれば、早くからロボタクシーの提供ができるかもしれない。

ネットスーパー注文で事前にかさばるものや質量のある商品をカーブサイド・ピックアップ用に注文しておく。ロボタクシーでネット注文品を取りに行った次いでに店内ではお肉や野菜・果物などの生鮮品を自分の目で選んで購入する。

買い物後はロボタクシーをカーブサイド・ピックアップに呼び、スタッフにネット注文品をロボタクシーのトランクへ詰め込んでもらい帰宅する。

ロボタクシーの送迎費用は購入金額により大手チェーンが無料提供することで近い将来、誰でも安心して買い物ができるようになるのだ。

 ロボタクシーにはまだ解決すべき問題もあるが、バスやタクシー、ライドシェアのつぐ選択肢となることは間違いなさそうだ。

トップ動画:ロボタクシー「ウェイモ・ワン・ツアー」のPR動画。ウェイモ・ワン・ツアーはロサンゼルス市内をサンタモニカやセンチュリーシティなど6ツの区域に分けて、期間を決めてそれぞれで無料ライドを行うもの。現在は最終地域となるロサンゼルス・ダウンタウン内で3月3日まで行なっている。
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。当社のワークショップ研修で参加者から「ご相談したいことがあります」と神妙な面持ちで話しかけられたことがありました。何事かと思ったら夕食後に参加者数名でウーバーを使いディズニーランドまで行き、モバイルチェックアウトでお土産などの買い物したいとのことでした。何も問題はないので無論、了承。配車アプリを使えば英語を話す必要もなく、地上で最も楽しい場所に行けるのです。ウーバー・アプリは運転手と乗客がお互いに評価するので、どちらも無礼・失礼な対応ができない仕組みになっています。参加者によると、安全に目的地まで行って、事前にダウンロードしたディズニーランド・アプリを使って行列に並ばずシームレスに買い物ができたとのことでした。ホテルに戻ってくる際もウーバー・アプリでストレスフリーだったとか。当社のセミナーでは参加者にストアアプリを体験してもらっています。便利さに簡単さで全員が感動します。で、研修の合間、参加者は自分たちの買い物もアプリを使って、となるのですね。
 ロボタクシーがロサンゼルス郊外にも営業するようになれば、視察研修もますます面白いものになりそう。例えば夕食もロボタクシー数台に分乗しレストラン集合です。研修中も集合時間に遅れた人はそのまま取り残され、ロボタクシーで追いかけてくるみたいな(笑)。