2017年11月19日

【HEB】、インストア・ミールキット!競争過多で店内で準備したピザ・ミールキット?

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■ミールキット宅配サービスのブルーエプロン・ホールディングスの株価は、公開価格から約70%下げ、3ドル台前半で推移している。ミールキットは、料理がすぐに調理できるよう、あらかじめレシピに合わせて必要な分量の食材や調味料のみがセットされたもの。食材を洗ったり皮をむいたり切ったりなど手間なく同封レシピに従って調理すれば20分で高級レストラン並みの食事を楽しめる。ミールキット宅配サービスでリーダーとなるブルーエプロンは2日、赤字幅が9倍近くにも拡大した第3四半期(7月〜9月期)決算を発表した。赤字幅拡大に顧客数が減少していることで同社の株価は公開価格の3分の1以下となっているのだ。顧客数の減少は、ミールキット市場の競争過多に起因している。特に最近、大手スーパーマーケット・チェーンのミールキット市場参入が相次ぎ、ミールキット宅配サービスの経営を圧迫しているのだ。スーパーマーケット最大手のクローガーは自社開発のミールキットの販売を拡大中だ。2,300店以上を展開するスーパーマーケットチェーンのアルバートソンズは9月、ミールキット宅配サービスのプレーテッド(Plated)を買収した。フロリダなどに1,200店近く展開するパブリクス・スーパーマーケットでは一部店舗で自社開発のミールキット「エプロンズ・ミールキット(Aprons Meal Kits)」の販売を行っている。ローカルスーパーもミールキット市場に参入している。
 テキサス州の地場スーパー、HEBもミールキットの店頭販売を行っている。約400店舗で販売されているのは、HEBが独自で開発した「HEBミール・シンプル(Meal Simple)」ミールキット。二人前ミールキットが14ドル〜16ドルまで8種類あり、4人前は18ドルのビーフシチュー(H‑E‑B Meal Simple Beef Stew Kit)のみとなる。HEBでは調理時間や料理の難しさによって「アルフレッドソースのチキン&ブロッコリーパスタ・キット(Chicken Alfredo with Broccoli Meal Kit)」などの「レベル1キット:初級(Level 1 Kit- MAKE IT EASY!)」と、「ピリ辛テリヤキ・サーモンと焼き飯(Chile Teriyaki Salmon with Stir Fried Rice Meal Kit)」などの「レベル2キット:中級(Level 2 Kit- STEP IT UP!)」に分けられている。HEBでは80店舗以上でカーブサイド・ピックアップも行なっており、ミールキットもネット注文が可能となっているのだ。HEBではミールキットをアップスケール型スーパーマーケットのセントラル・マーケット(Central Market)でも販売している。セントラル・マーケットで販売しているのは「HEBミール・シンプル」シリーズではなく、「ミール・イン・ミニッツ(Meals in Minutes)」となっている。ミールキットは箱ではなくプラスティックバッグに入っており、店内でミールキットを準備しているのだ。価格は2人前トマトサラダが6.99ドルや、4人前チキンヌードルスープ11.99ドルと割安な設定となっている。またデリのセクションには2人前のピザ・ミールキットまで販売しているのだ。ピザ生地ボールの入ったミールキットは9.99ドルで調理時間は25分〜30分。マルガリータ・ピザとペパロニ・ピザの2種類がある。
 店内でミールキットを準備するセントラル・マーケットのようなスーパーが増えれば、ミールキット宅配サービスはさらなる競争にさらされることになるのだ。

トップ画像:テキサス州で展開するローカル・スーパーマーケットのHEBのミールキット「ミールシンプル(Meal Simple)」。  続きを読む

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2017年11月15日

【スーパーマーケット】、卵1個がたった2円!全米一競争激しい地区は卵の価格で競う?

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■フロリダなどに1,100店以上を展開するパブリクス・スーパーマーケットは10月18日、バージニア州リッチモンド近郊のヘンライコ地区に新店をオープンした。リッチモンドでは6号店目となるパブリクス・ショートパンプ店はショート・パンプ・クロッシング・ショッピングセンター(Short Pump Crossing Shopping Center)にあり、ロイヤル・アホールド傘下のマーティンズ(Martin's)があったところだ。パブリクスがオープンしたことで、ショートパンプは全米で最も注目されているスーパーマーケット激戦地区になっている。5キロほどのブロード・ストリートに西からディスカウント・スーパーマーケットのアルディ(12390 W Broad St, Henrico, VA 23233)、全米でトップの人気を誇るウェグマンズ(12200 Wegmans Blvd., Henrico, VA 23233)、今年6月にアメリカに進出したドイツ資本のディスカウント・スーパーのリドル(12151 W Broad St, Henrico, VA 23233)、全米最大のスーパーマーケット・チェーンのクローガー(11895 W Broad St, Richmond, VA 23233)、パブリクス、ウォルマート・スーパーセンター(11400 W Broad St, Glen Allen, VA 23060)、トレーダージョーズ(11331 W Broad St, Glen Allen, VA 23060)、スチュー・レオナードの創業者の息子がオープンしたトム・レオナーズ・ファーマーズ・マーケット(Tom Leonard's Farmer's Market:4150 Tom Leonard Dr, Glen Allen, VA 23060)、そしてホールフーズ・マーケット(11173 W Broad St, Glen Allen, VA 23060)が並んでいる。ウォルマートに近接するターゲット(11290 W Broad St, Glen Allen, VA 23060)を含めると、ブロード・ストリート沿いの5キロ内に食をめぐって10店舗がひしめき合うように並んでいるのだ。
 特に注目されている戦いはウェグマンズとパブリクスだろう。常に人気トップを競う食品スーパーが、これだけの近距離で競うことは史上初となる。奇しくもウェグマンズの二代目で同社を大きく成長させたロバート・ウェグマン氏(1918〜2006)とパブリクスを創業したジョージ・ジェンキンス氏(1907〜1996)は親友だった。さらに注目されるのはアルディとリドルのディスカウント・スーパーマーケットにウォルマート・スーパーセンターを含めた価格戦争だ。実のところ、パブリクスのオープン前から価格戦争が始まっていた。コモディティ化しているタマゴは比較されやすいため、各店ともロスリーダーとして超がつくほどの低価格で訴求している。例えば、ラージ・サイズ(卵1個2オンス=56.7グラム)1ダースパックをクローガーが49セント、ウェグマンズは39セント、ウォルマート・スーパーセンターは38セントで販売しているのだ。ウォルマートでは卵36個(1パック18個を2パック)を1.08ドルで販売し、ウェグマンズでは36個を99セントという価格設定なのだ。卵1個辺り2.75セントという価格だ。驚くのはまだ早い。アルディとリドルでは卵1ダースを22セントという信じられない価格での販売だ。卵1個あたり2セント弱(約2円)の計算になる。
 日本では原価を著しく下回る価格で継続して販売していると独占禁止法の不当廉売にあたる可能性が高くなる。一方で、消費者を守る観点からアメリカでは競争におけるロスリーダーに関して独禁法での取り締まりは比較的緩いのだ。パブリクスが参戦したことでショートパンプ地区ではタマゴの価格をめぐる戦いはまだ続きそうだ。  続きを読む
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2017年11月12日

【スチュー・レオナード】、「お客様は常に正しい」という理由で当日宅配サービス開始!?

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■顧客志向の社訓「ルール1:お客様は常に正しい」「ルール2:もしお客様が正しくないと感じたらルール1に戻れ」で有名なローカルスーパーマーケットのスチュー・レオナードは1日、注文から最短1時間で届く当日宅配サービスを始めた。宅配サービス業者のインスタカートと提携した「スチュー・フレッシュ・デリバリー(Stew’s Fresh Delivery)」は1号店のコネチカット州ノーウォーク店からコネチカット州ダンバリー店、ニューヨーク州ヨンカーズ店、コネチカット州ニューイントン店、昨年1月にオープンしたロングアイランド・ファーミングデール店、今年8月オープンしたばかりのロングアイランド・イーストメドウ店の全6店から宅配される。利用者は各店舗から20分〜30分に住んでいる近隣住民36.5万世帯が対象となる。専用サイト(Stew’s Fresh Delivery@Instacart)もしくはインスタカートのアプリにジップコード(郵便番号)を入力することで利用可能かどうかがわかる。来年2月までに初回注文を行えば、手数料を無料にするキャンペーンを行っている。なおインスタカートの年会費は149ドル(もしくは月額14.99ドル)。注文ごとに宅配手数料を払う方法もあり、35ドル以上の注文ならば2時間の宅配が5.99ドルとなっている。インスタカートはホールフーズやコストコ、プライスライト、BJホールセールクラブ、ペトコ、ハリスティーターなど160以上のチェーンストアやローカルストアと提携している。最近では、フロリダなどに1,100店以上を展開するパブリクス・スーパーマーケットが6月、インスタカートと提携し2020年までに宅配サービスを全店で展開すると発表した。またアホールド傘下でマサチューセッツ州など5州に400店以上を展開するストップ&ショップも6月にインスタカートと提携したことを発表。ニューヨーク州など6州に93店舗を展開するウェグマンズもインスタカートと提携した宅配サービスを拡大している。8月にはディスカウントストアのアルディも宅配サービスの開始を発表している。
 スチュー・レオナードの社長でCEOのスチュー・レオナード・ジュニア氏は「私の祖父は100年前、ノーウォークで酪農場店のクローバー ファームズ(Norwalk's Clover Farms)から各家庭に牛乳を配達していました。父が1969年にスチューレオナードをオープンし、全6店舗で毎年、2,000万世帯以上のお客様を迎え入れています。そして今のお客様は宅配サービスに利便性を感じられていることで、スチュー・フレッシュ・デリバリーを始めました」と語っている。なおコネチカット州ダンバリー店では今年7月から宅配業者のブルーム・サービス(Vroom Service)と提携し、チーズバーガーやピザなどのデリの宅配サービスを開始している。
 6店舗のスチュー・レオナードでさえ宅配サービスを始めることで今後、中小大手関係なくスーパーマーケットは宅配サービスの提供が標準になるだろう。

トップ画像:スチューレオナードの宅配サービスを知らせるメール「スチューは宅配ビジネスに戻ってまいりました!」の画像。牛乳を持っているのが1969年にスチューレオナードをオープンしたスチュー・レオナード・シニア。  続きを読む
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2017年11月11日

【マーケットバスケット】、お家騒動が映画になった地方スーパー!今頃HPをオープン?

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■マサチューセッツ州などに79店を展開する老舗スーパーマーケットのマーケットバスケット(Market Basket)は先月25日、同社として初となるインターネットのホームページをオープンした。1917年創業のマーケットバスケットはホームページの他、ツイッターフェイスブックインスタグラムなどのSNSにもそれぞれアカウントを開設している。ネット展開では後発組となっているマーケットバスケットのホームページは、同社の歴史や今週のチラシ、店舗ロケーターにショッピングリストと、現在では極めてプリミティブなコンテンツで構成されている。同社はデジタル展開に超保守的であり、ネットで購入した商品を駐車場で受け取る「カーブサイド・ピックアップ」やインスタカートなどオンライン宅配業者と提携した宅配サービスなど、オムニチャネルやネットショッピングには程遠い状況にあるのだ。一方で、マーケットバスケットでさえ顧客のリクエストに応えてデジタル化に一歩、踏み出したことで、スーパーマーケット業界もいよいよネット展開が避けられないとの見方もでているのだ。
 マーケットバスケットは再び全米から注目を集めている。なんとニューハンプシャーやマサチューセッツ、メインの3つの州にしか展開していないローカルの食品スーパーが映画になっているのだ。2014年に起こった同社の内紛劇が「フード・ファイト:マーケットバスケットの内紛劇(Food Fight: Inside the Battle for Market Basket)」と「ウィー・ザ・ピープル:マーケットバスケット・エフェクト(We The People: The Market Basket Effect)」と2つのドキュメンタリー映画になっているのだ。同社の内紛劇は創業者の孫にあたるアーサーTデモーラス氏とアーサーSデモーラス氏の二人の血縁者の戦いであった。地方スーパーの内紛劇は取締役会でアーサーS氏が、社長だったアーサーT氏を解任したところからストーリーが始まった。現場のスタッフや従業員や顧客、さらには州知事や議員など政治家まで巻き込んだ騒動にまで発展。非上場で組合をもたない売上高45億ドルのスーパーで、約2.5万人の従業員ばかりか顧客までが一人の男のために闘ったことで全米中から注目を集める事態となったのだ。
 この時の様子は書籍「奇跡のスーパーマーケットWe Are Market Basket: The Story of the Unlikely Grassroots Movement That Saved a Beloved Business)」にも収められている。  続きを読む
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2017年11月10日

【ホールフーズ】、店内でアマゾンエコーなどアマゾン製品販売!ポップアップストアも?

171110アマゾンエコー@ホールフーズ
■ホールフーズ・マーケットは9日、100店以上の店舗でアマゾン・エコーなどアマゾン製品を販売することを発表した。また一部のホールフーズにはモール等に展開しているポップアップストアを導入する。ホールフーズで販売されるアマゾン製品はスマートスピーカーのエコー・ファミリーやファイアTV、電子書籍のキンドル、ファイアタブレットなど。スタッフが常駐してアマゾン製品のデモンストレーション等を行うポップアップストアは11月13日にイリノイ州シカゴ地区、ミシガン州ロチェスターヒルズ地区にあるホールフーズ内にオープンする。14日にはフロリダ州デイビー地区、カリフォルニア州パサディナ地区のホールフーズ、15日にはコロラド州デンバー地区のホールフーズにもポップアップストアがオープン予定だ。ブラックフライデーに合わせ販売開始と同時にアマゾン製品を20ドル〜30ドル値引きして販売する。ホールフーズはアマゾンに買収された直後、ニューヨーク・マンハッタンにあるホールフーズで一部のアマゾン製品の販売を始めている。 一方、アマゾンはホールフーズとプライムナウ、アマゾン・フレッシュを統合するとの話が広がっている。内部事情に詳しい人の話としてウォール・ストリート・ジャーナル紙が伝えたところによると、アマゾンCEOのジェフ・ベゾス氏が最も信頼を置いている役員、ステーブ・ケッセル氏はホールフーズにプライムナウやアマゾン・フレッシュを統合しようとしている。アマゾン・ブックスやアマゾンゴーの役員も兼任しているケッセル氏は、小売り事業を横断するオムニチャネル・リテーリングを構築するものと見られているのだ。またアマゾン・フレッシュは最近、少なくとも7州の一部地域で縮小しており、ホールフーズとの戦略調整を進めているとの観測もでていた。
 アマゾンは点と点になっている製品や事業を線で結び付け、新たなオムニチャネル・ネットワークを構築しようとしているのだ。

トップ画像:NYマンハッタン・コロンバスサークルのホールフーズ。この店では買収直後からエコーを販売している。  続きを読む
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2017年11月06日

【イータリー】、最大の広さを誇るイータリーLAオープン!ハリウッドセレブの御用達?

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■イタリア食材を楽しめるレストランとマーケットのイータリーが3日、ロサンゼルス近郊にオープンした。西海岸では初となるイータリーLA店(Eataly LA)は、ロサンゼルス副都心センチュリーシティの「ウエストフィールド・ショッピングセンター(Westfield Shopping Center)」の2階にオープンした。全米最大となる2,000坪近くのイータリーLAは3層になっており、モールの2階にあるメインエントランスの位置にはコーヒーやエスプレッソのラバッツァカフェにジェラートやイタリアのペストリー菓子カンノーロ、揚げパン菓子のボンボローニを売るショップがある。同レベルには本場イタリア料理を教える料理教室の「ラ・スクオーラ(La Scuola)」もあり、予約制で11月21日からラザニアやパスタの作り方など1科目50ドル〜200ドルのクラスを開催する予定となっている。螺旋階段を上がった3階がメインフロアになり、イタリアンペストリーのケーキ屋や精肉コーナー、シーフードカウンター、青果コーナー、ワイン、日用品などのマーケットにピザやパスタ等のイタリアンレストランが連なっている。レストランはカウンター席などのイタリアン・ストリート風のファストカジュアルから屋外のテラス席をもつフルサービス、さらにメインフロアから螺旋階段をあがった屋外レストラン「テラ(Tera)」まで4つのレストランをもつ。イータリーLA店のシーティング・キャパシティは600近くにも上っている。
 イータリーは2010年、ニューヨーク・マンハッタンのフラットアイロン地区に1号店(1,400坪)がオープン。2013年にはシカゴ市内にアメリカ2号店(1,800坪)がオープンしている。アメリカ3号店(ニューヨーク2号店)目は2016年8月、ウエストフィールド・4ワールドトレードセンターの3階に1,300坪でオープンしており、同年11月にはボストンに4号店目(1,300坪)をオープンしている。5号店目のイータリーLAに6号店目は来年末にラスベガスにオープン予定だ。
 今日は全米で最大で屋外席を持つイータリーLAの画像をシェアする。

トップ画像:イータリーLAは11月3日、ウエストフィールド・センチュリーシティ・ショッピングセンターにオープンした。4日の午前中に訪れたが入店規制されており、入店までに30分程度かかった。  続きを読む
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2017年11月03日

【デジタル・インフルエンス】、食品スーパーも生産者に語らせろ!ネット時代は形式知?


■店内でスマートフォンなどデジタル端末を駆使して商品等の情報をリサーチする消費者は増加傾向にある。こういった消費行動に影響を及ぼすデジタル・インフルエンスは店の売上に大きく影響している。調査会社デロイト社によると、2015年の食品売上高の33%がデジタルインフルエンスの要因があった。それが2016年には51%にも跳ね上がったのだ。毎日・毎週と頻度の高い買い物となるスーパーマーケットでも、顧客はスマートフォンを使って商品検索し、商品の種類を調べたり、レビューを読み、生産地や生産者等のリサーチをして買い物をしているのだ。一方で食品の買い物客は「モバイルを使ったショッピングで買いやすくなった」と答えたのは33%にとどまっている。これは食品を含めたすべての商品カテゴリーで「買いやすい」とした42%に対し、かなり劣っている数字なのだ。つまり食品では生産者やメーカー、スーパーなど、デジタル上での情報提供がまだ不十分だと言える。それでも一部には、販売している食品について情報を積極的に提供する企業はある。ニューヨークやニュージャージーなど14州にストップ&ショップやジャイアント・ランドオーバー等のスーパーマーケット780店以上を展開するアホールドUSAでは、動画を使った生産者の情報を提供している。傘下スーパーのYouTubeチャネルにアップしている「フレッシュ・ストーリー(Fresh Stories)」では、総再生回数が1,400万回以上となっているのだ。それぞれの動画は生産者がどこでどうやって生産し、アホールドUSAブランドとのパートナーシップの重要性を語っているのだ。アホールドUSAがグラフィックデザイナー企業のビスカル・クリエイティブ(Viscul Creative)と提携して撮影、編集していることで、極めてパーソナルな映像に昇華している。再生回数が20万回以上となっている「ツルー・ノース・サーモン:サステナブル・シーフードのためのパートナーシップ(True North Salmon: A Partnership for Sustainable Seafood Part 1)」と題された動画では、漁師自らが出演し環境に負荷を与えない漁法を語っている。
 こういった情報開示は比較的地味で小さな一歩だ。だがスマートフォンを駆使する若い世代が消費の中核になる頃、コンテンツなどのデジタル・インフルエンスによる売上高増は否定できなくなってくる。

トップ動画:アホールドUSA「フレッシュ・ストーリー(Fresh Stories)」の「ツルー・ノース・サーモン:サステナブル・シーフードのためのパートナーシップ(True North Salmon: A Partnership for Sustainable Seafood Part 1)」。ネットで伝える時代には、職人の世界にある「師匠の背中を見て学べ」などの「暗黙知」は通用しない。生産者も自ら言葉を発しなければ伝わらない。ネットの時代は伝えなければならない。  続きを読む
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2017年10月24日

【グローサラント】、スーパーのイートインは貧乏くさい?なら米国の最新事例を見せよう!

171024イーティングエリア@ウェグマンズ02
■日本でも最近、「グローサラント」がメディアで取りざたされるようになってきた。先月オープンした成城石井のトリエ京王調布店をはじめ、イオンやヤオコー、オーケーといった大手スーパーがグローサラントを取り入れたスーパーを続々オープンしているためだ。グローサラントとはスーパーマーケットを意味するグローサリー(grocery)とレストラン(restaurant)を合わせた造語であり、レストランのような高品質の惣菜やプリペアドミールを販売しながらも、スーパーマーケットの店内でも食事を提供する業態だ。グローサラントの利用者からは「家で調理するよりも安くすむし、洗い物もゴミも出ない」「家族も好きな食べ物を選べる」「普段と違った外食なので子供たちのテンションもあがる」「出来立ての惣菜をその場で食べられるので美味しい」などの声が聞こえる。スーパーからも「旬のものやアツアツのものをその場で体験してもらえる」「おススメ商品を試してもらえて反応がわかる」などメリットもある。ただ気軽に立ち寄れる一方で「スーパーのイートインは貧乏くさい」「近所の人に見られたら恥ずかしい」「不良や浮浪者のたまり場になりそう」というネガティブな声もある。では、グローサラント先進国のアメリカではどうなのだろうか?
 ニューヨークを中心に94店舗を展開しているウェグマンズでは様々なグローサラントを提供している。ウェグマンズには「マーケットカフェ(Market Cafe)」というホットデリやコールドデリを食事できるイートインコーナーがある。イートインコーナーといっても売場を柵で区切って、テーブルとイスを並べただけのものではない。売り場とは別になる、キャパシティ200席以上の心地よいイーティングエリア(食事場所)なのだ。一人掛けのカウンター席から4人掛けテーブル、ソファ席、子供の遊び場まで備えられているのだ。ホテルのラウンジのようにアメニティには暖炉やテレビもある。自宅と同じように快適に食事ができるよう電子レンジや水道手洗い、ウォーターサーバー(アイスも)、トースター、紙皿(ペーパープレート)、ウェットティッシュ、ベーカリーカッターも用意しているのだ。しかしウェグマンズが最も強調しているのは、グローサラントがコミュニティーの中心の場であるということなのだ。マーケットカフェには子供会や誕生日会、パーティなどを行える専用ルームがある。企業などもこの専用ルームを貸し切って研修や会議・会合に使うこともあるのだ。グローサラントをコミュニティの場として提供しているため、市民の憩いの場となっても、たまり場にはならないのだ。
 アメリカのグローサラントは、食を提供しながらもコミュニティセンター(公民館)の役割も担っていることを忘れてはいけない。

トップ画像:ニュージャージー州ハノーバー地区にオープンしたウェグマンズのイーティングエリア。ホテルのラウンジのように快適であり、アメニティには暖炉やテレビもある。  続きを読む
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2017年10月21日

【ブルーエプロン】、IPOから110日で300人以上を解雇!スーパーも競争激化で面白い?

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■ミールキット宅配サービスのブルーエプロンは18日、従業員6%のレイオフを発表した。従業員数が5,000人以上となるブルーエプロンでは300人以上の解雇となる。ミールキットは料理がすぐに調理できるよう、あらかじめレシピに合わせて必要な分量の食材や調味料のみがセットされたもの。食材を洗ったり皮をむいたり切ったりなど手間なく同封レシピに従って調理すれば20分で高級レストラン並みの食事を楽しめる。2012年創業のブルーエプロンは、国内のミールキット宅配サービスでは最大手だ。今年6月に上場し利用者は100万人以上。昨年の売上高は8億ドルに上っている。しかし、ミールキット市場の急拡大に伴く競争激化により、会員維持ができず利益に結びつかないのが現状なのだ。ブルーエプロンが8月に発表した四半期決算(4月〜6月期)によると、売上高は2.38億ドルと18%の増加だった。一方、純利益は設備投資などの経費がかさんだことよにより前年同期の550万ドルの黒字から3,200万ドル近くの赤字に陥っているのだ。同社の株価は、公開価格から約50%下げ5ドル台前半で推移している現状だ。
 株価低迷の原因は、飽和状態による熾烈な競争だ。ブルーエプロンにとっての脅威は、ネット通販最大手のアマゾンだ。アマゾンは「アマゾン・ミールキット(Amazon Meal Kits)」の販売をアマゾンフレッシュを通じて一部市場で始めており、ホールフーズの買収完了で約460店でも販売が可能となっているのだ。競合はアマゾンだけでない。アメリカ国内に2,300店のスーパーマーケットを展開するアルバートソンズは、ミールキット宅配サービスのプレイテッドを買収した。今回の買収により、アルバートソンズはセーフウェイやボンズ、ジュエルオスコなど傘下のスーパーでプレーテッド(Plated)のミールキットを販売することになる。またスーパーマーケット最大手のクローガーは自社でミールキット「プレップ+ペアド(Prep + Pared)」を開発、南カリフォルニアのラルフス・フレッシュフェアやケンタッキー州ルイビル地区のクローガーなど50店舗以上で販売を行っているのだ。アルバートソンズやクローガーだけでなく、フロリダのパブリクスやテキサスを中心に展開するHEB、中西部のハイヴィーもミールキット販売に乗り出している。  ミールキット市場では20%以上のシェアを持つブルーエプロンも急な競争激化に翻弄されているのだ。  続きを読む
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2017年10月14日

【ホールフーズ】、365が395日で閉鎖!写真からカニバリと不明瞭なポジションが見える?

171014ホールフーズ365@ベルビュー00
■約1年前にオープンしたシアトル郊外ベルビュー地区にある「365バイ・ホールフーズ・マーケット(365 by Whole Foods)」が今週末に閉店する。シアトルタイムズなど地元紙が伝えたところによると、ベルビュー・スクエア・モール(Belleview Square Mall)JCペニー跡地に昨年9月14日にオープンしたホールフーズの新コンセプトストアは10月14日(土)の閉店時間(午後10時)をもって閉鎖する。365ベルビュー店(10200 NE 4th St, Bellevue, WA 98004)の店内には閉店に関して案内板が掲げられており、全品50%オフとなる処分セールも行っている。ホールフーズのグローバルPRディレクターのロビン・ケリー氏は撤退について「決定は(今年8月)アマゾンに買収される以前に、近くにホールフーズのある難しい立地と実績などを精査して下されました」と話している。この365から車で8分(約2キロ)のところにはホールフーズ・ベルビュー店(888 116th Ave NE, Bellevue, WA 98004)がある。なおスクラップとなる365のスタッフ50名は、他のホールフーズへの異動となる。
 365バイ・ホールフーズ・マーケットは、20代〜30代のミレニアル層をターゲットに低価格で訴求する840坪の小型フォーマット。同社の割高なイメージからつけられたニックネーム「ホール・ペイチェック(Whole Paycheck:給料の大半が高額なオーガニック食品に使われるという意)」を払拭するため、一部の野菜や果物に非オーガニックを導入。通常2.5万〜3万品目の品揃えであるホールフーズに対して365は7,000〜8,000品目と商品を絞り込み、プライベートブランド(PB)の比率もホールフーズの10%に対して365は40%にPBを増やし、お値打ち感を演出している。人件費を抑えるため、精肉ブッチャーなど店内加工を省きシーフードや精肉はプリパッケージのみとなっている他、デジタル電子棚札(Electronic Shelf Label)の導入やタブレット端末によるワイン説明など、これまで培ったエブリデーローコストオペレーションのノウハウを隅々にまで行き渡らせている。販促としてスマートフォンによるロイヤリティプログラム「マイ365リワード(My 365 Rewards)」も行われており、会員には毎日100品目が10%オフとなるディスカウントや「10個購入で1個無料」の数量割引も提供される。
 ホールフーズはロサンゼルス郊外に365シルバーレイク店(Silver Lake 365)を昨年の5月、365レイクオスウィーゴ店(Lake Oswego 365)を同7月 365ベルビュー店を同9月にそれぞれオープンしている。今年4月にはテキサス州オースティン郊外(Cedar Park 365)に4店舗目、8月にはロサンゼルス郊外サンタモニカ(Santa Monica Pico 365)に5店舗目、9月14日にはオハイオ州アクロン(Akron 365)に6店舗目がオープンしている。12月6日にはサンフランシスコ郊外コンコード地区に今月オープンした「ヴェランダ・ショッピングセンター(Veranda shopping center)」に7店舗目がオープン予定となっている。時期は明らかにされていないが、NYブルックリン(113 Flatbush Ave.Brooklyn, New York 11217)やロサンゼルス郊外ロングビーチ(Lakewood Blvd. and Carson St.Long Beach, California 90808)、ロサンゼルス近郊ノースハリウッド(Lankershim Blvd. and Otsego St.Los Angeles, California 91601)など18店の新規オープンを計画している。

トップ画像:365バイ・ホールフーズ・マーケット(365 by Whole Foods)では3店舗目となるベルビュー365。カニバリゼーションのテスト展開でもあったこの店舗は昨年9月14日にオープンした。この365はオープンから395日目となる10月14日に撤退となる。  続きを読む
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2017年10月13日

【クローガー】、セルフスキャン400ヵ所!アマゾン・ホールフーズ対抗にコンビニ売却?

171013Scan, Bag, Go@クローガー
■全米最大手スーパーマーケットチェーンのクローガーは11日、テスト展開を行っているセルフスキャニング決済「スキャン、バッグ、ゴー(Scan, Bag, Go)」を拡大することを発表した。スキャン、バッグ、ゴーは、店内にあるスキャニング端末もしくはスマートフォンにダウンロードしたアプリでお客が商品バーコードをスキャンしながら買い物を行うシステム。セルフ・チェックアウト・レジで、スキャニング端末(もしくはスマートフォン・アプリ)のバーコードを読み込ませて、レジを同期させることで簡単に決済できる。レジで商品をスキャンする必要がないため、買い物しながら商品を顧客の買い物袋にそのまま詰め込むことができるのだ。ニューヨークで開催された投資家を集めた会議にてクローガーは、店内の顧客体験を改善する「リストック・クローガー(Restock Kroger)」計画を発表。クローガーはデータマイニングの子会社84.51°を使い、6,000万世帯を超える顧客データを活用し、顧客の嗜好に合う商品を薦める機能を改善するという。また店内のデジタル関連のサービスを拡充する計画でクローガーは現在、20店舗でテストを行っているスキャン、バッグ、ゴーを2018年度(2019年1月期)末までに400店舗に拡大することを明かしたのだ。スマートフォン・アプリで顧客自らスキャニングしながら買い物するシステムはウォルマート傘下サムズクラブ全店で展開している「スキャン&ゴー」が良く知られている。またウォルマートは一部のスーパーセンターでスマートフォン・アプリとスキャニング端末を使ったテストも行っている。
 クローガーはまた、全米18州で展開しているコンビニエンスストア事業を売却する可能性があると明らかにした。クローガーの傘下にあるコンビニエンスストアにはアイオワ州で267店を展開する「ターキー・ヒル・ミニット・マーケッツ(Turkey Hill Minit Markets)」や129店展開する「クイック・ショップ(Kwik Shop)」などがある。ガソリン販売を手掛けるコンビニエンスストアは9割を超え、同事業の売上高は約40億ドル(約4,500億円)となる。既存店売上高は62四半期連続で上回っている一方で、クローガー全体の売上高では約4%を占めている。同事業の価値はクローガーから分離した方が高くなる可能性があるとして、アドバイザーにゴールドマン・サックスを起用、売却を含む複数の戦略的選択肢を模索しているという。なお35州にクローガーやラルフスなどの店名で2,793店を35州で展開している。

トップ画像:シンシナティのクローガーなど20ヵ所でテストを行っているスキャニング端末の「スキャン、バッグ、ゴー(Scan, Bag, Go)」。スキャン、バッグ、ゴーは、店内にあるスキャニング端末もしくはスマートフォンにダウンロードしたアプリでお客が商品バーコードをスキャンしながら買い物を行うシステム。買い物しながら商品を顧客の買い物袋にそのまま詰め込むことができ、買い物途中の合計金額も確認できる。  続きを読む
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2017年10月11日

【リドル】、アメリカ進出から数ヶ月で集客に限界!卵1ダースを競合は25セントで販売?

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■ドイツのディスカウント・スーパーマーケット・チェーンのリドルは今年6月、アメリカに進出した。出店を相次ぎリドルは(近々オープンする店舗を含めて)バージニア州など5州に37店舗を展開している。しかし、ウォルマートやクローガーなどの競合店に押され集客が伸び悩んでいるのだ。調査会社のインマーケット(inMarket)によると、リドルは進出当初の6月、2.6%の集客シェア(Share of Visits)を得ていた。それが7月に2.3%、8月には1.7%と客足は落ち込んでしまったのだ。9月は1.9%と若干盛り返したものの、現在も集客に苦戦しているにかわりない。投資会社ジェフリーズのアナリストが最近、バージニア州リッチモンドのリドル(1670 Mall Dr, Richmond, VA 23235)に訪れた際、600坪を超える店舗にお客は二人だけだったと報告している。リドルの進出に警戒していた競合店が一斉に安売りを始めたことで、当初、物珍しさがあったリドルの集客が途絶えてしまったのだ。例えばタマゴ1ダース55セントで販売するリドルに対して、近距離で競争しているアルディは25セントという信じられない価格で対抗していた。取り扱い品目の9割がプライベートブランドに対して、ウォルマートはナショナルブランドの値下げで対抗。ウォルマートはカーブサイドピックアップの拡大により、ネット展開を行っていないリドルを寄せ付けない。インマーケットによると、ウォルマートの5月の集客シェアは30%だった。6月には29%となり、リドル進出の影響をうかがわせたが、結局、集客シェアはリドル進出前の状態に戻している。リドルは9月、アメリカ進出店の立て直しにスペイン・リドルのトップだったマイケル・アランダ氏を起用した。
 リドルは2018年末までにジョージア州からニュージャージー州まで、最大100店舗まで拡大する計画を掲げている。アメリカ国内に最大600店の展開目標も公表しているのだ。リドルはテキサス州での拡大も視野に入れており、6月にはロケーションハンティングを始めた。集客低迷で第2のF&Eになるかどうかは進出4ヶ月程度ではわからない。しかし、経営の見直しを図れなければテスコの二の舞は避けられないのだ。  続きを読む
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2017年10月03日

【パブリクス】、カーブサイド・ピックアップを再度挑戦!ネットスーパーはドミノ現象?

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■フロリダ州を中心に1,155店舗を展開するパブリクスは27日、カーブサイド・ピックアップ・サービスのテストを始めたことを発表した。カーブサイド・ピックアップは利用者がネットで注文した商品を指定されている店舗駐車場にて店のスタッフから受け取るサービス。通常、利用者は車から降りる必要はなく、注文品はスタッフがトランクに積んでくれる。カーブサイド・ピックアップは、大手チェーンストアではウォルマートが生鮮品など「ウォルマート・グローサリー」で行っており、スーパーマーケットチェーン最大手のクローガーも「クリックリスト」というサービス名で拡大している。28日からカーブサイド・ピックアップを開始したのは、フロリダ州タンパ郊外にあるパブリクス・ウェスリー・チャペル店とヴァルリーコ店。サイトから商品をネット購入後、スケジュール時間を選択し、店でのピックアップとなる。手数料は無料。パブリクスは2001年、宅配サービスを自社で始めたものの赤字を理由に2003年に撤退している。また2010年には他社に先駆けてカーブサイド・ピックアップのテストを始めるも2012年1月に中止している。当時のカーブサイド・ピックアップは7.99ドルの手数料がかかっていた。一方、オンデマンド買物代行&宅配サービスのシプツは2年前からパブリクスの宅配サービスを拡大している。またパブリクスは昨年7月、オンデマンド買物代行&宅配サービスのインスタカートと正式に提携し、生鮮品の宅配サービスを開始している。
 なおウォルマートは先月、カーブサイド・ピックアップのウォルマート・グローサリーの1,000ヵ所目をオープンしたことを発表した。ウォルマートの同サービスに手数料はないが、合計で30ドル以上の買い物をする必要がある。またクローガーも先月、カーブサイド・ピックアップの「クリックリスト」を813店で展開していることを明かしている。ウォルマート・グローサリーと競合するクリックリストは対象品目数が約4万品目で1回の手数料が4.95ドル〜6.95ドルとなる。クリックリストは手数料がかかるものの、一定金額以上の注文などの条件はない。テキサスのHEBや中西部のハイヴィー、ミシガン州などに展開するスーパーセンターのマイヤーでは二桁の店舗でカーブサイドを行っている。  続きを読む
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2017年10月02日

【ハイヴィー】、地方スーパーの本社はシリコンバレー型!鶴太郎さんのヨガ教室もあり?


■ウォルマートがアーカンソー州ベントンビルにハイテク企業のようなキャンパス本社を建設することを発表した。ウォルマートの新ホームオフィスは、デジタルネイティブ世代により適した、連携とスピードをもつキャンパスとなる計画だ。名だたるIT企業が集まるシリコンバレーにあるキャンパス本社のように、豪華なオフィスやグルメな社員食堂など福利厚生に手厚い本社となる。質素倹約に努めるウォルマートでさえ、才能ある若い人材の獲得に向けてオフィスを一新するのだ。「ウォルマートペイ(Walmart Pay)」や「セービングキャッチャー(Savings Catcher)」などシームレスショッピングを提供するウォルマートは、ハイテク化を加速しなければならない。では、地方のスーパーはどうなのだろうか?ネットショッピングのカーブサイドピックアップが拡大していても、生鮮食品販売は基本的に昔と変わらずアナログだ。本社も機能充実も飾り気のない質実剛健な本社なのだろうか?
アイオワ州など中西部に約240店のスーパーマーケットを展開するハイヴィーは本社があるアイオワ州ウェストデモインズの近くにIT部門のオフィスを開設した。グライムス地区にオープンしたIT部門は「ヘルプフル・スマイルズ・テクノロジー(Helpful Smiles Technology)」とオフィス名が付けられている。倉庫のような広さとなる2,900坪に社員のクリエイティビティとコラボレーションをコンセプトにデザインされた。驚きなのはまるでシリコンバレーのハイテク・オフィスのような福利厚生仕様になっていることだ。オフィス内にはオフィスを一周する屋内ランニング&ウォーキング用のレーストラックに筋トレマシーンで充実したフィットネスジムやヨガルーム、バスケットコートまである。エンターテイメントスペースには卓球台やビリヤード台、ダーツ盤にプレステやXボックスを置いたゲームデスクも設置されている。オフィス内にはスターバックス・コーヒーショップがそのまま入っており、ハイヴィーの量り売りコーナーーと同じくスナック類も様々な種類が置かれている。NYタイムズスクエアをデザインにしたカフェテリアには、地ビールバーに常駐のフードトラックまであるのだ。広くとられたミーティング・スペースにはテレビドラム「ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則(The Big Bang Theory)」をモデルにしたソファでセッティングされている。また、帰宅時にスーパーに寄らなくてもいいように「ハイヴィー・アイル・オンライン(HyVee Aisles Online)」でネット注文した食品を配達&保管用のロッカーまで導入されている。
 従業員8.4万人を抱えるハイヴィーは中西部8州に244店舗を展開するマルチリージョナル・スーパーマーケットチェーン。1930年創業で非上場となる同社の売上高は98億ドル(約1.1兆円)。ハイヴィーのITでは、注文から最短4時間でカーブサイド・ピックアップ・サービス&宅配の「ハイヴィー・アイル・オンライン(HyVee Aisles Online)」やアプリ機能にあるデジタルクーポンから、360度回転にズームイン&アウト可能な店内マップによる商品検索サービスなども行っている。グローサラント業態で店内レストランのマーケットグリルは100ヵ所以上に及んでおり、スーパーのデリ部門を利用したバイキング・メニューなどグローサラントでもユニークなポジションを築いている。2001年から始めたヘルスマーケットも179店舗で展開。ヘルスマーケットはビタミンなどサプリメントやオーガニックやナチュラル、フリーフロム食品など約8,000品目の販売に、栄養士を招いた講習会などのイベントで健康情報の発信の場としても利用されている。ハイヴィーのヘルス&ウェルネス部門はグルテンフリー市場の拡大で利益の面でも貢献しているという。なおハイヴィーでは、ガソリンスタンドを併設した250坪のミニスーパーとなる新業態「ファスト&フレッシュ(Fast & Fresh)」のオープンを予定している。同店にはスターバックスにグローサラント・ブランドの「マーケットグリル(The Market Grill)」を導入し、カーブサイド・ピックアップも提供するという。
 地方のスーパーと言えどもIT化を推進しなくてはならない。そのため優秀な若い人材獲得に本気をだしているのだ。それは近い将来、アマゾンとのさらなるIT競争に備えるという意味もある。

トップ動画:ハイヴィー本社近くにあるイノベーションセンター「ヘルプフル・スマイルズ・テクノロジー(Helpful Smiles Technology)」の紹介動画。2,900坪のオフィスには通常より広い半個室なキュービクルなスペースに広いラウンジ、宅配用ロッカーなど福利厚生に手厚い職場環境となっている。約240店を展開する地方のスーパーマーケットでさえ、優秀な人材獲得にここまでやっているのだ。オフィスで見る事が不可なら、自宅に戻って(スマホでも)確認してほしい。  続きを読む
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2017年09月28日

【グラウラー】、零細地ビール業者3,132社!ビール大手4社の日本より零細業者で集客?

170928グラウラーステーション@スチューレオナード00
■ビール醸造者協会(Brewers Association)によると、2016年のビール全体の販売量は前年から横ばいとなる一方で、地ビールの販売量は2,460万バレルに達し前年比6%の増加となった。地ビールは2,350億ドル市場となり前年から10%増加している。地ビールの成長率は若干鈍化しているもののビール全体に占める地ビールのシェアは生産量ベースで12.3%となり、販売額ベースでは21.9%を占めている。地ビール人気は健在なのだ。これをえているのがスーパーで増えつつある生ビールの量り売り「グラウラー(Growler)」だ。グラウラーとは量り売りの空瓶を意味し、通常の缶ビール(12オンス)サイズの5倍となる64オンス(1.9リットル)と32オンス(0.9リットル)の酒瓶にビールを入れてもらうサービス。グラウラーのビールが空になれば洗って、グラウラー・ステーションでリフィル(継ぎ足し)してもらうのだ。スーパーマーケットではホールフーズが2006年からビールを提供するバー「タップルーム」でグラウラー・サービスを始めた。ここ数年のクラフトビール(地ビール)ブームでホールフーズだけでなく、大手スーパーマーケットチェーンもグラウラー・ステーションを店内に設け、地ビールの量り売りサービスを拡大させている。
 2016年の調査では国内の地ビール業者は5,301社あり、年間生産量1.5万バレル以下(176万リットル)の零細業者は全体の59%を占める3,132社もある。マイクロブルワリー(MicroBrewery)と言われる零細業者では、缶詰めや瓶詰めまではできない。タップ(ビールサーバー)でしか提供できないのだ。したがってグラウラーでの販売となるのだ。スーパーが店内でグラウラーを展開することは、レアな地ビールを提供することになる。つまり競合との差別化になるのだ。また地元業者の商品を推進することでローカルコミュニティーの支援にもつながる。買い物中でも地ビールのサンプル等を味わってもらえる機会を創る出すことで、買い物体験も向上する。何よりも坪売上高が上昇するメリットがある。こういったことが背景となりスーパーマーケットでのグラウラーサービスが増加しているのだ。スーパーマーケット最大手のクローガーでは、グラウラー・サービスにガラス瓶ではなくアルミニウム缶「クラウラー(Crowler)」にして販売するテストを始めている。テネシー州メンフィスにあるクローガーでは、ビールタップから注がれた缶に蓋をし密封して販売しているのだ。
 テキサスのHEBやニューヨークのスチューレオナードなど食品スーパーの視察ではグラウラーバーを見かけることがある。ビール好きは(滞在先ホテルに冷蔵庫があることを確認の上)、グラウラーでサンプリングして気に入った地ビールを購入しアメリカのトレンドを味わってもらいたい。

トップ画像:スチューレオナード・イーストメドウ店にあるる生ビールの量り売り「グラウラー(Growler)」ステーション。グラウラーとは量り売りの空瓶を意味し、通常の缶ビール(12オンス)サイズの5倍となる64オンス(1.9リットル)と32オンス(0.9リットル)の酒瓶にビールを入れてもらうサービス。グラウラーのビールが空になれば洗って、グラウラー・ステーションでリフィル(継ぎ足し)してもらうのだ。  続きを読む
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2017年09月27日

【トレーダージョーズ】、1号店から50周年記念!セブンプレミアムもサンプリング可能?

170927トレーダージョーズ00
■日本でもエコバッグ等で知名度を上げているリミテッドアソートメントストアのトレーダージョーズが先月、1号店オープンから50周年を迎えた。トレーダージョーズは1967年8月25日、ロサンゼルス近郊のパサディナ市に1号店をオープンした。ロサンゼルス郊外のモンロビアに本社があるトレーダージョーズは現在、41州に467店舗を展開している。カリフォルニア州だけでも178店舗もあるのだ。50周年記念として8月19日(土曜日)と20日(日曜日)、トレーダージョーズ全店でセールが行われた。扱い品目数2,000品目のうち約8割がプライベートブランドとなる同社ではセールは極めて珍しい。50周年記念のエコバッグが50セント、イタリアン・パスタも半値となる50セント、コーンの缶詰50セント、フランスパンのバゲット50セントと50周年記念で50セントセールを行ったのだ。また、入り口ではハズレなしでトレーダージョーズ商品が当たるルーレット懸賞やグラフィックデザイナーによる無料のフェイス・ペインティングも行われた。なおトレーダージョーズでは各店舗に平均で二人の専属グラフィックデザイナーがおり、店の商品POPを作成している。全社では50周年記念としてインスタグラム・フォトコンテスト(#50yearsoftjscontest)も行い、優秀者には500ドルのギフトカードを進呈していた。
 創業者のジョン・コロンビーは1958年、トレーダージョーズの前身となるコンビニエンスストアのプロント・マーケット(Pronto Market)をオープンした。プロント・マーケットは当時のセブンイレブンと似ていたためコロンビー氏は競争に敗れると考え、トレーダージョーズをオープンした。1970年には当時は珍しかったニュースレターを有料(5セント)で販売した。当時のニュースレターのワインの話題を中心に掲載し「インサイダー・レポート(Insider Report)」と題されていた。その後、ニュースレターは無料となり、1985年には「フェアレス・フィライアー(Fealess Flyer)」と改めて現在も続いている。同店では8割の商品がプライベートブランドであり、新商品の入れ替えも頻繁に行われているため、ニュースレターによる商品紹介が必要なのだ。4大マス広告(テレビ、ラジオ、新聞、雑誌)では、ラジオ広告しか行っていないトレーダージョーズにとって、ニュースレターがお店とお客をつなぐ、重要なマーケティング戦略となっている。最近では同社のブログでも商品画像や記事を閲覧できるようになっている。なお新商品から既存の人気商品まで満載した「フェアレス・フライヤー」は年5回の発行だ。
 安価で変化激しいプライベートブランドにフェアレス・フライヤー、激安ワインの先駆けとなったツーバックシャック、全品無条件の返品制度、アロハシャツを着たスタッフ(クルーと呼ぶ)などユニークなトレーダージョーズは2067年、100周年も迎えることができるだろう。  続きを読む
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2017年09月26日

【ウェグマンズ】、最新店の店内画像!トイレにスーパーマーケットでは最先端の手洗い?

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■ニューヨーク州など6州に90店舗以上を展開するウェグマンズは7月23日、ニュージャージー州ハノーバー地区に新店舗をオープンした。ニュージャージー州では8番目の店舗となるウェグマンズ・ハノーバー店(32 Sylvan Way Parsippany, NJ 07054)は3,000坪を超える店舗面積に6.5万品目を持つ。同社では93店舗目となるハノーバー店には6ヶ所目となる「バーガーバー(Burger Bar)」を導入しており、マーケットカフェのホットデリとは別に、人気メニューの「メイプル・オニオン・ベーコン・ハンバーガー」「サンタモニカ・ターキーバーガー」などを注文に応じて調理するスタイルをとっている。バーガーバーの隣にあるコーヒーショップの「バズコーヒー(Buzz Coffee)」では、スムージーの他、コーヒーに窒素を注入してビールのように泡立てた「ニトロコーヒー」の販売も行っている。同社のハイテク・チーズ熟成室「チーズケーブ(cheese caves)」で熟成したチーズを販売するチーズショップには、ナチュラル・チーズ用に自動ミスティング(霧吹き)を行う特製ケースも設置している。自動ミスティングは湿度90%、摂氏4度で新鮮さを保ちながらナチュラルチーズの呼吸を助ける、いわばウェッグマンズこだわりの装置となっているのだ。
 ウェグマンズ・ハノーバー店から10分弱のところにはグローサラント業態を強化し、カーブサイド・ピックアップも行っているショップライト・ハノーバー店(178 E Hanover Ave Cedar knolls NJ 07927)がある。ウェグマンズの新店は、ホテルのラウンジのようなイートインスペース「ビレッジ・フード・ガーデン(Village Food Garden)」を持つショップライトと、グローサラントでも競争が加熱しそうだ。またショップライトから5分程度のところには端末で決済を行う「スキャン・イット(Scan It)」を導入したスーパー・ストップ&ショップ(245 Littleton Road Morris Plains, NJ 07950)もあり、ハノーバー地区の食品スーパー勢力図が大きく変わる可能性もあるのだ。
 創業から101年となるウェグマンズは9月24日、ニュージャージー州モントベールに新店(100 Farm View Montvale, NJ 07645)をオープンする。3,000坪にワインやビールのセクション400坪をもつ店舗にはハノーバー店と同様にバーガーバー(Burger Bar)も導入される。モントベール店はマンハッタンから最短40分程度で行ける距離にある。
 今日はウェグマンズ・ハノーバー店の一部画像を紹介する。  続きを読む
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2017年09月24日

【アルバートソンズ】、ミールキット買収!にこるんとみちょぱは2,300店に買いにいく?

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■スーパーマーケットチェーンのアルバートソンズは20日、ミールキット業者のプレーテッド(Plated)を買収したことを発表した。クローガーやホールフーズなどと同様、アルバートソンズも市場が急拡大しているミールキットの販売に乗り出す。買収額などの詳細は明かにしていないが、買収額2億ドルとの報道もある。ミールキットは料理がすぐに調理できるよう、あらかじめレシピに合わせて必要な分量の食材や調味料のみがセットされたもの。食材を洗ったり皮をむいたり切ったりなど手間なく同封レシピに従って調理すれば20分で高級レストラン並みの食事を楽しめる。アルバートソンズが買収したプレイテッドなどのミールキットは通常、サブスクリプション(オンライン定期購入)サービスでの宅配となる。今回の買収により、アルバートソンズはセーフウェイやボンズ、ジュエルオスコなど傘下のスーパーを含め約2,300店でプレーテッドのミールキットを販売することになる。プレーテッドの定期購入サービスでは、1週間に2〜4食(1食で二人分〜4人分)のミールキットを56ドル〜160ドルで購入しなければならないが、店頭販売により1食分から購入可能となる。
 ミールキット市場の急成長に伴い、中小から大手スーパーマーケットまでミールキット販売を拡大している。スーパーマーケット最大手のクローガーは5月、自社開発のミールキット「プレップ+ペアド(Prep + Pared)」をオハイオ州シンシナティのクローガー・マーケットプレイスから始めた。徐々にプレップ+ペアドの扱い店を増やし9月にはケンタッキー州ルイビル地区のクローガーで販売を開始し、南カリフォルニアで展開する傘下スーパーのラルフス・フレッシュフェアでも販売を始めた。南カリフォルニアを中心に現在25店舗を展開する高級スーパーマーケットのゲルソンズも8月から、ミールキット・プロバイダーのシェフツ(Chef'd)と提携してミールキット販売を始めている。フロリダなどに1,118店を展開するパブリクス・スーパーマーケットでは一部店舗のみで自社開発のミールキット「エプロンズ・ミールキット(Aprons Meal Kits)」をテストしている。生鮮品宅配のアマゾンフレッシュも7月、自社開発の「アマゾン・ミールキット(Amazon Meal Kits)」の販売を始めており、買収したホールフーズでの販売が待たれている。
 調査会社パッケージ・ファクトは昨年のミールキット市場規模を約15億ドル(約1690億円)と推計しており、5年後に50億ドル規模に成長すると見込んでいる。外食業界を専門にする調査会社テクノミックも、5年で10倍にも急成長すると予想。別の調査でも2025年までに350億ドル市場に成長していると試算している。

トップ画像:クローガー自社開発ミールキット「プレップ+ペアド(Prep + Pared)」の「ベトナム系スパイシー・レモングラス風味ポーク」の材料とレシピ(出来上がりの画像は下に張り付けておく)。ミールキットは料理がすぐに調理できるよう、あらかじめレシピに合わせて必要な分量の食材や調味料のみがセットされたもの。食材を洗ったり皮をむいたり切ったりなど手間なく、同封レシピに従って調理すれば20分で高級レストラン並みの食事を楽しめる。  続きを読む
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2017年09月17日

【スチューレオナード】、新店オープン5秒前!CEOの長女が店内ツアーをライブ配信?


■酪農業からスタートしたスチューレオナードはワンウェイコントロールされた通路や子供を楽しませるからくり人形、店内調理品や生鮮品など2,000品目に限った品揃え、入り口にある顧客志向の社訓などが有名だろう。また、従業員の多くを血縁者が占めていることも知られている。「社内結婚の多い職場は良い職場」とよく言われる。社員の仲が良いとチームワークが増し、生産性も上がるということだ。実はスチューレオナードは社内結婚を積極的に勧めていることでも知られている。現在、3,000人近く働くスチューレオナードは1969年にコネチカット州ノーウォークで創業以降、100組以上の社内結婚が誕生している。しかも彼らの多くが今も働いており、彼らの子供たちも同じ職場で働いているのだ。スチューレオナードは社内恋愛・社内結婚しやすい雰囲気が醸成されていることから「愛あるスーパーマーケット(Supermarket of love)」と呼ぶ人もいるほどだ。夫婦・子供を中心とする親族が多い職場に、初代のスチュー・レオナード氏から二代目CEOのスチュー・レオナード・ジュニア氏、レオナード家の親族も13人も働いている、文字通りの家族経営なのだ。
 スチューレオナードは8月23日、ロングアイランド・イーストメドウ地区に6店舗目をオープンした。2,000坪の新店はこれまでの店舗と同様にワンウェイコントロールされた通路に様々なからくり人形や動物が置かれお客の目を楽しませる店舗となっている。スチューレオナードはオープン直前となる午前8時前、フェイスブックでストアツアーとなるライブ配信を行ったのだ。ツアーガイドで店内を案内しているのが、スチュー・レオナード・ジュニア氏の長女であるブレイク・レオナード氏。ワンウェイコントロールされた2,000坪の店内を彼女はアイスクリームショップからレジ前のカスタマーサービスまで20分弱かけて案内している。家族経営の名の通り、アンドリューという彼女のいとこまで出演してガイドを務めている。スチューレオナード名物のアップル・サイダー・ドーナツや出来立てのクッキーをほおばり、看板商品のロブスターロールを紹介し、大人気のケトルチップス(釜揚げチップ)を見ながら店内を歩いていく。途中にはミスターベーグルマンやブレッド・チャイム、彼女の妹がボーカルで参加しているアボガド・ガールズ、スケートボードで動くボビー・バナナなど、ブレイクの名前やいとこのセラなどの名前が付けられたスリー・グッド・チキンなど、からくり人形も実際に動かして見せているのだ。ミルクのあるデイリーセクションでは、食品スーパーを作るきっかけとなった祖父のミルク販売などバックグランドについて語っている。
 スチュー・レオナード・ジュニア氏によると8時のオープンにも関わらず、4時45分から並んだお客がいたとのこと。ブレイク・レオナード氏も「アイスクリームショップでお手伝いをしていますので、寄ってくださいね」と最後を締めている。

トップ動画:スチュー・レオナード・ジュニア氏の長女であるブレイク・レオナード氏が行った店内ツアーのライブ配信動画。アメリカンなノリの良い彼女は、レオナード家では三世代目となる。当ブログ上では利用不可となっているが、「Watch on Facebook」の文字をクリックしてフェイスブック上で確認できる。  続きを読む
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2017年09月16日

【スチューレオナード】、2,000坪の新店オープン!JFKに到着後30分弱で行けるお店?

170916スチューレオナード00
■顧客志向の社訓「ルール1:お客様は常に正しい」「ルール2:もしお客様が正しくないと感じたらルール1に戻れ」で有名なスチュー・レオナードは8月23日、6店舗目をオープンした。1号店のコネチカット州ノーウォーク店は2,900坪(スタッフ数:657名*)、1992年にオープンしたコネチカット州ダンバリー店は3,600坪(471名)、1999年にオープンしたニューヨーク州ヨンカーズは3,400坪(678名)、2007年にオープンしたコネチカット州ニューイントン店は3,200坪(420名)、9年ぶりに昨年1月にオープンしたロングアイランド・ファーミングデール店(400名)は1,700坪だ。1,960坪(400名)となる6店目はジョン・F・ケネディ国際空港から東に30キロ弱のところにあるロングアイランド・イーストメドウ地区(1897 Front St., East Meadow, NY 11554)にオープンした。2013年までパスマークがあった場所に開店したのだ。ワンウェイでコントロールされアイテム数2,200品目は他の店舗と同じだ。昨年1月20日にオープンしたファーミングデール店より通路を広くとっているのが特徴だ。エントランスからアイスクリームショップとコーヒーショップを通過し、スチューレオナード名物のアップル・サイダー・ドーナツを出来立てで提供するドーナツマシーンがある。ベーグルを含むベーカリーセクションから青果コーナー、スチューレオナードの前身である酪農店の歴史を伝えるデイリー、天井から巨大ロブスターが見下ろすシーフードコーナーにスチューレオナードの看板商品のロブスターロール、アジア系の料理も充実しているホット&コールド・デリには客寄せ商品の人気ケトルチップス(釜揚げチップ)が大量に鎮座している。レジはエクスプレスとフルサービスがおのおの13台あり、レジ奥には狭いながらもイートインスペースも置かれている。なおスチュー・レオナード・イースト・メドウ店の営業時間は朝8時〜夜10時となっている。
 オープン初日には朝の4時45分から並んだお客もおり、スチュー・レオナードの人気はイーストメドウでも健在だ。スチューレオナードはニュージャージー州パラマス地区の出店を模索しており、パラマス・パーク・モール(Paramus Park Mall)SCから誘致交渉が進められていると一部に報じられている。今後はファーミングデール店やイーストメドウ店をひな形にさらなる出店が期待されている。

*スチューレオナードが2016年2月に発表したデータを参考。

トップ画像:スチュー・レオナードは8月23日、6店舗目をジョン・F・ケネディ国際空港から東に30キロ弱のところにあるロングアイランド・イーストメドウ地区(1897 Front St., East Meadow, NY 11554)にオープンした。  続きを読む
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2017年09月15日

【クローガー】、ラルフスでミールキット!アルバートソンズはミールキット業者を買収?

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■スーパーマーケット最大手のクローガーは先週、南カリフォルニアで展開する傘下のスーパーでもミールキット販売を始めた。ミールキットは料理がすぐに調理できるよう、あらかじめレシピに合わせて必要な分量の食材や調味料のみがセットされたもの。食材を洗ったり皮をむいたり切ったりなど手間なく同封レシピに従って調理すれば20分で高級レストラン並みの食事を楽しめる。ミールキットは通常、ブルーエプロンなどオンライン定期購入サービスで宅配となる。クローガーのミールキット「プレップ+ペアド(Prep + Pared)」を販売しているのはラルフス・フレッシュフェアの一部店舗。ロングビーチのラルフス・フレッシュフェアでは二人分のプレップ+ペアドを14ドル〜20ドルの価格帯で販売している。最も安価となる14ドルの「ポブラノと黒豆とキノア(Prep+Pared Stuffed Poblano Peppers with Black Beans & Quinoa)」から、20ドルの「ペルー風サーモンとキノアサラダ(Prep+Pared Meal Kit: Peruvian-Inspired Salmon with Cool Quinoa Salad」など8種類のレシピが用意されている。それぞれのパッケージにはトウガラシのマーク(1本〜3本)で示した辛さの度合いに調理での包丁使用の有無「ノー・チョップ/イージー・チョップ(No Chop/Easy Chop)」が絵柄で表現されている。またグルテンフリーのマークを貼付し、フリーフロムなどを訴求している。同封されているレシピの他、YouTubeでも「チミチュリ・ステーキ(Prep+Pared Meal Kit Chimichurri Steak)」や「ベトナム風レモン風味ポーク(Prep + Pared Vietnamese-Inspired Spicy Lemongrass Pork)」など15〜30秒にまとめたレシピ動画も閲覧可能だ。プレップ+ペアドは、カーブサイドピックアップのクリックリスト(Clicklist)を行っているラルフス・フレッシュフェアで販売しているため、オンラインオーダーも可能となっている。
 クローガーは5月、プレップ+ペアドの販売をオハイオ州シンシナティのクローガー・マーケットプレイスから始めており、現在は南カリフォルニアのラルフス・フレッシュフェアやケンタッキー州ルイビル地区のクローガーなど50店舗以上に拡大している。
 
トップ画像:ラルフス・フレッシュフェア・ロングビーチ店では先週末、クローガーのミールキット「プレップ+ペアド(Prep + Pared)」で試食販売を行っていた。  続きを読む
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2017年09月13日

【クローガー】、遂に食品スーパー最大手がグローサラント「キッチン1883」をオープン!

170913キッチン1883@クローガー
■スーパーマーケットチェーン最大手のクローガーがレストラン・ビジネスに参入しグローサラントをテスト展開する。本社があるオハイオ州シンシナティの地元メディアが伝えたところによると、ケンタッキー州ユニオン地区に新しくオープンするクローガー・マーケットプレイスに併設してレストラン「キッチン1883(Kitchen 1883)」が現在、工事中となっている。クローガーはキッチン1883(9003 US-42 Union, KY 41091)についてコメントを控えているものの、同社の雇用イベント(Hiring Event)の説明欄には「キッチン1883は(冷凍ではなく)新鮮な素材から作る料理や手作りのカクテルを提供する、家族で楽しめる雰囲気のレストラン」と紹介されている。10月にオープン予定となるレストラン内にはバーも導入され、地ビールやワインなどの提供も予想されている。なお、レストラン名にある1883は、クローガー創業者のバーニー・クローガー氏がシンシナティに食品店をオープンした1883年からつけられている。
 グローサラントとはスーパーマーケットを意味するグローサリー(grocery)とレストラン(restaurant)を合わせた造語であり、レストランのような高品質のプリペアドミールを販売しながらも、スーパーマーケットの店内でも食事を提供する業態だ。スーパーマーケットが新鮮な食材を活かしたこだわりのメニューで、競合店やオンラインストアより先に顧客の胃袋を奪ってしまう戦略でもある。グローサラント業態はスーパーで毎日の買い物をしながら手っ取り早く胃袋を満たせる利便性が受け、スーパー内で洗練されながら急拡大している。調査会社NPDグループによるとグローサラントは昨年、100億ドルの売上をもたらした。NPDではグローサラント目的の集客が2008年から30%も増加していると試算しているのだ。グローサラントが拡大する要因にプリペアドミールを購入するお客の40%以上を占めるミレニアル世代の台頭がある。またファストカジュアル・レストランより53%も安価なことからグローサラントが人気となっているのだ。
 テキサス州など370店以上を展開するHEBでは著名料理人であるランディ・エヴァンス氏を雇い、テキサスBBQを中心にしたメニューでスーパーマーケット内にレストランを導入している。彼がプロデュースした料理をサンアントニオのザ・マーケット・アット・ストーンオーク(The Market at Stone Oak)にある「オークス・クロッシング(Oaks Crossing Restaurant & Bar)」や同じくサンアントニオ郊外のHEBにある「スリー・ダブル・オゥ・ナイン(3 Double-O Nine Bar & Restaurant)」、さらにヒューストンのHEB内にある「テーブル57(Table 57 Dining & Drinks)」等で提供している。最近ではレストラン名を「ツルー・テキサスBBQ(True Texas BBQ)」にしてHEB内で展開している。ニューヨーク州などで93店舗を展開するウェグマンズも店内にフルサービス・レストラン「パブ(The Pub)」を導入している。ニューヨーク州ピッツフォードにあるウェグマンズの旗艦店の隣にはカジュアル・ダイニング「バーガーバー(Burgar Bar)」を出店している。この店から車で1〜2分の距離にフリースタンディングでフルサービス・レストラン「ネクストドア・バイ・ウェグマンズ(Next Door by Wegmans)」を展開している。またロチェスター店では2階層のフルサービス・イタリアンレストラン「アモーレ・イタリアン・レストラン&ワインバー(Amore Italian Restaurant & Wine Bar)」もある。アイオワなど中西部に240店を展開するハイヴィーは、100ヵ所近くのスーパーマーケット内に「マーケットグリル(Market Grille)」を導入している。ハイヴィーのマーケットグリルはHEBやウェグマンズのようにスーパーマーケット内に独立したレストランを展開しているオペレーションとは異なり、レストランの調理場をデリと一部で共有している。メニューはステーキやシーフード、サンドウィッチ、ハンバーガーからピザやパスタのイタリアン、さらには中華や寿司までと幅広いのが特徴だ。グローサラントを早くから始めているのがホールフーズ・マーケット。ホールフーズの新コンセプトストア「365バイ・ホールフーズ・マーケット(365 by Whole Foods Market)」では地元で有名なレストランを導入し、今年1月マンハッタンにオープンしたブライアントパーク店では地元で有名なカジュアルレストランにフルサービスのレストランも導入しているのだ。 クローガー傘下ではシカゴで40店以上を展開するマリアノスなどがグローサラントを強化した店舗を続々オープンしている。

トップ画像:ケンタッキー州ユニオン地区に新しくオープンするクローガー・マーケットプレイスに併設してレストラン「キッチン1883(Kitchen 1883)」が現在、工事中となっている。確認したところ10月4日にオープン予定という。  続きを読む
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2017年09月10日

【クローガー】、クリックリストを2年で1,000店!ラルフスでミールキット販売を開始?

170910クリックリスト@クローガー・マーケットプレイス
■スーパーマーケットチェーン最大手のクローガーは8日、オンラインショッピング「クリックリスト(ClickList)」を813店で展開していることを明かした。クリックリストはネットで注文した商品をお店の駐車場で受け取れるサービス。「カーブサイド・ピックアップ」や「クリック&コレクト」とも言われており、小売最大手のウォルマートからテキサス州で展開するHEB、中西部のハイビーなど、大手チェーンから地方のスーパーまで一部で行っている。クローガーのクリックリストは生鮮品など約4万品目を注文・決済し、翌日の午前8時〜午後9時まで1時毎のピックアップ時間を指定して受け取る。ピックアップは指定されたパーキングスポットに車を停め、記載されている電話番号に連絡すれば、スタッフが商品をもってきてトランクに詰めてくれるのだ。クリックリストの注文手数料4.95〜6.95ドル。初回から3回までの注文手数料は無料となっている。クローガーは2015年7月、オハイオ州シンシナティのクローガーマーケットプレイス・リバティータウンシップ店でクリックリストを開始した。同サービスはカーブサイド・ピックアップとも言われており、競合のウォルマートも同サービス「ウォルマート・グローサリー(Walmart Grocery)」を1,000ヵ所にまで拡大している。クローガーでは、クリックリストは年末までに傘下のスーパー1,000店以上にまで展開するとしている。一方、宅配サービスも徐々に拡大しており、買い物代行サービスのシプツや配車サービスのウーバーと提携した宅配サービスは150ヵ所以上でのテスト展開と明かしている。
 クローガーが8日発表した第2四半期(5月〜7月期)決算では、ガソリン販売を含めた売上高が276.0億ドルと前年同期比3.9%の増加となった。ガソリン売上を除外すると3.8%の増加。純利益は3.53億ドルと同7.8%の減少となった。既存店ベース(ガソリン販売除く)は0.7%の増加となった。またクリックリストなどネット経由のデジタル売上は前年同期比126%の増加だった。クリックリストなどアカウント利用者は2,500万人以上に上るという。
 クローガーは先週、ミールキット販売を南カリフォルニアのラルフスを含め、50店舗以上に拡大したことを発表した。ミールキットは料理がすぐに調理できるよう、あらかじめレシピに合わせて必要な分量の食材や調味料のみがセットされたもの。食材を洗ったり皮をむく手間もなく同封レシピに従って調理すれば20分で高級レストラン並みの食事を楽しめる。クローガーのミールキット「プレップ+ペアド(Prep + Pared)」は二人分で14ドル〜18ドル。クローガーでは今年5月頃から、本社近くのクローガーにてミールキット販売のテストを開始した。  続きを読む
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2017年09月02日

【ハイヴィー】、セレブバーガーチェーン展開!ヘルス&ウェルネスでスーパーにジムも?

170902ハイヴィー
■中西部に240店舗以上を展開する食品スーパーのハイヴィーが31日、セレブが経営するハンバーガーチェーンと急成長中の最新フィットネス・スタジオと戦略的提携を組んだことを発表した。ハイヴィーと提携するのは、俳優のマーク・ウォルバーグ氏などが経営するウォルバーガー(Wahlburgers)と日本にもスタジオがあるオレンジセオリー・フィットネス(Orangetheory Fitness)。中西部の食品スーパーがバーガーショップとフィットネスセンターをスタンドアローンや店舗近く、店内などで展開していく。ウォルバーガーはマーク・ウォルバーグ氏に彼の兄でニュー・キッズ・オン・ザ・ブロックの元メンバーのドニーが投資家となり、兄で著名シェフのポールがエグゼクティブシェフに迎えた、いわばウォルバーグ・ファミリーのファストカジュアルチェーン。2014年にはウォルバーガーを題材にしたリアリティ番組にもなった。ウォルバーガーは本部があるマサチューセッツ州ボストンを中心に、9州とカナダに17店を展開している。今回の提携によりハイヴィーはフランチャイジーとしてウォルバーガーをアイオワ州中西部に26ヵ所展開する。来年には本部のあるウエストデモインにオープンし、ハイヴィーのグローサラント・ブランドで100ヵ所以上のスーパー内で展開している「マーケットグリル(Market Grille)」にもウォルバーガーのメニューを加えるとしている。大型の筋トレマシンが一切なく床面積が80坪と小型なオレンジセオリー・フィットネスは科学的根拠に基づいた独自のメソッドで急拡大しているフィットネススタジオ。少人数のグループで心拍数をモニターで確認しながら専任トレーナーが指導する完全予約制のトレーニングジムであり、エネルギッシュな音楽に合わせて行うスタイルをとっている。2010年創業のオレンジセオリー・フィットネスはフランチャイズ展開でアメリカ国内では39州に450ヵ所以上を運営している。また向こう2年間で1,500ヵ所の計画を掲げている。ハイヴィーはスーパーマーケット店内もしくは隣接する形でオレンジセオリー・フィットネス・スタジオを展開していくとしている。

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。理論は英語でセオリー(Theory)。理論は進化します。進化するものです。アメリカではアマゾンの台頭で、それまでのチェーンストア理論が陳腐化しています。一方で日本の小売り経営者の中には今もなお陳腐化したチェーンストア理論をしっかり守っている方もいらっしゃいます。自身の成功体験に加え、日本はアメリカより5年〜10年遅れているので旧態依然のチェーンストア経営でも通用するのです。「原理」「原則」のワードを持ち出してチェーンストア理論を強固にしてしまったがためにガチガチな考えの方もいらっしゃいます。面白いものでチェーンストアで成功した小売り経営者にアメリカ小売業の現在を見せると驚きを通り越して、恐怖を感じるようです。自分たちが教わったセオリーの延長線上にアメリカ小売業の現在はないからです。セオリーは時には常識を覆すほど、変化するものなのですね。例えばダイエット運動のセオリーも私が学生だった30年前と今とでは大違いです。  続きを読む
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2017年09月01日

【HEB】、ハリケーン・ハービーの被災者救援で地方の食品スーパーがリアルヒーロー!

170901HEB救援トラック
■メキシコ湾で発生したハリケーン・ハービーは2番目の強さであるカテゴリー4へと勢力を拡大し、25日夜にはテキサス州に上陸した。長く続いた豪雨による未曾有の洪水で全米4位の人口を持つヒューストンの一部が冠水した。ハリケーン・ハービーは31日までに28人の命を奪い、数万人が避難する大災害となったのだ。破壊的洪水に見舞われる中、テキサスゆかりのスーパーマーケットが被災者救援に乗り出し、全米から注目を集めている。テキサス州に370店舗を展開するHEBは27日、被災者支援に10万ドルの寄付を行うとともに特に被害の大きかったヒューストン郊外ビクトリア郡に「災害対応ユニット(DRU:Disaster Response Units)」と「モバイル・キッチン(Mobile Kitchens)」を派遣することを発表した。DRUは水などの救援用物資を運ぶ大型トラックを中心に15台以上で編成した護送車両。DRUには大型の発電機の他、処方箋薬を出すファーマシーや小切手のキャッシングやATMを含むビジネスセンターなど、被災者が最低限必要とする物資やサービスを提供するユニットで構成されている。DRUにはボランティア用の仮眠室やシャワーも含まれている。また大型トラックによるモバイル・キッチンでは1時間に2,500食を提供でき、HEB従業員の約100人のボランティアが被災者に食事を賄う。
 地方局のフェイスブックでは、HEBのDRUの護送車両を映した動画がアップされ1,000万回以上も再生されている。「ここで救援活動を行っています(Helping Here)」と描かれた大型トラック数台に発電機を積んだトラック、全長14メートルにもなるモバイル・キッチンのトラック、救援物資を積んでいるであろう「災害救援(Disaster Relief)」トラックなどが映し出されている。フェイスブックには「ありがとう!HEB」に「素晴らしい光景だ」「HEBはテキサスの誇りだ」「トラックを見て泣けた」など、HEBへの賛辞が6,000件以上集まっているのだ。


ヒューストンにある地方局のフェイスブックでは、HEBのDRUの護送車両を映した動画がアップされ1,000万回以上も再生されている。HEBへ賛辞のコメントが溢れているのだ。  続きを読む
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2017年08月31日

【ミールキット】、地方スーパー参戦!典型的な日本のラーメンはミールキット販売不可?

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■ミールキット・サービスのブルーエプロン・ホールディングスは6月29日、ニューヨーク証券取引所に上場した。初日の終値は新規株式公開(IPO)価格と同じ10ドル。ミールキットとは料理がすぐに調理できるよう、あらかじめレシピに合わせて必要な分量の食材や調味料のみがセットされたもの。食材を洗ったり皮をむく手間もなく同封レシピに従って調理すれば20分で高級レストラン並みの食事を楽しめる。ミールキット・スタートアップ企業の株価は下落し続け、IPOから2ヵ月後の現在、初値からおよそ半値まで暴落した状態となっている。2012年創業のブルーエプロンは、国内のミールキット宅配部門では最大手だ。利用者は100万人以上、昨年の売上高は8億ドルに上っている。しかし、株価は冴えない展開が続いている。株価低迷の原因は、飽和状態による熾烈な競争だ。ブルーエプロンにとっての脅威は、ネット通販最大手のアマゾンだ。アマゾンは「アマゾン・ミールキット(Amazon Meal Kits)」の販売をアマゾンフレッシュを通じて一部市場で始めており、ホールフーズの買収完了で約460店でも販売が可能となっているのだ。競合はアマゾンだけでない。ミールキット市場は現在、150社以上が参入している。しかも全方位からの競争となっている。例えばスーパーモデルのシンディ・クロフォード氏が提案する「アーバン・レメディ&シンディクロフォード(urbanremedey/cindy-crawford)」に歌手のビヨンセさんと夫ジェイZ氏のプラン「22日間ミールキットプラン(22 Days Nutrition guided Beyonce and Jay-Z on a 22 Days Vegan Challenge)」、アメリカンフットボール選手のトム・ブレイディ氏のミールキットプランを始めたパープル・キャロットなどセレブと組んだ高付加価値プランも出現している。ミールキットは通常、オンライン定期購入サービスの宅配だが、大手スーパーマーケットもミールキットに進出している。スーパーマーケット最大手のクローガーは5月、同社が開発したミールキット「プレップ+ペアド(Prep + Pared)」の販売を一部店舗で開始した。二人分で14ドル〜18ドルのミールキットは、部のあるオハイオ州シンシナティの店舗を中心に徐々に販売を拡大している。フロリダなどに1,100店以上を展開するパブリクス・スーパーマーケットも同じころ、フロリダ州オーランド地区とタンパ地区の2店で同社のミールキット「エプロンズ・ミールキット(Aprons Meal Kits)」を販売を始めた。調理の簡単さに合わせ3段階に分かれたエプロンズ・ミールキットは2人分〜4人分があり価格も10ドル〜38ドルと幅広い。1週間に3食(1食で二人分)を65ドル〜85ドルで定期購入する直販のミールキットと比べて、大手スーパーマーケットが扱うミールキットは、1食(二人分)から購入できるので手軽なのだ。クローガーもパブリクスもホールフーズも大手だが、今度は地方のスーパーがメールキット業者と提携して参戦してきた。南カリフォルニアを中心に現在25店舗を展開する高級スーパーマーケットのゲルソンズが、ミールキット・プロバイダーのシェフツ(Chef'd)と提携してミールキット販売を始めた。2015年創業のシェフツは定期購入で提供するミールキット直販業者。ゲルソンズで取り扱うシェフツのミールーキットは12種類にも及び、1食二人分で24.99ドルとなる。
 調査会社パッケージ・ファクトは昨年のミールキット市場規模を約15億ドル(約1690億円)と推計しており、5年後に50億ドル規模に成長すると見込んでいる。外食業界を専門にする調査会社テクノミックも、5年で10倍にも急成長すると予想。別の調査でも2025年までに350億ドル市場に成長していると試算している。市場飽和で再編淘汰が起こるのか?混戦しながらも市場がそれ以上に成長し続けるのか?いずれにしてもブルーエプロンには厳しい局面が続くだろう。

トップ画像:南カリフォルニアを中心に現在25店舗を展開する高級スーパーマーケットのゲルソンズ。地方のスーパーもミールキット販売を始めた。典型的な日本のラーメンをミールキットで食べてみたいが、大手は販売できない?  続きを読む
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2017年08月29日

【アマゾン】、ホールフーズ買収完了!食品値下げより怖いチェーンストア理論の陳腐化?

170829ホールフーズ
■ネット通販最大手のアマゾンは24日、ホールフーズ・マーケットの買収手続き完了に伴い、生鮮品などを中心にホールフーズの人気商品を値下げすることを発表した。年会費99ドルのアマゾン・プライム会員にホールフーズのリワード・プログラムの特典を追加する。またアマゾン・ロッカーの設置や、返品対応を含むピックアップ拠点としてホールフーズの店舗を活用することを明らかにした。一方でアマゾンは自社サイトを通じてホールフーズのプライベートブランドなどの販売にも乗り出す。商品の値下げは28日から約460店となる全店で開始。バナナや卵など日常的によく購入されるステープル商品を中心に最大40%値引かれた他、ニューヨークにある一部の店舗ではアマゾンの音声アシスタントAI端末「アマゾン・エコー(Amazon Echo)」と「エコー・ドット(Echo Dot)」の販売も開始した。アマゾンは今年6月、137億ドル(約1.5兆円)でホールフーズ買収を発表。今月23日にはホールフーズの株主総会でアマゾンの買収提案が承認され、連邦取引委員会(FTC)も買収承認を発表していた。
 ホールフーズ・マーケットが先月発表した第3四半期(4月〜6月期)決算では既存店ベースが前年を下回り、8四半期連続でマイナスとなった。売上高は37.3億ドルと前年同期比0.6%の増加。純利益は1.06億ドルとなり、前年の1.20億ドルから11.7%減と二桁の減少となった。粗利益率は値下げなどの販促により前年同期の34.7%から34.0%と0.7ポイント減少した。一方、一般販売管理費率は28.8%と前年同期から0.3ポイント増加したことで、営業利益率は4.8%となり前年同期の5.6%から0.8ポイントも減少した。既存店・売上高前年同期比は1.9%の減少だった。既存店ベースは2015年の第4四半期から8四半期連続して前年を下回っている。ホールフーズは現在、アメリカを中心にイギリスとカナダを含め465店舗を展開している。

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。ここ3日間、当ブログでロサンゼルスの視察先の提案をしていましたが、後藤はLAから4,000キロ離れたニューヨーク・マンハッタンにいました(笑)。23日にオープンしたスチューレオナードの新店やウェグマンズのニュージャージー州最新店のフィールド・リサーチに東部に行っていました。某企業へのコンサルティング・セミナーもあったのです。スチューレオナード等、新店については当ブログで画像などを共有したいと思います。コンサルティング・セミナーではモバイル・オーダー&ペイやウォルマート・アプリのワークショップをクライアントに行ってもらった他、ウェグマンズのグローサラント「バーガーバー」やアマゾン・ブックスでエコーなどもご覧になっていただきました。アマゾン・ブックスはホールフーズもある「ザ・ショップス・アット・コロンバス・サークル」で視察しました。ここで参加者から俄然、注目を集めていたのはアマゾン・エコーでした。  続きを読む
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2017年08月18日

【ウォルマート】、集客増すも儲かりにくい!も食品売上が伸びたことでウィンコを凌駕?

170818ウォルマート
■ウォルマートが17日発表した第2四半期(5月〜7月期)決算は、好調なEコマースが高い成長を維持し売上高に寄与したものの、粗利を押し下げたことで減益となった。会員費等を含む総売上高は2.1%増となる1,223.6億ドル。食品売上の伸びが成長を支えた。一方、純利益は前年同期から23.2%減となる29.0億ドルとなった。Eコマース企業の買収等、IT投資により営業経費が上昇し利益を圧迫した。
 売上高の約6割を占める国内のスーパーセンターやディスカウントストアなどウォルマートUSの売上高は787.4億ドルと前年同期比3.3%の増加だった。ウォルマートUSの既存店・売上高前年同期比(ガソリン販売は除外)は食品売上が過去5年間で最大の伸びとなったことで1.8%の増加となった。これによりウォルマートUSの既存店ベースは12四半期連続で前年を上回ったことになる。内訳は客単価が0.5%増加し、客数が11四半期連続プラスとなる1. %の増加となった。また取扱品目数が6,700万品目(前期は約5,000万品目)に達しているEコマースは売上高が前年同期比60%増となり、前期の同63%増から大幅な成長を維持した。またEコマースの取引総額(GMV:Gross Merchandise Volume)は63%の増加だった(前期は69%の増加)。Eコマースの急拡大は、35ドル以上の買い物をすれば年会費無料で2日間配送サービスの「無料2日間シッピング(FREE 2-Day Shipping)」に、Eコマースでラスト・ワン・マイルのコスト節約分を顧客に還元する「ウォルマート・ピックアップ・ディスカウント(Walmart Pickup Discount)」が寄与している。ウォルマートは今年に入ってEC企業のモドクロスやシューバイ、ムースジョー、ボノボスを買収しているが、EC成長のほとんどがウォルマート・コムのオーガニックな成長としている。
 また、スキャン&ゴーを昨年9月末、全店に展開したサムズクラブの既存店ベース(ガソリン売上除外)も1.2%の増加となった。サムズクラブの既存店ベースのプラスは6四半期連続となっている。サムズクラブのEコマースもGMVで23%の増加となった。サムズクラブの「インドア・クラブ・ピックアップ端末(Indoor Club Pickup kiosk)」や「ドライブスルー・ピックアップ(Drive-through pickup)」「カーブサイド・ピックアップ(Curbside pickup)」などクラブピックアップがEコマースの成長を後押ししているという。

ウォルマート第2四半期(5月〜7月期)
総売上・前年同期比:2.1%増
純利益・前年同期比:23.2%減
既存店・売上高前年同期比:1.8%増(アメリカ国内)
ウォルマート店舗数(17年4月30日)
 アメリカ国内店舗数:5,354店
  スーパーセンター:3,534店
  ネイバーフッドマーケット:698店
  ディスカウントストア:412店
  小型店など:48店
 サムズクラブ:662店

 海外店:6,369店

 総店舗数:11,723店

トップ画像:2年まえにオープンしたウォルマート・スーパーセンター・ロングビーチ店。「ウォルマート最大の悪夢(Walmart's Worst Nightmare)」と呼ばれているウィンコとは、約500メートルの接近戦で戦っているウォルマートだ。下にあるウィンコの青果売り場の画像(平日の午後1時頃に撮影)を見ていただきたい。  続きを読む
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2017年08月15日

【アルディ】、ディスカウント・スーパーもインスタカートと提携し宅配サービス始める!

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■多くのスーパーマーケットが宅配サービスを始めているが、ディスカウント・スーパーマーケットのアルディも宅配を始める。アルディは14日、オンデマンド買物代行&宅配サービスのインスタカートと提携し宅配サービスのテストを始めることを発表した。注文から最短で1時間で届く宅配テストは8月31日からアトランタ、ダラス、ロサンゼルスで始める。キャンペーンとして初回注文には手数料を無料にするほか、20ドルの値引きも行うという。なおインスタカートの年会費は149ドル(2016年1月4日に99ドルから値上げ)。注文ごとに宅配手数料を払う方法もあり、35ドル以上の注文ならば2時間の宅配が5.99ドルとなっている。インスタカートはホールフーズやコストコ、プライスライト、BJホールセールクラブ、ペトコ、ハリスティーターなど160以上のチェーンストアやローカルストアと提携している。最近ではフロリダなどに1,100店以上を展開するパブリクス・スーパーマーケットが6月、インスタカートと提携し2020年までに宅配サービスを全店で展開すると発表した。またアホールド傘下でマサチューセッツ州など5州に400店以上を展開するストップ&ショップも6月にインスタカートと提携したことを発表。ニューヨーク州など6州に93店舗を展開するウェグマンズもインスタカートと提携した宅配サービスを徐々に拡大している。スーパーマーケットなどが加盟する食品流通業団体「食品マーケティング協会(FMI:Food Marketing Institute)」と調査会社ニールセンが1月に発表した報告書によると、オンライン食品注文&宅配市場は2025年に1,000億ドルの市場に成長すると試算している。昨年、食品・飲料売上高全体の4.3%だったオンライン食品注文&宅配市場は2025年には最大20%まで増加すると予測しているのだ。
 35州に1,700店近くを展開するアルディは6月、34億ドルの設備投資で2022年末までに2,500店まで拡大することを発表した。  続きを読む
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2017年08月13日

【HEB】、テキサスが誇る美味い地産品!地方のスーパーができる選抜特産品の総選挙?

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■テキサス州に約370店を展開するローカルスーパーのHEBは5年前から地産プロモーション「プリモ・ピックス(Primo Picks)」を行っている。プリモ・ピックスは零細食品メーカーや農家などが生産・開発・加工した食品・飲料を紹介するプロモーションだ。テキサス州の地産業者の商品を主に選んでいるが、高品質なものであれば他州や海外の食品メーカーの商品も紹介している。季節品や限定品も少なくないため、レアな商品プロモーションになることもある。プリモ・ピックスはHEBやHEBプラスでPOPをつけて訴求しており、一部にエンド陳列や試食コーナーでの訴求も導入している。すでにプリモ・ピックスは累計で約4,500アイテムになっており、HEBにとっては人気のイベント&販促品になっている。
 特に2014年から導入されたコンテスト「プリモ・ピックス・テキサスベスト(Primo Picks Quest for Texas Best)」で優勝した商品は、HEBのホットアイテムだ。テキサスベストはテキサス州内の地産業者のみに限ってノミネートができるコンテスト。HEBでは優れた地産品を広めていくため、賞金総額7万ドル(約710万円)を拠出してコンテストを行っている。第1回テキサスベストで優勝したのはフリオファーム(Frio Farm)の手作りバニラエッセンス。第2回となる2年前のテキサスベストはTEOジェラート(TEO Gelato)だった。第3回となる昨年のテキサスベストはテキサス州カイル地区にある50席程度の小さなレストラン「テキサス・パイ・カンパニー(Texas Pie Company)」のオリジナルのパイ生地が優勝した。同店シェフの祖母からの直伝レシピを基にしたという人気のパイ生地だ。そして今年は乳製品を使っていないモカ・マーマレード(Mocha Marmalade)が600品目の中でグランド・プライズを勝ち取った。なおコンテスト優勝者は2.5万ドル(1位は2万ドル、2位は1.5万ドル、3位は1万ドル)が与えられる他、HEB全店やオンラインストアで大々的に販売される。

HEBにある地産プロモーション「プリモ・ピックス(Primo Picks)」の試食コーナー。テキサス州の地産コンテスト「プリモ・ピックス・テキサスベスト」で優勝した食品をレシピを使って紹介している。  続きを読む
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