2009年09月28日
脱ONの世界と大洋ホエールズ
NHKスペシャルで、長嶋と王を特集していたのか…。連休中はバタバタしていたのでみはぐったものの、後編は視る事ができました。
中学一年まで兄貴と同じ部屋で寝起きしており、その部屋には長嶋茂雄のパネルが掲げてありました。そのパネルは長嶋現役引退のときに祖父が送ってくれたもので、何年も、いや、何十年も掲げたままになっていたりします。
私自身には長嶋の現役時代の記憶って実は殆どなくて、そういうイメージだけなんですね。他方、王貞治の方は記憶がバッチリと残っている。おそらく私と同世代の人間なら同じでしょうけど、野球の入口は王貞治でした。
「王が三冠王だから三冠王の称号が成立するのであり、田渕が三冠王を獲ったら三冠田渕としか呼ばない。ホームラン王は王のもので、田渕がホームラン王を獲っても、それはホームラン王ではなくホームラン田渕だな」
と子どもたちに言わせてしまう象徴。
番組に登場していた駒田徳広さんが「王の打席だけはチャンネルを変えるな」という会話が家庭内で起きたと振り返っていましたが、そうした光景も珍しくなかった気がしますかね。漫画の「ダメおやじ」でも、嫁にいびられるダメおやじが「せめて王の打席だけテレビをみせてくれ」と語る一コマがあったし。
現在のイチローは王に近い。どこか孤高の存在として、その極みに立っているしイチローの残した成績というのも不世出に近く、その人気にも似たようなものがあると思う。ただ、親近感という意味はどうなんでしょう。活躍しているのは海の向こうであり、時代背景も長嶋や王の時代とは違っていて、野球という競技そのものが国民唯一の娯楽ではなくなってしまっている事との絡みがある。「とくダネ!」の小倉さんのように、音楽でも野球でもゴルフでも深く首を突っ込める立場の人間は限られていて、そうした多様化が今という時代にある。アントニオ猪木を毎日チェックする事はできたが、なかなかマリナーズのイチローを頓着できない(笑
王と長嶋。長嶋と王。この両軸は奇跡的。というのも両者はタイプが好対照すぎるんですよね。NHKスペシャルも監督としてON対決が実現した2000年の日本シリーズを回想していました。
長嶋が「勝ち負けはどうでも良かった。楽しみたかった」と相変わらずの陽気キャラなら、王は「勝たなければ意味がない」と回想する。どんな日本シリーズだったか記憶に無かったものの、勝利したのは長嶋巨人。優勝パレードの映像になると、まだ、その頃のプロ野球熱が伝わってくる。王はといえば「監督とは結果を残す事が仕事だ」と語る。
例の映像もありました。ダイエー球団の監督となった王が苦戦し、ついには「頼むからヤメテくれ!王」という横断幕をダイエーファンが飾ったという例の騒動の映像。ファンてのは身勝手なもんです。愛すればこその愛のムチ? 違ったと思いますけどね…。
日本には在る時期まで野球ファンといえば巨人ファンに近い構図があり、私などがプロ野球に熱心だった頃は、正しく打倒巨人を楽しみにしていたものです。既にONは居ない。さほど愛すべき選手は居なくなったし、篠塚やクロマティってのは巨人ファンの中の大物であり、アンチ巨人の視点からすると最高の敵役だった気がします。若大将・原辰徳は敵役でもなかったかなぁ。いつもチャンスでポップフライを打ってくれるイメージだったから。
なので、便宜的に横浜大洋球団を熱心に応援していました。弱くてねぇ…。
困っちゃうぐらいに弱かった。投手だと斉藤明雄と遠藤一彦ぐらいしか頼りにならなかった。南海ホークスで活躍していたとかで、やってきた佐藤道郎は面白くて、審判のジャッジが気に入らないと帽子を叩きつけたり、歩み寄ったりする熱血漢だったけど、アテにはならない。
山下大輔は若くして禿げていたし、名球界プレーヤーの松原誠は巨人へ行ってしまうし、首位打者を取らせてやった長崎慶一も阪神へ。生粋のプレーヤーは高木豊と中塚雅幸ぐらいか。構えるときにグリップを絞って猫背になるのがかわいかった。
女子プロゴルファーの父・福島ってのも居たな。打たね〜選手なんだよなぁ。一度だけサヨナラホームランを覚えてるけど、それぐらいしか印象がない。あとはクラウンライターライオンズで不祥事があってやってきた基満男か。基満男は凄い選手だったけど、いぶし銀すぎて誰も憶えてない可能性さえある。今にして思うと、落合博満に似た独自のテンポでスイングを止めたりする名プレーヤーだったけど。
で、大洋ファンというのはストーブリーグになると「屋鋪要は俊足と好守で来年こそは大化けするだろう」と信じ、「長嶋二世・田代富雄は来年こそ本塁打王だろう」と信じるも裏切られ続け、挙げ句、田代は「史上最強の7番打者」で固定され、屋鋪はというと捏ねくり打法から脱却できずに永遠のホープのまま、巨人へ移籍して天才守備要因に。
おそろしいダメ球団ぶり。その後に大魔神・佐々木が入団したり、石井琢が入団するも万年Bクラス。しかも、よりによって巨人にばかり大きく負け越すから日本全国のアンチ巨人ファンから「大洋はけしからん」とか「横浜巨人銀行め!」と叱られてしまうのが常。精神衛生上、悪いったらありゃしない。
大洋というと外国人選手の宝庫です。カルロス・ポンセ。ポンセこそ大当たりでしたが、それを除くとラコックとか、ピータースとか、アドゥチ、レスカーノとか記憶している人って居ないんじゃないのか?! みんな前評判ばかりで毎年のように騙されていた気がするぞ。
そう。ドラマを描くにも「核」がない。巨人が「球界の盟主」と名乗っていたから打倒巨人という目的が闘志を掻き立てていたんですよね…。個人的にはスポーツライター諸氏が発言権を持って巨人叩きをし始めてから、急速に野球熱が冷めました。ヒールの重要性を理解できてない方たちなんだよなぁ。江川が船田代議士を利用してズルして巨人に入ったから燃えたのに、金満主義だからという理由で巨人を叩く気にはなれない。悔しかったらカネをかけて強いチームを作ればいいのに、それを否定してしまった。考えてみれば、昔の西武なんて堤オーナーがカネにモノを言わせて意地で強くしてしまったチームで、実際に完成形は自分の知る最強チームでしたかね。
当事の南海ホークスは新入りには旗を立てるポールに昇らせるなんてしごきがあったし、ロッテなんて一番弱いのに一番練習量が多いと云われてた。弱いチームや人気のないチームには理由があったのに、「戦力は均等じゃないといけない」って訳でもなかった気がしますね。
とゆーのも、実際に大洋ホエールズから横浜ベイスターズに改名して戦力が整って、マトモに強くなった頃には全く魅力を感じなくなってたし。
他方、西武の森監督は突如として日本シリーズ中に勇退を切り出し、「勝ち続ければ『球界の盟主』になれると思っていたがなれなかった」という言葉で、長い長いON主導の読売巨人伝説の緞帳の幕が下りたように感じました。
どこにも「球界の盟主」なるチームは作れない。確かに正力松太郎の米国野球に勝つ為に作った巨人の歴史は唯一無二であり、その後にホントに長嶋と王の日本柱のスーパースターを持っていたんだから、取って代わろうってのは無理だったんでしょう。
でも、ヘンな話、アンチ巨人になってからも長嶋と王は嫌いじゃありませんでしたね。彼等のオーラが巨人ファンにとってもアンチ巨人ファンにとっても熱狂の源だった事には変わりない。そのアングルの中で、好き勝手に楽しめば良かっただけの話で、巨人が特別扱いされれば特別扱いされるほど燃えたのにねぇ。
中学一年まで兄貴と同じ部屋で寝起きしており、その部屋には長嶋茂雄のパネルが掲げてありました。そのパネルは長嶋現役引退のときに祖父が送ってくれたもので、何年も、いや、何十年も掲げたままになっていたりします。
私自身には長嶋の現役時代の記憶って実は殆どなくて、そういうイメージだけなんですね。他方、王貞治の方は記憶がバッチリと残っている。おそらく私と同世代の人間なら同じでしょうけど、野球の入口は王貞治でした。
「王が三冠王だから三冠王の称号が成立するのであり、田渕が三冠王を獲ったら三冠田渕としか呼ばない。ホームラン王は王のもので、田渕がホームラン王を獲っても、それはホームラン王ではなくホームラン田渕だな」
と子どもたちに言わせてしまう象徴。
番組に登場していた駒田徳広さんが「王の打席だけはチャンネルを変えるな」という会話が家庭内で起きたと振り返っていましたが、そうした光景も珍しくなかった気がしますかね。漫画の「ダメおやじ」でも、嫁にいびられるダメおやじが「せめて王の打席だけテレビをみせてくれ」と語る一コマがあったし。
現在のイチローは王に近い。どこか孤高の存在として、その極みに立っているしイチローの残した成績というのも不世出に近く、その人気にも似たようなものがあると思う。ただ、親近感という意味はどうなんでしょう。活躍しているのは海の向こうであり、時代背景も長嶋や王の時代とは違っていて、野球という競技そのものが国民唯一の娯楽ではなくなってしまっている事との絡みがある。「とくダネ!」の小倉さんのように、音楽でも野球でもゴルフでも深く首を突っ込める立場の人間は限られていて、そうした多様化が今という時代にある。アントニオ猪木を毎日チェックする事はできたが、なかなかマリナーズのイチローを頓着できない(笑
王と長嶋。長嶋と王。この両軸は奇跡的。というのも両者はタイプが好対照すぎるんですよね。NHKスペシャルも監督としてON対決が実現した2000年の日本シリーズを回想していました。
長嶋が「勝ち負けはどうでも良かった。楽しみたかった」と相変わらずの陽気キャラなら、王は「勝たなければ意味がない」と回想する。どんな日本シリーズだったか記憶に無かったものの、勝利したのは長嶋巨人。優勝パレードの映像になると、まだ、その頃のプロ野球熱が伝わってくる。王はといえば「監督とは結果を残す事が仕事だ」と語る。
例の映像もありました。ダイエー球団の監督となった王が苦戦し、ついには「頼むからヤメテくれ!王」という横断幕をダイエーファンが飾ったという例の騒動の映像。ファンてのは身勝手なもんです。愛すればこその愛のムチ? 違ったと思いますけどね…。
日本には在る時期まで野球ファンといえば巨人ファンに近い構図があり、私などがプロ野球に熱心だった頃は、正しく打倒巨人を楽しみにしていたものです。既にONは居ない。さほど愛すべき選手は居なくなったし、篠塚やクロマティってのは巨人ファンの中の大物であり、アンチ巨人の視点からすると最高の敵役だった気がします。若大将・原辰徳は敵役でもなかったかなぁ。いつもチャンスでポップフライを打ってくれるイメージだったから。
なので、便宜的に横浜大洋球団を熱心に応援していました。弱くてねぇ…。
困っちゃうぐらいに弱かった。投手だと斉藤明雄と遠藤一彦ぐらいしか頼りにならなかった。南海ホークスで活躍していたとかで、やってきた佐藤道郎は面白くて、審判のジャッジが気に入らないと帽子を叩きつけたり、歩み寄ったりする熱血漢だったけど、アテにはならない。
山下大輔は若くして禿げていたし、名球界プレーヤーの松原誠は巨人へ行ってしまうし、首位打者を取らせてやった長崎慶一も阪神へ。生粋のプレーヤーは高木豊と中塚雅幸ぐらいか。構えるときにグリップを絞って猫背になるのがかわいかった。
女子プロゴルファーの父・福島ってのも居たな。打たね〜選手なんだよなぁ。一度だけサヨナラホームランを覚えてるけど、それぐらいしか印象がない。あとはクラウンライターライオンズで不祥事があってやってきた基満男か。基満男は凄い選手だったけど、いぶし銀すぎて誰も憶えてない可能性さえある。今にして思うと、落合博満に似た独自のテンポでスイングを止めたりする名プレーヤーだったけど。
で、大洋ファンというのはストーブリーグになると「屋鋪要は俊足と好守で来年こそは大化けするだろう」と信じ、「長嶋二世・田代富雄は来年こそ本塁打王だろう」と信じるも裏切られ続け、挙げ句、田代は「史上最強の7番打者」で固定され、屋鋪はというと捏ねくり打法から脱却できずに永遠のホープのまま、巨人へ移籍して天才守備要因に。
おそろしいダメ球団ぶり。その後に大魔神・佐々木が入団したり、石井琢が入団するも万年Bクラス。しかも、よりによって巨人にばかり大きく負け越すから日本全国のアンチ巨人ファンから「大洋はけしからん」とか「横浜巨人銀行め!」と叱られてしまうのが常。精神衛生上、悪いったらありゃしない。
大洋というと外国人選手の宝庫です。カルロス・ポンセ。ポンセこそ大当たりでしたが、それを除くとラコックとか、ピータースとか、アドゥチ、レスカーノとか記憶している人って居ないんじゃないのか?! みんな前評判ばかりで毎年のように騙されていた気がするぞ。
そう。ドラマを描くにも「核」がない。巨人が「球界の盟主」と名乗っていたから打倒巨人という目的が闘志を掻き立てていたんですよね…。個人的にはスポーツライター諸氏が発言権を持って巨人叩きをし始めてから、急速に野球熱が冷めました。ヒールの重要性を理解できてない方たちなんだよなぁ。江川が船田代議士を利用してズルして巨人に入ったから燃えたのに、金満主義だからという理由で巨人を叩く気にはなれない。悔しかったらカネをかけて強いチームを作ればいいのに、それを否定してしまった。考えてみれば、昔の西武なんて堤オーナーがカネにモノを言わせて意地で強くしてしまったチームで、実際に完成形は自分の知る最強チームでしたかね。
当事の南海ホークスは新入りには旗を立てるポールに昇らせるなんてしごきがあったし、ロッテなんて一番弱いのに一番練習量が多いと云われてた。弱いチームや人気のないチームには理由があったのに、「戦力は均等じゃないといけない」って訳でもなかった気がしますね。
とゆーのも、実際に大洋ホエールズから横浜ベイスターズに改名して戦力が整って、マトモに強くなった頃には全く魅力を感じなくなってたし。
他方、西武の森監督は突如として日本シリーズ中に勇退を切り出し、「勝ち続ければ『球界の盟主』になれると思っていたがなれなかった」という言葉で、長い長いON主導の読売巨人伝説の緞帳の幕が下りたように感じました。
どこにも「球界の盟主」なるチームは作れない。確かに正力松太郎の米国野球に勝つ為に作った巨人の歴史は唯一無二であり、その後にホントに長嶋と王の日本柱のスーパースターを持っていたんだから、取って代わろうってのは無理だったんでしょう。
でも、ヘンな話、アンチ巨人になってからも長嶋と王は嫌いじゃありませんでしたね。彼等のオーラが巨人ファンにとってもアンチ巨人ファンにとっても熱狂の源だった事には変わりない。そのアングルの中で、好き勝手に楽しめば良かっただけの話で、巨人が特別扱いされれば特別扱いされるほど燃えたのにねぇ。
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この記事へのコメント
1. Posted by けいた 2009年09月29日 00:14
今年は巨人が強すぎてペナントがまったく面白くありませんでした。
救いは3位争いだけです。
原が若手を育ててまともになったという意見を聞きますがどうもこれは違うと思いますね。
主軸はやはり小笠原やラミレス頼み、契約問題で拾ってあげたのでカネ補強でないと言ってもやはり含みがあるのは私だけでしょうか。
救いは3位争いだけです。
原が若手を育ててまともになったという意見を聞きますがどうもこれは違うと思いますね。
主軸はやはり小笠原やラミレス頼み、契約問題で拾ってあげたのでカネ補強でないと言ってもやはり含みがあるのは私だけでしょうか。
2. Posted by メロンぱんち 2009年09月29日 10:17
けいたさん>
「強すぎる巨人」という対象があると燃えませんか? ペナントレースだと難しいかも知れませんが一試合や三連戦と捉えると、如何に一泡吹かせるかに集中できるといいますか…。
かつて堤オーナー時代の西武は「カネなら巨人に負けない」とばかりに意気込んでましたが、現在は、どこの球団も「プロ野球界」という枠組を重視して戦力の均等化や、拮抗した試合を是と考えるようになりました。現在でも純然たるカネ補強でしょう。坂本は兎も角、クルーンまで抱えていますし。
ですが、その帝都の奢り・巨人に立ち向かう構図と考えると燃えるかも知れませんよ☆
「強すぎる巨人」という対象があると燃えませんか? ペナントレースだと難しいかも知れませんが一試合や三連戦と捉えると、如何に一泡吹かせるかに集中できるといいますか…。
かつて堤オーナー時代の西武は「カネなら巨人に負けない」とばかりに意気込んでましたが、現在は、どこの球団も「プロ野球界」という枠組を重視して戦力の均等化や、拮抗した試合を是と考えるようになりました。現在でも純然たるカネ補強でしょう。坂本は兎も角、クルーンまで抱えていますし。
ですが、その帝都の奢り・巨人に立ち向かう構図と考えると燃えるかも知れませんよ☆
3. Posted by かせっち 2009年09月29日 21:38
大洋は案外いい外国人選手を引っ張ってきてましたよね。ポンセのほかにも、シーツとかパチョレックとか「ライフルアーム」レイノルズとか。
引っ張ってくるのは上手いんだけど、残留させることができないんだよなぁ…
引っ張ってくるのは上手いんだけど、残留させることができないんだよなぁ…
4. Posted by メロンぱんち 2009年09月29日 22:58
かせっちさん>
マニアなコメントを有難うございました(笑
シーツも、レイノルズも、見どころのある選手だったんですけどねぇ…。
パチョレックや、私でさえ現役時代をしらないシピンは移籍してからの方が有名ですしね…。
って、なかなか通じない話です(汗
マニアなコメントを有難うございました(笑
シーツも、レイノルズも、見どころのある選手だったんですけどねぇ…。
パチョレックや、私でさえ現役時代をしらないシピンは移籍してからの方が有名ですしね…。
って、なかなか通じない話です(汗




