2009年12月16日

歪められる天皇政治利用と左傾化

天皇の政治利用は、天皇を政治的に利用している時点で完結しているし、確定しているのに、まさかの憲法論争に。これは既に小沢一郎の土俵に乗っているようなもので、ゴネられるだけでしょう。総理や閣僚も、筋の通った考え方をしていないから、反射的に自己防衛をしようとしている。

テレビ朝日「報道ステーション」では流通経済大学のセンセの談話を引っ張り出して「憲法に照らし合わせても政治利用とは言えない」と小沢擁護論を紹介していますが、日本テレビ系列だと京都産業大学のセンセを引っ張り出して、「これは政治利用である」と解説している。

憲法の解釈を巡る論争になっていますが、その昔、故野村秋介さんあたりは「朝まで生テレビ」の討論中、或るパネラーが差し障りのないように天皇を「水」に喩えたのですが、野村さんが怒りのあまりに顔色を蒼く豹変させて「日本全国の右翼を代表して抗議させていただく。水であっても天皇を何かに喩えられるだけで右翼の連中は不愉快に感じるものなのだ」てな内容の猛抗議が延々と始まってしまい、大紛糾したものです。野村さんのような天皇観は極端にしても、天皇の政治利用が明白になっているのに、合憲だとか、宮内庁の方が悪いとか屁理屈に付き合わされてしまっているというのはどうでしょう。ホントに「憲法のこの文章をどのように解釈するか?」という論点だと思いますぅ? 違うと思うけどなぁ。

情報の受け手は混乱するし、まんまとルールを記した文章の解釈の仕方の問題に誘導されていますよね。国事行為に外国人政治家との会談が入るか入らないかが焦点になっていますが、問題はそんな事ではなかったハズです。問題は、一政党が政治目的で天皇を利用した事だし、尚且つ、それを悪びれずに「我々は間違っていない」と開き直っている事です。

早くも事態は沈静化するような気配ですが、だから何も政治が進まないのでしょう。結局、うやむやにしてしまうようなものですからね。

週刊文春の11月26日号にスクープとして「皇太子殿下が極秘でオペラ鑑賞に出かけた」という記事が掲載されていました。人民解放軍歌舞団のオペラを皇太子が次期国家主席最有力候補の夫人と席を並べて歓談したという記事です。ご察しの通り、習近平国家副主席の御夫人で、夫人自身も少将の肩書きを持つという。

そこでは何故、報道が控えられたのかという事にも触れられています。一つに、皇太子殿下の出席がギリギリまで調整されており、情報が事前に漏れず注目されなかった事。一つにオペラ開演の直前に主催者であり皇太子と三十年以来の付き合いがあるという指揮者・堤俊作氏から「報道を控えて欲しい」と要請があったという事。一つに東宮御所、宮内庁ともにマスコミに報道自粛を呼び掛けていた事などが挙げられています。(イタズラに国民を刺激をしない為に極秘としたのでしょうか!?)

11月26日号という事は、11月19日に発売されていたもので、天皇の政治利用が現在のように騒動になる気配さえない頃の記事なのですが、民間人の影しかないし、皇太子殿下の私的な交友関係に由来しての人民解放軍歌舞団観覧でしかない訳ですが、既に記事では「中国による皇室の政治利用」の可能性を示唆して「中国による皇室の政治利用」という文言が本文段抜きの中見出し扱いで堂々とゴシック体で記されていたわけです。

中国側が皇室や天皇の威光を政治利用したいという思惑にも読み取れてしまう。これを以って早計するつもりはありませんが、伏線があったのだな…と考えたくなる事にムリはないでしょう。恣意的な捻じ曲げなどなく、そのように考えるのは極めて自然です。どちらも「皇室の政治利用」で、どちらも「習近平」に到達してしまう事なのですが、偶然としては出来すぎで、何かしら政治的影響力が働いていると私なら疑いもなく解釈します。

そんな中、前原国交相が「自民党の元総理の要請があったと聞いている」という言明をしたという。政治利用は自民党の謀略だと誘導したかったのでしょうが、総理経験者で、そのような事をするのは中曽根康弘さんしか居ないし、産経の阿比留記者が中曽根さんが一度は要請をして宮内庁に断れたので諦めたという経緯にも触れている。

となると、前原大臣の発言は、何を意味していたのかと疑いたくなる。「政治利用したのは中曽根大勲位の意向に沿ったもので、何も民主党が主導で天皇を政治利用したのではない」というニュアンスの煙幕を張ろうとしたのでしょう。いい加減、恥を知って欲しい。二度、三度と、執拗にゴリ押しをし、尚且つ、開き直っている不敬と不遜を恥じるべきなのに、逆ギレするし、陰謀論の煙幕も平気で吹聴する神経というのも凄い。

16日付の読売新聞では、官邸が過去に天皇に会見要請があった250件を洗い出すように宮内庁に指示を出したと報じている。これが彼等のいう政治主導なのですが、何の為に250件の洗い出しをさせているのかと推測してみたくなる。表向きの理由は兎も角、要は、「過去にも例外があったのではないか? 過去にも例外があったのなら自民党政権だって同じ事をしていたじゃないか!」と反撃する為でしょう。なんだかんだいって政局しか出来ない人たちで、結局は党利党略の目的で引っ掻き回しているのではないでしょうか。これは「政治主導の政治」ではなく、「政治の私物化」という気さえする。

国民を愚弄しているし、日本の民主主義の自壊だし、日本的価値観を無視した暴挙でしょう。

「あの宮内庁長官は悪いヤツで問題行動を起こしてばかりいる」とか、そのような論調にすり替えられてウヤムヤにされてしまうのかも知れません。時間が忘却させてしまう可能性がある。しかし、これこそが日本が何も進展できない理由でしょう。ゴネる者にゴネ得を許してしまっているというだけですからね。沢山の情報が溢れているから噛み砕けていないのでしょうが、消化する頃には飽きてしまっていたりする。そのような姿勢がゴネ師やクレーマーを跋扈させてしまうのでしょう。

難しいのかも知れませんが、民主党の保守層というのは完全に仲間ハズレとしたらどうか。この期に及んで小沢幹事長を擁護する神経を「保守だ」と理解するのは心情としてムリがある。愛国心のカケラもなく、政策も左翼的だし、発言も左翼的。世界の潮流に逆らって全体主義傾向を強め、独裁政権色を強め続けている。現行政権を庇ったり、擁護したりしている行為は、結果として共産主義化に加担しているようなものでしょう。

小沢一郎さんは嘗ては新自由主義的な事を語っていた。しかし、冷静に行動を追えば、15〜20年も前から労組(連合)などに近付く無節操ぶりは発揮されていたんですよね。現在ともなれば無節操ぶりから左傾化に拍車がかかり、ドサクサマギレに左翼政治体制への布石が敷かれているようにも見えます。実際に労組のような非営利機関の特権ばかりが優遇される社会へと傾いているし、子ども手当は断行したい意向だが、そのウラでは中小企業減税は先送りにされている訳ですからね。

元々、日本社会には社会主義的な性格があり、古い自民党体制とてホントの事を言えば左派の色彩の濃い終身雇用制度やら護送船団方式、談合文化がありましたが、現政権は営利目的の者には競争だけを強いておいて、非営利の団体や個人としての国民への再分配をしようとしている純然たる労組主体の左傾化構図があります。

勤労者軽視、経営者軽視の奇妙なグウタラ国家へと誘引されている訳でないと信じたいものの、そのように誘導されているのは厳然たる現実です。記者会見の最中に背後の党のキャッチコピー「生活が第一。」が目に付きましたが、民主党の標榜してる生活第一は、労働収益性を無視しているし、国家財政にしても財源がなくても民衆へのバラマキは必要だと臆面もなく語る空想的理想論。不況にあっても応報負担の法則に沿った減税で対処する気はなく、借金をしてでも再分配を優先している。

背後には「ゆとり教育」に通じる日教組の【ゆとり】の思想が見え隠れしている気がしないでもない。「詰め込み教育に意味はない。受験競争は過酷だ」といいだして、英単語の必修数を5分の1にまで削減したり、円周率を約3にするなど大幅に授業内容を削減して見事に全体的な水準を低くしてくれている。ノルウェーが「納税者を養成する為」として教育改革を行ない全体の水準を押し上げたというが、真逆。効果も真逆で納税者を減らそうとしているのではないかと訝しく思う。

正しく、絵に描いたような経済軽視の愚民国家に見えてくる。金銭的な苦労のない者が抱く理想ばかりでしょ、だって。きっとオメデたい事に将来のビジョンとして、国民全員が有名サッカー選手なったり、ハリウッドで活躍するセレブ女優にでもなって、がっぽがっぽとカッコよく泥臭さもなく稼いでいけるのだと楽観しているのでしょう。

まるで日本を弱体化する為に、敵性国から愚民化政策を仕掛けられているかのような不気味さまで感じますけどねぇ。実際に「政治的な働きかけ」は水面下では仕掛け、仕掛けられているのが国際政治でしょう。

日本は経済を軽視して、その先に何があるんでしょう。最終的には雇用対策として徴兵制を復活させ、その公共事業として勝ち目のない戦争にでも突入する気なんじゃないの。平和の名の下にね。



追記です。


「特例会見」仕掛けたのは中曽根氏? 前原発言で「ドロドロ」戦争(J-CASTニュース) - livedoor ニュース

全国紙記者の弁として、

「園遊会だって政治利用だ。だれを天皇陛下の園遊会に招待するのかというときにも必ず政治的な判断がある」

なんてのが紹介されていて、正直、ウケてしまいました(笑

しかも文章の結びに使用していたりする。いくらなんでもなぁ。中学一年生が書いた怪文書みたい。

「園遊会が天皇の政治利用だ」なんて詭弁中の詭弁を、よくも恥ずかしくもなく披歴できるよなぁ。フツウに考えて、どこの誰が「園遊会は天皇の政治利用である」と考えるんだろう。中学二年生ぐらいかな。これほど、窮した、稚拙な弁明ってのは。いくらなんでも白々しいよ。

その理解力で全国紙の記者にはなれないし、正直、偏執的な民主党支持者が『全国紙記者』という架空人物をデッチアゲて、情報操作を試みた痕跡にしか見えないんですよねえ…。先天的な虚言癖のある人とか?!

頑なにミスリードしようとする理由や心理が気になりますかねぇ。

おー、コワい。コワい。

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この記事へのコメント

1. Posted by たま   2009年12月17日 15:00
マスコミ全般が民主党を応援しているとは思うんですけど、一方では「小沢一郎嫌い」も確実にあるはずですよね・・・。
で、今回の会見での小沢さんの横柄な態度には、さすがに多くの国民が嫌悪感を持ったはずなので、マスコミはここぞとばかりに小沢さんの「人間性」を批判すればいいんじゃないかと思うんです。
はたから見るとコロコロ変化していると思える小沢さんの政治理念や思想を指摘・批判してもキリがないと思いまして・・・。

おっしゃるようにマスコミの論調が「憲法議論」「ルール議論」にまで広がってましたね。(いま現在ではもう子供手当てしか取り上げてないと思いますが・・・)
「憲法議論」を混ぜてしまうと、どうしても小沢さんの横暴ぶりが薄められてしまうと思うので、「傲慢会見」この一点に絞って小沢さんの「人間としての卑怯さ」を責めたらどうかな、と。。。
2. Posted by メロンぱんち   2009年12月17日 15:38
たまさん>
テレビで紹介する専門家でも判断が分かれたりして、片や憲法違反だと解説し、片や憲法違反ではないと解説してしまうから、論争そのものが成立しなくされてしまうんですよね。

このときに出来るスキマを利用するのがなかなか巧いというか、百戦錬磨というか、いつも正当な批判を受けないで済んでしまうズルさがありますよね。

判り易い暴走の例なのでしょうに、こう開き直られて、しかも逃げ切れてしまう公算が高いんですが、マジメに政治をしてくれているとは思えませんよね…。

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