2018年06月12日

ネアンデルタール人のDNAが…

NHKスペシャル「人類誕生」の再放送をぼんやりと視聴していた際、ネアンデルタール人のDNAがホモ・サピエンスにも継承されている事が分かったという内容でした。同番組の案内役であった俳優の高橋一生さんの場合は、DNA解析をした結果、2.3〜2.4%ばかりネアンデルタール人のDNAが発見されたという風に放送されていたと認識している。

ああ、そういう事かと驚いたんですね。てっきり、100名の内の2〜4名のDNAにネアンデルタール人のDNAが検出できるという意味なのだろうと思っていた。しかし、視聴していた限りでは、おそらくは任意のサンプルである高橋一生さんのDNAの中にも2.3〜2.4%ほどネアンデルタール人のDNAが検出できたというのだから、「100名の内の2から4人にどの程度の割合か不明であるがネアンデルタール人のDNAが継承されている」のではなく、「大雑把に現代人と括った場合の現代人のDNA内にネアンデルタール人のDNAが2〜4%ほど継承されている」の意であったのだろうなぁ…。

2017年12月刊行の更科功著『絶滅の人類史』(NHK出版新書)の内容と同じであろうと思いながら視聴していたのですが、結構、内容には違いがありましたかねぇ。定説らしいものに拠れば、ホモ・サピエンスは4万8千年前頃にヨーロッパに向かい、更に4万3千〜4万年頃にもヨーロッパへ向かったが、その頃からネアンデルタール人が減少していき、絶滅したという考え方が提示されている。ホモ・サピエンスが狩猟などで優位になり、間接的にネアンデルタール人を絶滅させたであるとか、あるいは気候変動などがネアンデルタール人に不利に影響した等は、NHKスペシャル内でも紹介されていた内容でもある。

また、『絶滅の人類史』の中でもホモ・サピエンスとネアンデルタール人との交雑の話に触れられている。どうも、その2者の交雑は、ホモ・サピエンスからネアンデルタール人へと渡ったDNAが少ないのに対して、ネアンデルタール人からホモ・サピエンスに渡ってDNAが多いという。その事から支配者階級のDNAが結果として被支配者階級のDNAに多く残る事を考慮してホモ・サピエンスとネアンデルタール人との強弱の関係はホモ・サピエンスが優勢であったと考えるのが常識であったが、それと矛盾しているのだそうな。この謎を紐解いてゆくと、ネアンデルタール人が長年の進化の過程で獲得していた遺伝的変異(としてのDNA)を、交雑することでホモ・サピエンスが渡ったという意味であるという。つまり、ネアンデルタール人が有していた遺伝的変異が優れていたので、交雑した後のホモ・サピエンスの遺伝の中でも、その遺伝子変異が色濃く残る事になったという説明がある。

それと番組内でも触れられていた通り、交雑はアフリカを出たホモ・サピエンスとネアンデルタール人との間で起こっており、実際にアフリカの人々のDNAにはネアンデルタール人のDNAは見いだせない事が分かっているのだという。一方で、ヨーロッパ人や中国人、或いは日本人にもネアンデルタール人のDNAが継承されているという事のよう。

ussyassya at 12:05│Comments(2)雑記 

この記事へのコメント

1. Posted by てらもっち7等兵   2018年06月12日 21:42
白人の青い目、茶色の髪、彫りの深い顔立ちは、ネアンデルタール系の交雑によるもの。いくつかの文献と、どこかの博物館で見たネアンデルタール人の再現模型から、そう思っています。

ナチスの夢見た純血種は、ネアンデルタール人になっちゃったりして。
アステカの白い神もそうなのかな。

繁殖には不利で生き残りにくい遺伝子との話もあり、交雑があっても消えていくこともあるらしいと。

アジア人、日本人は、ホモエレクトスとの交雑もあったらしいとの話も。

確度は低い種々な話。
2. Posted by メロンぱんち   2018年06月12日 22:50
てらもっち7等兵さん>
シベリアにあるデニソワ洞窟でネアンデルタール人でもなくホモ・サピエンスでもない人類の化石が発見され、それをデニソワ人と呼んでいるらしいのですが、そのDNAが意外にもメラネシア人の5%で発見できるのだそうです。デニソワ人の化石は推定3〜5万年前とのことで、それがメラネシア人のDNAとして残っているという不思議。。。

更科功さんの仮説では、ホモ・サピエンスのゲノム解析から言えることは、ホモ・サピエンスは他の人類と交雑して、いいとこどりをして生き残った人類なのではないか――というんですね。

異なる系統の人類が長年かけて獲得した遺伝的変異を交雑で取り込んだ場合、取り込んだDNAが環境適応能力に長けている場合、高い確率でDNAとして残るのではないか、と。翻ってホモ・サピエンスそのものが高い適応能力を手に入れることができたのは、ホモ・サピエンス自身の環境適応能力が低かったから結果として滅びなかっただけではないのか、という仮説でした。

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