2019年11月12日

新しい帝国主義の流れ

スペインでは極右政党が台頭し、また、少し遡るとカナダでもポピュリスト政党が台頭したといい、香港デモも出口が見えなくなってきている。

香港デモに関しては死者が出て、また、実弾発砲があったと報じられている。数日前の読売新聞にはデモ隊として活動している方の話が掲載されていましたが、要は「引くに引けない状態になっている」というのが要旨でした。これは観念的な話ではなく、「もし仮に、ここで政府と和解してもデモ活動によって逮捕歴もある私は再逮捕され、重罪に問われてしまうから引くに引けない」の意味でした。

もう、混乱もかなりの事態になってきていると思う。

10日付の読売新聞では、ベルリンの壁崩壊から30周年という事で、紙面はそれに割かれていましたが、憂慮するような話しかないんですよね。「ネオナチの台頭」という風に言えば、それに反応できてしまうのが昨今ですが、ドイツの穏健派にしてもホンネでは「あまりにも外国人が多過ぎる」という感想のようだし、ヒトラー研究家のケンブリッジ大教授にしてもヒトラーを否定する文脈の中で「EUは武装化して均衡を保ってゆくしか選択肢がない」という指摘である。既にメルケル独首相は任期までで引退を表明しており、後継候補も決まってはいるがドイツ国内の支持率は高くないという。次に控えているのは「ドイツの選択肢」などの右派政党となる。

これは抗いようがない大きな潮流であるのが見えてきてしまったような気分になる。それこそ、カナダのトルドー首相あたりのテレビ的なイメージは悪くないのかも知れませんが、人々の不満は抑えきれていないよう。カナダって、あんまり政治が混迷しているイメージがなかったのですが、ここのところ新聞の国際面だと、そんな事が記されているから、きっと、どこもかしこも、世界中で政治が不安定になっているって事なんでしょうねぇ。

翻って日本の場合は「他に選択肢がない」という理由で、安倍政権が支持されている可能性と理解する必要性がある。自由主義&民主主義は、限界に到達しているのかも知れない。週刊新潮の片山杜秀さんの連載「夏裘冬扇」(かきゅうとうせん)が、安倍政権の長期化を語って「理論の政治は現実の政治の前に敗北する」という話を書いている。

第二次桂太郎政権と、第二次安倍政権を比較しているものであり、実は内閣最長記録を持っているのは第二次桂太郎政権であり、まもなく第二次安倍政権が、その記録を塗り替える。

その第2次桂太郎政権が何をしたのかという「日本大博覧会」なる万博を東京で開催しようとした事だという。

ここで何が起こったのかというと、官僚と財界と軍による桂内閣への熱烈支援であったという。これによって第二次桂内閣は「官邸主導≒国会の弱体化」という政治環境を偶発的につくりだし、故に長期政権になったという見解を示している。議会という批判する能力を喪失した状態の中で、官邸主導が実現したという事のよう。有権者個人や個人の意志、団体の意思は、この力学の前に敗北を余儀なくされる。

桂内閣は日本大博覧会の5年延期を宣言した。それに対して東京府会と市会は猛然と起こった。事前説明もなく勝手に変更するなどとは独断専行もいいところだ、立憲主義の破壊だ、と。それに対して、桂内閣は「だったら何度でも衆院解散してやる」と息巻いた。これによって国会という装置は批判力を失い、国会そのものも信用を失った。結局は独断専行を止めることはできない。(勿論、これ、先の東京五輪のマラソン変更の話に掛かっている訳です。)

さて、その後、この幻の日本大博覧会はどうなったのか?

日本大博は中止となり、その開催予定地が現在の明治神宮や神宮外苑に化けたのだという。そして、この第二次桂内閣が行なった最大のトピックスは韓国併合であったという。

ussyassya at 11:28│Comments(4)世相・社会 

この記事へのコメント

1. Posted by 春目躁咳   2019年11月12日 16:38
完全に日韓再併合コースを歩んでいると思います。ムン・ジェインたちが東学党に見えて仕方ありませんし。
そう遠くないうちに日本は、韓国の国債を買うのではないでしょうか。親韓派への説明は「韓国を支援するため」。嫌韓派への説明は「韓国をコントロールするため」。人間、自分に都合のいい説明を優先して受け入れますから、案外この説明で日本国内はさして問題なく了解されるような気もします。
私は大反対ですが。
2. Posted by メロンぱんち   2019年11月12日 23:17
春目躁咳さん>
なんだか予期せぬ方、予期せぬ方へと時代そのものが動かされてしまうような感じになるのかも知れませんね…。思惑と思惑、力と力が衝突すると、変な方向へ転がることになってゆく感じ…。

ケンブリッジ大の歴史学者も現在を表現して「世界大戦前の空気に似ていると感じている」との事ですし、変な状況になっていることは間違いなさそう…。

日韓併合にしても、奇妙な転び方をする可能性ってあるのかも知れませんね。
3. Posted by rakitarou   2019年11月13日 07:27
社会主義国家の消滅≠資本主義の勝利

社会主義国家が消滅したのは社会主義経済が資本主義経済に負けたことも確かなのですが、当時の社会主義国家に住む国民は旅行の自由とか言論、国家への批判の自由を求めていて、経済についてはもう少し贅沢ができたら良いな、という程度であったと思います(飢え死にした人が大量に出たのは中国の大躍進の時代まで)。
それが何故か東側の消滅が金満資本主義の勝利と勘違いされてしまい、民主主義ではなく資本主義の法則が世界を支配し、自分達の社会や生活を守るために移民を入れるなと言えば資本主義の原理から「分断」だ「差別」だ「移動の自由はどうした」などと批判されるようになりました。
東側の人達は自分達が自由になることを求めたのであって自分達の社会が外から資本主義の原理によって来た人達に蹂躙されることを願っていた訳ではないと思います。でもそのような報道を壁崩壊30年でしているのはNHK含めて見かけません。
4. Posted by メロンぱんち   2019年11月13日 09:49
rakitarouさん>
ベルリンの壁崩壊から30年の検証でも、旧東ドイツの人々は旧西ドイツの人たちの収入差があり、1.6倍だったと思いますが、その実際の経済格差の問題もあり、且つ、二級市民扱いされていると自尊心を巡っても不満を抱えているのだそうです。メルケルあたりも、今後十年程度では格差解消は出来ない、しかも旧東ドイツの不満の声は、アメリカの中西部の不満の声と似ているらしいんですね。

おそらく社会主義経済に資本主義経済が勝利したのだから…という潮流が近30年ぐらい継続してしまい、それがグローバリズムの正体とか、現在の分断の根底に関わっているという感じに思えますね。

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