NHKの日曜討論を悠長に視ている場合じゃなさそうだなぁ…という焦燥感がありました。菓子パンを食べながらテレビをつけたら、TBSでした。昨晩、「キング・オブ・コント」を視聴していたので、そのまんま、TBSにチャンネルが合っていたのだ。そのままにしておいたら「サンデー・モーニング」が始まって、そこで女優・竹内結子さんが自殺したと思われる旨のテロップに驚くこととなりました。ええっ、と。別に熱心なファンであった訳ではないけど、インスタントラーメンのテレビコマーシャルにしても、まぁ、或る意味では高い知名度を誇る女優さんですからねぇ…。ここのところ、三浦春馬さん、芦名星さんと、自殺が続いており、感覚としては「え? 竹内結子さんまで?」と感じる感覚がなかったら、おかしい。やはり、何かしら、ハッキリとしない閉塞感とか、厭世主義が蔓延し始めているんじゃないのかなって思う。何がなんだか分からない中、へぇ、埼玉の旧浦和市出身だったのか、そうですか、合掌という気分。

しかし、そのインパクトだけではなくて、スガ政権発足後、諸々の事に気付いてしまった。色々とダメというか、既に日本も分断が深刻化しているな、と。

そのTBS「サンデー・モーニング」では、ワシントンポストの調査でも米国大統領選挙に係る支持率調査で、ついにトランプがバイデンを逆転したという。となると、トランプがバイデンを逆転したという一部情報は信憑性が高そうだなと認識する事になりました。しかも、このトランプの盛り返しには、近日、報じられているようにトランプ支持の自警団「ミリシア」の台頭があるという。「ミリシア」なんて今まで聴いた事もない言葉だぞって思っていると、過熱化するBLM運動に対して快く思っていない勢力であるという。説明するのも苦慮しますが、’鮨遊抻ヾ韻砲茲觜人への不当な扱いや事件の頻発があり、それに対して、■贈味猶親阿盛り上がり、また、BLM運動にしてもどんどん過激化し、その△紡个靴討梁亶柿蔀屬箸靴董孱贈味猶親阿紡个靴討話埜任箸靴紳崚戮把むべきである」という勢力が自警団ミリシアとなって盛り上がっているの意であるらしい。これを疑う余地は余りなさそうですね。でははマトモなのかというと、これまた微妙で、陰謀論によって主義を固めている「Qアノン」を信奉していると思われるという。

「Qアノン」は、なんなんでしょうねぇ。「アノン」は「アノニマス」の略であるが、「Q」については正体不明だとしか説明のしようがないのかな。クエスチョンの頭文字か。だとしたら、「Qアノン」という名称そのものが「正体不明にして匿名」の意味になる。もう、これだと流言飛語(フェイクニュース)で動いている事になる。もう、何でもアリ状態のような。

で、それ以上に同番組で驚いたのが、姜尚中さんでした。姜尚中さんは或る時期からテレビで姿を視なくなったなと思っていたら、今朝の「サンデーモーニング」に出演されていた。そして米国大統領選について語る中で、トランプ擁護にも受け止められるような発言をした為、続けてコメントを求められた大宅映子さんから「私はトランプ擁護はできないのですが…」とコメントされていた一コマがありました。

姜尚中さんは「トランプはパトリオット・ミサイルを打ち込まない」とコメントの中で発した。それについて、司会の関口宏さんが「それはどういう意味ですか?」と問い質した。そこで初めて、姜尚中さんの言葉の真意が判明することになったのでした。要は、次のような論旨であった。

「トランプはディールさえしていれば満足する指導者であり、実際にパトリオット・ミサイルを打ち込む事は考えにくい。それに対して、オバマ政権などの歴代のアメリカ民主党政権は世界中で軍事展開してきている。実際に国際紛争で死傷者が多く出るのは民主党政権であり、トランプ政権であれば死傷者が出るのはアメリカ国内である」

というものであった。だから、それに続いて発言した大宅映子さんから「私は、そんなにトランプ擁護をできないが…」という文言が冒頭に付される事になった。確かに「姜尚中、何言ってんだよ」と感じたので、率直な感想としても、結構、驚きがありました。

いやいや、複雑なんだなぁ…。或る意味では姜尚中発言は、氏の個人的信条としての「アメリカ嫌悪」が込められている。アメリカが「世界の警察」を名乗る事を苦々しく考えているのかも知れない。そう推測できるのは、過去に姜尚中さんの文章で「不謹慎かも知れないが、ニューヨーク同時多発テロが発生した時、どこか高揚感をおぼえてしまった」と吐露していた新聞に掲載されていた記事を記憶している。その言葉の裏にあるのは、反米意識でしょうし、より焦点を絞れば「世界の警察」を自認して世界戦略構想を持っている米国に対しての、拭い切れない悪感情でしょう。確かに、これは我々日本人や日本メディアが、ニューヨーク同時多発テロ事件を、極めて自由主義陣営側の一員として、つまり、アメリカ寄りの視点で受け止めてきたから、ああなったものの、実は、欧州のマスメディアでも日本のマスメディアが礼讃するところの「グローバリズム」を、そうは報じておらず、「米国一国主義」と報じていたのだという。本当は、冷戦体制崩壊後に起こったグローバリズムは、地球をアメリカ一国主義で覆いつくすかのような戦略であった。だから、別にイスラムのテロリストとは別に、欧州各地でハンバーガーチェーンのマクドナルドへの排斥運動みたいなのが実際にあった。

また、心理的な話からすれば、何かしら大きな権威がカタストロフ(大破局)が起こる事を期待してしまうという裏腹の心理は、諸々のハリウッド映画などでも確認できてしまう訳ですね。キングコングに蹂躙され、ゴジラに蹂躙され、宇宙人に蹂躙され、「猿の惑星」では賢いチンパンジーに主導権を奪われそうになり、テロリストがホワイトハウスを狙い、敵対する超大国との間で核ミサイルを撃ち合い…。

こういう事が、この10日間ほど、凄く増えたなと思う。先週あたりは、元TOKIOの山口某の飲酒運転報道をテレビ局に拠っては、随分、時間をかけてワイドショウ枠やニュースショウ枠で取り上げていましたが、彼は既に一般人ですな。あんなに時間を割いて報じるべきものでもないじゃんって思う。なので、テレ朝「ワイドスクランブル」にかけてみたら、意外とテレ朝はまともなのか飲酒運転ネタではなかった。菅政権に対しての要領を得た批判、実際には河野太郎大臣の「ハンコ廃止論」に対してのマトモな批判も行なわれており、ちゃんとしているのかもなと思いましたが、竹中平蔵さんが前日のゲストだったらしいと途中で気付く。竹中平蔵さんの意見や見識に引き摺られて政治を語るというのは、ホントは難しい事ではないだろか。リベラル派も菅新政権も「竹中平蔵」に重きを置いて組み立てていますが、めっちゃヤバい人ですよね。各賞を受賞したルポ本の『市場と権力』を読むと、人間としてヤバい考え方の人である事に気付けるかも知れない。「住民税を払わないでいい方法は、1月1日現在に日本に住所がなければいい」等を身内に指南していた事が語られている。そーゆー人なのだ。

他方、今朝方の「サンデーモーニング」で、姜尚中さんを否定してみせた大宅映子さんは、その後にハンコ問題を語って、「ハンコでごはんを食べている人たちがいるので、きっと、そんなに速やかには進まないでしょう」と語ったのでしたが、実は表情としては鼻でせせら笑っていたように見える。つまり、大宅映子さんにしても、その本心を読んでしまえば、本気で印鑑の文化を掘り下げるつもりはさらさらなさそうであった。

「契約を前提とする契約社会に於いて、署名・印鑑は実際に、どんなに掘り下げても自己の証明に関わるものだ。嘘だと思うなら、今、すぐにあなたの脳内で実際に、印鑑よりも大切にしているものを思い浮べてみましょう」

が理解できていない。これは真摯な態度が要求されている命題なんですね。しかし、きっと、西洋みたいに署名をすればいいのだ、兎に角、ハンコは時代遅れ、不要なのだと言ってしまうタイプのような印象を受けました。ハンコを絶賛している人たちは時代遅れの人たちで、自分たちこそが進取性に富んだ優れた人間であると、凄い慢心をしている事に気付かない。

そうじゃなくて、署名よりも印鑑の方が実際に楽だし便利でしょという事は、おそらく、1週間かけても2週間かけても理解しようとしないと思う。「理解できない」のではなく、慢心によって「理解しようとしない」の意です。ちゃんとハンコ文化をせせら笑う前に、【ハンコ】や【玉璽】を辞典で引いてみろ、と思うが、おそらく、本気にしない。デジタル化すれば、それでセキュリティ的にも安全なんです、コスト的にも優れているんですって、その方向性で思考を固めてしまっている。河野太郎批判には本腰を入れる気はない。

テレ朝の「ワイドスクランブル」は誰であったかな、いい批判をしていましたよ。「ハンコ屋のおじさんがカワイソ」とか、そういう次元ではなくて、「トップダウン方式で排除の論理を展開してゆくことが、ポピュリズムである」と。その感覚が日本で低くなっているという事は、「国家は国家だから権限があるに決まっているのです! 税金を払うのは国民の義務なのです! 国に命じられれば私は喜んで犠牲となって戦死します! すべての国民がそうあるべきなのです!」という、虚実綯い交ぜ、幻想の国家観に捉われている思う。実際に恩恵を被ったり、利益を受けているのは誰で、損失を被っているのは誰なのか考えた事もないタイプ。

幻想だというのは《何かが具体的な権威づけをして正当性を証明しているから》が分からないのだと思う。仮に、イスラム国みたいに誰かが国家をつくったと言い出したら、あんたは国家に従うのかいって話で。しませんね。実は権威づけているものがあって、それは国体であって、実は、玉璽とか、三種の神器の話は、絵空事ではなく、現実にも影響しているという事が理解できない。天皇の玉璽(印鑑)が捺されてない大臣の任命書があって、その大臣が存在したとして、その大臣を信用します? しませんな。「勝手な真似してんじゃねぇぞ、お前、オレオレ詐欺かよ」って言って、軽くジャンピング・ニーパットでも浴びせて帰ってくるもんなんじゃないの?

このリベラル体系ってのは、結局は中身はビックリするほどカラッポで、結局は経済指標重視で、諸々の経済指標で釣られているんでしょうねぇ。進歩主義者こそが行き詰まっているという現実を直視できていない。7〜8年ぶりに宮台真司さんの文章を読んでいて気づきましたが、思潮という意味からすると現行のリベラルとは、進歩主義者でしょう。進歩的であることで、他者に対してマウントを取れる。討論でもアドバンテージが取れる。しかし、行き詰まりに直面しているのは、その進歩主義そのものの方であるという観点がない。自己批判が甘いのだ。

そもそもトランプ現象を惹き起こしてしまったのは、リベラル&進歩主義が行き詰まったからでしょう? 中所得者や低所得者対策を蔑ろにしてきて、その一方で、これまた白々しいレベルでの、高潔な福祉精神や社会貢献などを説いてきた。もう、色々とデータでも指摘可能でしょう。おそらく日本でも国民年金の満額受給者よりも、生活保護受給者の方が月額10万円以上はオトクですな。一方で、生活保護受給者を叩いてはいけないと、中高所得者層であるリベラル&進歩主義が高潔な事をいって不満を圧殺する。「グローバリズムが正しいに決まっているじゃないかコノヤロウ、お前は俺よりも下位階層なんだよ」という心に囚われ過ぎている。(カウンターとして反動保守・反動保守が沸き起こる。トランプ支持層はそれ。)

この構図の嫌らしさというのは、なんというのかな、ユニクロを着ている者がしまむらを着ている者を叩く形で町場では発現するが、ユニクロを着ている者にしても本当は、さほど勝ち組という訳でもない。真の勝者は、ごく一握り。日本でもニューリッチ層は5億とか10億の資産を有しているそうですが、つまり、その圧倒的な経済力によって、名誉も地位も獲得してしまっているから、不道徳な事をやらかしても必ず助けられる。そういう上級国民が、実際に登場し始めていますね。

宮台さんを読んでいて、あっと感じてしまったのは、既にテレビ局にしても新聞社にしても勝ち組の人たちなので、その観点からしか政治を語れない。古い言葉でいえば、ブルジョア、プチブルですが、もう、そうなってしまっているから、この分断は、実はイデオロギーによって生じている分断ではなく、アイデンティティーそのもの(帰属性)による分断でもある。この分断は、その者の生活に直結しており、その存在を賭しての政治闘争で、万人よる万人の戦争状態をホントに起こさせてしまった。

ひとえに、「大きな公正さ」が失われてしまったから、互いに争うようになっているのだと思いますが、各自が自分の中に「正義」をつくりあげてしまっているから、おそらく、争いは終わらない。

ファシズムの重要な要素というのは、その排他性、排外性にあったと思う。こう述べると、移民を推奨している人たちこそが人道主義者であり、民族主義者や国家主義者こそが排他的であり、排外主義者だとなる。俺たち進歩主義者イェーイ! しかし、実際に「ハンコは不要」とか「FAXは不要」とトップダウン方式で打ち出している手法、また、それが大衆心理を喜ばせている事、結局のところ守旧派を小バカにしかできない事というのは、非常にファシズム的な排外主義ですね。ヒトラーとヒトラー・ユーゲントの関係に近い。おそらく「廃止!」という力強い決定、その自らの決定権の在り方に自己陶酔しているのでしょうけど、所詮は、ツイッター政治家である。大衆に迎合し、流行に便乗し、それでいて強権発動、トップダウン。ホントは整合性を考えないマヌケさんのような気がする。また、ツイッター政治を褒めそやしている人たちは、まぁ、朝三暮四って事になるのかな。目先のマウントの勝利に歓喜しているだけで、大きな方向性が全然、見えていない。これ以上、日本社会にトップダウン方式を根付かせたら、何をやられるか分かったもんじゃない、それが理解できない。政治家も警察官も信用できると思っている。民主主義や多数決も信用できると思っている。しかし、それらが既に破綻している事には気付かない。