先ずは、11日付の読売新聞の人生案内「男性に走る娘 歯止め困難」から。
60代のパート主婦。知的障害と発達障害がある長女は、グループホームで共同生活を送り、日中は作業所に通っていました。
ただ、こだわりが強く携帯電話にも依存しているため、問題を繰り返し起こして作業所を退所し、グループホームからも出るように言われています。
こだわりが強いのは長女の特徴で、携帯電話への依存も治療できないそうです。
障害があるので、決められたルールに基づいて生活する施設への入所を希望していますが、役所に相談しても認めてくれません。
ホストクラブやボーイズバーに興味があり、それを止めることができません。携帯電話で見知らぬ男性とつながりを求め、メールをやり取りすれば友達だと思っていて、危険です。
男性との性的な関係も複数があり、性感染症に感染したこともあります。思わぬ妊娠も心配しています。何かよい手立てはないか悩んでいます。
という相談に対しては、ライターの最相葉月さんが回答していた。
〜略〜グループホームで暮らしているそうですが、娘さんはそこからホストクラブやボーイズバーに通っているのでしょうか。それだけのお金をどうやって調達しているのでしょうか。
そもそもお金がなければ携帯電話の利用料は払えませんし、お酒も飲めません。〜略〜近年はホストクラブをツケで利用して、ホストが立て替えた売掛金を支払うために売春する若い女性が急増していると伺いました。娘さんは複数の見知らぬ男性と肉体関係があるようですが、そのような危険な行動をとっていないという確証はありますか。よくわからないのであれば、あなたは娘さんと真剣に向き合う必要があります。
あなたの援助したお金の使い方を把握し、娘さんを負のサイクルから救い出してください。そのような支援を得意とする民間の支援団体がありますので、自治体の窓口に問い合わせてください。あなたが思う異常に、娘さんは危機的な状況にあると思います。
昨今、ホストクラブにハマって借金漬けとなる女性が、風俗産業に沈められるという話は相応に報じられていますな。しかし、相談主の長女のケースだと、作業所を退所に追い込まれ、グループホームの方も出ていくように要請されている事からすると、一筋縄ではいかないのでしょうねぇ。回答者の最相葉月さんは「カネを止めてしまえ」と提案しているものの、考えてみたらツケで飲ませて売掛金として風俗産業に沈めるのが昨今の手口である事を考えると、カネを止めても効果があるかどうかは微妙だって事なんでしょう。
「３年Ｂ組金八先生」第４シリーズを視聴していたら、卒業生として三原じゅん子さんと近藤真彦さんが出演していた。金八先生がクラスのいじめ案件に困っていると知って、体育大学の助教授になっているという設定の近藤真彦さんが、
「昔みたいに、ガツンと言ってやりなよ」
と金八先生に発破をかけるというシーンがあった。しかし、そう言われた金八先生は、
「そういう訳にはいかないんだよ。昔と違って、今の子はなんていうか、その叱られなれていないから、強く言う訳にはいかんのだよ」
と、弱々しく第一シリーズの卒業生たちに言い訳しているシーンであった。確かに或る時期から、決定的な事柄でも、ガツンと指導できなくなってしまったんでしょうねぇ。でも、そういう魂と魂とで正面から対峙しない限りは伝わらないという問題もあるような気がする。理屈ではなく、自分を律する事の重要さ、それが自分自身の身を守る事につながるという事柄は、大人の側が悪役になってでも教えないといけないような気がする。
殊に知的障害や発達障害があるとなると厄介さも増していくのでしょうけど、昨今の容赦ない現実世界では、それらが免罪符になってくれるとも限らない。
14日付の人生案内「仕事以外はゲーム三昧の長男」から。
60代後半のパート女性。同居している30代後半の長男について相談です。
長男は大学を休学するなど、卒業まで８年かかりました。卒業後、一人暮らしをしたこともありましたが、今は実家に暮らし、週３回夜勤の仕事をしています。
仕事以外の時間はゲーム三昧です。仕事は週３回ですから大した収入もありませんが、うちには資産があり、長男の収入は当てにはしていません。
性格も良く、家族のことを心配してくれ、感謝の気持ちも表してくれます。私が心配しているのは、人生の一番大切な時期に、ゲームばかりではもったいないと思うのです。息子の人生ですが、旅行したり、キャンプや美術館に行ったりもっと見聞を広げてほしいです。
外出は近くのコンビニか、数か月に１度、美容院や友達と外食するぐらい。できれば今後、結婚もしてほしいです。
この相談に回答したのは、昨今はテレ朝やＥテレでも見掛ける事がある哲学者・小川仁志さんであった。
性格も良く、生活費も心配する必要がない息子さん。でも、仕事以外はゲーム三昧なのが心配というお悩みですね。お母様の年代だと、そういう日常は、さぞもったいないように映るのでしょうね。でも、時代は大きく変わっています。今やこうした生き方は一つの個性だといっていいでしょう。
〜略〜個性は一人一人異なっているという事です。ただそれは単にほかの人と違うという意味ではなく、一人一人が無限の可能性を秘めているという意味です。〜略〜何が起こるか、何をするか、可能性は無限にあります。あとは周囲の人間がそれを信じて見守っていられるかどうかです。〜略〜ヒトの個性を理解するには、愛が必要であると。〜略〜
息子さんはちゃんと友達ともお付き合いをされているようですし、何よりも人として一番大切な感謝の気持ちを持たれているわけですから、何も心配する必要はありません。これが令和の生き方の一つなのです。
心配になる気持ちも分かりますが、回答者が答えている内容も分かる。切迫した危機のようなものは実は感じない。おそらく、肝心要の部分は相談者の長男はきちんと押さえているタイプのような印象を受ける。やはり、判断の基準になっているのは「人間としての基本」なのでしょうねぇ。いやいや、先述したように「金八先生」の再放送を視ていても分岐点になっているのは、そこだよなって改めて思った。ヒトは思春期ではなくとも、奇妙な逸脱をする事がある。しかし、人間としての基本から逸れなければ、相応に収まる。このケースだと、仕事をした上でゲーム三昧になっているというのだから、そんなに心配はないと考えますかねぇ。
60代のパート主婦。知的障害と発達障害がある長女は、グループホームで共同生活を送り、日中は作業所に通っていました。
ただ、こだわりが強く携帯電話にも依存しているため、問題を繰り返し起こして作業所を退所し、グループホームからも出るように言われています。
こだわりが強いのは長女の特徴で、携帯電話への依存も治療できないそうです。
障害があるので、決められたルールに基づいて生活する施設への入所を希望していますが、役所に相談しても認めてくれません。
ホストクラブやボーイズバーに興味があり、それを止めることができません。携帯電話で見知らぬ男性とつながりを求め、メールをやり取りすれば友達だと思っていて、危険です。
男性との性的な関係も複数があり、性感染症に感染したこともあります。思わぬ妊娠も心配しています。何かよい手立てはないか悩んでいます。
という相談に対しては、ライターの最相葉月さんが回答していた。
〜略〜グループホームで暮らしているそうですが、娘さんはそこからホストクラブやボーイズバーに通っているのでしょうか。それだけのお金をどうやって調達しているのでしょうか。
そもそもお金がなければ携帯電話の利用料は払えませんし、お酒も飲めません。〜略〜近年はホストクラブをツケで利用して、ホストが立て替えた売掛金を支払うために売春する若い女性が急増していると伺いました。娘さんは複数の見知らぬ男性と肉体関係があるようですが、そのような危険な行動をとっていないという確証はありますか。よくわからないのであれば、あなたは娘さんと真剣に向き合う必要があります。
あなたの援助したお金の使い方を把握し、娘さんを負のサイクルから救い出してください。そのような支援を得意とする民間の支援団体がありますので、自治体の窓口に問い合わせてください。あなたが思う異常に、娘さんは危機的な状況にあると思います。
昨今、ホストクラブにハマって借金漬けとなる女性が、風俗産業に沈められるという話は相応に報じられていますな。しかし、相談主の長女のケースだと、作業所を退所に追い込まれ、グループホームの方も出ていくように要請されている事からすると、一筋縄ではいかないのでしょうねぇ。回答者の最相葉月さんは「カネを止めてしまえ」と提案しているものの、考えてみたらツケで飲ませて売掛金として風俗産業に沈めるのが昨今の手口である事を考えると、カネを止めても効果があるかどうかは微妙だって事なんでしょう。
「３年Ｂ組金八先生」第４シリーズを視聴していたら、卒業生として三原じゅん子さんと近藤真彦さんが出演していた。金八先生がクラスのいじめ案件に困っていると知って、体育大学の助教授になっているという設定の近藤真彦さんが、
「昔みたいに、ガツンと言ってやりなよ」
と金八先生に発破をかけるというシーンがあった。しかし、そう言われた金八先生は、
「そういう訳にはいかないんだよ。昔と違って、今の子はなんていうか、その叱られなれていないから、強く言う訳にはいかんのだよ」
と、弱々しく第一シリーズの卒業生たちに言い訳しているシーンであった。確かに或る時期から、決定的な事柄でも、ガツンと指導できなくなってしまったんでしょうねぇ。でも、そういう魂と魂とで正面から対峙しない限りは伝わらないという問題もあるような気がする。理屈ではなく、自分を律する事の重要さ、それが自分自身の身を守る事につながるという事柄は、大人の側が悪役になってでも教えないといけないような気がする。
殊に知的障害や発達障害があるとなると厄介さも増していくのでしょうけど、昨今の容赦ない現実世界では、それらが免罪符になってくれるとも限らない。
14日付の人生案内「仕事以外はゲーム三昧の長男」から。
60代後半のパート女性。同居している30代後半の長男について相談です。
長男は大学を休学するなど、卒業まで８年かかりました。卒業後、一人暮らしをしたこともありましたが、今は実家に暮らし、週３回夜勤の仕事をしています。
仕事以外の時間はゲーム三昧です。仕事は週３回ですから大した収入もありませんが、うちには資産があり、長男の収入は当てにはしていません。
性格も良く、家族のことを心配してくれ、感謝の気持ちも表してくれます。私が心配しているのは、人生の一番大切な時期に、ゲームばかりではもったいないと思うのです。息子の人生ですが、旅行したり、キャンプや美術館に行ったりもっと見聞を広げてほしいです。
外出は近くのコンビニか、数か月に１度、美容院や友達と外食するぐらい。できれば今後、結婚もしてほしいです。
この相談に回答したのは、昨今はテレ朝やＥテレでも見掛ける事がある哲学者・小川仁志さんであった。
性格も良く、生活費も心配する必要がない息子さん。でも、仕事以外はゲーム三昧なのが心配というお悩みですね。お母様の年代だと、そういう日常は、さぞもったいないように映るのでしょうね。でも、時代は大きく変わっています。今やこうした生き方は一つの個性だといっていいでしょう。
〜略〜個性は一人一人異なっているという事です。ただそれは単にほかの人と違うという意味ではなく、一人一人が無限の可能性を秘めているという意味です。〜略〜何が起こるか、何をするか、可能性は無限にあります。あとは周囲の人間がそれを信じて見守っていられるかどうかです。〜略〜ヒトの個性を理解するには、愛が必要であると。〜略〜
息子さんはちゃんと友達ともお付き合いをされているようですし、何よりも人として一番大切な感謝の気持ちを持たれているわけですから、何も心配する必要はありません。これが令和の生き方の一つなのです。
心配になる気持ちも分かりますが、回答者が答えている内容も分かる。切迫した危機のようなものは実は感じない。おそらく、肝心要の部分は相談者の長男はきちんと押さえているタイプのような印象を受ける。やはり、判断の基準になっているのは「人間としての基本」なのでしょうねぇ。いやいや、先述したように「金八先生」の再放送を視ていても分岐点になっているのは、そこだよなって改めて思った。ヒトは思春期ではなくとも、奇妙な逸脱をする事がある。しかし、人間としての基本から逸れなければ、相応に収まる。このケースだと、仕事をした上でゲーム三昧になっているというのだから、そんなに心配はないと考えますかねぇ。
