音楽業界において、捏造されていない “真のブーム” を見極める5項目

LINEで送る
Pocket

「●●ブームはマスコミによって作られた捏造ブームだ」
そんな言葉がインターネット上で飛び交うようになったのは最近のことではない。流行ってないのに流行っていると見せかけるな、と言いたいのだろう。事実として流行っていないかどうかは別にして、K-POP系、アイドル系、avex系の歌手に対しては、このような批判が寄せられることが多いように見える。
では、音楽業界において、捏造されていない真のブームとは一体どういうものなのだろうか。本記事では5項目に着目して考えていきたい。



   音楽に関しては、メディアがランキングを取り上げる機会が多いため、「楽曲の売上数が大きい」ほどブームであると考えられてきた。しかし、最近ではそうとは言えない事例が増えてきていないだろうか。「自分の全く知らない曲がオリコン1位を取っていることをマスコミを通じて初めて知った」という経験がある人は多いだろう。

   オリコン上位にランクインする音楽の場合は、次のポイントが高ければ高いほど、ユーザがランキングの結果に対して違和感を覚える可能性が大きいと言えるのではないだろうか。

(1) 複数種リリースを展開
   初回限定盤A~D、などの通常パッケージとは別の商品が用意されていることである。1種リリースと5種リリースの場合、熱狂的なファンにとって1種のものを5枚買うことはさすがに無駄かもしれないが、5種のものを1枚ずつ合計5枚買うのは無駄ではない場合が多い。複数種リリースの場合、購入ユーザ数と売上枚数に大きな差が出る場合が多いと言える。パッケージの種類が多いほどポイントが高い。

(2) 複数枚購入させるための特典が豪華
   例えば握手券、ハイタッチ券、投票券が用意されていることである。熱狂的なファンにとって、握手もハイタッチも投票も「何回もしたいもの」であるからだ。このような特典の数、種類が多ければ多いほどポイントが高い。
   DVDなどの映像特典はこれには当たらない場合が多いが、異なる映像を収録したDVDが複数のパッケージに収められている場合がある。この場合は(2)に該当すると言える。

(3) CD購入者限定イベントを頻繁に行う
   (2)は握手券などの特典の数でポイントを決めたが、この項目ではその握手券などの行使機会である「CD購入者限定イベント」の開催回数でポイントを計上する。

(4) 配信ランキングでは上位に存在しない
   CDの売上数ランキングでは上位にいるが、iTunesなどのランキングでは上位にいないものが該当する。配信では(1)~(3)の手法が通用しにくいため、(1)~(3)に加えて(4)にも引っかかっていると、かなり怪しく思われる場合がある。「配信ランキングの順位-オリコンランキングの順位」が大きいほどポイントが高いと言える。
   なお、そもそも配信を行っていない場合は除外する。

(5) ランキング上位に来る前からテレビの情報番組で取り上げられる機会がやたら多い
  
売上実績が伴っていないのに、テレビの情報番組が「今若者の間で絶大な人気」などと煽ってしまうものである。特にCDの場合は、売上数がオリコンで常時観測できるため、この手法をやるとユーザに違和感を感じさせやすい。デビュー前にテレビで取り上げられた回数が多いほどポイントが高いと言える。
   「上位に入ってからテレビで頻繁に取り上げられるようになった」場合は除外する。

   ここまで書いたが、オリコンは「CDの売上数」を競うランキングであって、「人気度」を競うランキングではない。オリコンの結果に違和感を感じる人が多い理由は、この2つの度合いが比例していると考えてランキングを見ている人が多いためだろう。
   上記5項目のポイントが高ければ高いほど、この2つの度合いに差があると言えるのではないだろうか。

   逆にこれら5項目のポイントが低く、かつオリコン上位にランクインしている作品は、ユーザに違和感なく受け入れられていると言えるのではないだろうか。

(10日1:20) 続きのような記事を書きました。
→ オリコンランキングを通じて「流行曲」の発見が困難になった理由を考える

関連記事
2011年 オリコン年間シングルランキング 41週目時点の暫定順位速報
韓国グループがオリコンシングル・アルバムW制覇…国内メディアのK-POP推しがもたらした快挙


この記事をご覧の方には、以下の記事もおすすめです

3 Responses

  1. abc より:

    つまりAKBだなw

  2. syoko より:

    ustan様も書いているように、単に
    フル配信のチャートを見れば良いのではないでしょうか??
    オリコンの弱体化もそのうち直るのではないかと思っていたのですが、
    仏の顔も3度というか、そろそろ見飽きてしまいました。
    ベスト10に入っても1~2週でバイバイでは、覚える間もないし。
    完全に「宣伝ツール」に変質してしまった感、有り有りです。
    あとは、最近めっきり減ってしまいましたが
    「無名歌手のじわじわ」が年に数作、ありますので
    それを注目するしかありません。
    昔はスピッツやミスチルもそうやって世に出ましたよね。
    去年だとmoumoonなんかは新しい動きだったと思います。

  3. たく より:

    僕は、レコチョクランキングをいつも閲覧しています。
    でも…すべてのフル配信サイトを統合すればいいのになぁー。
    しかも、Mステでダウンロードランキングを再び取り上げたらいいのになぁ。