こんにちは。4年スタッフの大橋です。みなさま、お久しぶりです。
別府のブログを読んだのですが、おそらく別府以上に「お前最近何してん？」の人だと思います。
というのも、ボート部に所属していながら、二年生以降はほぼほぼ艇庫に行かず、駒トレや女子部の遠隔でできる仕事をやっていたからです。
そんな私がボート部の内外で一体何をしていたのか、みんなに説明する責任があると思っているので自分の想いも交えながら簡単に説明させて頂きます。
まずは部活外について。
｢あなたが四年間で頑張ったことはなんですか？｣
こう聞かれたら私は迷いなく航空宇宙の勉強とプロジェクトリーダー、と答えます。自信を持って答えられる程度には本気で取り組みました。
そもそも、なぜ私が東大に入ったかというと、航空宇宙工学科に入りたい、モノづくりをしたい、プロジェクトを回してみたい、という目標があったからです。そのため、サークルは緩いところに入って勉強を本気でやろうと思っていました。
(じゃあなんで部活に？しかもボート部に入ったの？？それはテント列でたかみさんに一目惚れしたからです。同期の女子の半数以上は多分同じ理由です。学科に入ってからのこととか何も考えずに入部してしまいましたがこれも運命だったのかなと思っています。後悔はないです)
進振りを経て無事航空宇宙に入りましたが、噂通りちゃんとブラック学科でした(笑)。授業は多い、課題も多い、科目が多様すぎる、製図重い、、、、、でも自分が勉強したいことだったので全く苦ではありませんでした。むしろ忙しくも充実した毎日が楽しくて仕方がありませんでした。
三年生では、授業に加えCansatというプロジェクトに参加し、そこでプロジェクトマネージャーをやりました。
Cansatとは、内径146mm×高さ240mm以内、重量1050g以下サイズの機体(ローバー、飛行機、ドローン、パラフォイル、等々、折りたたんで上記サイズを満たすものならなんでもよい)のことです。もともとの由来は空き缶サイズの衛星という意味です。
このCansat機体をドローンやロケットを用いて上空で放出し、機体の自律制御で決められたゴールを目指すComeback competitionに参加するためにチームを組んで取り組んでいました。
このプロジェクトがとても忙しかった…。一限から四限まで授業を受け、そこから終電まで機体づくり、週末は松戸の河川敷で日が沈むまで飛行試験、それから学校へ帰って反省会mtg、修理、修正、。。。これが4月から11月まで続きました。
一体いつ課題をしていたのか、思い返すと不思議です。。
このPJで学んだことはたくさんあります、があまりにたくさん過ぎて、提出した反省書は40ページを超えているのでちょっとだけ。ボート部にも共通する学びも多かったなと思います。
第一にものづくりの難しさ。私達は折りたたみ式の飛行機を作りましたが、なかなかうまく飛んでくれなくて焦りました。また、空中で放出後に自動で展開する構造でしたが、強度が足りず大変でした。
うまく飛ばすためには、基本的な知識の勉強、先輩たちの引き継ぎからの学び、そして今の自分たちの機体の分析が必要不可欠です。ここをサボるといつまで立ってもいい結果は生まれません。これはボートの漕ぎでも同じことが言えるのではないのでしょうか？
また、リーダーとして、意見をまとめること、スケジュール管理、予算管理の難しさも学びました。うまく飛ばないことに対してどう対処するのか、この時の決定は正しかったのか？もっと他に方法があったのでは？と、答えのない問題に数多く直面し、そのたびに苦悩しました。
今でも時々チームメンバーと反省会をして、あの時どうすればよかったのか？どう開発を進めればよかったのか話し合っています。今までの学生生活では答えが全て与えられていたのに対し、正解のない問いへの向き合い方というのをこのプロジェクトで初めて学んだような気がします。
四年になってからは、柏キャンパスの研究室でCFRP(炭素繊維強化プラスチック)を作っては壊す実験をひたすら行っています。材料を重ねあわせ、圧力釜で焼き、それを切り分けて機械で引っ張る。今までは方法も材料も全部そろっていて手を動かせば終わりな実験しかしてこなかったので、自分で実験条件から考え、実験結果を考察することは想像以上に大変で常に頭がフル回転です。でも一回一回の学びが大きく、充実した毎日を過ごさせてもらっているなと感じています。
次に部活関係について。
一年生のころは、はじめは選手として活動し、夏以降は自分の立ち位置を見つけられなくて色々な仕事をやっていました。自分のやりたいことを見つけられなかったこの頃が自分にとって一番つらかったように思います。
二年生の時は週二程度で駒場に向かい、05(2020年入部)の女子二人のサポートをしていました。自分が新人期に感じた女子特有の辛さを二人にはできるだけ感じてほしくない、楽しさを忘れないでほしいと思い、細かなところまで気を配っていた覚えがあります。また、みんなと比べて部活の活動量が少ない分、仕事一つ一つは丁寧に、真剣にやろうと意気込んでいました。
三年生になってからは、まとまった時間を確保することが難しくなってしまったので、遠隔で女子選手のメンターと記録の整理などをやっていました。
このように、私は漕艇部にかなり特殊な関わり方をしていました。「艇庫に来なくてモチベーション下がらないの？」と聞かれることが多かったのですが、不思議とそれはありませんでした。むしろスラックやmtgでみんなの様子を見て、みんな頑張っているから私も頑張らねばと思っていました。
ただし、悩みは常にありました。それはみんなと自分を比較してしまうことです。みんなが勉学も部活も真摯に取り組んでいる姿を見れば見るほど、みんなのことを尊敬するとともに、そこまでの活動ができていない自分がこのまま所属していていいのか？自分は3年半の間部活でこれを頑張ったと胸を張って言えるものがあるのか？みんなみたいな熱い想いは果たして自分の中にあるのか？という思いが頭の中を駆け巡ってしまいました。
部活との関わり方が中途半端に思えて部活をやめようとしたこともあります。
でも、その相談をしたときに、私がやってきた仕事も今の女子部に繋がっていること、活動量は少なくても決して適当に仕事をしていたわけではないということを気づかせていただき、自分のやってきたことに少しだけ自信がもてるようになりました。
今も悩みが消えたわけではありませんが、今までやってきた自分の仕事を素直に認め、今の仕事をやり切り、みんなの3年半の努力の集大成をこの目に焼き付けて引退したいと思います。
簡単に、と言ったはずなのに気がついたらこんなに自分語りをしてしまいました。すみません。こういう四年間を過ごしていた人もいるんだ、と思っていただけると幸いです。
私のやりたいことを一緒に模索し、ボート部との関わり方を色々と考えてくださったいつほさんや、たかみさんかおりさんをはじめとした先輩方、そしてそんな私を認めてくれたみなさん、本当にありがとうございました。
最後に、
インカレ行ける日は見に行きます！みんなの三年半の頑張りをちゃんと目に焼き付けて終わろうと思います。応援しています。
大橋奈央
別府のブログを読んだのですが、おそらく別府以上に「お前最近何してん？」の人だと思います。
というのも、ボート部に所属していながら、二年生以降はほぼほぼ艇庫に行かず、駒トレや女子部の遠隔でできる仕事をやっていたからです。
そんな私がボート部の内外で一体何をしていたのか、みんなに説明する責任があると思っているので自分の想いも交えながら簡単に説明させて頂きます。
まずは部活外について。
｢あなたが四年間で頑張ったことはなんですか？｣
こう聞かれたら私は迷いなく航空宇宙の勉強とプロジェクトリーダー、と答えます。自信を持って答えられる程度には本気で取り組みました。
そもそも、なぜ私が東大に入ったかというと、航空宇宙工学科に入りたい、モノづくりをしたい、プロジェクトを回してみたい、という目標があったからです。そのため、サークルは緩いところに入って勉強を本気でやろうと思っていました。
(じゃあなんで部活に？しかもボート部に入ったの？？それはテント列でたかみさんに一目惚れしたからです。同期の女子の半数以上は多分同じ理由です。学科に入ってからのこととか何も考えずに入部してしまいましたがこれも運命だったのかなと思っています。後悔はないです)
進振りを経て無事航空宇宙に入りましたが、噂通りちゃんとブラック学科でした(笑)。授業は多い、課題も多い、科目が多様すぎる、製図重い、、、、、でも自分が勉強したいことだったので全く苦ではありませんでした。むしろ忙しくも充実した毎日が楽しくて仕方がありませんでした。
三年生では、授業に加えCansatというプロジェクトに参加し、そこでプロジェクトマネージャーをやりました。
Cansatとは、内径146mm×高さ240mm以内、重量1050g以下サイズの機体(ローバー、飛行機、ドローン、パラフォイル、等々、折りたたんで上記サイズを満たすものならなんでもよい)のことです。もともとの由来は空き缶サイズの衛星という意味です。
私たちの機体です。展開時、スパンは150cmあります
収納するとこうなります
このCansat機体をドローンやロケットを用いて上空で放出し、機体の自律制御で決められたゴールを目指すComeback competitionに参加するためにチームを組んで取り組んでいました。
このプロジェクトがとても忙しかった…。一限から四限まで授業を受け、そこから終電まで機体づくり、週末は松戸の河川敷で日が沈むまで飛行試験、それから学校へ帰って反省会mtg、修理、修正、。。。これが4月から11月まで続きました。
一体いつ課題をしていたのか、思い返すと不思議です。。
このPJで学んだことはたくさんあります、があまりにたくさん過ぎて、提出した反省書は40ページを超えているのでちょっとだけ。ボート部にも共通する学びも多かったなと思います。
第一にものづくりの難しさ。私達は折りたたみ式の飛行機を作りましたが、なかなかうまく飛んでくれなくて焦りました。また、空中で放出後に自動で展開する構造でしたが、強度が足りず大変でした。
うまく飛ばすためには、基本的な知識の勉強、先輩たちの引き継ぎからの学び、そして今の自分たちの機体の分析が必要不可欠です。ここをサボるといつまで立ってもいい結果は生まれません。これはボートの漕ぎでも同じことが言えるのではないのでしょうか？
また、リーダーとして、意見をまとめること、スケジュール管理、予算管理の難しさも学びました。うまく飛ばないことに対してどう対処するのか、この時の決定は正しかったのか？もっと他に方法があったのでは？と、答えのない問題に数多く直面し、そのたびに苦悩しました。
今でも時々チームメンバーと反省会をして、あの時どうすればよかったのか？どう開発を進めればよかったのか話し合っています。今までの学生生活では答えが全て与えられていたのに対し、正解のない問いへの向き合い方というのをこのプロジェクトで初めて学んだような気がします。
四年になってからは、柏キャンパスの研究室でCFRP(炭素繊維強化プラスチック)を作っては壊す実験をひたすら行っています。材料を重ねあわせ、圧力釜で焼き、それを切り分けて機械で引っ張る。今までは方法も材料も全部そろっていて手を動かせば終わりな実験しかしてこなかったので、自分で実験条件から考え、実験結果を考察することは想像以上に大変で常に頭がフル回転です。でも一回一回の学びが大きく、充実した毎日を過ごさせてもらっているなと感じています。
次に部活関係について。
一年生のころは、はじめは選手として活動し、夏以降は自分の立ち位置を見つけられなくて色々な仕事をやっていました。自分のやりたいことを見つけられなかったこの頃が自分にとって一番つらかったように思います。
二年生の時は週二程度で駒場に向かい、05(2020年入部)の女子二人のサポートをしていました。自分が新人期に感じた女子特有の辛さを二人にはできるだけ感じてほしくない、楽しさを忘れないでほしいと思い、細かなところまで気を配っていた覚えがあります。また、みんなと比べて部活の活動量が少ない分、仕事一つ一つは丁寧に、真剣にやろうと意気込んでいました。
三年生になってからは、まとまった時間を確保することが難しくなってしまったので、遠隔で女子選手のメンターと記録の整理などをやっていました。
このように、私は漕艇部にかなり特殊な関わり方をしていました。「艇庫に来なくてモチベーション下がらないの？」と聞かれることが多かったのですが、不思議とそれはありませんでした。むしろスラックやmtgでみんなの様子を見て、みんな頑張っているから私も頑張らねばと思っていました。
ただし、悩みは常にありました。それはみんなと自分を比較してしまうことです。みんなが勉学も部活も真摯に取り組んでいる姿を見れば見るほど、みんなのことを尊敬するとともに、そこまでの活動ができていない自分がこのまま所属していていいのか？自分は3年半の間部活でこれを頑張ったと胸を張って言えるものがあるのか？みんなみたいな熱い想いは果たして自分の中にあるのか？という思いが頭の中を駆け巡ってしまいました。
部活との関わり方が中途半端に思えて部活をやめようとしたこともあります。
でも、その相談をしたときに、私がやってきた仕事も今の女子部に繋がっていること、活動量は少なくても決して適当に仕事をしていたわけではないということを気づかせていただき、自分のやってきたことに少しだけ自信がもてるようになりました。
今も悩みが消えたわけではありませんが、今までやってきた自分の仕事を素直に認め、今の仕事をやり切り、みんなの3年半の努力の集大成をこの目に焼き付けて引退したいと思います。
大好きな女子部の写真。個人的にはこの全員が笑顔の写真が一番好きです。みんながそれぞれ悩みや行き詰まりを抱えていたのを知っているので、(勝利がすべてというわけではないけど)こうやって報われる瞬間があるのは見てるほうからしてもやはりとてもうれしくて感動しました。
簡単に、と言ったはずなのに気がついたらこんなに自分語りをしてしまいました。すみません。こういう四年間を過ごしていた人もいるんだ、と思っていただけると幸いです。
私のやりたいことを一緒に模索し、ボート部との関わり方を色々と考えてくださったいつほさんや、たかみさんかおりさんをはじめとした先輩方、そしてそんな私を認めてくれたみなさん、本当にありがとうございました。
最後に、
インカレ行ける日は見に行きます！みんなの三年半の頑張りをちゃんと目に焼き付けて終わろうと思います。応援しています。
大橋奈央
