思考のカケラ

コンサルタントの備忘録

2017年01月

今回は少し別の観点から話を広げ、若干SFのような話をしていきたいと思います。
少し難しいというか、ややこしいと思って書くことを躊躇っていましたが、今回のテーマはいつか取り上げたいと思っていたので、試しに書いてみました。
(今回の図解は少なめです。。。)
最初は人間の観点からテクノロジーを考えていきます。

■テクノロジーVS自然
人間が持っている、テクノロジーと自然の対立概念はいつ生まれたのでしょうか。
僕たちは、人間がテクノロジーによって生み出した人工物は、自然と相入れないという感覚はなんとなく持ってはいますが、その感覚がなぜ起こっているかはうまく説明できません。
ぼんやりと思うのは、例えば自動車(人工物)の排気ガスが空気を汚くするとか、工場の排水が水を汚くするとか、自然破壊にテクノロジーが関係していると感じるため、テクノロジーVS自然という構図になるのでしょうか。

以上のように、テクノロジーと自然について抽象的な問題提起をしてきましたが、僕の結論を最初に言いたいと思います。結論は、人間も技術も全て「自然」である、ということです。つまり、対立は存在しないということです。

■全ては自然である
人工物と自然が相容れないという話がありましたが、この話はどこから来たのでしょうか。
「ソラリスの陽のもとに」などの作品で世界的に知られるSF作家、スタニスワフ・レムは、ある随想の中で、次の問題提起をしています。

我々は、森の中で蜂の巣を見つけたとき、その美しい六角形の幾何学模様の巣の形を見て、「自然の造形は、なんと美しいのか」と感じるだろう。そのとおき、我々は、それを「自然」の営みと思い、決して「蜂工」とは思わない。しかし、我々は、人間が作ったものを「人工」と考え、自然が作ったものを「自然」と考える。それは、なぜか?

この問題提起に対して、多摩川大学大学院の田坂広志教授は以下のように説明してます。
欧米文化においては、「自然」というものは、常に「人間」の科学や技術によって「征服」されるべき対象であったからである。そのことが、「自然」と「人工」を対立な概念とする思想を生み出してきた。
*1 Forbes Japan 2017年3月



人工とは人間の視点からしか見ていないものであり、宇宙全体から見ると、自然に過ぎません。なぜなら、人間も自然が創り出したものであり、人工物とは、自然が創り出した人間の創出物であるためです。

■人間とテクノロジーの類似点
確かに、人間も人工物(テクノロジー)も似ている点があります。
人間とテクノロジーを、動作系、伝達系、知能系に分けて比較します。

・人間
 動作系:筋肉、伝達系:神経、知能系:脳
・テクノロジー
 動作系:デバイス(モーター等)、伝達系:回路・ネットワーク、知能系:AI(アルゴリズム)
 
系

 
今までのテクノロジーの進歩は、多くが人間で言う動作系の進歩でした。例えば、移動手段として自動車が登場した後には、人間が集まって全力でリレーをしても勝ち目はありません。自動車は長距離移動の速さの観点からいうと、明らかに人間の能力を超えて います またショベルカーを操作して重い土砂等を動かす時も人間の筋力の限界を超えています。このように、何かの動作に関しては、そもそも両者は動作をする部分をもっているという興津店があり、人工物はすでに人間を超えています。
次に伝達系を比較します。人間では、この部分は神経に該当しますが、テクノロジーの場合は、近年ネットワーク(IoT)の進歩が目覚ましいです。たくさんのセンサを用いて、インターネットにモノを繋ぐことは、人間の体内に神経を張り巡らせることと似ています。大量のモノからデータを取って、それを中枢にフィードバックしていくこと、 これは人間の体中に存在する神経という名のセンサーから、様々な感覚を中枢に伝えていることと同じです。
知能系に関しては、人間の脳に該当します。テクノロジーでは、人工知能が該当します。近年バズワードにもなったディープラーニングは脳神経の構造に非常に近いニューラルネットモデルを使用しています。

以上のように、それぞれ系として分けて考えましたが、今度は、動作系、伝達系、知能系をトータルで考えていきましょう。知能系で下した判断を、伝達系を通して動作系に作用させるのが、通常の流れですが、今回は「自律分散システム」について焦点を当てていきたいと思います。

■自律分散システムにおける共通点
一般に、システム全体を制御する方法として、二つの対照的な考え方があります。1つは、システム内に1つの中心を設ける、集中管理的・中央集権的な制御方式です。この方式は、中心があらゆる部分の動きに対応しながら、全体から集めた膨大な情報をもとにしてシステムの各部分に逐一指令を出し、全体を制御するという考え方です。
その対極にある考え方が、自律分散的な制御法と呼ばれるものです。それは各部分の自律的な動きや、それらの間に自動的に生まれる協調性をできるだけ生かそうとする制御の考え方です。中央による制御をできるだけ控えめにして、システムに備わっている自律的な能力に大半をゆだねるようなやわらない制御が、自律分散制御(システム)です。

・集中処理と分散処理
分散処理
http://www.miyazaki-gijutsu.com/series4/densi0921g.html

この自律分散システムを身体実験として表現したものの中に、「除脳ネコ」の実験があります。除脳ネコとは、中枢神経のうち、脳幹と脊髄とを合わせた部分を脳の他のすべての部分から切り離したネコのことです。通常、脳の助けがなければ、ネコはあることはできません。しかし、除脳ネコでも、歩くためのトレーニングをすれば、歩けるようになることがわかっています。これは、ネコが脳の助けを借りずに、脊髄だけで学習できることを示しています。経験を通じて脊髄の神経ネットワークの構造が変化し、運動能力を回復するのです。絶えず変化する感覚情報を脊髄が末梢神経から受け取り、それによって瞬時に身体運動を調整することができるのです。


これは、テクノロジーの世界ではエッジコンピューティングに似ていると思います。
エッジコンピューティングとは、ユーザーの近くにエッジサーバを分散させ、距離を短縮することで通信遅延を短縮する技術です。場合によっては、エッジサーバーは中央のサーバーに処理を依頼しなくても、スマートフォン等の端末に処理情報を返すこともできます。まさに脊髄反射です。スマートフォンなどの端末側で行っていた処理をエッジサーバに分散させることで、高速なアプリケーション処理が可能になり、さらにアルタイムなサービスや、サーバとの通信頻度・量が多いビッグデータ処理などにこれまで以上の効果が期待できます。
このエッジサーバに該当するのが、動物の「脊髄」ということになります。

・エッジコンピューティングの概要
エッジコンピューティング

http://www.ntt.co.jp/news2014/1401/140123a.html

・エッジコンピューティングの対応範囲
エッジ2

また、Raspberry Pi(ラズベリー パイ)のようなマイコンに、機械学習プログラムを入れて、データを処理させるのも、分散型システムに近いと思います。グーグルもRaspberry Piで機械学習等がつかえるツールを開発しているようです。

ちなみに、脳についてはもっと深い考え方があります。脳は、複雑極まるシステムの中にその働きをコントロールする中心部分があるわけではなく、その意味では脳自身をとてつもない自律分散システムとみることもできるのです。このようにシステムが複雑になればなるほど、中央集権的な仕組みと自律分散的なしくみとが互いに入り組んだ階層的な構造を持つようになるのが自然なのかもしれません。


■人間とテクノロジーの共生、競争
人間とテクノロジーの系が似ている点が感じられましたが、人間とテクノロジーは今後どのような関係になっていくのでしょうか。
これまでの技術の進歩は人間の主要な器官の進歩に似ていると思います。動作系では人間のパワーやスピードを機械はすでに大きく超える状況にあります。また、伝達系では、現在トリリオンセンサープロジェクトというのが発足しているように、あらゆる場所にセンサーが取り付けられかつどれがインターネット上に 繋がって行きます。人工知能についてはどうでしょうか この機能型については昨年AlphaGo が 囲碁のトップ棋士を打ち破るなど部分的に人間を超えつつあります。

ただ、テクノロジーが人間を超えていく、といった議論がありますが、そもそも人間自らがすすんで超えさせようとしているのです。なぜ人間はテクノロジーをさらに進歩させようとするのでしょうか。それは、資本主義という世の中のルールが存在するためです。資本主義のルールの下では、お金を稼いでいくために、生産性の向上が求められます。そのためには、製品やサービスの販売をするにしても、ヒト・モノ・カネ・情報を有効活用する必要があります。その時に、テクノロジーが得意とする「最適化・自動化」の出番になるのです。例えば、アマゾンの倉庫では、ロボットを導入して人を減らすことで、人件費を削減することができ、それが結果として価格競争力やスピード対応による顧客満足度につながります。
このようにテクノロジーの進歩は、資本主義を発展させるための原動力になっています。

見方を変えると、テクノロジーは人間を使って、自らの発展をさせているとも捉えることができます。これを自然界で起こっていることと比較して考えます。

蜂と植物の関係を考えたときに、蜂は花の蜜に誘われて、次々と花に近づきます。そして、蜂が花粉を運び、受粉が行われ、結果としてその植物が繁栄します。
蜂

人間と、テクノロジー(AI, ロボット)の関係を考えると、人間は生産性向上という蜜にさそわれて、IT化等を促進します。そして、AIやロボットを開発し、結果としてAIやロボットが繁栄します。

このように、人間は生産性向上というインセンティブに乗り、テクノロジーの繁栄を手伝っているとも捉えられます。

一方で、AIの発展に警鐘を鳴らす人たちもいます。

The development of full artificial intelligence could spell the end of the human race.
–Stephen Hawking

The development of artificial intelligence, or AI, may be the biggest existential threat humanity faces.
–Elon Musk
 
ここで出てきた話は、AIが人間を襲うかもしれないことがベースになっています。しかし、僕は他にも起こりうる現象があるのではないかと考えています。もはやSFの世界になってしまいますが、人間が自ら進んで姿を消すこともあるのではないかと思います。
具体的には、自分の意識をネットワーク上にアップロードし、物理的な身体と意識を切り離すということです。



かたちあるものは全ていつか消えてしまう以上、人間の不老不死は永遠のテーマです。しかし、意識をネットワーク上においておくことができれば、不老不死は避けることができます。そうやって人間は次々と意識をネットワーク上に置くこともできるかもしれません。
こうして、人間は世界から姿を消してしまうシナリオもできてしまいます。このような状態になってしまうと、世界の歴史を振り返ったときに、人間はテクノロジーが成長するまでの渡過期にのみ存在した、貴重な生物になってしまうでしょう。

■おわりに
以上のようなSF話は想像していると面白かったり、恐ろしくなったりしますが、現在も共通して言えることは、人間がテクノロジーと共生していく必要があるということです。現状としては人間はテクノロジーと良好な関係を築いていると思います。
蜂と花の関係のように、それぞれにメリットがあって共生していくような仕組みを、今後も構築していくことが必要になるのではないでしょうか。


追記:今回のテーマは概念として捉えにくく、それゆえ説明のための文章も少し長くなってしまいました。あと、もっとポジティブなテーマの方がきっとワクワクしますね。


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2017年になってもう2週間が経ちました。
今回は2017年以降、テクノロジーがどのように世の中を変えていくかを考えたいと思います。
テーマは「通信技術」です。

■2017年の状況
まずは2017年に起こることを整理したいと思います。
2017年は様々な技術のインフラ整備が行われます。その中でも第5世代移動通信システム(5G)の実証実験が始まります。5Gは今のPCやスマートフォン等に使われている4Gの次の規格です。
簡単にまとめると、5Gには以下のメリットがあります。

  1. 高速通信: 最大で20Gbpsの通信速度や、LTEの1000倍の大容量化
  2. 同時多発接続: 同時接続数端末数が100倍
  3. 超低遅延: 1ミリ秒以下の遅延(自動運転等に対応)

5Gはスマートフォン等の通信だけでなく、ヘルスケアや教育、VRの分野でも使われます。
」5G アプリケーション
(出典 : ITU-R WP5DワークショップでのARIB 2020 and Beyond Ad Hoc Groupの講演資料 (2014
年2月))

VR5G
ネットワークの低遅延化・広帯域化で実現する新サービス・アプリケーション

VRの分野では、人間が頭の向きに自動的に目の位置を合わせる前方動体反射(VAR)に必要な7ミリ秒を超える遅延があると違和感を生じるため、ネットワーク部分での遅延は1ミリ秒程度に抑える必要があります。
また、自動運転でも1ミリ秒以下の低遅延化が必要になります。

このような5G通信は、2020年頃には商用化され、一般の方が使用できる予定になっています。

*5G参考資料
  Mobile Communications Systems for 2020 and beyond




しかし、5G技術には、室内で電波が干渉したり、壁などで電波が減衰する等といった課題があります*
(*telecoms.comより)
また、従来の電波を使った技術全てに通して言えることですが、航空機内や手術室等では電波を発する機器は使用することができません*(*Light Fidelity (Li-Fi) - The bright future of 5G visible light communication systemsより)。

そこで、注目されている技術が"Li-Fi"です。


■Li-Fiとは何か
Li-Fiとは、"Light Fidelity"の略で、LEDを使った光空間無線通信の一種です。光空間無線通信とは、その名の通り光を使った通信方式で、大きく分けると、赤外線を利用したものと、可視光を利用したものがあります。古くはリモコンなどの赤外線の利用に限定されていましたが、最近ではLED照明が普及したため、LEDを通信目的に使用する技術が盛んになってきています。

光空間通信が注目されている背景としては、モバイルトラフィック(通信量)が増加していることが挙げられます。年間平均増加率は78%であり、2016年のトラフィック総量は対2011年比で18倍、対2014年比で2.6倍になっています*(*Cisco Civual Networking Indexより)。
* Cisco Civual Networking Indexに記載されている予測はなかなか面白いです。

そこで、無線通信帯域の確保をする必要があります。その中で注目されているのがLED可視光等を使った光空間通信なのです。

Li-Fiは毎秒10億ビット(1Gbps)の速さで、デバイス間のデータ通信を行います。これは今実際に使われているWi-Fiのおよそ100倍ものスピードです。

Li-Fiの使用イメージ
LiFi1
Source: Pure Li-Fi.

■Li-Fiの仕組み
LED電球に定電流が流れると、電球からは可視光として光エネルギーが発せられます。電流がゆっくりと変われば、光の強さも変わります。LED電球は半導体製品なので、電流を変化させることができ、その一方で光は、光センサーで検知でき、再度電流に変換する超高速の変調が可能です。この技術により、情報はLED電球から高速で通信することができます。

LiFiしくみ
Source: Pure Li-Fi.

■Li-Fiのメリット
Li-Fiには、Wi-Fiよりも優れている点がいくつかあります。
  1. 高速通信
    現行のWi-Fiよりも通信速度が100倍以上速いです。

  2. 省エネ
    大量の電気を消費する電波塔が必要なWi-Fiよりも、エネルギー効率に優れています。電波塔の送電効率はなんと5%しかないそうです*
    (*TED:ハラルド・ハースのプレゼンより)。
    Li-Fi開発者のドイツ人物理学者ハラルド・ハース(Harald Haas)氏の構想通り、光検出器の電源を太陽電池でまかなえば、ワイヤレス充電とインターネットへの無線接続が同時にできるようになるかもしれません。

  3. 室内等でのつながりやすさ
    電波の干渉・混雑や電波がつながらない場所に悩まされることがありません。

  4. セキュリティ
    Li-FiはLED電球の光が直接当たる場所でなければ使えないので、家の外にいる人間は屋内のシステムに侵入できません。よって、Wi-Fiよりセキュリティ面が向上するそうです。
 
 
 
■Li-Fiの応用先
 以下に代表的な応用例を挙げていますが、PureLiFi社によると、以下の応用先だけでなく、様々な応用が考えられるようです。
 
参考:Applications of Li-Fi 
  • スマート照明
  • モバイル通信 
  • 電波が使えない病院内や航空機の中等
  • 自動車、交通システム
       etc

■Li-Fiの動向
Li-Fi自体は以前から開発されてきましたが、近年注目すべき動きがありました。
まずは以下にLi-Fi関連技術の代表的な出来事を整理しています。

Li-Fi history

*1.公開情報を基に筆者作成
*2.図中の番号は情報のソースを表しています。本投稿の一番下に情報ソースのリンクがあります。


ここで注目すべきなのは、AppleがLi-Fiを将来のiPhoneに搭載すると言われていることです。
AppleもLi-Fi技術を高く評価しているのではないでしょうか。
2016年の段階でも、iOS 9.1のコード内から、現時点では未対応のはずのLi-Fiの存在を示す文字列が見つかったことが話題になっています。今のところ、Li-Fiは「近い将来、実用化が期待される超高速通信技術」ですが、Appleも対応を進めているようです。

また、シンガポールも国策としてLi-Fi導入を進めています。
シンガポールのIMDA( Info-communications Development Media Authority)では、これから来るLi-Fi技術で世界をリードし、先頭に立つことで競争優位性を高めることを目指しています*(*
pureLiFi in Singapore working to implement leading wireless innovation)。 
 
一方で国内では、豊田中央研究所がLEDを用いたV2V(車車間通信),I2V(路車間通信)の研究を進めています。
 電波を使った通信ではなく、光を使った通信をすることで、車同士が速い通信(低遅延通信)を行うことができ、加減速などのスムーズなやりとりをすることができます。

光を用いたV2Vの概要
TOYOTA LED
出典:Optical Vehicle-to-Vehicle Communication System Using LED Transmitter and Camera Receiver
 
 
以上のようなLi-Fi市場は、2013年から2018年まで年平均成長率82%で成長していくと予測されており、2018年には60億ドル(7000億円@2017年1月レート)の市場規模になるとされています*(*prnewswire.comより)。


■まとめ(今後の展開)
Li-Fiにはまだまだ課題もありますが、次の通信技術としては非常に魅力があります。
ただ、Li-Fiが出てきたらWi-Fiはもういらないというわけではなく、両者は補完関係にあります。
例えば、パソコンとLEDでデータの送受信をする時に、パソコンに受光機はあっても、Li-Fiを使ってデータを「送信する」装置が付いていないケースが考えられます。その場合には、動画等のダウンロードはLi-Fiでスピーディに行い、アップロードはWi-Fiやケーブルを使って行うことができます。

Li-FiとWi-Fiの使用例
LiFi応用

Source: Pure Li-Fi.

またLi-Fiは光を使っているため、外での使用にまだ対応できていない部分もあります(豊田中央研究所のV2Vの技術は、外での光通信対策をしています)
一方で5G(電波)は外での通信に強いので、外では5G、中ではLi-Fiを使うなど柔軟な切り替えもできると、こちらも補完関係になり得ると思います。

僕はLi-Fiはまだ実験室レベルの技術だと思っていました。
しかし、AppleがiOSのコードでLi-Fiについて言及していることや、シンガポールが国としてLi-Fiを進めようとしていることを鑑みると、これからLi-Fi技術が一般の方に使用される日も近いのではないでしょうか。






*図中の情報ソース

1)    https://en.wikipedia.org/wiki/Li-Fi#cite_note-19 

2)    https://web.archive.org/web/20130818120053/http://visiblelightcomm.com/li-fi-consortium-is-launched/

3)    http://purelifi.com/

4)    http://purelifi.com/what_is_li-fi/the-lifi-story/

5)    http://www.wired.co.uk/article/the-lightbulb-moment

6)    http://purelifi.com/what_is_li-fi/the-lifi-story/

7)    http://www.businesswire.com/news/home/20130806006140/en/pureVLC-Demonstrates-Li-Fi-Streaming-Research-Supporting-World%E2%80%99s

8)  http://www.theregister.co.uk/2013/10/18/forget_wifi_chinese_boffins_get_150mbps_lifi_connection_from_a_lightbulb

9)    http://purelifi.com/what_is_li-fi/the-lifi-story/

10) http://ieeexplore.ieee.org/document/6887317/
Optical Vehicle-to-Vehicle Communication System Using LED Transmitter and Camera Receiver

11) https://eandt.theiet.org/content/articles/2014/07/li-fi-record-data-transmission-of-10gbps-set-using-led-lights/

12) https://www.ted.com/talks/harald_haas_a_breakthrough_new_kind_of_wireless_internet

13)http://purelifi.com/what_is_li-fi/the-lifi-story/

14) http://appleinsider.com/articles/16/01/18/ios-code-shows-apple-experimenting-with-ultra-fast-light-based-li-fi-wireless-data-for-future-iphones

15) http://luxreview.com/article/2016/02/breaking-apple-set-to-add-lifi-capability-to-iphone

16) http://ieeexplore.ieee.org/document/7454688/
A New Automotive VLC System Using Optical Communication Image Sensor

17) http://purelifi.com/purelifi-uk-tech-firm-working-closely-with-singapore-to-implement-leading-wireless-innovation/


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昨日はZMPがDeNAと提携を解消するというビッグニュースが入ってきました。
DeNAは今度は日産自動車と完全自動運転の実証実験を共同で行うなど、新たな提携を行うようです。

ZMPのメッセージとして、以下の内容がホームページに記載されています。

ロボットタクシーは、当社代表の谷口が「高齢者や子供たち、障害を持つ方など、運転ができない方々に移動手段を提供したい。交通弱者を交通楽者にしたい。」との想いから 2012 年に生み出した「ロボットタクシー」構想を実現するために設立した会社です。当社としましては、今後も「ロボットタクシー」構想を実現のため、新たな枠組みで尽力していく所存です。

一方で、DeNAは、日産自動車との提携に関して、以下のようなメッセージを発表しています。

2017年内に日産製の自動運転車両を用いた技術的な実証実験を日本国内で開始し、2020年までに無人運転による交通サービスプラットフォームのビジネスモデルなどを検証します。なお、サービスプラットフォーム開発の具体的な計画や実証実験の詳細は今後協議の上、実証実験開始前に公表する予定です。

DeNAは様々な領域でインターネットビジネスに挑戦してきた強みを活かし、自動運転技術や最先端のインフラなどを組み合わせ、「モビリティーサービスプロバイダー」としてエンドユーザーやパートナー企業にサービスやソリューションを届ける事業に取り組んでいます。本取り組みにおいても、DeNAは、インターネットサービス部分の設計・運営や自治体との調整・連携を行う予定です。

以上のようにDeNAは新たな交通サービスのプラットフォームを開発しようとしています。
 
両社を比較すると、ZMPは、運転ができないような方々をサポートするツールを提供したいという想いがある一方で、DeNAはプラットフォーマーとして広く使われるサービスを提供したいという想いがあるように見受けられます。DeNAはマスをターゲットとしたサービスを提供したいからこそ、日産自動車の方がパートナーとして方向性が一致していると考えたのだと思います。


自動運転業界では、様々な企業の動向から目が離せません。
以前の投稿で自動車業界×関連業界主要プレーヤーマップを描いておりましたが、多くの情報の更新がありましたので、最新版を作成しました。

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またご参考にしていただければと思います。


 

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前回では、分析をするにあたって、データに対してどのようにアプローチをしていくかを、様々な形で分類して議論しました。
これからは、前回分類した中で、一つの大きな分け方である「定性・定量」について、掘り下げていきます。特に今回は「定性分析」について考えていきたいと思います。

■定性分析(定性的研究)とは
定性的研究とは、インタビューや観察結果、文書や映像、歴史的記録などの質的データ(定性的データ)を得るために、社会学や社会心理学、文化人類学などで用いられる方法です。狭義の調査だけでなく、実験や観察、インタビューやエスノメソドロジー、文書や映像の内容分析 (content analysis)、会話分析、住み込んでの参与観察 (participant observation)、各種のフィールドワークなど、多様な手法を用いた調査方法を指す概念です。

ここで、定性分析を構造化して考えていきたいと思います。構造化した図を以下に示します。
 
定性分析 構造化

*「リサーチ・デザイン―経営知識創造の基本技術ー」(白桃書房, 著:田村正紀)より 

■比較事例分析
まずは、分析の対象となる事例の数によって、「比較事例分析」か「単独事例分析」に分かれます。比較事例分析は、事例の数が2~30の時に用いられます。その中でも、事例数が約20までの場合は「ミルの方法」が使用され、約20~30の場合は「QCA(質的比較分析)」が使用されます。
ミルの方法とは、簡単に言うと、一致点と差異点をさがす方法です。一致点をさがすのは帰納的アプローチ、差異点をさがすのは消去法によって選択肢を絞り込むようなアプローチです。様々な事例を要素に分解して、事例の引き金となっている要素を炙り出します。
ここで着目すべきは、QCAです。QCAは近年着目度が高まってきており、
QCAは、(複合的な)因果関係の可視化やその解釈が分析の要諦となることから、例えば、概念形成や類型論といった、QCAと同様に論理や集合論と密接な関係がありながらも異なる射程をもつ、つまり結果(outcome)を想定しない他の質的分析法とは一線を画している(Schneider and Wagemann 2012,8)、とも言われています。
*参考文献「社会運動研究における質的比較分析(QCA)の適用可能性について」(上谷直克)より

■QCAの概要
QCAは対象事例について最大限可能な比較を行います。QCAの分析手順は以下の通りです。
1. 対象の選択
2. 原因条件の絞り込み
3. 結果のコード化
4. 真理表のブール代数分析

以上の手順を簡単に言うと、対象事例の要素(原因条件)を全て洗い出して、その要素の組み合わせの中で、もっとも因果のある要素の組み合わせを導出します。

3. 結果のコード化は「○○に該当すれば1、該当しなければ0」のように二値化して表します。二値化までできれば、あとは専用のソフトでさくっと計算(4. 真理表のブール代数分析)できます。
QCAで難しいのは、2の原因条件の絞り込みだと思います。原因条件を出してくるのは機械的にできず、人間の頭を使わなければなりません。そのため、原因条件には漏れが発生する可能性があります。

ここで、すでに気づかれた方もいるかもしれませんが、定性分析と言いつつ、結局は数量化しています。そして、論理計算に落とし込んで結果を導出しています。ここで大事なのは、いかに分析を論理的に行うかということです。一律に二値化可能であれば良いですが、0,1ではなく0.1, 0.2刻みで表現されるものも多々あります。その時には、ファジィ集合を使用したfQCAという方法を用います。

ここまで考えると、もはや定性分析なんて存在せず、すべて定量分析として扱えるのではないかと思えてしまいます。しかし、事例が少なかったり、定量データが少ない場合は、そううまくはいきません。
一般に先端的な経営現象を研究しようとすればするほど、観察できる事例は極めて少数しか存在せず、統計分析に必要な標本数を確保できません。また、経営における重要問題ほど調査の困難性から調査対象を少数の事例に限定しなければならない場合も多いのです。
このような状況において、特に事例が1つしかないような場合での分析方法が過程追跡、適合法、反事実分析です。
特に、過程追跡は、ミルの方法やQCAの補完機能も果たしています。過程追跡とは、時系列でその事例を追っていく方法です。時系列×システム思考に近いと思います(システム思考についてはできれば別の機会にまとめて投稿したいと思います)
例えば、1つの企業の中で起こった事象を時系列で追っていきます。製品Aを開発した翌年に、関連する製品A’を開発したなど、具体的な事象を時系列でならべ、それぞれの事象の関連性を読み解きます。このように関連性を見ていくことで、ミルの方法やQCAでの分析結果と比較して、事象の関連性がありえないかどうかをある程度検証することができます。システム思考に慣れている人であれば、この分析は比較的行いやすいと思います。

反事実分析は、探偵のような分析方法です。分析は2つの方向から行います。1つ目が、当時失敗した原因について、本当にそれが引き金となっていないとして分析する方法です。そこからスタートして、因果関係を分析します。2つ目が、当時行ったことによって、「起こるはずの事象」を分析する方法です。よく探偵がテレビで、「殺人現場にあるはずのものが、そこにはなかったんですよ。」と言っていますが、まさにこの考え方です。「起こるはずの事象」を考えることによって、因果関係を明確にすることができます。

■終わりに
今回は定性分析の様々な方法をざっくりと説明してきました。
次回以降のどこかの投稿で、具体的な定性分析例を示せて行けたらと思います。
それでは。 
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