思考のカケラ

コンサルタントの備忘録

タグ:3Dプリンター

それでは、前回の続きでビッグバン・イノベーションについて見ていきましょう。

■ビッグバン・イノベーションとは
ビッグバン・イノベーションとはほ、ぼすべての顧客セグメントに対してよりよく、より安く、よりカスタマイズした製品・サービスを提供するものです。以下に、戦略、マーケティング、イノベーションの3つの項目において、定説とどのように違うのか示します。

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出所:http://diamond.jp/articles/-/87358

■ビッグバン・イノベーションの特徴

ビッグバン・イノベーションでは、今までの製品・サービスとはプロダクトライフサイクルが大きく異なります。
プロダクトライフサイクルとは、製品のライフサイクルを「導入期」→「成長期」→「成熟期」→「衰退期」という4段階で表現するものです。
これは、スタンフォード大学のエベレット・M・ロジャース教授が1962年に提唱したイノベーター理論と非常によく似ています。


イノベーションの普及
エベレット・ロジャーズ
翔泳社
2007-10-17




■イノベーター理論

イノベーター理論とは、たとえばiPhoneやiPadなどの新しい商品が市場に投入された際に、消費者のその商品購入への態度により、社会を構成するメンバーを5つのグループへと分類したものです。

 
PL

 

最初の「イノベーター(Innovators)」は革新者とも呼ばれるグループです。新しいものを積極的に試してみる人達です。
今で言うと、バーチャルリアティティを体験できるようなツールを真っ先に買うような方々はイノベーターと呼んでいいでしょう。

イノベーターの方々は社会全体の2.5%を構成すると言われています。


続いて「アーリーアダプター(Early Adopters)」です。
彼らはイノベーターほど積極的ではありませんが、流行には敏感で、自ら情報収集を行って判断するグループで、全体の13.5%を構成します。
時には「オピニオンリーダー」となって他の消費者に対して大きな影響力を発揮することもあります。
新型のiPhoneやiPadをすぐに買うような方々はアーリーアダプターに該当します。


そして中央のボリュームゾーンです。

まずは「アーリーマジョリティ(Early Majority)」です。

ここに所属する消費者は新しい技術や商品の採用には比較的慎重です。
こうした人たちが全体の34.0%を構成すると言われています。


また「レイトマジョリティ(Late Majority)も同様に全体の34.0%を構成しますが、彼らはより慎重で、むしろ懐疑的です。
周囲の大半の人たちが購入したり試したりする状況を見てから同じ選択をします。


最後の「ラガード(Laggards)」ですが、彼らは非常に保守的なグループです。

流行には流されず、周囲が採用しても静観していることも多いです。
現在も携帯電話を所有していない方や、携帯電話会社から、今所有している携帯電話の機種が古すぎて、変更願いの手紙が来るような方が当てはまります。
全体の16.0%を構成しており、ブームが一般化してからようやく採用する人もいれば、最後まで採用しない人もいます。


■ビッグバン・イノベーションと従来のプロダクトライフサイクルの違い。

従来はロジャースが提唱した釣鐘型のプロダクトライフサイクルとなっていました。

しかし、ビッグバン・イノベーションでは「シャークフィン」という形のプロダクトライフサイクルになっています。
今回該当するケーススタディの大半は、家電・コンピューティング・通信関連の製品やサービスであるため、これらの分野に特有のプロダクトライフサイクルと言えるかもしれません。


SF

 

新製品やサービスが市場に投入されてからは、特異点、ビッグバン、ビッグクランチ、エントロピーというビッグバン宇宙論に沿った4つの段階を経ることになります。以下、概念的ではありますが、原書から4つのステージについての説明を抜粋して記します。



1.特異点

 ビッグバン宇宙論において「特異点」は、「物質と熱とエネルギーとが超密度に圧縮されて、ブラックホールをつくる」と考えられている宇宙空間の仮説上の点を指す。このステージでは、産業はほぼ成熟した状態にあり、破壊的な技術を駆使する新規参入者の猛烈な攻撃を受けて、安定したサプライチェーンは徐々に脅かされていく。熱とエネルギーを供給するのは、起業家と、独創的な資金調達方法と、新たな重力の中心を見つけ出す非凡な才能である。イノベーター企業は市場でじかに実験を行い、何度も失敗する。行き当たりばったりに見えても、失敗した実験はその実、間もなく訪れる変化のシグナルでもある。


2. ビッグバン

 特異点は最初、直径ほんの数ミリだったかもしれない。ところが、内部の熱と圧力の増大によって物質が爆発して宇宙を創造し、今も宇宙は膨張し続けている。同じように、初期の実験が技術の絶妙な組み合わせとビジネスモデルとをもたらすとき、実験は新たな市場を創造し、あらゆるセグメントの顧客が破壊的製品やサービスに殺到する。ユーザーは古い製品やサービスやブランドに背を向け、既存産業を崩壊に導く。そして代わりに、ダイナミックで新しいエコシステムが誕生する。古い産業が内破すると、一気に刷新が起きて、新しいが不安定な産業が生まれる。


3. ビッグクランチ

 ビッグバンの後、宇宙のエネルギーは四散する。物質はさらに拡散するが、やがて膨張は減速する。最近のビッグバン宇宙論によれば、宇宙の膨張はいずれ反転して収縮へと向かい、宇宙は加速度的に崩壊するという。ビッグバン・イノベーションの内破は、早い段階に訪れる。あらゆる製品やサービスは成熟期を迎え、イノベーションは漸進的になり、成長速度も落ちる。このステージで産業は一種の死を迎える。ビッグバンのステージで手に入れた価値は消失する。自社の資産にいつまでもしがみつく企業は、その価値を急落させてしまう。


4. エントロピー

 ビッグバン宇宙論によれば、崩壊する宇宙の物質とエネルギーは再び集まり、新たなかたちを形成する。ビッグバン・イノベーションにおいて、エントロピーは滅びゆく産業の最終局面である。手元に残った、ほとんどがかたちのない資産は、砕け散って新たな特異点を作り出す。古い製品の市場が生き残ったとしても、もはや大きな市場ではない。そこに集うのは、過去を棄てきれない、ちょっと変わった顧客たちだからだ。知的財産を含めて手元に残った資産は、他のエコシステムで新たなユーザーを見つけ出すか、次の事業へと移行して復活を遂げるための基盤となる。つまりこのステージは、次のビッグバン・イノベーションを生み出すための土台なのだ。



■なぜ、シャークフィンのような形になるのか?

ビッグバン・イノベーションでは、一言でいうと、「より良く、より安い破壊的な製品・サービスを市場に投入することができるため」と書かれています。これらの製品・サービスは、市場に登場した時点で、価格・性能・カスタムのすべてにおいて高い競争力を備えています。そのため、急速にその製品・サービスが普及します。

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出所 http://zafin.com/our-articles/infographic-shark-fin-model-digital-disruption/
 


確かに、「より良く、より安い破壊的な製品・サービスを市場に投入することができる」ことは、普及のスピードには大きく影響を与えると思います。
僕はこれについて、技術の進化を背景としたQCD(Quality:品質, Cost:費用, Delivery: 納品速度)の大幅アップに起因していると考えます。

ビッグバン・イノベーションでは、特にCostに関しては、以下の各種コストについて言及しています。


製造コスト・配布コストが激減した
(ア) 部品と製造コスト

・設計と製造プロセス簡略化

・不良品減最適予測

・効率的生産計画

(イ) 知的財産コスト

(ウ) 研究開発コスト

・インターフェース標準化

・ソフトのオープンソース化

・クラウドファンディング

(エ) 配布コスト

・すべてのユーザーへ、一瞬でソフトウェアを配信可能

   世界で、数10億人がスマホやタブレットを所有しているが、誰もが一瞬で新しいアプリをダウンロード可能な環境にあるため、配布コストは限りなく低い。


情報を再利用することが爆発的に増えた

CAMによる設計情報などの一律管理。その他、自動化・システム化(運営管理参照)


間接的な収入源を得ることが出来る

広告等を活用して、システムや製品において、間接的な収入を得ることができる。



僕は、このQCDの大幅アップを、(1)開発、(2)製造、(3)販売の3つの観点から考えていき、ビッグバン・イノベーションには記載のない異なる切り口で普及曲線の変化を考えていきたいと思います。


(1) 開発

・バーチャル開発による高効率化

開発段階においては、特に異次元のバーチャル開発によって、QCDの大幅アップを実現しています。
バーチャル開発とは、バーチャル上で仮想のモデルを作り、そのモデルを用いて実験や検証を行うことです。
これまでも現実世界で行われてきた部品やユニットの開発の一部をバーチャル世界で置き換えるようにはなってきていました。
しかし、今では各部品やユニット、システムにとどまらず、製品全体を最適化し、技術や性能を高めながら、開発工数を削減することができます。
さらに、開発工数そのものの削減のみならず、開発や生産上のボトルネックをバーチャル上で早期に発見することで手戻りを防ぎ、全体のリードタイムを大幅に削減します。

事例としては、ドイツを本拠とする自動車部品と電動工具のメーカーであるボッシュと、ドイツの自動車部品メーカーであるマーレが合同出資した合弁会社ボッシュ・マーレ・ターボ・システムズ(BMTS)のターボチャージャー開発があります。
従来は個別に部品を検証・開発して、リアルでターボチャージャーを何度も壊していました。
しかし、モデルベース開発というバーチャル開発の1種の手段によって、個別部品のシミュレーションはもちろんのこと、ターボシステム全体のパフォーマンスをバーチャルで検証し、全体を最適化する性能を担保することに成功しています。


日本型インダストリー4.0
長島 聡
日本経済新聞出版社
2015-10-15




・3Dプリンターによるムーブメント

バーチャル開発を行ったとはいえ、リアルで実験・検証をしなければなりません。
この試作品を作成する段階で登場するのが3Dプリンターです。
3Dプリンターの登場によって、世界にMAKERS MOVEMENTが起こると提唱したのは、元WIRED編集長のクリス・アンダーソンです。


MAKERS―21世紀の産業革命が始まる
クリス・アンダーソン
NHK出版
2012-10-23




「MAKERS」では3Dプリンターの登場によって、従来と比較して高速で試作品の作成ができたり、自分だけのオリジナルの製品を簡単に作れるようになったりと、ものづくりが大きく変わることを示唆しました。

実際に、製造業においても3Dプリンターを利用することで、製品そのものの性能向上、コストの削減、リードタイムの短縮を実現しています。
事例としては、自動車の部品の製造が挙げられます。
フォードは、インテークマニホールドという自動車部品の試作品製造に3Dプリンターを使用しました。
インテークマ二ホールドとは、エンジンの燃焼室に空気を入れるための管状の部品で、燃費を向上させる上で最も重要な部品の1つです。また、この部品は製造難易度が高いと言われています。


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出所:http://www.carlifesupport.net/engine%20kiso_inletmanifold.html


しかし、3Dプリンターによって、フォードはインテークマニホールドの試作期間を4か月から4日に、試作費用を50万ドルから3000ドルにするといった桁違いの成果を出しています。


また、GEは航空機エンジンの燃料ノズルを3Dプリンターで一体成型し、溶接回数を5分の1に減らし、耐久性を従来製品の5倍にまで高めています。以上のように、3DプリンターはQCDの向上に大いに貢献しています。


(2) 製造

ムーアの法則とダウンサイジングイノベーション
製造の観点では、はじめに部品・製品の小型化を例として挙げます。

小型化は製品性能の向上と低価格化を同時に実現します。例えばCPUの場合だと、ムーアの法則がこれに該当します。ムーアの法則とは集積回路上のトランジスタ数は「18か月(=1.5年)ごとに倍になる」というものです。

ML

 

チップ上のトランジスタのサイズが縮小すると、ソフトの命令を実行するために電子が移動する距離が縮小することになります。
これによって、CPUの処理速度が上がり、また従来と同じ処理量に対する電子の移動距離が短くなるため、エネルギーロスが少なくなり、電力効率が高まります。
また、小型化すると、必要となる材料の大きさを小さくすることができるため、原材料費を削減することができます。


小型化に関連する内容として、「ダウンサイジングイノベーション」というコンセプトについて解説した資料があります。一言でいうと、小型化がさらなるイノベーションを引き起こすという内容です。こちらの内容も分かりやすく、示唆に富んでいるので、一度ご覧いただきたいと思います。


ダウンサイジングイノベーションによる技術進化論と産業競争力確保に向けた提言

https://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/report/jrireview/pdf/7685.pdf#search='%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%94%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%81%AE%E3%82%B3%E3%82%B9%E3%83%88+%E3%83%91%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%81%AE%E9%80%B2%E5%8C%96'


また、ロボットによる製造過程における加工手法の革新によって、加工の自由度が向上し、品質の向上や消費材料の削減を実現しています。また、工場のさらなる自動化によって、生産時間を短縮することができます。さらには、工場の機器のメンテナンスが必要な時間を自動的に機械が教えてくれることによって、故障したときに機械を使えない時間(アイドリングタイム)を減らすことができます。


もう既にお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、①開発と②製造の話は、インダストリー4.0の話と重複している部分があります。
インダストリー4.0とは、もともとドイツの政策で、製造業の競争力を維持・強化するものです。
そのために生産効率の高い「考える工場」を実現しようとしています。
インダストリー4.0はIoT(Internot of Things)を用いて、業種や会社の枠を超え、工場同士、もしくは工場と消費者等をつなぎ、ありとあらゆるモノがネットに接続します。
これによって、機械同士がコミュニケーションをとり、人手を介さずに工場のラインを組み替えたり、在庫に応じて生産量を自動で調整したりすることができます。
また、製品・サービスの開発段階において高度なバーチャル開発を用いることで、無駄な試作品を作ることが激減するため、圧倒的なコスト削減と、開発期間の短縮化が可能になります。
インダストリー4.0も製品・サービスのQCD向上に大きく貢献しており、
インダストリー4.0の進行が製品ライフサイクルのカーブにさらなる変更を加えることになるでしょう。





(3) 販売
サービスのフリー化 

特にソフトウェアについてですが、配布コストが劇的に下がりました。現在では、EvernoteやDropboxなどのサービスを使っている人も多いと思いますが、このようなサービスはいつでもどこでも利用することが出来ます。
また企業側からすると、世界中のスマホ・PCユーザーに一瞬でこれらのアプリをインストールさせることができます。
デジタルはアナログと違い、複製する費用がほとんどゼロになります。
それゆえ、配布するコストが限りなくゼロに近づきます。
また、無料で配布した後に、その中で気に入ってもらった一部の人達から収益を回収するようなビジネスモデルも成り立つようになりました。





このような状況になったのは、やはりインターネットの登場によって、空間的・時間的な制約がなくなり、世界がネットを通して一瞬でつながるようになったためでしょう。
買い手が本当に欲しい製品・サービスを、望む相手から、望むタイミングで、望む場所で、望む価格で購入できるようになりました。

また、ソフトウェアだけでなく、一部のハードウェアも空間的・時間的な制約がなくなりました。
なぜなら、3DCADデータを転送して、それを3Dプリンターで出力することによって、同じ形状の物をいつでもどこでも作ることが可能になったからです。

マーケティングコストの減少 

様々な情報が公開されることによって、マーケティングコストから相手の信用度を確かめるためのコストまでが劇的に下がりました。
なんといっても、ほぼ完全な市場情報によって探索コストの低減がされるようになりました。

■まとめ
テクノロジーの進歩は、テクノロジーそのものの進化スピードを速めます。
テクノロジーがテクノロジーを構築しやすい環境を生み、今の時代でも誰しもがソフトウェアやハードウェアを作れるようになりました。
このような環境が製品・サービスのQCDをこれまで以上に高め、人間の欲求を満足させています。

これからもテクノロジーの進歩はとまらないでしょう。
また次は、テクノロジーの趨勢について書きたいと思います。

ではでは 

 
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今回のテーマは「イノベーション」です。
イノベーションってよく聞くけど、結局何なの?なんかカッコよさそうだけど、よくわからないといった方でもわかるように頑張って書きました。
それでは、イノベーションの旅へ。

■イノベーションの誕生
イノベーションは、1911年に、オーストリアの経済学者であるヨーゼフ・シュンペーターによって、初めて定義されました。シュンペーターはイノベーションを、経済活動の中で生産手段や資源、労働力などをそれまでとは異なる仕方で新結合することと定義しました。シュンペーターは「新結合」のイノベーションの対象領域を次の5つの場合としています。
 
新しい財貨の生産
新しい生産方法の導入
新しい販路の開拓
原材料の新しい供給源の獲得
新しい組織の実現
■ドラッカーの「イノベーション」
これに対し「もしドラ」の中でも有名なドラッカーは、イノベーションとは、「技術のみのコンセプトではなく、社会・市場に変化をもたらすもの」として定義しています。そして、このイノベーションは以下の7つの領域を対象としています。

予期せぬこと、すなわち予期せぬ成功、予期せぬ失敗、予期せぬ出来事
現実にあるものと、かくあるべきものとのギャップ
ニーズがある
産業と市場の構造変化
人口の変化
認識の変化、すなわちものの見方、感じ方、意味の変化
発明発見による新知識の変化

最初の4つは組織の内部あるいは産業の内部の機会であり、残りの3つは組織や産業の外部の機械である。そして、これら7つのイノベーションンの機会は互いに重複する。
このようなシュンペーターによるイノベーションの対象領域としての「5つの場合」と、ドラッカーによる具体的な方法としての「7つの機会」は矛盾するものではない。どちらかというと補完的なものになっている。)


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出所:http://www.visualthinking.jp/archives/145

■イノベーション研究の興隆
これまでは、イノベーションを抽象的な概念としてとらえてきており、研究というよりも哲学に近い形でした。しかし、1969年代からイノベーション研究が本格的に行われていきます。
イノベーション研究の中では、Sumner MyersとDonald G. Marquisが書いた、”SUCCESSFUL INDUSTRIAL INNOVATIONS”(1969年)が先駆けとなる書籍です。
残念ながらこの書籍は日本には存在しません(僕は、大学の先生のつてで入手しました)。
この論文では、イノベーションを「製品やプロセスの技術的な変化*」として定義されています。

*英語では、”Innovation” will here be definded broadly as the introduction by a firm of a technical change in product or process. と書かれています。


そして、イノベーションは1つの行動(Action)ではなく、システムとして成り立つことで初めて機能します。
具体的な行動をイノベーションのプロセスに沿って見ていきましょう。
最初に、認知(Recognition)の行動をします。
これは、何か問題があるな、という認識や、何かに使えるなという気づきを表しています。
次に、アイデアの醸成(Idea formulation)をし、そのアイデアで問題解決(Problem Solving)をします。
そして、その解決策(Solution)を形式化し、実際に広く活用されるようにします(Utilization and diffusion)。

ここでの定義では、イノベーションは「技術的な」変化として書かれています。
日本語でもイノベーション=技術革新と和訳されているように、経営学では特に「技術」に視点をおいてイノベーションを考えています。
この「技術」とは、一言で言うと、インプット(生産要素)をアウトプット(製品・サービス)へと転換する組織能力のことです。
具体的には、企業の提供する製品やサービス、またその技術に関連する活動(生産、物流など)で活用される理論的・実務的知識、スキル、人工物のことを指しています。
ただ、イノベーションは現在の経営学では、技術変化のみを表すものではなく、技術変化の結果として、製品・サービスが市場に導入され、それが消費者に受け入れられるまでのプロセスのことを言います。

つまり、イノベーションとは
技術の発見・発明
新製品・サービスの開発
工程開発
市場への導入
技術普及
の各段階を含んだ広い概念ということになります。


■イノベーションの3つの波
さらに、イノベーション研究は進み、様々な種類のイノベーションが生まれてきます。 
最近刊行された「ビッグバン・イノベーション」では、これまでの生まれたイノベーションを「3つの波」として整理されています。



 
1つめの波はインクリメンタル・イノベーションです。これは、企業が技術に投資を行い、従来的技術の延長線上にある技術レベルをじわじわと向上させる持続的イノベーションです。また、これはトップダウン型と言われています。

2つめの波は破壊的イノベーションです。これはハーバードビジネススクールのクリステンセン教授によって提唱されました。破壊的イノベーションは、一言で言うと、安価でシンプルな製品が、大企業等が席巻していた市場を破壊していくものです。
大企業等は持続的イノベーション(≒インクリメンタル・イノベーション)によって、製品の改良を続けていきますが、ある時点で製品の技術レベルが、顧客のニーズを越えてしまい、後から出てきた「安かろう、悪かろう」の製品が破壊的イノベーションによって、市場を駆逐されるような現象が起こります。
具体的には、従来のフィルムカメラの市場に、デジタルカメラが参入していき、今ではほぼ全てのカメラがデジタルカメラになった事例が挙げられます。

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出所:http://bizzine.jp/article/detail/111

(この破壊的イノベーションは、「ビッグバン・イノベーション」の中では、安い・機能が悪い製品が下から市場に参入してくると考えて、ボトムアップ型と言われています。)
 
初期のデジタルカメラは画質も悪く、重たく、バッテリー消耗も激しく、使い方も複雑で、また非常に高価であった為、旅行などの使用シーンに適しておらず、顧客ニーズに応えることが難しい状況でした。
そのため、フィルムカメラメーカーは、初期のデジタルカメラの潜在的な破壊的イノベーションに注意を払うことなく、既存顧客の声に耳を傾け、フィルムの発色性を高めたり、防水加工によって旅行シーンでの使いやすさを高めるなど、持続的イノベーションの改良に集中していました。
しかし、光学技術の進展やバッテリー技術の進展、パソコン・プリンタの一般家庭への普及、また、顧客が操作法を学習したことも伴い、破壊的イノベーションを押し上げる力が働き、急激にデジタルカメラへとパラダイムシフトが進みました。
フィルムカメラは、破壊的イノベーションに対抗する手段を持たなかった為、その市場シェアをデジタルカメラに奪われることになりました。





The Capitalist’s Dilemma ←書籍化はされていませんが、興味深い論文です。

クリステンセン教授のイノベーションについての見解は、以下のURLによくまとまっています。
http://www.sanosemi.com/biztech/document/Christensen-theory-of-Innovation.pdf#search='%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%AB%E3%82%A4%E3%83%8E%E3%83%99%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3')


3つめの波は、ブルー・オーシャンです。
これは、まだ満たされていない新しいニーズに、製品やサービスの価値や特徴をうまく組み合わせ、新製品・サービスを提供するといったものです。
ブルー・オーシャン戦略とは、強力な競合とともに血みどろの争いをする場(レッド・オーシャン)ではなく、ライバルのいないフロンティア市場(ブルー・オーシャン)を探そうという戦略です。
「ビッグバン・イノベーション」なかでは、ブルー・オーシャンは上からでも下からでも来るわけではないイノベーションであり、サイドウェイ型と呼ばれています。
 
 この理論では、戦略キャンバスというマップを用い、個々の企業が既に採用している戦略を明確にすることによって、各企業がいまだ手をつけていないフロンティア市場を見つけ出すことができます。
 実際に、戦略キャンバスの横軸には「価格」や「品種」といった競争要素を用意し、個々の企業は縦軸にその程度をプロットします。
これらをつないだ線が「価値曲線」というもので、個々の企業の現在の戦略スタイルを表しています。
 これを業界内の競合企業と見比べることで、競争要素ごとの強みや弱み、戦略的空白部分が一目瞭然になります。そこで次のプロセスとして、4つのアクションという各競争要素を足し算引き算(「取り除いたり」「減少させたり」「増加させたり」「新たに付け加えたり」)することによって、ライバル企業が取り組んでいないフロンティア市場を発見します。
 
BO


ここで、ブルー・オーシャン戦略が、イノベーションの3つめの波として表現されていることに疑問を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。
なぜなら、ブルー・オーシャン戦略は「戦略」であって、イノベーションとは記載されていないからです。
ただ、シュンペーターによるイノベーションの定義では「イノベーションとは新結合である」とあり、新しいものを組み合わせたりするブルー・オーシャン戦略も1種のイノベーションに該当しそうです。

そして、今回の4つめの波が、ビッグバン・イノベーションとのことです。これは、トップ・ボトム・サイドの3つの方向から同時に襲来するイノベーションで、ほぼすべての顧客セグメントに対して製品・サービスを提供するものです。
トップ・ボトム・サイドの3つの方向から同時に襲来するというのは、よりよく、より安く、よりカスタマイズした製品・サービスが市場に投入されるということを意味しています。
ビッグバン・イノベーションについては後程(もしくは次回)説明します。
 
 
■イノベーションの波から外れた「オープン・イノベーション」
ただ、僕が感じているのは、このイノベーションの波の中に「オープン・イノベーション」が含まれていなかった違和感です。
「オープン・イノベーション」とは、自社だけでなく、外部のリソース(技術・アイデア・設備・サービス)を組み合わせ、革新的なビジネスモデルや研究成果、製品・サービスの開発につなげるイノベーションの方法論です。
これは、ハーバード・ビジネス・スクールのヘンリー・チェスブロウ助教授(当時)によって提唱された概念です。
従来は企業が独自に開発を行ってきた、いわゆるクローズト・イノベーションでしたが、製品開発競争の激化・コストカットの圧力などによって、外部と連携した製品・サービスの開発が増えてきました。
具体的な事例としては、P&GのConnect & Developというプラットフォームが挙げられます。
ここでは、会社の課題やニーズを公開し、外部からアイデアやシーズを募集しています。
この取り組みによって、外部のリソースから生まれたイノベーションの割合は、2001年の5%から2010年には50%にまで上がったようです。




このように、オープン・イノベーションは比較的メジャーなイノベーションの方法論なのですが、3つの波には入らなかったようです。
入らなかった理由として僕が思うのは、「オープン・イノベーション」はただのバズワードであり、かつ方法論であるため、イノベーションが起こる現象(ここでいう波)を表していなかったという所です。
そもそもオープン・イノベーションが提唱される前から、ネットワーク型のイノベーション研究はされており、そこでは基礎的な技術に外部の力を借りるか、生産工程に外部の力を借りるかなどが考えられてきました。
しかし、オープン・イノベーションはそのバズワード一つで、今までのネットワーク型イノベーションを一蹴してしまいました。
「とりあえずオープンにしちゃいなよ」ぐらいのイメージでバズったわけです。
それに今や一つの製品やサービスを提供するために外部リソースを使うことは当たり前のように行われており、「波」というほどの大きな変化もなかったのかなと思います。

■現代の最速イノベーション -「ビッグバン・イノベーション」-
いよいよ、陸上競技100mのウサイン・ボルトのようなイノベーションがでてきました。
今までのイノベーションとは、どう違うのか、なぜ違うのか、様々な議論を展開していきたいと思います。

ただちょっと待ってください。
1つの投稿が長くなりすぎているので、続きは次回投稿します。

ではでは


 
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まとめ 

  • 人工知能(AI)、3Dプリンター等の進化がさらに進み、人間の仕事を奪うことにつながっていく。
  • 技術的失業のセーフネットとしての策がベーシックインカム。
  • AI等の技術は、人間に失業をもたらすが、長期的にはAIが経済自体のバランスをコントロールする部分的計画経済をもたらす可能性もある。

 予測を超えた、技術の進化
  

 最近、人工知能(AI)の進化が目覚ましい。グーグルの研究グループが開発した囲碁ソフトAlphaGoが今年3815日にかけて行われた五番勝負で、韓国の李世ドル九段に勝利した。通算成績は4勝1敗だった。 
囲碁はボードゲームの中でも、最後の砦とされてきた。チェスでは、1997年にIBMが開発したスーパーコン ピューター「ディープブルー」が、当時の世界チャンピオン、ガルリ・カスパロフ氏に勝利し、将棋ではコンピュ ータとプロ棋士が戦う「電脳戦」が行われ、4年前にコンピュータがプロ棋士を上回った。囲碁は19×19の格子が描かれた盤面に碁石を指していくが、展開しうる指し手の数は、10360乗にまで至っている。

囲碁においては、AIがプロ棋士に勝つには厚い壁があると言われており、一説ではあと5年以上かかると言われていたが、その厚い壁を軽々と乗り越えてしまった。AIの進化は、僕らが思っている以上に、はるかにスピードアップしている。
 

  AIに加え、3Dプリンターの登場や、莫大な数のセンサーを設置する計画など、「自動化、最適化」のためのインフラが発展を遂げている。例えば、3Dプリンターで、自動的に車のボディ・部品を作成したり、家まで作成できたりする。

*3Dプリンターで作成した車 http://japanese.engadget.com/2015/11/15/3d-lm3d/
*3Dプリンターで作成した家 
http://wired.jp/2015/09/24/giant-3d-printer-builds-houses/

 センサーに関しては、社会に膨大なセンサネットワークを張り巡らせることにより、地球規模で社会問題の解決に活用しようとする“Trillion Sensors Universe”という構想がある。具体的には、大量のセンサーを安く作ることによって、そのセンサーをばらまき、リアルの世界でのビックデータ解析をすることができる。これによって、例えばインフラ業界では、橋や建物などのメンテナンスに必要な人数を削減出来たり、従来はメンテナンスをすることが難しかった箇所にセンサーを設置することによって、メンテナンスの質を高めたりすることができる。

*
トリリオンセンサー 
http://iot-jp.com/iotsummary/iotbusiness/%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%AA%E3%82%AA%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%B5%E3%83%BC%EF%BC%88trillion-sensors%EF%BC%89/.html


技術的失業をもたらすAI

 このような「自動化、最適化」が行われていくと、ますます人間の仕事が減ってくる。昨年2015年に野村総合研究所とオックスフォード大学のマイケル・オズボーン准教授らが発表した研究では、日本で働いている人の約49%の仕事は、1020年後にAIに代替されると発表された。もしかすると、比較的ブルーカラーの仕事がAIの搭載されたロボットに代替されるというイメージをお持ちの方も多いかもしれないが、今回の研究の成果では、「公認会計士」「弁理士」「司法書士」といったホワイトカラーの仕事も、約80-90%の確率でAIによって代替されると試算されている。

*日本の労働人口の49%が人工知能やロボット等で代替可能に

601種の職業ごとに、コンピューター技術による代替確率を試算~
https://www.nri.com/~/media/PDF/jp/news/2015/151202_1.pdf

 

 ホワイトカラーの仕事がAIに代替されるという事象は、現在でも起きている。
例えば、法律文書のレビューだ。アメリカにおいて、
1980~1990年代に人手で行った法務文書のレビューを、eディスカバリーというソフトウェアを使って再分析したところ、人間の精度はわずか60%であったとのことだ。これは、人手がかかっていることに加え、人間の精度が悪いため、ソフトウェアに変えてしまった方が良い仕事の典型だ。
このように、ホワイトカラーの仕事もAIによる代替に脅かされている。 


それでは、仕事がなくなっていく社会で、人間が生きていくためのセーフティネットは何になるのだろうか。

この問いに対する答えの1つがベーシックインカムであると思う。

 

 ベーシックインカムについて


 ベーシックインカムについて、以下簡単に説明する。

         
■ベーシックインカムとは

 ベーシックインカムとは、最低限の所得保障の一種で、政府がすべての国民に対して最低限の生活を送るのに必要とされている額の現金を無条件で定期的に支給するというものである。

 ベーシックインカムは 200 年近い歴史があり、トマス・ペイン、ジョン・スチュアート・

ミル、ミルトン・フリードマンなどの著名な経済学者が提唱。18 世紀後半はフランス革命、

アメリカ独立戦争、産業革命などが発生し、歴史的な転換点であった。様々な民衆の権利

追求の動きの中で、トマス・ペインは権利としての福祉を主張した。

 

■メリット

 メリットとしては、貧困対策、少子化対策、社会保障制度の簡素化が主に挙げられる。また、これによる人員削減、利権の縮小、小さな政府の実現が可能である。

 

■デメリット

 デメリットとしては、労働意欲の低下(向上するという説も有り)、財源の確保、また在住外国人に対しても同様に支給した場合移民が殺到し財政破綻する可能性がある。


■専門家の意見
慶應義塾大学大学院教授 岸博之:

 財源の面からはかなり厳しいと言わざるをえない。例えば、年金生活世帯(夫婦2人)の平均消費支出は約24万円/月であるため、毎月12万円を全国民にベーシックインカムとして支給すると仮定したら、年間で173兆円の財源が必要となる。社会保障給付費(年金、医療、介護・福祉などの合計)が117兆円であることを考えると、とても賄えない。


経済評論家 山崎元:
 年金・生活保護・雇用保険・児童手当や各種控除をベーシックインカムに置き換えることで、
1円も増税することなく日本国民全員に毎月に46000円のベーシックインカムを支給することが可能である。具体的には日本の社会保障給付費は平成21年度で総額998500億円であり、ここから医療の308400億円を差し引くと69兆円となる、これを人口を12500万人として単純に割ると月額46000円となる


■各国の状況

・ スイス

成人国民に月額2500スイスフラン(30万円)、未成年者には月額625スイスフラン(75000)のベーシックインカムを給付するかどうかを決める国民投票が20166月に行われる予定。制度導入に伴って既存の社会保障制度の一部を打ち切りベーシックインカムに一本化する。国民投票が可決されると、スイスでは就労の有無にかかわらず月額30万円が支給されることになる。


*働かなくても毎月30万円もらえる所得保障制度導入の是非を決める国民投票がスイスで行われることに
http://gigazine.net/news/20160201-switzerland-national-wage/


・ オランダ

オランダのユトレヒトで20161月から試験的に導入。

 

           ・ フィンランド

2015年総選挙でベーシックインカムを公約とする中央党が第一党になり、中央党、フィン人党、国民連合党による保守・中道右派連立政権が誕生しベーシックインカム導入実験の実施に向けた準備が進んでいる。

           ・ ニュージーランド

ニュージーランド労働党、ベーシックインカムの導入の政権公約化で検討入り(2016314日)

以上のようなベーシックインカムが実現されると、AIによる技術的失業となった人達に対する、セーフティネットを用意することができる。もちろん賛否両論あるが、仕事がなくなる社会における解決策の1つになり得ると思う。
ただ、AIは仕事を奪うが、それは仕事の「自動化、最適化」を行うからである。それでは、AIが経済自体の「自動化、最適化」を行うとどうなるだろうか。 

 

AIによる計画経済の復活
 

 僕はAI等のソフト面とセンサーやプロセッサのハード面の進化がさらに進み、処理可能データ量・速度が増えてくると、AIによる部分的計画経済も有り得ると思う。

 計画経済とは、経済の資源配分を市場の価格調整メカニズムに任せるのではなく、国家の物財バランスに基づいた計画によって配分される体制だ。つまり、国家が需要と供給を決めて、うまく調整して経済を回していこう、というものだ。

 この原型を作ろうとしたのがソ連であった。しかし、需要などの様々なデータをとり、複雑な経済の実態を把握して調整することは難しく、無理があった。その結果として、このソ連の計画は失敗に終わった。

 上記において、今後は「自動化、最適化」がさらに進むと述べたが、もしかするとAI自体が経済そのものの調整役になるかもしれない。国家単位でヒト・モノ・カネについての情報をコンピュータが全て把握し、AIが分析し、その結果を基に最終的な意思決定を国が行うなどといったことが起こり得る。現在では、市場経済としてマーケットが動いているが、AIが市場経済を分析し、次に起こり得る市場の変化に対して、最適な解決策を人間に提案することが可能になってくる。つまり、AIが市場経済を分析した上で、市場が物・サービスとお金のバランスをうまくとれるような経済、まさに計画経済を提案してくれるのである。最終的な意思決定は人に任せるため、部分的計画経済とでも言っておこうか。

 
 このような「マネジメント」の部分にも、実は既にAIが進出している。人工知能技術で企業の経営課題解決を目指す、日立製作所の「Hitachi AI Technology/H」だ。これは、人工知能技術を活用して、ビジネスに関連する大量かつ複雑なデータの中から、組織の重要な経営指標(KPI)との相関性が強い要素を発見し、革新的な業務改革施策の立案を可能とするものである。

 日立の例は、企業のマネジメントの部分に人工知能を用いたものであるが、現在の人工知能の爆発的進化を鑑みると、今後のAIは人間の意思決定をさらにサポートしていくと考えられる。またこのサポートも企業での意思決定に留まらず、自治体やさらには国家単位での意思決定に関わる可能性を秘めている。国がどこからどれだけお金を集めてきて、どのように配分すべきかの案を複数提案してくれるかもしれない。そうなると、もちろんベーシックインカムを含めた議論も出てくる。今後は、複雑に絡み合った世の中の問題に取り組む人間に、AIが新たなヒントをくれるだろう。

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