ガガガSPの2000年から2003年の曲のコンセプトツアーである今回のツアーにベランパレードは3月に1箇所、5月に2箇所誘っていただいた。僕がガガガSPに出会ったのは高校生の頃だった。CDは全部買って自慢のMP3プレイヤー(単三電池で動く)に曲をいれていつでも、いつまでもガガガSPを聞いていた。ライブハウスに憧れた。でも周りにはライブハウスに行ってる同級生なんていなくて僕は宮崎にライブハウスがあるってことすら知らず、自分には手の届かないとてもとても遠い世界の出来事なんだなと思って毎日過ごしていた。
毎日毎日退屈だった。勉強しないし友達も少ない。好きな女の子と音楽のことだけを考えて過ごした。他で息を抜くことが出来なかったせいで女の子にはストーカーみたいなことをしてしまった。申し訳なかったなと今でも思う。
古本屋でガガガSPのDVDをみつけて高校3年のときに買った。2003年のツアーの西日本編のDVD。東日本編もあったけどお小遣いが足りなくて、西日本編を買った。ガガガSPが少しでも自分の住んでる場所の近くにくるところが見たかったから。僕は後追いの世代。2003年は僕は小学生だった。高校生になってはじめて2003年のガガガSPにどうしようもなくドキドキしていた。そのDVDは全然ライブの映像が映ってなくてメンバーが深夜のインターでご飯を食べたり、楽屋でふざけて話したり、小学校に入っていってサッカーをしたりそんな映像だけが永遠と続くDVDだった。はじめは「ライブの映像ないんかい!」と思ったけど一個一個のシーンがとても愛おしくて僕は何回も何回も何回もそのDVDを観た。お母さんに心配された。田嶋さんがざるそばを啜ってつゆが顔にかかってびっくりするところや、山本さんのギターが機材車に踏まれてしまうところや、コロッケ屋さんの前でコロッケ屋さんの音楽に合わせてひょうきんな顔をする前田さん、桑原さんはライブ後酸素薄すぎると言って倒れたり、ベース今日はちょっとちゃんと弾けたと言って、いつも弾けと言われたりしていた。僕はそういう彼らの日常みたいな映像をずっと誰にも共有せずに1人でみてた。いつか、僕も人にバンドがしたいって言えたら、ギターを弾いて曲を作れるようになったらこんな風にバンドメンバーが見つかってバンドしたり、ツアーをして知らない街にいったり出来るんやろうかと想像した。出来たよ。

ガガガSPのライブ中、前田さんが
「僕らの曲が誰かの思い出の中に思い出と一緒に残って、曲を聴いて思い出を思い出せるならとても素晴らしいことだと思う」ということを話していた。

僕はガガガSPを観ると毎回涙がでてしまう。今までの短い人生の中で1番うだつの上がらない辛かった思い出を思い出すことができるからだ。ガガガSPがあのときの僕には居てくれた。

とても信じられないことだけど昨日はあの時みたDVDみたいな景色の中に自分がいた。打ち上げで桑原さんがニコニコと笑って近づいてきてくれて乾杯した。前田さんがゆっくり色んな話をしてくれた。曲を褒めてくれた。酔ってる自分が嫌だった。全部一字一句忘れずに取っておきたいのに忘れちゃいそうだったから。ボイスメモで録音しながら打ち上げでればよかったな、、、笑

僕の書いたラブレターフロムという歌の歌詞に
「今のためのあの時だと楽には言わせてくれなそうな太陽だな」
という歌詞がある。本当に辛かった、1人だった記憶はいくら美化したってそのままだ。笑い話にできるのは素晴らしいことだけど笑い話にするのはきっとそのままでいるんじゃ生きていけないからだ。
でも、昨日はいいかなと思った。
今のためのあの時だなって
ガガガSPが思わせてくれた。

5月もツアー2箇所一緒にまわらせてもらいます。うれしいぞ。がんばる。


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なんて顔してんだ俺は