前回の記事「鳳東一万戦から見える景色(1)」では,
鬼打ちって重要だと言われるけど,どれほどの価値があるの?
というところまで話を進めた.


[3]無限と有限
言うまでもないが,プレイヤーがこなすことのできる試合数は有限である.
私は10000戦を達成したが,それを他プレイヤーに要請するのは無理であるし,自分がもう一回10000戦やれと言われたら泣きながら逃げ出すしかない.達成した自分が言うのもなんだが,10000戦というのは非現実的数値であり,通常成績比較等の議論でその試合数が語られることはまずない.では果たしてよく言われる鬼打ちは1000戦,3000戦,はたまた10000戦すれば良いのだろうか?
確率屋さんは無限大に飛ばして収束させるが,我々
有限の世界の人間は現実的な試合数を用いることを強いられる

[4]移動平均順位と移動安定段位
麻雀界では,平均順位が実力を測る一つの指標として長く,一般的に使われてきた.
一方,天鳳段位至上主義であり,ポイント配分の偏りが原因でラス率の影響が大きく,それを反映した安定段位という指標が,ガチ勢の中で現在最もよく用いられているようである.

本シリーズでは,平均順位や安定段位などの指標と試合数の関係を確認していく.プログラムを組んで乱数を用いたシミュレーションをすることは容易であり,以前にも何度か実験などしたことがあるが,そのような考察は私でなくてもできるためここではやらない.今回は鳳東一万戦打った人間の実例を用いる事に意義がある.

麻雀の着順履歴は時系列データである.時系列データ解析の代表的概念である単純移動平均(Simple Moving Average)を参考に「移動平均順位」「移動安定段位」という概念を考えて,それを見ていこう.

数式を出すと拒絶反応で倒れる人がいるから,イメージを簡単に書く.
10000戦の中から適当に連続3000戦を抽出して,その3000戦の平均順位や安定段位を算出するという操作を考える.更にこれを(1, 3000), (2, 3001), …, (7001, 10000)というように全3000戦スパンについて実行するだけである.
これによって負けが込んだ3000戦スパンや勝ちを重ねた3000戦スパンなどが明らかになり,平均順位や安定段位にどれほどのブレが生じたのか見やすくなる.

長くなってしまいそうなので,連続1000戦を基準とした移動平均順位と移動安定段位だけ示して,次回に譲ろう.

プレイヤー名:"先♀生"
試合数:10001
平均順位:2.5035496450354966
安定段位:7.0376976084312926
1000戦平均順位最大:2.603
1000戦平均順位最小:2.422
1000戦安定段最大:9.023255813953488
1000戦安定段最小:5.4440298507462686
1000戦平均順位幅:0.18100000000000005
1000戦安定段幅:3.57922596320722

1000戦移動平均順位1000戦移動平均段位

連続1000戦の平均順位は最良が2.422,最悪が2.603であり,0.181の開きがある.
連続1000戦の安定段位では最良が9.02段,最悪が5.44段であり,3.58段の開きがある.

同じプレイヤーでも,「鳳東デビューしました!」→「鳳東1000戦打ちました!」と言って
「安定段9.02段」または「安定段5.44段」のどちらか成績を提示した場合,
「安定段9.02段」→「1000戦で安定段9段超え TUEEEEEwww」
「安定段5.44段」→「1000戦安定段5wwww雑魚wwwwwwww」
というように,残念ながら評価は極端に分かれてしまうだろう.

「鳳東一万戦から見える景色(3)」に続く


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