おかげ様をもちまして、日本ユーテンシル株式会社は本年9月19日をもちまして創立50周年を迎えることができました。これもひとえに皆々様のおかげと深く感謝申し上げます。
ふりかえれば東京五輪の熱がまだ冷めぬ昭和42年9月19日、創業者であります故伊藤隆康が親戚縁者より借りた100万円を元手に、「1枚のふきんで家庭を笑顔にさせたい」という一念で50年前スタートさせました。
創業者故伊藤隆康は証券業を営んでいた家庭の長男として生まれ、満州鉄道や満州重工業といった国策企業の株と共に会社も成長、何不自由のない生活をしていました。ところが敗戦と共にすべてを失い、終戦の翌年、一家の大黒柱である父を過労で亡くし、貧乏のどん底へたたき落とされ、まだ10歳という幼い時に一家の長を任されることとなってしまいました。昼間は働き、公立の夜間高校を卒業したものの、お金がなく行きたい大学へも行けず、就職も片親というハンデで大手の最終面接を落とされる日々。自分でやるしかない。この創業の精神のもと、まず亡くなった父が唯一残してくれた小さな土地に母と兄弟が住まう家と、裏にありったけの廃材で作った6部屋のアパートを借金で作り、母を少しでも楽させたいと賃貸経営に乗り出したのが経営の原点です。その後、のちの妻になる同じ夜間高校で学んだ彼女の兄の友人の元へ転職をし、今のふきんという商品にめぐり会いました。その後独立を決意、東京から営業をスタートさせました。
弊社は元々、「日本ダスター株式会社」という名で、欧米輸出用のふきんを使ったサービス品を売り歩く、個人営業として狭い東京の借家からはじまったのが原点です。
まだ、厨房が家庭の一番暗い隅にあった時代、欧米の映画が好きだった創業者故伊藤隆康は、いつか欧米のように明るく、日のあたるアイランドキッチンで料理を作り、ランチョンマットで食事をする。そんな時代が日本にも絶対来る。そのためにファブリックを通して明るい家庭を育てたい。その思いが今にも続く商品開発の原点に引き継がれています。パイオニア的精神です。
次に世に知られていない商品を知ってもらうにはどうしたらよいか。無料で配って商品の良さを知ってもらおう。これが後につながっていくギフト、ノベルティー営業の原点となっていきます。
このためには営業拠点は大手本社がひしめく首都、東京へ、生産はふきんの機屋が多い蒲郡とパッケージ加工や運送の利便性より生まれ育った名古屋北部に。本社は金融機関の後ろ盾になり支援していただいた貿易商を営む大恩人、故河口氏の膝元名古屋の東区で。ここがスタート時点となり今にもつながっている原形ができあがりました。当時は代表者を故河口氏に代行していただいたおかげで、創業者故伊藤隆康は、東京の借家に看板をあげ、のちの専務となる社員と2人で東京の大手企業相手に毎日飛び込み営業に邁進していきました。
まさに時は高度成長の真っ只中。家庭を彩る商品がもてはやされ、キッチンのファブリックがギフトを通して大ヒット、今では全く見なくなったテレフォンカバーやジャーカバーなど作れば売れる時代に、発想豊かにどんどん投入していきました。早い時期よりデザインで差別化を図るためデザイナーを登用。他社と違う独自の世界観で差別化し、高い利益率を生んでいきました。また、「四角い布なら何でもやる主義」と、便利な商品にも手がけ、テレビ時代の到来とともに学童向けの給食ふきんやコップ入れ、弁当ケースなどを、テレビ漫画(今のアニメ)シリーズとして製作、これが大ヒット。本社がドラえもんビルと言われる所以はここにあります。
そのテレキャラが今のライセンス契約の原点となり、日本を代表するデザイナー森英恵さんとのライセンス開発がはじまり、キッチン・テーブルギフトの安定シェアにつながりました。その後、桂由美、ルドルフヴァレンチノなどのギフトやVIVA5thなどのエプロン単品製作、タオルギフト等への転換がはじまっていきました。
その後、理工系出身で東京のデザイン企画会社、大手寝具メーカーで学んだ現社長の伊藤隆宜により、長年キッチンセットで培った商品化アソート技術の工場内インフラ整備やコンピューター管理。アソート出荷の配送ロス軽減など、弊社独自のお客様対応システムを構築。アイテムも寝具、陶器、金属食器、トイレタリー、スリッパ、パジャマ、弁当箱、アートフラワー、香水、御茶など、当時のキッチンファブリックの枠を超えたバリエーションで、ギフトはもちろん、ギフト以外のさまざまなお客様へもご提供させていただけるようになっていきました。今ではライセンス関係も国内外を問わず、上質な物を中心に、米国や北欧諸国へも広げ、ファッションからキャラクター、アートデザイナーなどにも広がっていっています。
こういったすべての成長は決して平たんな道ではありませんでした。今日あるのは、弊社とかかわっていただけたすべての関係先様、道を開いてこられた方々がいたからです。
また、今も私どもに期待を寄せていただけるお得意先様、お取引先様、ご支援をいただける金融機関様、関係先の皆様、そして現在奮闘中の社員があってと、伏して感謝申し上げます。
この先も今まで以上にメーカーとしての独自のにおい・味付けは残しつつ、時代に合った対応、先を読んだ戦法でトライアルしつづけるつもりです。
この度、この50周年の良き日にあたり、すべての方々に感謝を申し上げるとともに、今後とも、なにとぞ変わらぬご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げる次第です。
すべての方、すべての物に感謝。
平成29年9月19日
日本ユーテンシル株式会社
代表取締役社長 伊藤隆宜
日本ユーテンシル株式会社
代表取締役社長 伊藤隆宜
日本ユーテンシル株式会社
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本社: 名古屋市北区丸新町27-1
TEL:052-902-1511(代) FAX:052-909-1525
東京支店:東京都中央区日本橋蠣殻町1-28-7弓削ビル3F
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