山口隆史
とうとう、あのサンドウィッチを展開する
運営会社が倒産したか。

アレの後釜に今ならなれるかもな?


シン
どーした?
何やら今日も元気に悪企みしてるようだが?


山口隆史
何を言ってる。
時代が俺を待ってるんだぜ?
今なら巧くやれるぞ?


シン
何をやりたいのか知らんが
素人考えで、会社経営を考えてるとしたら
止めておいた方がいいぞ?

世の中には家族ぐるみで素人じみた経営の果てに
食中毒やらかして客の中から死人を出した挙句
倒産に追いやられた会社だってあるんだから。


山口隆史
そんな会社ってあんの?


シン
なら、お前にそんなしくじった会社を紹介してやんよ。


シン
今回、紹介する企業はフーズ・フォーラスだ。


山口隆史
フーズ・フォーラス?聞いた事が無いな?


シン
焼肉レストランチェーン
「焼肉酒家えびす(やきにくざかやえびす)」というのは
聞いた事があるか?


山口隆史
ああ、それなら知ってる。


シン
フーズ・フォーラスは
それをはじめとする郊外型レストランとか
飲食チェーンを展開していた会社だ。

創業者は勘坂康弘で
1998年(平成10年)9月17日に設立された。
彼は脱サラして一念発起の思いで起業しようとした。
社名の由来は英語の「Food for us」を意味し、
「得るより与えよ」を企業理念としていた。


山口隆史
ここからが躍進なんだな?


シン
1号店は当初、店の指揮をとる一方、
勘坂の父親が駐車場での整理・誘導、
母親が厨房での皿洗いをするという家族ぐるみでの
運営が行われていたという。
取締役・監査役に社長の一族が就任している同族企業(非公開会社)であった。

1997年(平成9年)5月 富山県高岡市で「焼肉酒家えびす高岡駅南店」を開店。
1998年(平成10年)9月 資本金300万円で有限会社フーズ・フォーラスを設立。
2000年(平成12年)12月 資本金を1000万円に増資し、株式会社フーズ・フォーラスに組織変更。
2006年(平成18年)12月 本社を高岡市から石川県金沢市に移転(その後2009年に市内で移転)。

店舗は2008年までに富山、石川、福井の3県で10店舗であったが、
2009年以降急拡大し、2010年7月には横浜上白根店(神奈川県横浜市旭区)を
開店して首都圏に進出、神奈川県を含めた4県で計20店舗となった。


山口隆史
へえ~。
この時勢に、わずか数年でそこまで急拡大するなんて
もう向かう所、敵なしの快進撃だな?

それでこの後、どうなったんだ?


シン
食中毒が災いして、その後、最終的には
裁判所に特別清算を申請し倒産した。


山口隆史
何ーっ!?
食中毒ってどういう事よ!?

もしかして外国人客に出す料理に唾液や鼻水を垂らしたのっ!!?


シン
それは中国と並んで日本人観光客に
対する韓国のホテル内のレストランや飲食店に
よくありがちな事だろうが?
ではここからが解説な?


シン
フーズ・フォーラスにとって命取りに
なった事件である食中毒とは以下の事だ。

2011年(平成23年)の4月において
「焼肉酒家えびす」の富山・福井・神奈川の店でユッケなどを
食べた客117人(5月15日時点)が腸管出血性大腸菌O111による食中毒になり、
5人が死亡、24人が重症となった。

また、1996年に国内でO157などの大腸菌が死滅していない食材による
食中毒が脅威的に流行したことで
食品衛生法上の知識と対策が周知されていたこともあり、
飲食チェーン店(食材入手元が同じ)で
発生した集団食中毒において3名以上が死亡するのは極めて深刻な事態であった。


シン
被害者の96%がユッケを食べていた。
食中毒の発生地域が広範囲に渡っていることから、
原因菌はえびすで発生したものではないとされた。
配送前の時点で肉に付着していた腸管出血性大腸菌O-111と判断された。
また店舗で保管されていた未開封の肉からO-111が検出されており、
この事からも汚染された肉が店外から持ち込まれたと判断された。
被害者の半数から腸管出血性大腸菌O-111が検出され
未開封の肉のO-111と遺伝子パターンが一致した。
O-157も検出されたが、
一部の被害者からだけ検出されたに留まり、
保管されていた肉からも
検出されなかったのでO-157は原因菌ではないとされた。
フーズ・フォーラスは肉の輸送には関与していなかった。

えびすは大和屋商店から生食用として牛肉を仕入れており、
卸元の大和屋商店は埼玉県内の食肉市場から牛肉を仕入れていた。
そのため警察は大和屋商店と
この市場に対して家宅捜索を行ったが、菌は検出されなかった。

この事件では調理したえびす・大和屋商店双方の問題が指摘されている。

えびす
・客に肉を提供する前にトリミングをしておらず、肉の衛生検査もしていなかった。
・各店舗では売れ残ったユッケを翌日も客に提供していた。
大和屋商店
・冷蔵庫が小さくて肉が触れ合った状態で保存されていた。
・レバー用とその他の肉用とで包丁及びまな板を使い分けしていなかった。
・トリミング処理をしてない肉を、えびすに対して
「歩留まり100%で無駄がありません」といい、生食用として出荷していた。
・本来生食用ではない牛肉を、生食用として卸していた。


シン
しかも食中毒事件の被害者を出し
その中からも死者を出したのも
フーズ・フォーラスを大いに追い詰めた。

食中毒になった者(患者) 181名
患者の都道府県別:富山県・175名、福井県・4名、石川県・1名、神奈川県・1名

患者のうち、溶血性尿毒症症候群を発症した重症者 32名
重症者の年代別:10歳未満・7名、
10代・15名、20代・6名、40代・1名、60代・1名、70代・1名、不明・1名

重症者のうち、死亡した者 5名
死亡した者の都道府県別:
富山県(砺波店)4名(6歳男児、14歳男子、43歳女性、70歳女性)、
福井県(福井渕店)1名(6歳男児)


シン
この食中毒事件が発生して以降の
対応の稚拙さや全体的な遅さも
祟ってか、警察の強制捜査も招き
保健所からの営業停止処分はじめ
マスコミからも著しく叩かれるとかの
社会的制裁などの二次被害も手伝って
その年の6月の内に資金繰りも悪化、営業再開を断念。
役員以外の全社員を解雇。
7月には会社を解散。清算手続きに入った。
2012年には金沢地裁に特別清算を申し立てる。負債総額は17億7800万円


山口隆史
どーしてこうなった。


シン
まあ確かに食材の取引先と受け取り側の
食材に関するチェックの杜撰さも然る事ながら
やはり、家族経営ゆえの役員間同士の甘えも
この食の安全に対する
客観性を失わせてしまったのだろうな?


シン
それじゃ今回は、この辺で。