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2019年3月29日に内閣府が公表した「ひきこもりに関する実態調査概要」を受け、一般社団法人ひきこもりUX会議としての見解をまとめました。

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数字に表れた当事者の現状──
 3月29日内閣府は「ひきこもりに関する実態調査概要」で、40~64歳のひきこもり状態にある人が推計61.3万人いると公表しました。この数は若年層のひきこもり状態にある人を上回るとされています。今回の調査によって、これまで調査対象とされてこなかった40歳以上のひきこもり状態にある人たちの実情が示されたことは、性別を問わず事実上黙殺されてきた高年齢ひきこもり当事者の姿を可視化し、今後の支援のあり方を考えるうえで重要な意味をもつと考えます。

調査結果に対する違和感──
 一方で、当事者のうち全体の4分の3以上を男性が占めるという結果は、実際に私たちひきこもりUX会議が活動をしている中での実感とは程遠い内容であるように思います。私たちは2016年から、ひきこもり状態にある等の生きづらさを抱えている女性(自認含む)の方を対象に「ひきこもりUX女子会」を全国22都市で計72回おこなってきました。これまで参加者は累計2700名を超えており(2019年3月31日時点)、「ひきこもり女性」が数多く存在していることは明らかです。
 さらに2017年には「ひきこもりUX女子会」と連動して女性の当事者を対象にした実態調査をおこない、41都道府県から369名の回答を得ました。回答の半数近い45.3%は40代以上であり、女性で中高年のひきこもり当事者が存在していること、そして彼女たちの置かれている困難な状況の一端を社会へ知らせる機会となりました。

実態に即した支援への希望──
 以上のように女性のひきこもり当事者が一定数存在することは明らかで、今回の内閣府の調査結果は実態とはズレがあると感じざるを得ません。今回の結果やそれを報じるメディアの情報などにより、「男性の方が生きづらい」という偏ったイメージが再び広がり、女性の生きづらさが見えなくなることを危惧しています。
 また、これまで多くのひきこもり支援は性別を問わず39歳以下で区切られ、中高年以上の人たちが受けられる支援はほとんどありませんでした。最近では支援に携わる現場の方々からも、就労を主とした支援だけでなく、まずは居場所のように安心して参加できる機会をつくっていくことが必要である、という考えが生まれてきています。今回の調査が、こうした動きの後押しとなることをはじめ、本当に当事者が望む支援のあり方を考える契機となっていくことを願っています。

私たちができること──
 この度ひきこもりUX会議では、2017年におこなった実態調査結果を有識者の方々と分析・検討し、その内容を冊子『369ー女性のひきこもり・生きづらさについての実態調査を経て』としてまとめました。電子データでもダウンロードいただけますので、ぜひご覧ください。対話の場で信頼関係を築くことで得られた切実な声、当事者視点でおこなった実態調査ならではのリアルな実情を知っていただきたいと思います。

 ひきこもりUX会議では、「ひきこもり×女性」「ひきこもり×ママ」「ひきこもり×LGBT」などの細かなセグメントをした当事者会を行うなど、社会の中で可視化されていない当事者の方々が安心して集まり、話をする・聞く場を設けてきました。ひきこもり等に起因する生きづらさを抱えている人、孤立状態にある人に、まずは「自分がここにいてもいいんだ」「自分は独りではないんだ」ということを伝える‟場”をつくり続けること。そして、場に集まったそれぞれのUX(ユニーク・エクスペリエンス)=固有の体験が、ひきこもり状態にある人も含めたあらゆる人にとって生きやすい社会、寛容な社会をつくっていくことに繋がると信じて、引き続き活動を行っていきます。
 
2019年4月1日
ひきこもりUX会議


<関連リンク>
1)内閣府のリンク
2)「女性のひきこもり・生きづらさについての実態調査2017」結果の概要
3)「女性のひきこもり・生きづらさについての実態調査2017」報告書
4)ブックレット「ひきこもり女性たちのUX ~実態調査から見えてきたこと~」購入サイト
https://uxkaigi.base.shop/
5)冊子「369ー女性のひきこもり・生きづらさについての実態調査を経て」」
http://blog.livedoor.jp/uxkaigi/369_data.pdf