感想文を提出いたします。(別館

観たり聴いたり行ったりしたものの感想をだらだらと。。。

ヤンサン:れいとしょう#02『萩尾望都』特集

  • November 03, 2018
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山田玲司さん と きたがわ翔さん が好きなマンガについて語り尽くす企画「れいとしょう」。
先週放送された第二回『萩尾望都』特集 がアーカイブとして公開されました。

第一回のテーマ『マカロニほうれん荘』は不勉強ながらも読んだ事のない作品だったのですが
お二人によって熱く語られた事でどれだけ事件な作品であったのかヒシヒシと伝わってきた。
『マカロニほうれん荘』の偉大さを理解するには連載されていた時代の状況も知る必要がある。
なんの知識ももたないで読むより、お二人の熱い想いのこもったお話を聞く事の方が
追体験に近いのではないか。と思える程素晴らしい内容だった。

そして今回放送された第二回『萩尾望都』。
萩尾望都さんの作品は高校生の頃に読みあさっていた。
「読みあさる」というのは言い過ぎか。
今も貧乏だけれど高校生の財布事情はなかなか厳しいものもあって
全作読破できたわけでも無かったのだけれど
それでもまぁまぁな数を購入して繰り返し読んだ。

きたがわ翔さんの「まだ読んでない人に萩尾作品を1秒でも早く読んで欲しい。」
という想いで第二回のタイミングで萩尾望都特集になったとの事。

第一回の内容から期待マンマンで視聴させてもらったのだけれど
期待を裏切らない内容に大満足。

今こそ読まれるべき萩尾望都

熱い想いがヒシヒシと伝わってきました。

youtubeでも前半部分は公開されているので
少しでも興味のある方には是非見て欲しい。



前半パートは

・萩尾望都が影響を受けた物
・絵柄の特徴と後進に与えた影響
・初期、萩尾望都作品の解説

当然ボクが知らないマンガ家さんやその作品が紹介されていきますが
きたがわ翔さんがスケッチブックに模写された絵を見せながら話は進んでいくので
紹介される漫画の内容はもちろんの事、絵柄なども非常にわかりやすい。

その模写の再現度の高さたるやっ!恐るべしっきたがわ翔。

話は萩尾望都作品のヒストリーや「大泉サロン」に展開していき
萩尾望都を中心に据えた少女マンガ黎明期からの壮大な解説になっていく。 


そして後半。

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ついに「半神」である。

きたがわ翔さんに「奇跡の16枚」「神の作品」と言わしめる名作。

こちらもきたがわ翔さんの恐ろしいクオリティの模写を元に話が進む。
その模写があまりにクオリティが高いので
もし未読であってもこの放送を観れば「もはや読んだと同じ」と言っても問題ない。

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この放送だけで500円以上の価値はあると思うので会員でない人は入会もよいかも。
月単位なので入会月中に『マカロニほうれん荘』回を含む過去のアーカイブも見られるし。
※退会は自動ではないので月が変わる際に注意


16枚で繰り広げられる豊かなマンガ表現。


きたがわ翔さんが語られた個人的「半神」体験。
山田玲司さんによる冷静な視点からのアナリーゼ。

2人のマンガ家による解説を聞きながら
超絶クオリティの模写を通して作品を読む感覚は
「れいとしょう」ならではの最大の魅力。

約3時間の番組でしたがもっともっと聞きたくなる素晴らしい内容でした。

番組内で「萩尾望都SF作品回とかやろうか」という発言も出ていましたが
ボクが大好きな「ぼくの地下室へおいで」を含む
「レイ・ブラッドベリ と 萩尾望都」的なSF回とかも楽しそうです。

1作品でも1番組が成立しそうな至極の短編作品が
山のようにある萩尾望都ワールド。

是非、いつの日かまたお二人による「萩尾望都」回を実現して欲しいと思います。

久しぶりに萩尾望都作品を読み直そうと思います。

もちろん今後の「れいとしょう」も楽しみにしています。





-----
で、本編とまったく関係のない蛇足補足。

なので興味の無い方は読み飛ばして欲しいのですが書きます。


番組内で山田玲司さんが

オレ、野田秀樹が舞台化したの見にいってるけど、
遙かに原作の方がスゴイ。ゴメンナサイ野田さん。

と発言されていたんですね。

同意しますし、萩尾望都さんの特集ですから
それ以上の言及が無くても全然いいんです。

ただ野田秀樹ファンとしてはちょっと言いたいことも出てきてしまい
無粋ながらも一つコメント打ってしまいました。(ちょっと反省…)

山田玲司さんは時折「昔の野田さんがよくやっていた手法だよねぇ」(ピンドラ解説時とか)
という発言をなさる事があるので、好きか嫌いかはわかりませんが
徹底して否定的という訳ではないと思うんです。
なので上記の発言も決して舞台版・半神を否定している訳では無いと思う。

ただ上記の発言だけだと野田秀樹、舞台版・半神を全く知らない視聴者には
少し誤解が産まれる余地が残ってしまったのが野田ファンとしてはちょっと残念。


当時のパンフや戯曲が実家で手元にないので記憶で書きますが

野田秀樹が舞台化した


という発言に間違いは無いんですが、舞台版・半神は

原作・脚本:萩尾望都 / 脚色・演出:野田秀樹

なんですね。

「脚本」は萩尾望都さんによるものなので
原作者の手を離れて別の人(この場合は野田秀樹)の手で
別媒体(この場合は舞台)に作り変えられたものではないんです。

現在では「共同脚本」としてクレジットされているのですが
これは戯曲出版時に萩尾望都さんからの申し入れで変更されました。

経緯としては以下のような流れ。

夢の遊眠社の観劇者アンケートの氏名欄に「萩尾望都」の名前を見つけ
「え?あの萩尾望都?イタズラかな?」と思うもご本人に確認。
ご本人による物とわかり、しかも夢の遊眠社が好きという事だったので対談を申し込む。
その後、野田秀樹さんサイドから「脚本を書いてみませんか」と打診。
萩尾さんが「夢の遊眠社」の舞台なら合うのでは、と自身の短編「半神」を提案・脚本を執筆。
締め切りがせまるも最後まで書き上げる事ができず野田氏に相談した所
「あとは任せてください」と脚本を引き継ぐ。

「戯曲・半神」の出版時に萩尾望都さんから
「完成した脚本は野田秀樹氏の力が大きい」という事で「共同脚本」に変更される。

先にも書きましたが資料が手元にないので記憶だよりで
少し間違いもあるかもしれませんが大きな間違いは無い。と思う。。。


16枚という世界の中に無限の宇宙を感じさせる原作「半神」。


どのような媒体であっても、どのような手法を用いても
原作を超える事は出来ないと思う。

しかし 原作・脚本:萩尾望都 / 脚色・演出:野田秀樹 で
舞台化された「半神」は原作の魅力に迫る事ができる数少ない方法だったと思うし
実際、肉薄した素晴らしい舞台になっていると思うのです。

そしてこの「半神」は以降の野田秀樹の作劇に劇的な変化をもたらした作品でもある。

野田秀樹作品は「半神」以前に「半神」のような作品は無い。

後の対談だかインタビューで野田氏は「半神を通して物語の重要性」を意識したと語っている。
(資料が無いので文言は不正確)

「半神」がなくてもいづれは「物語」に重きを置いた作品を作っていたかもしれないが
現実に起こった出来事としては萩尾望都との共同脚本によって
野田秀樹の作劇に変化が起こり「贋作・桜の森の満開の下」や「透明人間の蒸気」が産まれ
後の「キル」「赤鬼」などに繋がっていく。

野田秀樹作品が嫌いという人も沢山いますが、好き・嫌いとは別の次元で
演劇界の重要人物である事を否定する人はいないと思う。

萩尾望都登場で少女マンガが変わった。

野田秀樹登場で演劇が変わった。

そして二人が出会った事で新しい何かが産まれた。

「第三世代の旗手」ともてはやされた野田秀樹の作劇に
劇的な変化をもたらしたのは萩尾望都である。というストーリーは
野田秀樹・萩尾望都の両方が大好きな俺得ストーリーなのです。(笑


と、いう事で「舞台・半神」も素晴らしいので
観たことのない方は機会があったら是非に。
ユー ナントカ チューブ に遊眠社版・NODA・MAP版、共に分割された形で上がっているとか、いないとか…


気がつけば「れいとしょう」の感想よりも蛇足補足が長くなってしまいました。
もしこの蛇足長文に最後までお付き合いいただいた方がいたら感謝。
  • Posted by uzazo
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いまさらだけど「カメラを止めるな!」観てきたよ。

  • September 11, 2018
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はいっ最高っ!

って、それ以上書ける事ないよね。


今日は感想というか駄話。


最近、腰が重くてなかなか映画館に足が向かないんす。

直近だと観たのは「ミッション:インポッシブル フォールアウト」かな。
バリバリエンタテインしてくれてあれも面白かったです。


さておき。


これだけ話題になっているのに完全に乗り遅れたんで
もうCS放送まで観なくてもいいかな。と思っていたんですが
今日は出掛ける用事があったのでチケット情報を観てみたら余裕で取れた。
一時期は前日でも入手出来ないフィーバーぶりでしたが
さすがに時間も経ったので落ち着いてきた感じでしょう。

でもいざ開演してみたらかなり埋まってましたけど。


もちろんネタバレなど無粋な事はしませんが
事前情報は少なければ少ないほど楽しめる作品ですので
これから観る方はココでお別れです。


観て損をする事は無いと思いますので是非!
-----




ホントに良く出来た作品なのですが
この作品の真価を感じる為には事前情報の少なさ勝負という所があります。

話題になり始めた頃に監督が出演されてたラジオを聴いてしまって…。
…まぁ聴くなという話もありますが…

その番組で「ある舞台からインスパイアされて〜」とお話になっていましたが
(のちに話題になったアレ)
それとは別に監督が影響を受けた人(監督)とその作品をあげたんですよ。


ボク的には


アチャ〜


といった感じで劇場に向かう気持ちが少し薄れてしまった。

そこで上げた監督は三谷幸喜さんで、作品としては「ラジオの時間」。
その流れでこの映画のタイトル「カメラを止めるな!」から連想するのは
東京サンシャインボーイズ「The Show Must Go On」(幕を下ろすな!)。


あぁん。知りたくなかったぜ。


「The Show Must Go On」がどんな内容かと言うと
「舞台袖」が舞台上に作られているお話で
トンチンカンなアクシデントが次々に起こる中で
幕を下ろさず舞台を最後までやり遂げるため奮闘する裏方さんのお話。


なので「カメラを止めるな!」というタイトルという事は…。

といった感じで最初から構造がわかって観てしまったので
1幕から2幕への展開に驚けなかったのが残念で仕方がない。

まぁまぁ、でもその事を差し引いても余りある魅力の詰まった作品です。

ホントに面白かった。


で、後に話題になってしまった「インスパイアされたある舞台」。

自らネタバレに突っ込む事はしたくなかったので
今日まで関連記事を読んでいませんでした。


で、読んでみたんですが、まぁアレですね。
ちょっと行き違いがあったといった感じなんでしょうね。

監督自身は各所で「舞台から着想を得た」と話していますし
舞台側で関わっている人も複数人いるようなんで
ちょっとのズレが重なっている所に
映画の大ヒットでさらに大きなズレになっちゃったのかな。と。


ただ映画は映画ならではの作りになっていたものの
ネットで見た舞台の構造から考えると舞台を作った側が
原作としてクレジットして欲しいという気持ちもわかる。

というか舞台『GHOST IN THE BOX!』すごく観てみたい。
  • Posted by uzazo
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マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー

マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー(2018)
MAMMA MIA! HERE WE GO AGAIN

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2018.07.26.
19:00 @ユナイテッドシネマとしまえん 試写会
uzazo評価:★☆☆☆☆



そういえば、ちょっと前になりますが
ヨメ氏が試写会応募して当たったというので行ってきました。

ワタクシ前作を観ておりませんで事前知識としては
ABBAの曲を使用したミュージカルである事以外は何も知らずに視聴。

その前提での感想ですのでご了承ください。

本作は完全に前作ファンのため「だけ」の作品。
一見さんお断り作品でした。

「マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー」は
前作の振り返りなどは全く描かれず物語がスタート。
内容・設定を知っている事を前提でどんどん話が進んでいきます。

その事は構わないんです。
ただ初見の状態では本作に描かれている事しか知りようが無い。
物語の大前提の情報提示となる台詞が全く無いので
意味不明な場面や誤解が生じた状態で見進める事になります。

本作で示される情報のみで物語の大前提が理解出来るのは中盤になってから。

本作を見るのはほとんどが前作のファンだと思いますが
大前提の設定を知らずに見ると前半に描かれている
コメディ的展開が非常に不愉快に感じてしまうんです。

中盤になって「あぁなるほど。そういう事か」とわかっても
前半部分に感じていた不快感は払拭できないので
作品としての評価は当然下がってしまいます。

「前作を知らずに見たお前が悪い」と言われてしまえばそれまでですが
前作の振り返りとして入れなくても台詞の組み立てとかで
物語の前半で設定が理解できる工夫はできるハズ。

作り手側の姿勢が「一見さんお断り」として作っている以上
一見さん(ワタクシ)が楽しめないのは仕方ないですね。


という事で、突然興味がわいて観てみよう。と思い立った人がいたなら
絶対に前作を観てから劇場に行くことにしましょう。


ここまで書いて来た通りボクは楽しめなかったのでその前提ではありますが
ミュージカル映画としてどうであるか考えても正直微妙だと思います。

ABBAのファンはいいと思うんですよ。
物語の展開に合わせて好きな楽曲が聴けるんですから。

ボク自身はABBAを嫌いではありませんがファンではありませんので
どうしたって「ABBAの楽曲しばりミュージカル」に見えてしまう。

しばりの中でよく当てはめたなぁというだけで
縛りの無い状態で作られる他のミュージカル映画と比べたら
物語と楽曲のマッチングもダンスシーンの絵作りも
決して良い作品とは言えないと思います。

ABBAの楽曲が好きで、前作を観ている。という
二つの条件をクリアした人だけが楽しめる映画という感じでした。
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ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー

SOLO: A STAR WARS STORY

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2018.07.16.
10:00 @ユナイテッドシネマとしまえん IMAX 3D
uzazo評価:★★★☆☆


チョコチョコとイロイロ見ているんですが感想を書く気になれず…。
先週観た作品の感想を覚え書き程度に。

ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー 観てきました。

本国では今後のスピンオフスケジュールが見直される程に
大ゴケしたと聞いていたのでそれなりに覚悟して劇場に。
EP8も普通に面白かったと思っているボクの感想なんでアレですが
普通に面白かったです。

SW直撃世代であるとか、後追いでも熱烈なファンの人は
神格化している部分があると思うのでいろんな想いもあるんでしょうが
及第点というか怒るような内容では無いと思うんですよね。

ただ一つ思っているのは EP8 にしても今回のハン・ソロにしても、
もっと言えばプリクエルも作れば作るほどSWの世界は閉じていく宿命にあるんですよね。
本作でいえばハン・ソロとチューイ、ランドetc…の出会いの物語が
「正史」として確定してしまった訳で想像の余地が無くなってしまった。

プリクエルがそうであったように気に入らなければ
なき物としてしまえばいいわけだけれど
ディズニー傘下で量産され続ける事が決まったSWシリーズは
新作が発表される度に「正史」に埋め尽くされていく事になるわけです。

まぁボクぐらいの者は新作が出れば楽しみにしているし
仮に不出来な作品に出くわしても「つまらなかった」で済むんですが

熱烈なファンにとってSW作品増え続ける事は幸せな事なのかな?

そんな事を思いました。

ボクは EP9 楽しみにしています。

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原作・山田玲司/作画・バナーイ CICADA(シカーダ)についてもう一度書かせてくれいっ!

  • July 14, 2018
  • book
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シカーダの第4巻が 7月12日 に発売されました。

単行本で追いかけている者としては待ちに待った第4巻。
5月31日の時点で予約しておいたんですよ。amazonで。

発売日の7月12日 に [発送のお知らせ] のメールが来まして。



7月14日(土)お届け。



7月14日(土)お届けっ。



チクショーっ! amazonの野郎っ!

ヨドバシで頼んだ時は発売日の午前中に届いてたのに konozama です。
なぜヨドバシで頼まなかったのか…あたしって、ほんとバカ。
ネタバレにブチあたらないようにネット上でも引き籠る。

届かないのは仕方ないので手元にある1〜3巻を繰り返し読む事に。
(12日に合わせて既に読み返していたんだけどね)


Anyway


最近めっきり更新回数の減っているこのブログ。
マンガの事は滅多に書かないのですが3巻の発売時にシカーダについて書きました。

【 シカーダを激しく推す理由 】

要約すると

できるだけ長く読みたいから売れて貰わないと困る。

という内容です。

こんな過疎ブログで紹介したって影響が無いのは分かっているんですが
もし誰か一人でも興味を持ってくれたら、それはとっても嬉しいなって。

ただ第三巻の巻末、次巻告知に「第一部、完結。」って書いてあったんです。
でも、ワタクシ、この時点では4巻の巻末に

2019年○月、第二部始動。

とか、告知があると思ってたんですよ。

しかしですっ、
3巻発売直後に放送されたヤンサン…

第二部、未定っぽい会話!

玲司先生が最終回を連呼しておる。。。



そんなこんなで 最後になる可能性があるなら

CICADAについてもう一度書かせてくれいっ!

って事で、

4巻を待ちつつ シカーダ(1巻)をネタバレ上等
個人的妄想込みの感想を書いて行きます。







150年後のマンガが禁止された世界で
マンガ焚書官である主人公レムは一冊の漫画と一人の少女に出会う。

冒頭、物語の結末を思わせるイントロダクションから時間は1年前に遡り物語が始まる。

まずビックリしたのが地下で取引されているマンガとして登場するのは「うる星やつら 2巻」
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シカーダという物語に登場するマンガはボクらが知っている
実在の作品が時を経て読まれているという設定。
これには非常に驚かされました。

そして更に驚かされるのがこの「うる星やつら 2巻」の不法所持者は

それに主人公の「あたる」って奴は、
バカでスケベでなんの取り柄もないのに……
どんなに女に拒まれても…
絶対に折れないんだ…
しかもヒロインは、そんなクズみたいな男をずっと好きでいるんだ…


と涙を流しながら語ります。

「うる星やつら」をそういう風にとらえるかっ!
確かに上記の説明に間違えはないですよね。
コメディ作品の構造を別の側面から見て抽出する事で
新しい価値が付加されるこのシーンには驚かされました。

主人公レムは焚書官としてこの「うる星やつら 2巻」を焚してしまいます。
(最終兵器彼女 や Bバージンも…)

主人公レムは自身の事を「クズみたいな男」と思っていて
「あたる」と自身を重ねるものの自分にはずっと好きでいてくれる相手はいない。
かわいがっていたネコもいなくなり死にそうなほど寂しい状況。

彼は次の現場で目にした「うる星やつら 1巻」を持ち帰ってしまいます。

さてはて、レムが読んだ「うる星やつら 1巻」。
ぶっちゃけワタクシアニメしか見たことが無かったので
マンガで読んだ事がありませんで…というか
どんな始まりだったのか覚えていなかったんです。(みんな覚えてるのかな?)

で、「うる星やつら」の始まりを読んでみました。

第一話がどんな話かというと「かけめぐる青春」というタイトルで
地球侵略にやってきたインベーダーが適当に選んだ地球人と
地球を賭けて鬼ごっこで勝負をするというお話。
苦戦する あたる を 奮起させるため しのぶ が「勝てたら結婚してあげる」と約束し
あたる は「結婚」を連呼しながら ラムちゃん を追いかけた事で誤解が生じる。

シカーダでは主人公レムが読んでいるシーンに「うる星やつら」のコマが
インサートされているのですがそこで気になったのが
「レムはどの辺りを読んでいるのか?」
「実際の「うる星やつら」にそのコマは存在するのか?」

探してみたら実際にあるコマが引用されインサートがされていました。
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見比べてみるとちゃんと「うる星やつら」のキャラでありながら
バナーイ先生の独自のタッチが加えられているのがわかって楽しいです。

で、気がついたのが引用されているコマは全て
うる星やつら の「第1話」に登場するコマなんですね。

考えてみれば レム は始めから読んでいるので当然なのですが
ボクは見比べてみることで初めて気がつきました。

ただ一つ例外がありました。
それは上の画像の次のページ
0003

このコマだけは うる星やつら の「第3話」に登場するコマ。

うる星やつら の第1話を読み返してみると
ラムちゃん から あたる に抱きついている
大コマが無いので絵的な説得力を考えて
このコマだけ第3話から引用している可能性はあります。

ただ非常に興味深いのは うる星やつら の第2話は、なんと
ラムちゃんが一切出てこない全く別の話なんですよ!(みんな知ってた!?)

主人公レムの状況・気持ちを考えてみると
ラムちゃん が全く登場しない第2話を経て
第3話中盤でやっと ラムちゃん が再登場する展開は
ボクが思う以上の長い時間に感じただろうし
再会した ラムちゃん はちゃんと好きでいてくれている。

そう考えるとコマ下の

ずっと……


という言葉と レムの涙 の説得力が増して
より一層グッときちゃいます。

シカーダ第1話の最後で出会った少女は「うる星やつら」を目にし
「だっちゃ?」という言葉を発してシカーダ第1話は幕を閉じます。

レム にとっての ラム との出会いになるわけですが
シカーダ第2話の冒頭が 追いかけっこ になる展開も
「うる星やつら」の第一話の鬼ごっこと重なって見えてきます。


出会った少女 ロルカ は「うる星やつら」の代わりに
「ベルばら」を読ませてくれるという。
ロルカの持っている「ベルばら」は

7巻 美しき愛のちかいの巻
8巻 神にめされて…の巻


「ベルばら」の内容については ロルカちゃん が
「(アンドレは)オスカルのために死ぬの…」と
ネタバ玲司ism 全開で教えてくれます。(笑

ここでの「ベルばら」インサートももちろん実際にあるコマからの引用。
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オスカルの方は7巻で肖像画を書いて貰っている時の大ゴマなんですが
ボクが非常に気になったのはアンドレの方です。

このアンドレの紹介の方は8巻にあるコマの引用になってます。
つまりロルカは「ベルばら」の内容を説明している最中に
7巻と8巻を持ち替えている事になります。

「ベルばら」ですから主要キャラクターの魅力的な表情の大ゴマは沢山ありますし
ネタバレを強調するのであればアンドレ絶命シーンも8巻にあります。

しかしここで引用されているアンドレのコマは
引用元になっている「ベルばら 8巻」では割りと小さいコマなんですね。
しかも「ベルばら」側の擬音「ピク…」という部分込みで描かれているので
ものスゴク意図的にこのコマを選んでいるのではないか、と思ったんです。

このコマがある引用元のページには何が書かれているのか。

武装した市民であふれたパリへの出動を命じられたオスカル。
アンドレのついていく、オスカルのつれていかない のやりとりの果て

アンドレは「つれていけ つれていけ 地獄の果てに おれは おまえの影だ」と言い
オスカルは「わたしが臆病者にならぬよう しっかりと そばに ついていてくれ」と。
つまり互いの本音があらわになり「一緒にいたい」という想いが重なるシーンなんです。

「アンドレになりたい派」ロルカ は オスカル のために死をも覚悟して
「…とおい目をしている…」アンドレ が描かれているこのページを
選んで開き レム に見せている。彼女のお気に入りシーン。

そして「アンドレ と オスカル」「ロルカ と レム」の関係性の暗示に。

そんな意味が込められているのではないかな?と思いました。


この時点でレムが読んでいるのは ベルばら 8巻 までですが
ベルばら 8巻のヒキになる バスティーユへの砲撃開始を受けるように
シカーダの展開も一巻のクライマックスシーケンスに突入。

レム は「ベルばら」全巻を求めて軍の施設に侵入
ついにシカーダ登場でその能力と秘密が明らかになります。

漫画を…現実にする能力…
0006

プルートウっ!

流石に驚きました。

ヤンサンで「漫画で戦う漫画」と言っていましたが
こういう形だったとは思いませんでした。


「ほぼレディ・プレイヤー1」… 否
レディ・プレイヤー1 が 「ほぼシカーダ」。
全力疾走しすぎて常に時代の先を行きすぎている
山田玲司についに時代が追いついてきた。(笑


で、そのシカーダの秘密を知って
ワタクシ一巻最初のイントロダクション(一年後)部分を見返す。

クッソーっ!ロルカの小指“ちゃんと”光ってるやんけっ!


そして

リクロっ!えぇ… リクロ…

レム は命からがら「ベルばら」6巻を手に入れます。
その「ベルばら 6巻」のサブタイトルは

「燃えあがる革命の火の巻」

レム と ロルカ の物語を暗示している気がしてソワソワしてしまいます。
(ちなみにコレ書いている時点で4巻届いていません。。。待っている時間で書いてます。)


レムは「ベルばら 6巻」をロルカにあげるも
ロルカは「一緒に読む」という約束を守るために
もらった「ベルばら 6巻」を読まずに
「のだめカンタービレ 3」を読む事にします。

もちろんワタクシも読み直してみる事にします。

「のだめカンタービレ 3」の何気ない一コマなんですが
テスト勉強をしている時に音楽史の話になり
「フランス革命!のだめ「ベルバラ」大好きー」
という のだめ の台詞があるんです。
(シカーダでは引用されていないコマです)

ホントに何気ない一コマなんですが
ロルカ は「ベルばら」がどんな話か知っている状態で
この「のだめカンタービレ 3」を読んでいる。

「この漫画の主人公(のだめ)も
 ワタシが好きな「ベルばら」を好きなんだ!」


そう思って読んでいる。と考えると感慨深いものがあります。

だって自分の知っている漫画が漫画の中に出てくるんですから…
これって…この感覚って…


シカーダ第一巻の最後のコマは物語的に自然な流れなので
「ベルばら」に重ねるのはいささか強引ではありますが
ロルカの服のたなびき方とかがどことなく重なって見えてしまいます。
0005

「ベルばら」側の「産まれてきてよかった…!!」
シカーダの裏側にあると思うと感動もひとしお。


・・・という様な妄想マックスの シカーダ 第一巻紹介。

妄想しすぎて勝手な意味づけになっている気もしますが(ナンカスミマセン…)
でも、深読み先生 a.k.a. 山田玲司 は怒ったりしないハズ。

ボクの妄想部分はさておき、やはり面白い作品だと思う。
第二部始動のキッカケにもなると思うのでもし興味を持った人がいたら
今からでも是非手にとって読んで欲しいのです。。。



4巻の感想へつづく…。

-----
0007

土曜日の夕方になってやっとこ シカーダ 4巻 来た。

流石にココで4巻の内容に触れるような無粋者ではございません。

「とにかく先を知りたい」という気持ちと戦いながら

1ページ・1コマのスミからスミまで…

ハラハラする展開に手に汗を握り…

熱い展開に胸を躍らせ…

モブで描かれたキャラに笑い…

没入しすぎて何度か声が出てしまいました。

大切に、ジックリと読んでいっても
左手で押さえている本の厚みが、みるみる薄くなっていく。

こんな気持ちは紙の漫画でしか味わえなかっただろうな。

そしてこの物語の結末に描かれている事。

玲司先生の巻末エッセイ。

ボク、信じてます。


そして最後、バナーイ先生の巻末エッセイパート。

バナーイっやってくれるぜ!

マジ最高でした。


--
12日に合わせて1〜3巻を読み直していたものの
amazon からの到着が遅れた事でこの2日間、
何度も何度も読み返して、上の1巻の妄想記事を書いて
完全に没入した状態で4巻を読んだのでオジサン泣いちゃったよ。

だけど、このシカーダ第一部の物語にはアノ件やアノ件、
もっともっと知りたい事があります。
この「漫画を現実にするシカーダ」という設定なら…
素人考えで「こんな展開」「あんな展開」を妄想してました。
(その妄想の一つがパナーイ先生の巻末エッセイと同じだったのでマジ震えた)

きっとそれもこれも実は用意されていて
まだまだ書ける事は沢山あるんだろうな。と。
第一部の続きはもちろん、プリクエルも、サイドストーリーも…


第二部。本気で待ってる…

原作の山田玲司先生、作画のバナーイ先生。
素晴らしい第一部、ありがとうございました



第二部を読む事ができたらその時は
CICADAについてもう一度書かせてくれいっ!


  • Posted by uzazo
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