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観たり聴いたり行ったりしたものの感想をだらだらと。。。

映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険

映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険(2017)

20170320_01


2017.03.20.
鑑賞状況:やや寝不足
16:30〜 @ユナイテッドシネマとしまえん \1,800-
uzazo評価:★★☆☆☆



オッサンには観るベキ映画が他に沢山あると思いますが
ヨメ氏のリクエストで「映画ドラえもん」を観てきました。

公開から少し経っているのでガラガラかと思いきや
連休だった事もあってかホボホボ満席状態。
もちろんお子さんも沢山観に来ておりました。

人目も気にせず袖で涙を拭っているお子さんもいましたし
ヨメ氏も終盤泣いていたので合格点ではあると思います。
とはいえ、気になった部分もチラホラ。


以下、ネタバレ要素含みます。


ザックリとしたあらすじ。

暑い夏を南極の巨大流氷で快適に過ごそうとするドラえもん一行。
流氷深くに埋まっていたリングを見つける。
発見した部分の氷を調べると埋まったのは10万年前。
リングを持ち主に返しに行こうと10万年前にタイムスリップすると
凍りついた自分たちの星を救うために
地球に調査に来ていた宇宙人と遭遇…。

と、いった感じのストーリーです。


冒頭シーン。
ここは文句無く素晴らしかったです。
映画独自のキャラクターでのアクションシーンは
もの凄く迫力がある作画・演出は見事でした。

これは全編にわたって感じた事で
乗り物に乗っているシーンの色彩設計とか含めて
絵的なクオリティがとてつもなく高かった気がします。

さすが大人気コンテンツの劇場版といった所。

この感想を書く段で知ったのですが本作の監督は
スタジオジブリ出身の監督さんなんですね。

超納得です。
ナウシカオマージュと思われるシーンや
大量のウネウネしたものがうごめくシーン、
あれ?これって巨神兵じゃね?とか。
ジブリっぽいなと感じていたんです。


ドラえもんというコンテンツで問題になるのは
未来の道具を次々に出す事が出来る事。

正直、本作でも道具使いすぎじゃね。と思ったのですが
ヨメ氏に確認した所、今回の作品に登場する道具達は
概ね別のエピソードで登場した道具だという事でしたので
道具に関してしばりを設けて作られているのは良いと思いました。

そしてとても有名なアイテムのいくつかが
使えなくなるというしばりを強化する設定も良かったです。


しかし物語全般を考えると不満が残ります。

流氷の中から発見したリングなので
氷付けになった時代では別の場所である。という事で
本筋冒頭で南極での雪中行軍が結構長く描かれるのですが
一行が大変な目にあっているという絵ヅラだけで
この部分、実はあまり物語に寄与しないんですね。

一方、遺跡にたどり着いて進入していく場面。
「ここからは何が起こるからわからないから
 いざというときはコレで身を守るように」と
各人にドラ道具がランダムに配布されるのですが
この遺跡探検部分がダイジェストになってしまうんです。

これって逆じゃねぇかな?と。

各人に道具が渡され探検する状況は
無尽蔵にドラ道具が供給できないという
最大のしばりになる場面です。
渡された道具でアイディアを駆使し
困難を乗り切る展開になり得る部分なので
雪中行軍をダイジェストにして
コッチに時間を使う方が良かった気がします。

そして道具の使い方についてはアイディア不足。
物語の展開上で使った道具が
別のシーンで全く想定していなかった
使い方をするという展開があまりありません。
(全くとはいいませんが…)

ドラえもんというコンテンツでの「未来の道具」って
伏線を作る事ができる強み部分だと思うので
もっと何か工夫が欲しかったです。


ボクが最も納得のいかなかったシーン。

敵に仕組まれた罠で偽ドラえもんが現れて
どちらが本物のドラえもんか迷うシーンが出てくるんです。
四次元ポケットと鈴を奪われ言葉が話せなくなった本物ドラえもん。
どちらが本物か決めるように詰め寄られたのび太がいうセリフ。

どっちも本物のドラえもんという事じゃダメかな?


・・・


のび太くん


ダメです。

この場面では確信を持って

こっちが本物のドラえもんだっ!

と言ってくれないと。

なぜならこのシーン。
観客にはどちらがニセモノか
明確にわかるように描かれているんです。

もちろん観客にもどちらが本物かわからない演出であっても
のび太は確信を持って「こっちが本物だ!」と言ってもらいたい。

特に今回の様なニセモノをわかっている状態では
「騙されるのではないか?」「騙されちゃダメだっ!」という
強い気持ちでこのシーンを見守っている訳です。

どちらが悪いドラえもんかなんて決められない。という
一見、のび太の優しさから産まれたと見えるセリフですが
結局、外見(ポケットと鈴)と言葉を失った状態になると
のび太には本物のドラえもんが分からない。という宣言。


これはいけない。


どんなキッカケで確信を持ったら良かったのか
帰路の電車でヨメ氏と検討会を開きましたが

「理由は描かなくても良い」
「むしろ描かない方が良い」


ドラえもんとのび太の瞳のカットバック。
他の登場人物はもちろん観客にもわからない
二人だけが通じ合える「何か」。
それだけで確信を持って本物を言い当てる。

これだけで、むしろこの方が感動的だ。

という結論になりました。

とにもかくにも感動的なシーンであるハズのこの場面が
ボク的には最大の減点ポイントになってしまいました。


そしてジャイアン・スネ夫の「手の平返し」。
いくつかあるのですが映画版ならではの
「手の平返して良い奴」じゃないのも気になりました。

物語終盤。
氷付けの星を救うためのアイテムが
実は地球にも必要なアイテムである事がわかるやいなや
ジャイアン・スネ夫は「返せ」と詰め寄ります。

えぇぇ…(イメージ:松本人志)

ですわ。

彼女にはのっぴきならないアイテム。
一緒に冒険してその事を知っているのですから
手の平返しの前に少しは苦悩してくれ。と。


あと別れ際もあまりウマクありません。

一緒にこの物語で冒険をしてきた異星人との別れ。
アイテムの入手に対する感謝という程度で
割りとサラッとお別れします。

ドラえもん一行の行動、勇気やアイディア、不屈の精神などに感化されて
「自分の星を救う為にワタシたちも頑張る」という流れはないんです。

ある意味当然ではあります。

なぜなら今回の冒険では
そういった関係性は描かれていないんです。

いわゆるジュブナイル物としては
あまりウマク無かったなぁと思います。


見終わったあとヨメ氏は泣いていたのですが
話を聞いてみると別の劇場版にあったあるシーンと
似たような展開になると想像して泣いてしまったとの事。


「アレをやられたらマジ号泣だったわぁ」と。


それは今回の物語でも簡単にできるちょっとした演出なので
今回も臆面なくやるべきだった。とボクは思いました。

ソレを「お涙頂戴であざとい」というのであれば
その演出を入れる事があざといと思わせる
物語の積み上げ不足の方に問題があると思います。


あと評価ポイント。

ラストのラストに望遠鏡を使ったシーンがあるんですが
あれはスゴクオシャレで良かったです。

ただそれも別れのシーンをもっと丁寧に描けていれば
何倍も何十倍も深みのあるシーンになったハズなので
評価ポイントであってもザンネンに感じてしまいます。


やいやいと書いて来ましたが
もちろん何もかもダメという訳ではありません。
前述した通りアイテムをしばる設定や
その事でタイムリープが同じ場所に限定されるなど
なるほど。と思うアイディアはちゃんとあります。

しかしそれらのアイディアの内、
核心に関わるいくつかは前半部分でわかっちゃうんです。
「それはオトナとして観ているからでは?」という
意見もあるかもしれませんが
「わかりやすく描かないと子供にはわからない」という気持ちで
作られたのであれば子供をバカにしていると思います。

実際ピクサーの作品なんかは大人の目線でも
なんら不満を感じることなく、それどころか十二分に
楽しめる作品になっていますよね。(高評価の近作観ていませんが…)

もちろん基本の設定があるドラえもんと
世界観からフリーハンドで作れるピクサー作品を比べるのは
乱暴である事は重々承知です。
しかしドラえもんはもっともっと良い作品になる
可能性があるコンテンツだと思うのです。


最後になりますがボクは最近の劇場版ドラえもんを
沢山みている訳ではありませんので
ココまで書いて来た事が本作特有の問題なのか
シリーズ全般の問題なのかは定かではありません。

ただ、観た大人がついつい

「今回のドラえもんはマジでヤバイ」

なんて言いふらしたくなるような作品を期待したいです。
20170320_02
子供からお年寄りまで幅広い層から支持される国民的人気アニメ「ドラえもん」の劇場版第37作。不思議な腕輪に導かれるように10万年前の世界を訪れたのび太たちが、地球凍結の危機に立ち向かう姿を描く。スタジオジブリ出身で『千と千尋の神隠し』で監督助手を務めた高橋敦史が、劇場版『ドラえもん』では初監督を手がける。


映画のストーリー結末の記載を含むものもあります。
真夏の暑さに耐えかね、のび太たちは南太平洋に浮かぶ巨大な氷山に行き、ひみつ道具・氷細工ごてで遊園地を作ることに。そんな折にふと見つけた氷漬けの腕輪(リング)を調べたところ、10万年前の南極で埋まったものであることがわかる。人が住んでいるはずがない時代に埋まった不思議な腕輪の持ち主を探して南極に向かうと、のび太たちの前に氷の下に眠る巨大都市遺跡が姿を現した。落とし物を届けるため、ひみつ道具・タイムベルトで10万年前に飛ぶのび太たち。そこで出会ったのは、凍りついた自分たちの星を救うために宇宙を旅して腕輪の謎を追っている少女カーラとヒャッコイ博士だった。さらにドラえもんたちは地球が凍結する危機に直面。腕輪をめぐる冒険が始まる。


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作品データ
製作年 2017年
製作国 日本
配給 東宝
上映時間 101分


スタッフ
監督 高橋敦史
演出 高橋敦史
脚本 高橋敦史
原作 藤子・F・不二雄
キャラクター・デザイン 清水洋
音楽 沢田完
主題歌 平井堅


キャスト
ドラえもん 水田わさび
のび太 大原めぐみ
しずか かかずゆみ
ジャイアン 木村昴
スネ夫 関智一
ドラミ 千秋

(c)キネマ旬報社

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