感想文を提出いたします。(別館

観たり聴いたり行ったりしたものの感想をだらだらと。。。

シカーダ(原作・山田玲司/作画・バナーイ)を激しく推す理由

  • January 16, 2018
  • book
20180114_03

マンガの感想はあまり書かないワタクシが
第一巻を読んだ時に珍しく感想を書きました。

その時の感想はコチラ

読み返してみると興奮しすぎて全く感想になっていない訳ですが
先日、第3巻が届きまして速攻読んでみました。

普段書かないマンガの感想なのに
もう一度同じマンガについて書きます。

なぜにワタクシが「シカーダ」を激推しするのかといいますと



できるだけ長く読みたいから!


その一言に尽きます。


1巻発売イベントの様子がニコ生で配信されてて
そこで山田玲司先生が15巻を一つの目標にしたいと
仰っていた記憶があるので最低でも15巻までは連載が続いて欲しい。

近未来の日本、そこは「マンガ」が禁じられた世界。
マンガを取り締まり、燃やす焚書官・レムのくすんだ日常は、
あのマンガを読んだことで一変する
第一巻・裏表紙に書いてあるコピー引用


もちろん内容をしらない状態で読む方がいいんですが
今読んでないって人はしばらく読まないじゃないですか。きっと。
ヘタすると知らないママになる可能性もあるじゃないですか。

連載が終了してしまってから発見されて後々評価されるなどという
ゴッホ的な展開になってしまうと一話でも長く読みたいと思っている
ワタクシが困るのですっ!

なので連載中の今、
一人でも多くの人にこのマンガの存在を知ってもらいたいし
気になったら入手して読んでいただいたいんです。


という事で少しでも知ってもらう為にネタバレします。


150年後のマンガが禁止された世界のお話なんですが
地下では隠れてマンガが読まれているんですね。

どんなマンガがやりとりされているかといいますと

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20180114_05


ワタクシ達がよく知っている あのマンガ や このマンガ が登場するんです。
150年後、ボクらの知っているマンガがどの様に読まれているのか。
主人公は「うる星やつら」を読んで泣いてしまったりするんです。


そしてこの物語で登場する「シカーダ」という存在。
彼らの能力は「マンガを現実化させる事」

20180114_06


ボクらの知っているマンガを現実化させて戦う。

マンガで戦うマンガ。

とても面白そうでしょ。

そうです!
面白いんです!


興味を持った方には
是非に読んでいただきたいっ!


ワタクシ前回の感想で

これってミヒャエル・エンデの
「はてしない物語」じゃないか?


とか書いたんですが感想を書いた時、
ネタバレを避けようとしていたのか
興奮しすぎていたのかわかりませんが
読み返してみると何を言いたいのか全然わからない。(笑

「はてしない物語」って物語の中で主人公が読んでいる「本」が
「今自分が読んでいる本そのものだっ!」って気付かされる
鏡合わせの構造になっているんです。

「うる星やつら」が紙の本として登場する世界なら
その世界には紙の本として「シカーダ」だって存在しているハズなので
今自分が手にして読んでいる書籍「シカーダ」が150年の時を経て
マンガの中に登場し「あっ!自分とこの物語が繋がっているっ!」という
展開があるんじゃないかと妄信していたんですね。(笑

しかもシカーダの能力は「マンガを現実化させる事」ですから
物語内に登場する「シカーダ」は
「シカーダ が マンガ “シカーダ” から現実化させている」
「では最初のシカーダは…」とかとか…

当時は1巻で語られた情報しかなかったので
アレやコレやと妄想していたんですが
あの時のワタクシの妄想力は凄かった(笑


第3巻、巻末。

両先生のエッセイ的見開きマンガが掲載されているんですが
山田玲司先生の方はニコ生の現場から
ネームの世界に深く降りていくような作品。
ゴキゲンな番組から一人新しい物語と向き合う孤独な作業へ。
とても心に染みる作品でした。

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最近、ニコ生では「まどマギ」解説をしていたので
コマの中に まどか が描かれています。

繰り返し読んでいたらこのコマに
ヤンサンのこの場面が脳裏に浮かんでくるようになって

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激しいノイズになっています。(笑


次巻予告では第4巻は初夏発売との事。

第一部、完結。って書いてあるんだけど・・・

ちゃんと第二部あるよね。。。

  • Posted by uzazo
  • Comment(0)
  • 05:31 | Edit

いまさらながら「文庫X」を紹介したい。

  • December 18, 2017
  • book
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読書苦手マンのワタクシがその存在を知っていたので
読書好きの方からすれば「何をいまさら…」だと思うのですが
ひょんな事から読み始め 読書苦手マン が
可能な限り用事を後回しにして一気読みしてしまった本を
さらに用事を後回しにして紹介したいと思います。

「文庫X」をご存じでしょうか。

地方のある書店員さんが「先入観無しで読んで欲しい」と
タイトル、著者名、出版元などの情報を隠すために

「〜それでも僕は、この本をあなたに読んで欲しいのです。〜」

と自身の熱い想いをギッシリと書き込んだカバーをかけ
販売したのをキッカケにその手法が
全国に展開され破格の売上を記録したのが「文庫X」。

オリジナリティのある販売方法が話題になり
朝の情報番組などでも取り上げられていた気がするので
知っている人も多いかもしれません。

現在は「文庫X」の正体(書籍名)も大々的に発表されているので
販売されているのは「文庫X」の再現版カバーがかけられていて
タイトルも著者名も印刷されている。(上の写真)

それでも是非事前情報を極力知らない状態で
読んで驚愕して欲しいと思ってしまいます。


で感想を書いて行きますが後半に行く程に
ネタバレ要素が強くなるので
もし興味を持った方がいたらその時点で
ボクの感想を読むのを止めてこの本を読んで欲しいです。

文庫X


この本の感想にこの言葉は不適切であるのを重々承知で書きます。

とにかく面白い

少し内容に触れていきますが

主人公の事件記者が事件の真相究明に奔走するサスペンスミステリー。

こういった物語が面白くなる要素っていくつもあると思います。

・真相を解き明かしていく過程
・主人公自身が驚いてしまう程の衝撃の展開
・真相を闇に葬ろうとする対抗組織
・孤立無援の戦いを続ける主人公
・読者の想像の遙か上をいく真実


まぁサスペンスミステリーを傑作に導く要素は
きっともっといろいろあるんだと思いますが
上記は「文庫X」でボクが面白いと感じた要素の一部を抽出したものです。

とにかく何度も起こる衝撃の展開に度肝を抜かれ
物語の行く末に手に汗を握り
終始ハラハラさせられつづけられる事になります。



さらに内容に触れます。


主人公である事件記者はTV局の企画として
未解決事件の調査報道を始める事になる。

主人公が題材として選んだ一つの事件。

調べていくうちに類似事件が
密集した地域で起こっている事に気がつく。

刑事ドラマなどでよく見られる
地図にピンを打っていくアレです。

主人公はピンを打った地図を見てある仮説にたどり着く。

「これはそれぞれ別の事件ではなく
 連続した一つの事件なのではないか?」

しかしその仮説が成り立たない要素が一つあった。
連続していると思えるこれらの事件の一つは
既に犯人が逮捕され刑が確定していた。



主人公が調査報道の題材に選んだのは幼女誘拐殺人事件。
半径10Kmほどの円の中で5人の少女が誘拐され
4人は殺害されてしまっている。

こんな偶然があるのだろうか。。。

しかも一件の事件で犯人が逮捕されている事で
他の事件が「解決済み」とされていたら・・・

この大きな疑問に立ち向かう主人公記者。

真実を闇に葬りさろうとするがごとく立ちはだかる者がいる中で
孤立無援で自身の仮説を信じ真実を解き明かそうとする。

どうしたって感情移入せざるおえない展開が
繰り広げられていくんです。




随分とあらすじに触れてしまいましたが
この程度のあらすじでこの作品の
面白さは目減りする事はありません。


さらに踏み込みます。


この「文庫X」として隠されていたタイトルは

「殺人犯はそこにいる」

つまり主人公である記者は真実を知ることになります。


おいっネタバレっ!


という声が聞こえてきそうですが書籍のタイトルですし
ボクのもっている本ではタイトル明かされてますので…

興味を持った方は是非読んでください。
絶対読んで損はしないハズです。




最後にもう一歩踏み込みます。





この物語は事実です。




主人公である事件記者は著者である清水潔さん。
この本のサブタイトルは

「隠蔽された北関東連続幼女殺人事件」

なんでこんな回りくどい感想を書いたのか。

過疎ブログに書いた所で影響なんて無いのはわかっていますが
「文庫X」の誕生のキッカケになった書店員さんと同じく
先入観なく多くの人にこの本を読んで欲しいと思ったからです。


ここまでこの感想を読んでくれた人からすれば
「全部ネタバレしてるじゃねぇか」と思われるかもしれませんが
ここで書いた事はこの本の冒頭で明かされている事ですので
本書「殺人犯はそこにいる」の価値は全く目減りする事はありません。

実在の事件を扱ったドキュメンタリーであれば
その真偽についても疑いの気持ちが芽生えるかもしれません。
ボク自身、著者である 清水潔さん の他の作品を読んでいません。

ただこの話の根幹には一つのとてつもなく大きな揺るがない事実があります。

もしかしたら上記のサブタイトルでピンとこない人もいるかもしれませんが
本作の中心に据えられている「とてつもなく大きな事実」は
無期懲役の判決が冤罪であった事が証明された「足利事件」。

無期懲役の判決が下っていた菅家さんの冤罪が確定した事は
沢山報道されていたのでご存じの方も多いと思います。
自白(後に否認)とDNA“型”鑑定が証拠となっていた事件が
長い時を経てDNAの再鑑定が実現し冤罪が証明された事件。

もちろんボクも知っていました。

と、同時にある番組で断片的に知っていた情報があります。
それは本書でも触れられている調査報道番組。
この番組は何度かにわたり放送されていたので
ボク自身は全てを見ていた訳ではありません。

ただ「とんでもない事が起きている」とは思っていました。

とても重要な事。

「菅家さんの冤罪確定」は
清水潔さんの調査報道の後。

菅家さんの無罪を勝ち取る為に
沢山の方が動かれていたと思いますが
清水潔さんの孤軍奮闘の調査の影響は決して小さくない。

この感想の冒頭で「不適切であるのは承知」として
「とにかく面白い。」と書きました。

10kmの円の中で5人の少女が誘拐され
4人が殺害され1人は行方不明。

とんでもない事です。
「面白い」なんて不謹慎きわまりない。

しかし本書で書かれている内容は
読者であるボクの想像を遙かに超える内容。

菅家さんの周りで何が起きていたのか、
冤罪が確定してもなおも残る大きな問題。
そこにある真実。

その闇に手に汗を握り、怒りに震え、胸が熱くなる。
この素晴らしい物語を、真実を
とにかく一人でも多くの人に知って欲しい。

そんな気持ちが芽生える1冊でした。


冤罪が確定したという事は真犯人がいる。という事。
真犯人は逮捕されていないし捜査が進んでいる気配もない。

こういう書き方をすると
ネタバレになってしまうかもしれないがあえて書いておきます。
是非本書のタイトルを思い出して欲しい。


殺人犯はそこにいる



最後にカバーに書かれた書店員さんの熱い想いを紹介します。

申し訳ありません。僕はこの本を、どう勧めたらいいか分かりませんでした。どうやったら「面白い」「魅力的だ」と思ってもらえるのか、思いつきませんでした。
だからこうして、タイトルを隠して売る事に決めました。
この本を読んで心が動かされない人はいない、と固く信じています。
500Pを超える本です。怯む気持ちは分かります。
小説ではありません。小説以外の本を買う習慣がない方にはそれだけでもハードルが高いかもしれません。
それでも僕は、この本をあなたに読んで欲しいのです。
これまで僕は3000冊以上の本を読んできました。その中でもこの本は、少しでも多くの人に読んで欲しいと心の底から思える一冊です。
この著者の生き様に、あなたは度肝を抜かれ、そして感動させられることでしょう。こんなことができる人間がいるのかと、心が熱くなる事でしょう。
僕らが生きるこの社会の不条理さに、あなたは憤るでしょう。知らないでは済まされない現実が、この作品では描かれます。あなたの常識は激しく揺さぶられることでしょう。
あなたもこの作品と出会って欲しい。そう切に願います。
ここまで読んでくれた方。それだけで感謝に値します。本当にありがとうございます。

さわや書店 フェザン店
文責:長江(文庫担当)


  • Posted by uzazo
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  • 21:05 | Edit

BLUE GIANT/石塚真一

  • March 28, 2017
  • book
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BLUE GIANT/石塚真一

内容にも触れた感想になるので未読の方はご注意を。



大好きだった「BLUE GIANT」というマンガが単行本10巻を持って完結した。
その衝撃的な展開に脊髄反射してしまいつい別所で暴言を吐いてしまった。

いやはや反省。

万万が一運悪くワタクシの暴言を見てしまった方がいたら
好きなマンガ故の脊髄反射暴言であったのでお許しいただきたい。

衝撃的展開に「みんな怒っているだろう」と
他の方の感想を検索してみたら誰も怒ってない。
というか感動のコメントに溢れていて
脊髄反射で暴言を吐いた事を激しく後悔した。
(暴言は削除済みでございます。)


個人的な考えなのですが批判的な感想の時ほど
他の人の感動に水を差さない様に場所を選ぶべきで
書くならば半強制的にソートされるSNSではなくBlogだろうし
しっかり理由を書いておくのが礼儀のような気がします。

そして暴言を吐いてしまったボクなりの理由がある。

という事で感想を書き残しておきます。


ザックリとしたあらすじ。
中学生の卒業記念に友人に連れて行かれたライブで
JAZZに魅せられサックスを吹き始めた主人公のサクセスストーリー。


このマンガの存在は割りと前から知っていたのですが
読み始めたのは著者の石塚真一氏が上原ひろみさんと対談した
NHKの番組を見たのを期に後追いでコミックスを読み始めました。

JAZZという音楽をテーマに
臨場感のある作画で主人公の成長を描いていく
大変楽しいマンガとして読んでいました。

こういう書き方をすると反論もありそうですが
作画や扱っているテーマ、雰囲気はシリアスでありながら
展開はベタな少年マンガ的。「努力・根性・気合い」で
諸問題を乗り越え成長を繰り返して行きます。
(ちなみに「努力・根性・気合い」は上原ひろみさんの座右の銘でもあります。)

上記の書き方はちょっと揶揄した書き方にもとられそうですが
決してそんな事はなく用意された障壁を乗り越えていく展開には
爽快感がありますしボクは大好きで毎回新刊を心待ちにしていました。


ただちょっとしたヤダ味も感じていたんです。


前述の通り「リアルな葛藤」という雰囲気で描かれているのですが
ベタな少年マンガ展開ですから当然結構なご都合主義なんですね。

そのバランスが人気を得ている部分なのかもしれませんが
ボクの感想としては作者の意図が透けて見えるというか、
ちょっとイヤだな。と思う部分が結構あったんです。

この物語の主人公は「選ばれし者」です。

あり得ない程の練習をしますが
主人公に克服しがたい弱点はありません。
克服しがたい弱点を個性に変換するような仕掛けがない所か
「努力・根性・気合い」だけで多くの人に
あり得ない程の感動を与える演奏をする才能を持っています。

そして絶妙なタイミングで必要な人と
「ひょんな事をキッカケ」に出会い協力を得ます。
主人公と明確に対立する存在はあまり現れません。
表現はアレですが「敵」という意味では全く現れません。

さらには単行本で読んでいると
巻末にその巻に登場した人物の回想インタビューが
「Bonus Track」というオマケで描かれている。
この「Bonus Track」がなければ何らかの理由で
主人公の夢が叶わない結末もありえると思うのですが
回想インタビューがある事で余程の叙述トリックがない限り
主人公は世界的なサックスプレーヤーになるという
とてつもない大きな夢の成功が約束されています。無敵状態。


もちろん創作された物語である以上
全てが用意された出来事です。
ご都合主義の展開でもいいと思います。

でも描かれている世界で許容出来る事って
限界があると思うんです。
納得感というか説得力というか…

この作品は「リアルな葛藤」という雰囲気にコーティングされている事で
感動の為に用意された展開のヤダ味が強調されてしまう。

例えばボクがこのマンガで最初にイヤだなと明確に思ったエピソード。

主人公が初めて作曲するキッカケは
懇意にしていた犬がひき逃げされて死ぬという出来事です。
受け止め方は人それぞれだと思います。

これはもちろんボク個人の受け止め方なんですが
ベタな少年マンガ的ご都合主義が繰り返される中で
こういった展開が出てくると
「主人公の成長の為に犬が殺された」と感じてしまう。

実は「BLUE GIANT」ってほぼ全ての出来事が
そういう構造で作られているんです。


主人公に降りかかる数々の困難の解決は
他者に起こる不運によってキッカケがもたらされ
他者の不幸を踏み台にして主人公は成長します。


別にそれでもいいんですね。

主人公の成長・成功にライドしている訳ですから
読んでいて「気持ちいい展開」ならいいんです。
ただ描いている内容に対して悲劇の許容量というのはあって
「犬がひき逃げされる」というエピソードは
ボク的にはイヤだなと感じてしまい許容量を超えていた。

物語が持つ悲劇の許容量ってうまく説明できないんですが
例えば「けいおん!」の中で誰かの死がキッカケになって
放課後ティータイム の成長が描かれたらみんな怒るでしょ。
用意されたぬるま湯に気持ち良く浸かっている所に
氷水ぶっかけられるみたいなものですから。

逆に「BECK」で誰かが死んでも別に怒らない。
「BECK」は全部読んでいませんが
銃弾が撃ち込まれたギターがウンヌンで
怖い人に追いかけられる世界観ですから。

では「坂道のアポロン」で誰かが死んだら。

ボクは怒りません。

もちろんどんな風に描かれるのかにもよりますが
そこにはリアルな人間が描かれているので
現実の残酷性を感じて感動すると思います。


じゃ「BLUE GIANT」はというと。

めっちゃ怒られそうですがどれかに例えるなら
「けいおん!」が一番近いんじゃないかと思うんです。

ちょっと熱めの湯に「おぉアチチチッ」と浸かっているみたいな。
そこにさらに熱い湯が注がれて「おっアチッ」と気持ちよく浸かっている。
この風呂に「犬がひき逃げされて死ぬ」は熱すぎて気持ち良くない。


さて、最終巻である10巻で描かれたエピソード。

ゴボゴボっと沸騰した湯を頭からぶっかけられ

てめぇわざとだろっ!!

と、ボクは怒ってしまった訳です。

主人公の成長の為だけに描かれてきた物語が
物語中盤からの展開で主人公「達」になったのですが
結局その「達」の部分すら
「主人公の成長の為だけに用意されてきた他者」であり
「他者の不幸」を踏み台にして主人公が成長する。

主人公の成長の為だけに描く不幸としては
描いている物語の許容量を遙かに超えてしまっていている。
「感動するでしょ」という作者の意図が見えてしまって
ボクは「こんなんで感動するわけねぇだろっ!」と。

またその展開をさらに感じ悪くしている要因に
衝撃的な展開になる直前のシーンで言い訳的に
逃げ場を用意したセリフを言わせているんですね。

別の巻の「Bonus Track」では別の人を通して
その後の顛末を言わせているのも逃げ腰というか…


作者が不誠実とは思いません。

もしろ誠実が故に登場人物を突き放せない事で
主人公自身は決定的なダメージを受けなかったり、
衝撃的な展開の直前に逃げ場を用意するような
セリフを言わせたりしてしまう。
結果、背後にいる作者が透けて見えてしまい
ご都合主義に拍車が掛かって見えるのでは。と。


10巻の顛末に対して主人公が

「オレは汚い奴だ。」

というくだりがありますが
あれって主人公の為だけに展開された物語に対して
負い目を感じている作者さん自身の吐露のように見えます。


ネタバレですが
「BLUE GIANT が10巻で完結」と書きましたが
「BLUE GIANT SUPREME」という続編が
既に発売され物語は続いております。

そしてボクは2冊を続けて読みました。

「BLUE GIANT SUPREME」の展開が
これまでにも輪を掛けて御都合主義の連続。

遡って10巻の展開に怒りが増し増しになってしまいました。


念の為に書いておきますがボクは「BLUE GIANT」好きなんですよ。
この感想を書く前にもう一度最初から読み返してみましたが楽しく読みました。
ただ前から引っかかっていたヤダ味の部分は引っかかってしまったし
読み返しても10巻の展開は物語の許容量を超えて不快に感じる。


冒頭にも書きましたがボクとは真逆の感想を持つ人もいると思います。
そちらの方が多いかもしれませんからウッカリこの感想を読んでしまって
不快になった人がいたらお詫びします。スミマセン。

ただ批判的な感想であっても脊髄反射の暴言よりは
ちゃんと「そう感じた理由」を書いておけば

「そういう見方もあるのね」とか
「こいつ全然わかってねぇな」とか
「コイツ完全に勘違いしてるわ」など

思えると思いますので素直な感想として書き残しておきます。

「BLUE GIANT SUPREME」に物語は続いていますので
最後まで読んだ時に考えが変わったり、より怒り狂った時には
改めて感想を書きたいと思います。


  • Posted by uzazo
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シカーダ/原作・山田玲司 作画・バナーイ

  • February 15, 2017
  • book
20170215_01


amazonさんから着弾し早速読んだ漫画「シカーダ」

現在連載中の作品ですがボクはコミック待ちだったので
試し読みできる1話以降の展開をまだかまだかと待ちわびていた。

近未来の日本、そこは「マンガ」が禁じられた世界。
マンガを取り締まり、燃やす焚書官・レムのくすんだ日常は、
あのマンガを読んだことで一変する
裏表紙に書いてあるコピー引用


この漫画の何がスゴイかって作中に
アノ漫画やコノ漫画が登場するんですよ。
そしてボクらが知っている数々の漫画達が
物語の核心に据えられているという驚きの設定。

ネタバレは避けたいので(帯に書いてあるけど…)
興味のある方は 第1話試し読み へ 


待ちわびた「シカーダ」第一集。
繰り返し読んだ漫画はいろいろあれど
初回に読む段でこんなに丁寧に時間をかけて
ジックリと読んだのは初めてかもしれない。

というのも先日ニコ生で岡田斗司夫氏が
第一集に描かれている内容から独自の分析・推察をして

どうだ山田玲司っ!
図星だろっ!


とプロレスを仕掛けたのだ。

当然これは盛り上げるための
アオリ文句であるわけだけれど

「この漫画は邪推しながら読むとより一層面白い」

というのはとても納得がいった。

あたりまえだけれど初めて読むSFストーリーは
読みすすめるたびに物語の新しい情報が明かされる。
「次はどうなるのか?」という疑問を常に抱きながら
読み進めると面白さは2倍3倍になる。

例えば第一集の最後に明かされる設定を知り
読み返すと第一話冒頭のコマにキッチリと
その設定が描かれてる事を発見したりする。

独自の世界観・設定を持った「シカーダ」の物語は
「邪推」し注意深く読む事でより多く楽しむ事ができた。

そして期待を膨らませ続けて待ちわびた第一集は
パンパンに膨れあがった期待を大きく上回る面白さだった。


さて困った事にすでに第二集を待ちわびる状況となった。

仕方ないので第一集を繰り返し読み
アレコレこの先の展開を妄想してみる事に。

まだ明かされていない部分にどんな設定があるのか。
物語がどのように展開するのか。

そしてなによりこの作品の特徴である

この後どんな漫画が登場するのか。

これは非常に楽しい妄想。


そんな妄想・邪推の行き着いた先。


これってミヒャエル・エンデの
「はてしない物語」じゃないか?



映画「ネバーエンディング・ストーリー」でおなじみですが
本の「はてしない物語」と映画では決定的な違いがある。

「はてしない物語」は「読み手」が「物語」に関与する話ですが
本では物語のレイヤー毎に違う色の文字で印刷されている。
「物語内物語」と「その物語を読む主人公」。
そして主人公が読んでいる本は「今まさに自分が読んでいる本」。
という鏡合わせの構造。

これは読書という行為自体と対になっっているので
映画では決して体験できない驚きの構造なんです。


「シカーダ」第一集のネタバレは避けたいので遠回しに書きますが

この後どんな漫画が登場してどう物語に絡むのかな?
シカーダという存在の持つ能力ってどこから来たのかな?etc...

などという疑問から始まり

「うる星やつら」が紙の本として登場する世界なら
それより後に発売された「シカーダ」だって当然あるハズ。


つまりシカーダという存在そのものが
今ボクの手元にある漫画「シカーダ」から
来ているのではないか?

そしてココには読者としてのボクが存在する。

そして「燃えかけている第一集の装丁」。

と、いう事で「はてしない物語」の構造なんじゃないか。
という妄想になった訳です。


どうだ山田玲司っ!
図星だろっ!


とボクも邪推プロレスを仕掛けて
初夏に発売されるという第二集を心待ちにします。


【 追記 】
岡田斗司夫さんの「シカーダ」解説は 2:40 から


  • Posted by uzazo
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深爪式 声に出して読めない53の話/深爪

  • December 27, 2016
  • book
読書苦手マンのワタクシ。
弾みがついてもう一冊読んでみました。
「深爪式 声に出して読めない53の話」


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いきなり話がそれますが本のカバーってあるじゃないですか。

あれって本来、本自体を保護するために付いているんだと思うんですが
装丁が凝っている事もあって今はカバーも含めて本になっていますよね。

ボクは本を読むときにはカバーを外して読んで
読み終えた後でカバーを戻しています。

読んでいる時にうっかり落として表紙に折り目が付いたり
手汗とか手油で汚れたりしても読み終わって本棚に戻すと
見た目新品みたいで気分がいい。

まぁ本末転倒ではあるんですがね。

そんな訳で本屋さんで購入するときに
「カバーおかけしますか?」と聞かれても
「いやいいです。」と言っているんですが今回は

「いやっいいで…やっぱかけてくださいっ!」

とお願いしました。

カバーを外した状態がどうなっているのか
確認していなかったので。

ポップでカワイイカバーですが
もしやしたらカバーを外したらとっても卑猥な
装丁なのではないかっと不安がよぎったんです。

家にかえって確認してみたら
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これならお外で読んでも安心ですね。

アルファツイッタラー・深爪さんの「深爪式」

大変面白かったです。
何度か声を出して笑ってしまいました。

ボク自身は Twitter のスピード感についていけず
知り合いのフォロワーさんへの生存報告のように
ブログの更新を通知するぐらいです。

そんなボクがどのような経緯で知ったのか
記憶定かではないのですが
深爪さんのツイートが好きでフォローしています。

もちろん面白いというのは当然なのですが
下ネタも多い深爪視点の切り口に笑いつつも
「ほほぉう、なるほどっ」と感心させられる事もしばしば。

さらに恐ろしいのは140文字という制限のあるツイートで
時折、新しい考え方をインストールされる時がある事。


本書には登場していないけど大好きなツイートを引用。


このツイートがなんで好きなのか説明しようもんなら
「このトンチンカンっ やめろやめろいっ」と
怒られそうなのでやめておきますが、スゴイよね。


その深爪さんの本なら読まねばなるまいと
昨日いそいそと本屋に立ち寄って購入。

あまりの面白さに一気に読んでしまいました。

そして声を出して爆笑しながらも
新しい考え方のインストールが何個もある。

大好きな部分が何カ所もあるんですが一つ紹介すると

価値観の違う人間と対峙する事について
「好きならば相手のウンコが食べられるはずだ。食えないのなら、それは本物の愛ではない」と主張されてムキになって反論する人は少ないと思う。それはスカトロマニアを別次元の人間と割り切っているからだ。
 私は価値観の違う人間に批判されたときにはいつも「この人はウンコを食うタイプの人なんだ」と思うようにしている。すると「ウンコを食う人なら仕方ないか」とみるみるうちに怒りが消えていくのだ。
深爪式 声に出して読めない53の話より


「価値観の対立」について書かれているのだけれど
下ネタに昇華 されている事で笑ってしまう。

笑ってしまったという事は小難しい理屈を飛び越して
すでにその思考がインストールされている。

そして実践的でもある。


腑に落ちるとはまさにこういう時に使う言葉なんだろうなぁ。

「すばらしきかな玉袋」のようなただただ爆笑する節もあれば
前述のように笑いながらも核心を突くような言葉が飛び出てくる。

最終章の「深爪な家族」ではグッとくる。

これはズルイ。


興味のある方は是非にご一読を。


そういえば読み終えたのでカバーを戻したのですが
このポップなカバーに惹かれてヨメ氏の目に止まるのをさけるべく
本屋でかけてもらったカバーを掛けて本棚収めようと思います。


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