ふとしたときにフィールドで出会った女性を思い出すときがある。

何百人に声をかけて、何十人とアポをして、 そのうちの何割かとゴールしてきた。 全員の名前を憶えているわけではない。ただ、 ゴールの結果にかかわらず、 彼女たちとの会話のなかで出てきた映画や音楽に触れたときに記憶がよみがえる。

そして俺は考える。

彼女たちはなぜ俺についてきてくれたのだろう。

逆の立場になって考えてみる。

俺が道を歩いていて(あるいは友人とバーで飲んでいて) いきなり知らないひとに声をかけられたら、ついていくだろうか?

答えはNOだ。絶対にNOだ。 相手が男女を問わず絶対についていかないし、 ましてや二人きりで飲んだりはしない。

ただでご飯が食べられるから?ただでお酒が飲めるから?

俺ならそんな理由ではいかない。また、 結果的に俺が支払うことが多いが、 俺はアポをとる段階では決して「ご馳走するから会おうよ」 などとはいわない(プレイヤーは媚びないのだ)。 このため彼女たちの目的がタダ飯やタダ酒とは考えにくい。

ある女性にいわれた。

「ナンパできるなんてかっこいい。 わたしがオトコなら絶対にナンパする」

この言葉を聞いたとき、俺はしびれた。口では「 ナンパじゃないよ、出会いに積極的なだけ」といったが、 彼女の言葉にひかれた。

その言葉を全て信じるわけではないが、 彼女にはワンナイトの経験はないとのことだった。 職場で知り合ったオトコとつきあっていたが、 一か月で別れたと教えてくれた。 その彼氏とはゴールしなかったらしい。

「なぜ?」と俺は聞いた。

「なんとなくそういう気持ちにならなかった」と彼女はいった。

結果的に俺は彼女とゴールした。

声をかけてから一緒に過ごした合計時間はアポを含めて3時間くら いだろうか。一か月つきあってもゴールできないこともあれば、 つきあってもいないオトコと数時間でゴールすることもある。 彼女に理由を聞けば「なんとなく」といったことだろう。

「なんとなく」

この言葉に翻弄されるオトコがどれだけいることだろう。 俺もその中の一人だ。

女性が「なんとなく」というとき、その言葉にウソはないと思う。 本当に「なんとなく」としか思っていないのだろう。 自分でも理解できていないのだ。なぜ自分が「なんとなく」 連絡先を交換したのか・・・なぜ自分が「なんとなく」 ホテルに行ったのか。 そこには言語化できない感情があるのだろう。 それをあえて言葉にしようとすると「なんとなく」になるのだ。

俺はフィールドワークを通じて「なんとなく」 にはグラデーションがあることを知っている。 完全にNOを意味する真っ黒な「なんとなくナンバー1」から、 ゴールした後にベッドのなかで聞く真っ白な「 なんとなくナンバー100」へのグラデーションだ。

「なんとなく」が黒しかなければ、 イケメンでもなければ若くもない俺のようなプレイヤーにはチャン スがない。しかし、グラデーションがあることで、 とっかかりからゴールへつなげることができる。女性の「なんとなく」 を俺のトークや仕草で濃いグレーから薄いグレーへと移すことができるのだ。

彼女たちはオトコの服装をみて「なんとなく」 の段階を8ポイント下げたり、 自信ある態度に接して11ポイント上げたりする。 そしてあるポイント(しきい値)を超えたときに女性は「女の顔」 を見せるのだ。

俺と過ごした時間を通じて、女性の気持ちはずっと「なんとなく」 なのだろう。ただ、それでも俺に心と体を開いてくれる。それは、 俺が積んできた経験や先人達が築いてきた技術のおかげで「なんとなく」のポイントを変えることができるからなのだと思う。

「なんとなく」の「しきい値」については、 考慮しなくてはならない重要な点がある。それは、 同じ女性でも日によって、 あるいは同じ日の中でも変動するということだ。

オトコには性欲がある。これは周知のことだ。そして、 オトコの性欲は基本的に物理的なものだ。いってしまえば「 発射したい」という一点に集約される。 さらにいえば常に発情しているような状況だ。 良くも悪くも一定している。固定相場制だ。

女性にもオトコと同じか、 場合によってはオトコ以上に性欲がある。ただ、種類が違う。 女性の性欲はより精神的なもので、 かつ波があるのではないかと思う。 低くなる時もあれば高くなるときもある。 月経で波があることはよく知られている。 さらには一日のなかでも波があるのではないかと俺は思っている。 変動相場制だ。 
 
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女性の性欲には波があって、それが「しきい値」 を大きく左右する。平日の昼間で仕事をしているときは「 しきい値」は高くなるだろう( その状況がいいという女性もいるとは思うが)。その一方で、 リラックスしてお酒を飲んでいるときは「しきい値」 は低くなるだろう。

変動相場制の女性の性欲にあわせてオトコはプレイしなくてはなら ない。あるいは、 プレイ環境を整えるところで勝負は決まっているのかもしれない。

最初の入口(恋愛工学でいうところのAフェーズ) がクリアできていれば、あとはこの「なんとなく」 との戦いなので、基本的にゴールできると俺は考えている。 ロマンチックな雰囲気、洗練された言葉、自信のある態度・・・ アポでこれらを表現できれば、そして、「波」 を適切にとらえることができれば、必ずゴールできるはずだ。

・・・ただ、実際にはそうはうまくいかないときもある。 何かがかみ合わないのだ。

我々は経験を積み、オトコを磨き続ければ、 100発100中になる日がくるのだろうか?

その答えは俺にはわからない。誰にもわからないだろう。 できることは、ただ挑戦し続けることだけだ。

そして、俺のフィールドワークは続く。