2017年11月21日

総理の夫

作:原田マハ

日本初の女性総理大臣の夫となってしまった鳥類学者の物語り。
期せずして特別な立場に立たされてしまった人間の目を通して政治、夫婦、人生というモノを見つめていく。

珍しく男性を主人公に据えているが、いささか頼りなげながら一本通った筋が最終的に周りの人々を救って行く様は気持ちいい。

別の作品でも政治がらみの内容が語られていたが、よりダイレクトに作家が政治家に求める条件みたいなものがありあり描かれている。

解説が色々お騒がせの日本のファーストレディ、昭江夫人である。
果たして彼女の夫はこの作品を読んでどう思ったのでしょうか。
  
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2017年10月28日

旅屋おかえり

作:原田マハ

元アイドルの売れないタレントが唯一のレギュラーである旅番組が打ち切りされ、途方にくれているところに起こったとあるハプニングをきっかけに旅代行(諸々の事情により旅に行けない人の代わりに旅をする)ビジネスをスタートさせる。

長年苦楽を共にした番組スタッフに助けられ、旅先で出会う人々に励まされながら人生と向き合っていく。

人生を旅になぞらえるというのはありきたりに過ぎるけれど、そこに敢えて挑み、陳腐さを感じさせずに最後まで読みきらせるところはさすが。

主人公に限らず、登場するキャラクターが一々魅力的で愛らしく、気持ちよく物語りに引き込まれていけた。
  
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2017年10月27日

きんぎょ

3c9ae04d.jpg米の収穫後、鉢の水替えを慣行。
夏場のボウフラ対策で飼っているリュウキン2匹もほのぼのと。
  
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2017年09月24日

シートン探偵記

作:柳 広司

ご存知「シートン動物記」の作者であるシートン博士に取材に訪れた記者が、動物達の行動をきっかけとして解決した数々の事件の話しを聞いていく。

いわゆる推理小説ではあるのだが、「ジョーカーゲーム」を始めD機関の活躍を描いた複数の作品なんかと比べると随分軽いタッチだ。

シートンをホームズに、記者をワトソン役に配して「名探偵ホームズ」的な謎かけと種明かしが繰り返される。

シートンを主人公にしてホームズやってやろう。という発想はどこから湧いて出たものか。
シートンもコナン・ドイルも亡くなって久しいが、こうやって彼らの「新作」を手にする事ができるのは、芸術家の遺伝子がその作品によって受け継がれることの証明でしょう。
  
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2017年09月11日

キネマの神様

作:原田マハ

10年前の作品です。
今まで素通りしていて申し訳ありませんでした。

40手前で退職した主人公の女性と、ギャンブル依存性の父。
二人を繋いだのは「映画」と「映画の神様」だった。

そして映画の神様は二人に関わる人々をも抱き込んで大きなうねりを生み出していく。

物語りの作りは以前紹介した「本日は、お日柄もよく」と似たところがあるが、許容範囲内。
作中で随所に語られる映画や映画館、それを生み出した人間への愛情が紡ぎだす感動は、そんな些末な事を吹き飛ばして余りある。
  
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2017年08月30日

極卵

作:仙川 環

吉祥寺の自然食品店で販売された高級卵が原因で大規模な食中毒事件が発生する。

雑誌記者、販売員、被害者、そして生産者。
関わった人々の立場や感情、思惑を通してその原因を暴いて行く、というサスペンス作品。

全体としては遺伝子組み換えとか利益至上主義とかに警鐘を鳴らしてみようという感じ。
ひたむきな生産者がいて、歪んだ正義を振りかざす消費者団体や企業の技術者やマスコミがいて、それぞれの思惑により傷つく人がいる。

人間ドラマを描いたサスペンスだと思えば間違いないか。
  
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2017年08月08日

にじいろガーデン

作:小川 糸

ちょっと不思議な運命によって繋ぎ止められた一つの家族の物語り。

二人の母、それぞれの息子と娘の4人で片田舎での生活を、家族を構成する4人の主観で計4章で綴っている。

登場人物がそれぞれ魅力的で、いささか浮世離れした感は否めないものの、温かい気持ちで読み進められる。

で、あるが故にラストに発生する事件には疑問を感じてしまいました。
  
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2017年07月30日

政と源

作:三浦 しをん

東京の下町を舞台に、幼なじみの二人の老人が活躍する人情もの。

家庭を顧みずに仕事に打ち込み、定年を迎える頃には妻と娘に愛想をつかされた主人公の老人。
一方の幼なじみは昔気質の職人で、こちらは妻に先立たれ独り身である事は違いないが、彼を慕うヤンチャな弟子とそれなりに陽気な生活を送っている。

その二人の腐れ縁を、微笑ましく温かにちょっぴり切なく、最終的には爽やかに描き出している。

NHKの夜ドラマとかに良さそう。
  
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2017年07月14日

はす

58640b98.jpg花が咲くまで気付かなかった。
つぼみは水の中でちゃんと膨らんでいたらしい。
  
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2017年07月06日

バッタを倒しにアフリカへ

著:前野ウルド浩太郎

一人の昆虫学者が海を渡り、はるかアフリカ大陸西部に位置するモーリタニアで「神の罰」サバクトビバッタに戦いを挑む自叙伝。

普段手にすることのないジャンルの読み物だが、タイトルと表紙に惹かれて衝動買いした。

昆虫学者である前野氏は、昆虫学者として生計を立てる難しさに直面する。
何とかひとかどの学者として認められ、一定の収入を得る為に、その生態に謎を多く残すサバクトビバッタを研究しようと単身モーリタニアへ赴く。
言葉や文化の壁、砂漠という圧倒的な自然を相手にするフィールドワークに苦労はありながらも、基本的にナイスガイな現地スタッフと心を通わせ、異国の地に礎を築いて行く。
そんな彼の努力に現地スタッフだけではなく日本の出版社等、各方面からサポートが寄せられる。

ただ昆虫学者として一旗上げることだけを目指していたのではそうはならないだろう。
サバクトビバッタという猛烈な災害に苦しむ人々を救いたい。
彼が研究に励む根底に、そんな真摯な想いが流れているのが関わった人それぞれに伝わっていく。

手柄自慢でも苦労アピールでもなく、方々へ脱線しながらライトな語り口で生き生きと語られる砂漠生活は飽きを感じさせず爽快だ。
  
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