「語り継ぐ戦争と平和資料展」を開催
元特攻隊員の花道さん「資料展」に
終戦から75年、8月15日に日高町平和を願う9条の会は、「語り継ぐ戦争と平和資料展」を開催しました。
その会場に、特攻隊員であることを30年間、親にも家族にも話したことはなかった花道柳太郎さんが車いすで見えられ、当時の数々の歴史を突き付ける資料の前で、見学の人たちと写真撮影ができました。
花道さんは、航法士として飛行第62戦隊に配属され、重爆撃機が特攻機として使われた「さくら弾機」に搭乗し、何度も出撃での命の危機がありましたが、偶然と上官の対応もあって命拾いをしたと言います。
閉ざされた花道さんに「本当のことを言うてなかったら・・歴史から消されてしまう」と林えいだいさん(記録作家)の話から「特攻隊の話をできる限り伝えよう」と資料の保管・収集も行い、講演も行ってきた歴史の証言の数々が展示会場に並びました。
「戦争の悲惨さを次世代に」
昨年6月「戦争の実体験を聞くつどい」を開催しましたが、実体験を話してもらえる人が極端に少なくなってきおり、昨年12月「戦争の悲惨さを次世代に語り継ごう」と「アピール」を発表しました。
「終戦時10歳だった子どもが85歳になるという今、戦争の悲惨さを次世代に伝えることは、待ったなしの状況に置かれている」「私たちは『体験者』として、また親や祖父母から伝え聞いた『語り部』として『戦争』を語り継ぎ、負の遺産として後世に伝え残していかなければなりません」「町内外の各家庭などに置かれている戦争や戦時に関する遺品や手紙、写真などがどれだけ残されているかを調査し、「発掘」する作業を始めなければならないと考えています」とアピールを発表し、調査を進め展示会開催に至りました。
調査は様々な困難さがありました。戦争体験者は故人となっていたり、家のリホームの際に「処分」されていたりで、75年の歳月・経過は「遺品」の探し出しに困難さを加えました。しかし、多くの皆さんの協力で沢山の「遺品」が集約されてきました。
戦死者に対する天皇からの賞状・勲章、「金○○円を授与」の賞状、「千人針」、出征兵士への「寄せ書き」、特攻隊への「寄せ書き」、「改正 治安維持法資料」、靖国神社からの「合祀」の通知、1947年文部省発行の中学生向け「あたらしい憲法の話」などなどが寄せられ、解説文をつけ展示しました。
「戦争は二度とダメ」感想文から
コロナ感染が広がる中、また、お盆という条件の中でも150名の方々が参加していただきました。とりわけ、若い人の姿も多くみられる展示会となりました。
感想では、34名の方から寄せられました。
「貴重な展示物だと思います。生まれて初めて見るものばかりでした」「実物が展示してあり、本や話から受けるのとは違うリアリティがありました。平和な時代がありがたいです」
「全国の末端すみずみまで戦争に組み込まれている拒否することのできない状況がしっかり伝わってきました。村を上げての式典・・・家族の死なのに悼むことのできないように追い込まれてしまう。そんなことを感じました」「終戦記念日にふさわしい内容の展示に感激しました。これだけの多くの資料が集まっていることに驚き、今をのがしたら本当に戦争を伝える生々しい史料(資料)が散ってしまうと思いました。今回の展示会を機会に、まだ、周辺に残っている史料が集まることを期待します」「ものすごく分かりやすかった。実物が置かれていて、戦争は二度としてはだめだと言うことが伝わった。お国のために‘命をささげるなんてまっぴらごめん,とおもった」などなどの感想が寄せられました。
自民党が敵基地攻撃能力の保有について提言をまとめ、安倍晋三首相に提出、安倍首相は、国家安全保障会議(NSC)での議論を開始すると表明しています。
「戦争できる危険な国」に変えようとする動きが強まってきている今、「二度と戦争はダメ」声を広め、「展示会」参加されたみなさん、若いみなさんとともに戦争の悲惨さを語り継ぐために、多くの皆さんに伝え資料の収集」を進め「資料館」ができるようにしたいと思います。
2020年8月16日