大手旅行代理店「近畿日本ツーリスト」の元社員が在職中、旅行券の積立金名目で取引先の建設会社から約7億円をだまし取った疑いが強まり、大阪地検特捜部は21日、詐欺容疑で大阪市東成区に住む元社員(41)の取り調べを始めた。容疑が固まり次第、逮捕する方針。

 関係者によると、福知山支店の営業担当だった元社員は、建設会社の会長に、現金を一定期間預けると約3%の利息分を上乗せした旅行券を受け取れる「旅したく」の契約を勧誘。平成18年11月~20年1月、10回にわたり計約7億円を銀行口座に振り込ませ、詐取した疑いが持たれている。

 建設会社側が21年2月、近ツーに旅したくの残高を照会したところ、入金記録はなく、元社員も退職していたことが判明。元社員に確認すると、「現金の取り扱いなど(近ツーの)業務管理の甘さを悪用した」と認めたという。

 このため、建設会社側は翌3月、詐欺罪で大阪地検に刑事告訴するとともに、11月に元社員と近ツーを相手取り、積立金の返還を求める民事訴訟を大阪地裁に起こした。

 近畿日本ツーリストは産経新聞の取材に「元社員が勝手に会社の名義を使って詐欺をしており、会社の管理を超える部分に当たるため返済義務はない」とコメントしている。

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【元社員一問一答】

 ■「ノルマのため」

 元社員は昨年11月、産経新聞の取材に応じた。一問一答は次の通り。

 --旅したく契約を悪用して約7億円をだまし取ったのか

 「(自分のしていた取引は)自転車操業のようなもの。不法行為は認めるがだますつもりはなかった。ただ、最初から正規の取引として扱うつもりはなく、個人口座に入金させていた」

 --きっかけは

 「営業ノルマの達成のためで、一部は近ツーに納めている」

 --金の使い道は

 「自分で経営している会社の運転資金に回したほか、一部を個人的な遊興費に流用した」

 --近ツーも不法行為に関与していたか

 「それはない。建設会社側から民事訴訟を起こされたが、近ツーが被告になったのは寝耳に水だろう」

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