厚生労働省は1月29日、中央社会保険医療協議会(中医協、会長=遠藤久夫・学習院大経済学部教授)の総会に、認知症患者の退院調整加算の新設などを盛り込んだ認知症医療の推進についての来年度の診療報酬の改定案を示し、おおむね了承された。認知症疾患医療センターなど専門医療機関が診断し、療養方針を決定した認知症患者を、かかりつけ医が管理した場合の評価も新設する。

 改定案によると、専従の精神保健福祉士と臨床心理技術者が勤務する医療機関の算定を想定した「認知症治療病棟退院調整加算」(退院時1回)を新設する。

 また、認知症外来医療への評価として、「認知症専門診断管理料」(1人につき1回)と「認知症患者地域連携加算」(月1回)も新設する。
 このうち認知症専門診断管理料の算定要件として改定案では、「認知症疾患医療センター等の専門医療機関において、認知症の鑑別診断を行い、療養方針を決定して患者及び家族に詳細な説明を行った場合」としている。
 一方、認知症患者地域連携加算は、外来で管理している認知症患者の症状が悪化したり、定期的な評価が必要になったりして専門医療機関に紹介を行う場合、「診療情報提供料()」に加算する。

 意見交換では、安達秀樹委員(京都府医師会副会長)が認知症患者地域連携加算について、「この加算がないから認知症外来診療が進まないという状況はない」と指摘し、新設する必要はないとの認識を示した。その上で、「枠がはまっていて、優先順位があるということならば、これをくれるんだったら71点(診療所の再診料)の議論をしてほしい」と求めた。
 これに対して、伊藤文郎委員(愛知県津島市長)は、かかりつけ医が地域で認知症患者を見守ることの重要性を指摘。この加算の新設が高齢化社会に向けた「中医協からのサイン」になると、その必要性を主張した。
 厚労省側は再度、議論を行う考えだ。

 認知症医療ではこのほか、現行の「認知症病棟入院料」の名称を「認知症治療病棟入院料」に改める。さらに、入院早期の患者の確定診断が適切な治療などにつながるとの考えから、現在「90日」を境に点数を分けているのを「60日」を境とし、早期対応への評価を引き上げる。


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