福島県喜多方市のラーメン店43店で構成する協同組合「蔵のまち喜多方老麺(らーめん)会」が「喜多方ラーメン」の商標登録を特許庁が認めなかったのは不当として、知財高裁に提訴していたことが分かった。8日に第1回口頭弁論が開かれ、特許庁は全面的に争う構えを示した。ご当地ラーメンを巡っては、「和歌山ラーメン」が商標登録されている。老麺会は「地域活性化を目的に導入された制度なのに、特許庁の判断は趣旨に反している」と訴えている。【伊藤一郎】

 喜多方ラーメンは82年ごろから全国に知られるようになり、店主らは80年代後半以降、喜多方市内のラーメン店マップを作製して観光客に配布したり、イベントなどを催してPRしてきた。こうした実績を踏まえ、老麺会は06年4月、地域ブランドに商標権を与える「地域団体商標制度」に基づき「喜多方ラーメン」の商標登録を出願した。保護の対象は「ラーメンの提供」。地域の財産として独特の味を守ることが狙いだった。

 しかし、特許庁は08年3月に「拒絶査定」を行い、不服申し立ても退ける審決をした。審決は「老麺会の加盟店は市内のラーメン店の半数に満たず、非加盟店も『喜多方ラーメン』の文字を使用している」として「喜多方ラーメンは、老麺会や加盟店の商品として認知されているとは言えない」と指摘した。

 これに対し老麺会は09年12月、特許庁を相手に審決取り消しを求めて、特許や商標、著作権などに関する訴訟を専門に扱う知財高裁に提訴した。特許庁の指摘に対し「市内のラーメン販売食数のうち、加盟店が78%を占め発祥の店もその一員。商標登録は地域全体の財産を保護するのが目的で、非加盟店舗の賛同も得ている」と反論している。

 一方、19の製麺業者で構成する和歌山県製麺協同組合は06年11月「麺」を保護対象として「和歌山ラーメン」の商標登録を認められた。目的は同様に「地域財産を守るとともに、業界を活性化させブランド価値を高める」ことだった。

 同じご当地ラーメンで分かれた対応。和歌山のある業者は「喜多方ラーメンは、和歌山より認知度が全国規模だから、地域ブランドの商標として適さないと判断されたのでは」と推測。ある喜多方の店主も「有名すぎるのが逆効果になったのかも」と語る。特許庁商標課は「個別案件についてコメントできないが、喜多方と和歌山は商標保護の対象が違う」と話している。

 【ことば】地域団体商標制度 農協や事業協同組合などが、地域名と商品名を組み合わせた商標を登録できる制度。地域ブランド保護を目的に06年4月スタートした。それまで類似の商標登録には全国的知名度など厳しい基準が設けられていたが、隣接する都道府県で認知されていればいいように要件が緩和された。登録団体以外が商標を使用した場合、差し止めや損害賠償を請求できる。2月現在で▽比内地鶏(秋田)▽草加せんべい(埼玉)▽輪島塗(石川)▽松阪牛・松阪肉(三重)▽博多人形(福岡)--など447件が登録されている。ラーメンで登録されているのは「和歌山ラーメン」のみ。「米沢らーめん」(山形県米沢市)が現在出願中。

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