いまさらながら、『乳と卵』(川上未映子さん)を読んだ。
まずは、微妙かも……、と思ったところ。外側から。
評価として、芥川賞でよいのか、ということ。
純文学にしては内容がないよう……に感じられた。
いや、ないわけではないのだが、それがホームドラマのレベルではないのか、と思ったのだ。
それでいいのか? あくたがわしょう。みんながそう思っているはず。
さて中身。随所随所に関西弁の活字化の限界のような部分があり、
標準語圏で育ったおれには、そこが少し苦しかった。例えば……と、
具体例を出そうとぺらぺらとページをめくっていたら、なんだよおれ、
すごく楽しんで読んでいたのではないか。いやね、これね、楽しかった。
構成がかなりしっかりしていて、川上さんは優秀な人なんだなって思った。
しかも軽々と書いてるでしょ、これくらい。すごい才能あるんじゃないかな。
批判しているひとたちは、この饒舌さが気に入らないんじゃないのか。
たしかに「泣き笑い文学」って言葉があるなら、その程度かもしれない。
切ないけどなんか滑稽で笑える、みたいなクライマックスだったし。
おれは川上さんにだまされてもいいと思った。
「排水溝に渦巻ってゆく音のみっつを聴きながら」
「「や、普通っていうのはどの意味においても本来、ないので」」
未映子おー! ありがとう! よい作品だったよー! おれの詩集も読んでねー!