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暗中模撮 #アンチュウモサツ

当ブログは2010年6月1日をもって移転いたしました。
移転先:「暗中模撮」 http://slitd.blog.so-net.ne.jp

E-300 + ZUIKO Digital 11-22mm F2.8-3.5

そろそろ結論出ました。なぜこんな悲しい気持ちになるのか、なぜE-P1を買わないことにしたのか…。

以下、E-P1についてネガティブなことばかり書いています。予約された方、E-P1に好意的な意見をお持ちの方はここで引き替えされることをおすすめします。

では。

まず、まだ例のモックアップしか公表されてなかった頃はこんなことを書いていました。

恐らく僕はオリンパスのマイクロを買うでしょう。(中略)Lumix G1は記号性を求める非一眼ユーザをターゲットにしていますが、僕にとってあの記号性(「撮るよ−」と大げさに前ふりをするような…)はむしろ邪魔なのです。

暗中模撮「ステージ」より

本体はまあ、コンサバな黒なら文句は出ないでしょうし、そんなに心配はいらないかと。

フォーサーズ オリンパス を語る 「いよいよなんですか!!マイクロフォーサーズ!」より

この頃はこんな甘い?ことを言っていたのですね。まさか黒が出ないとも思っていなかったし、コンデジスタイルということに安心していました。

そして、発表された日の夜に書いたのがこれ、

なぜ、50年前の金型を使い回すのか。情けない。それだけ。

暗中模撮「なぜ、」より

さらにコメントへの返信ではこんなことを書いています。

ただ、このカメラを絶対に買わないことにしたのは、これがPENであれ何であれ、過去の「模倣をした」という一点が気にくわないからなのです。先進のマイクロフォーサーズ機を、PENの「できそこない」に貶めてしまったという罪は大きいと思うのです。

暗中模撮「なぜ、」より

僕はPENと全く重ならない、メインターゲットのはずの「若い層」なのですが、だからこそPENというなら完璧に同じものにして欲しかった、それができないなら過去を振り返るなと言いたいのです。

暗中模撮「なぜ、」より

先進性をアピールして漕ぎ出したマイクロなのに、おかしいんじゃないかと言いたかったわけですね。一眼の模倣をしたG1とは違うと思っていたのに、またかという気持ちがありました。

しかし、いま改めて考えると、こんなこと(Penを模倣したこと)は後付けの憤りだったのです。僕が本当に買うのをやめたのは、Penの模倣をしたことでも、レンズが暗いことでも、この先またズームということでも無い。それ以前の問題でどうしても許せないことがあったのですよね。

それがこれ。上のコメントから少し時間が経った時に、Shairさんのブログにこんなコメントをしました。

ちなみに、ウチの研究室はプロダクトデザインを研究してるんだけど、E-P1を見た全員が「エェー…?」っていう反応だった。

4/3 boosters「★Nobless oblige. 4/3の救世主たらん事を【PEN E-P1】★」より

うん、これが正解ですね。この頃には、いや、最初の上面からのリーク写真を見た瞬間から結論は出ていたのだと思います。

つまりは、プロダクトデザインとして最高にカッコワルイから。

たとえPenの模倣でも、デザインさえ普通なら買ったでしょう。模倣をしたということについてもここまで悲しい気持ちにはならなかった。最初にデザインを見て発生したネガティブな感情がぐるぐるしているうちに、「50年前の金型を…」という考えが前面に出てきたのです。

だから「買わない」ではなく「買いたくない」。こんなあり得ないデザインのカメラを僕の生活に取り入れたくないのです。(予約したひとはごめんなさい)

デザインは好みだと言います。事実、このカメラのデザインを積極的に評価している人がいることも分かっています。それでも僕があり得ないと思う点、簡単にですが列挙してみます。

1. なぜ黒がないのか。
2. あのグリップの存在と造形が許せない。素人が後から買って来てひっつけたみたいだ。
3. 裏面のツートンカラー。もう一度カラーコーディネーター試験受け直してこい(パールホワイト+マットベージュ?誰も疑問に思わなかったのか?)。

上記3つが解決されれば(後からでも黒が発売され、グリップを剥がしてきれいにする手段が明らかになれば)なんとか許容範囲に入りそうになるくらいですね。続きます。

4. 素材の組み合わせが最悪。白パール塗装に黒艶有プラ(モードダイヤル)。点在するシルバー塗装のプラ。シルバーステンに黒。素材どうしの境界面の処理が甘い、素材によって角Rの印象が変わることも知らないのか?
5. 上面の凹凸+曲面。こだわりらしいが、そもそもこだわる場所を間違えている。形をまねただけ、機能性のない凹凸は冗長で肥大した印象を与える。

6. 全体的に、曲線と直線の組み合わせに統一感がなく、面の流れもみえず、甘さを感じる。ライカMシリーズの直線と曲線の組み合わせが成功しているのは、面の流れを意識した上で双方のバランスがとれているから。E-P1では部分的に見れば曲線が多用されているにもかかわらずシルエットが四角のままなのでちぐはぐな印象となっている。安物のミニバンのよう。また、このために面が膨張して見えるため、ぶくぶく太って見える。金属製のプロダクトで締まりがないのは致命的。

7. 高級感のために艶有りの金属を用いる時は安っぽさと紙一重であることを忘れてはいけない。E-P1は典型的な失敗例。

まだまだ出てきますが、一応このあたりでやめときます…。

まあ、なんというか、造形センス以前に「普通にやっちゃいけないデザイン」をいくつもやっちゃってるわけですね。別に他社製品でもこんなのはあるし、オリンパスの過去の製品でもこういうのはありますが、今回は期待が大きかった分言いたくなったということです。

以上、まとめると(?)、Penの模倣とかいう話は本質じゃなかった。カメラとしてカッコワルイから買いたくないということです。次の製品に期待。

2009年06月21日 19:24 │Comments(13)ZD 11-22/2.8-3.5OLYMPUS E-300
コメント

yy2828yy at 2009年06月21日 20:48
こんばんは。
デザインのことに関しては、私はプロではりませんが、仰ることの意味はよく分ります。

何度もいうようにやはり外見は中身をも示すものです。
二言目には妥協ともとれるような「このサイズでは無理」「今回は見合せました」
かのPENはそれらのイイワケをせずに、厳しい取捨選択をし、
求める機能に関しては一切の妥協やイイワケがない美しさがあります。
もちろん、技術等の進歩により改まっていくことはあるでしょう。
しかし、現状をイイワケにせず、成せば成ると挑んだ姿勢、ある種切羽詰った感がないのです。
その差は、野生動物のと、人がいなければ生きていけないような愛玩犬との違いかと。
もちろん、それが外見の美しさにも繋がってくると思います。

ハルムート at 2009年06月22日 00:29
そうなのですね・・・
すごく期待してただけにがっかり度maxですね・・・
わたしも、実際、「あーやだやだこのディテール詰めないアホな外観」ってホントは思ってました(笑)代弁してくださりありがとうございます。
ついでにいうと、なんかApple的な感じも狙ってるみたいなのもすごくヤ。Appleの「フィロソフィー」まで真似してるつもり!?とか思っちゃう。
あとねー、今日書いちゃったんだけど、一枚はがしたら驚愕の・・・
ユーザーじゃないのに涙でそうになっちゃった。こういうの悲しいです。ホント。

yukiiro at 2009年06月22日 10:28
はじめまして。
僕はプロダクトの分野ではないのであれですが、
E-P1が印象操作のためのデザインになっていることを認識しています。

現役のPEN-Sが手元にあるので、
見れば一目瞭然ですが、PEN-Sの素材自体は高級感は皆無。
にもかかわらず、あの不格好なファインダーやシャッターまわりなど、
見れば見るほど必然性があって成り立っていると気付きます。
それが総じて魅力的な造形美に繋がっていると。

徹底した引き算で成り立っているのがPENシリーズかなと。
対してE-P1はモックアップから足し算してしまっています。
ま、それはそれ、役に立つかどうかはまた別ですが、
それならパナが出す次の機種でもいいかななんて思っています。
僕はいつもモタモタするオリンパスよりも、
L1を出し、SUMMILUXを出し、G1を出したパナのほうが、
今後も思い切ったことをしそうな気がするんですが・・・

M2 at 2009年06月23日 10:14
語りは下手クソなので、思うところをいくつか列挙。
・ボディ上下の素材はマグの方が良かったと思う。ここは価格と軽量化などとのバランスで日和ったか?イッソ真鍮でやってくれれば(重くなるし、クラシック趣味にはなるものの)素材とデザインのマッチングは上がったと思う。(それでもプレスはビジー)
・ステン部分の構造(内部はプラ構造体)は想像どおりだったのだけど、だからこそあのグリップは(ステン素材が)もったいない。せっかくのステンの質感と硬度が活かせない。活かさないからあいまいな甘さが出て「商品っぽい」とは言えるかもしれないけど、それならしっかりとしたプラとラバーを使った方がスッキリとする。
、、、
やはり上手く書けませんね、やめときます(^^;

あとファインダーに関して。
私はGRD2の外付けファインダーって良いと思っているんですが、
それは「外付けファインダーを使って撮る為のインターフェイスが用意できている」からです。
E-P1にはソレがあるように見えない。
例えばレンズに距離指標、、、はどうせムリだと思っていたので、
液晶画面(できれば軍幹部上面にインターフェイスを追加)でデジタルの距離指標と被写界深度標、場合によっては水準器を表示できるようにしてあればいいなぁと夢想してました。
おっと、それは余計な話。
要はE-P1の外付けファインダーがただの「ファッション」に終わっているように思えるのが残念なんです。
、、、結局長くばかりなってしまいました。
そう、新しい方向のカメラではあります。
他にはないカメラでもあります。
まず一歩。
そして次の一歩ができるだけ早くかつ良いもので在ります事を(^^

ayaG at 2009年06月23日 14:20
オリンパスがマイクロフォーサーズ機を発売するというニュースを見て、発売されたら買おうと思っていましたが、どうも期待外れだったようです。
当地は田舎で展示場はありませんので発売後店頭に並んだものを見ることになりますが、残念ながら購入には至らないでしょう。

記事から離れますが、黒地に白文字の本文より引用部分やコメント欄の方が老人の目には優しく読み易いですなー。

こばっち at 2009年06月23日 18:56
>カメラとしてカッコワルイから買いたくないということです。
 PENペン言ってるから、どうしてもソレを意識して見てしまっていましたが、冷静に考えると(デザインに疎い僕の眼で見ても)格好良くはなかったなと、今更。黒とシルバーで良かったのにとも思ってたし。
 DP1、DP2の頑固さのほうに魅かれます。

 で、脱線ネタ。僕は四十路前ですが(笑)背景色と文字色のコントラスト差で目がチカチカします(苦笑)ayaGさんと同様に、引用部分とコメント欄は読みやすいです。

九尾 at 2009年06月24日 22:17
みなさんコメントありがとうございます。そしてyukiiroさん、はじめまして。

すみません、まとめてのコメントの返信になってしまいますが、やはりカッコだけを追いかけた結果が今回のことなのだと思います。僕の、モノとしてカッコワルイという評価の奥にあったモノが見えました。

デザイナがプアだから格好を追いかけるのか、格好を追いかけたからデザインがプアになったのかは分かりませんが、兎にも角にもそういうことなのでしょう。M2さんの仰るとおり次の一歩が良いモノでありますように、ですね。

で、脱線しますが、文字と背景の色については検討します。もう少しコントラスト落としてみますね(あまり落とすと今度は…?)。

SHINYA at 2009年07月12日 04:30
はじめまして
http://www.vivo-design.com/?p=844
こういうのでしたらどうですか?

ぷじお at 2009年07月27日 00:03
同感です。
日本のデザインは、スタイリングはいいがデザインはまだまだ欧米に及ばないというのはこういうことだとあらためて思います。
デザイン関係の仕事ではないのですが、素人の私でもそう思います。

>>SHINYAさんへの返信 at 2009年07月28日 23:48
情報ありがとうございます。こういうのもあるんですね。ユーザサイドからこういう動きが出るのもおもしろいですね。

>>ぷじおさんへの返信 at 2009年07月28日 23:51
思うに、技術を理解していないデザイナが多いのかなと。変にユーザを意識しすぎて、工業製品として地に足が付いていないのでしょうね。海外に優れた製品が多いのは、会社の構造として縦割り社会になっていないことや、個人主義でデザイナやエンジニアが領域外のことも勉強しているということも関係しているのかもしれません。海外の優れたデザイナは異分野にも造詣が深くて驚くことがよくあります。

劉備 at 2009年11月24日 11:50
批判お疲れ様です。ファッションだからこれでいいんです。

>>劉備さんへの返信 at 2009年11月24日 22:08
これをカメラと見るかファッションと見るかは大きな違いですよ。「ファッションだからこれでいい」の前に、「E-P1はカメラではなくファッションである」事に納得しないと。

まあ、その後の広告展開や世の反応から、今ではだいぶ冷静になって(?)僕もファッションとして見られるようになりましたが。

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