A.M.A.N.トローブという劇薬を考える
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トローブ自体はシンプルで楽しい。
モグボナンザのように、長期間結果を待たずにたった数分ですぐに報酬を入手できる可能性がある。
だが、こうしたコンテンツに私は疑問がある。
一部プレイヤーが指摘しているように、トローブで手に入る装備は本来、オーメンなどでなかなかドロップしないレア枠として指定されてきた装備だ。オーメンが実装されてから5年以上が経過しても、未だ所持していないプレイヤーが多いだろう。
そうしたプレイヤー垂涎の装備を、本来のコンテンツでドロップ率調整や救済措置(天井設定)を実装するのではなく、くじの排出に加えてしまう。そして皮肉なことに、本来のコンテンツに通うより『トローブであっさり出た』という報告が多いのだ。
開発チーム自ら作ったコンテンツを潰す施策を実装する、一体どういう心境なのだろうか。
オーメン装備はレア枠の胴装備以外にも今でも有用な装備は多い。
しかし、現役プレイヤーにとってはすでにしゃぶり尽くしたコンテンツであるため、通い詰めるメリットは薄くなっている。
追い打ちをかけたのは、オーメン詰みでの残魂実装である。
残魂が実装されたことでオーメン入室のトリガーはギルに換金可能なものとなり、パーティを組んでオーメンに行くこれまでの慣習の障害となった。オーメンカード集めも然りだ。ソロで突入すれば残魂を独り占めできる。当然の流れだろう。
開発チームによって行われた、トローブへのオーメン装備排出追加、残魂の実装によってオーメンでのパーティプレイは衰退の一途を辿っている。
これがどういう影響をもたらしただろうか。
一番実害を受けたのは、復帰や新規プレイヤーだ。
オーメン装備が欲しいのに、パーティで行くことが難しい。主催するベテランもいない。
私のサーバーでは、数か月前に最後の野良主催さんが、参加者低迷のため主催引退を発表された。
このように後続は開発チームの施策によってマッチングが著しく減少し、参加機会を奪われている。
本来であれば、パーティプレイを促すように調整すべきなのではないのか?
ドロップ率の調整や、新ドロップ品の追加、アライアンスを組んで突入すると残魂ドロップ率が増加し、パーティプレイでもそれなりの金策になる、兆しの確実化で箱開けからジャックポット枠を作り、トローブのように楽しむこともできたはずだ。
どうしてそれをしないのだろうか。
トローブのように数分の時間で箱を開ければ『報酬』を得られるゲームシステムは、ボタンを押せば快感を得られる麻薬だ。ゲームの本質的な楽しさである『道中を楽しむ』を、クリエイター自らが破壊しにいっているように感じる。
もぎヴァナで行われたように一種の『パーティー』ゲームとしては一興だろう。別にトローブはあってもいい。
だが、過程を無視してアイテムが出力されるだけのコンテンツは、同じように過程をリアルマネーでスキップするRMTやRMT代行プレイと大差ない。
開発チームが本当にやらなければならないのは、パーティプレイを促すためのバランス調整やちょっとした旧コンテンツのアップデートではないのだろうか?
毎月のアンバスボスを作れるのなら、隔月でギミックや報酬が変わるオーメンボスを実装してもいいはずだ。そうした工夫はないのだろうか。
私はそう感じずにはいられない。
あとがき
オーメンでの残魂実装にも個人的に思うところは大きい。
このアイテムは最強武器群の最終育成に使用するものだが、本来、装備の育成は該当のコンテンツと結び付けてダイバージェンスW3のNPC討伐等+残魂で行われるべきだったと思う。要は青武器の育成と全く同じにすればよかったのだ。
これをダイバW3と関係のないオーメンで育成(入手)できるようにしてしまった結果、W3の解放が終わった多くのプレイヤーはW3に行く目的が消失し、後続の解放が著しく難しくなっている。
野良募集なんてもちろんないし、TwitterなどのSNSで有志の主催者を探して参加するか、毎週のノルマを熟さなければならない。
このノルマだって、どうしてもソロでしかできない人のための救済措置であって、マッチングできないことでこのルートをやらせるのは、あまりにも酷な話だろう。
開発チームはそれを理解しているのだろうか。
後発がギルで『遅れ』を解決できるゲームシステムは一見救済措置にも見えるかもしれないが、闇雲にギルの利用価値を高めればRMTを助長させてしまう。
コンテンツを廃れさせる施策ではなく、もっとギルに頼らず、また、コンテンツのソロ化を進めるだけではなく、パーティでコンテンツに参加させることにメリットが生じるような施策に力を入れるべきではないだろうか。