2009年11月14日

同性間結婚 ついに合法化へ

same sex marriage

その日、SFUキャンパスに急きょ看板が立てられた。イラストには新婚ほやほやの2人の“男性”が描かれている。6月28日、カナダ国会の下院は、同性同士が結婚することを合法化する法案を可決したのだ。来月にも上院で可決され、正式に認められる。オランダ・ベルギー・スペインに続き、同性間結婚が合法とされる世界4番目の国の誕生だ。同性同士の結婚にも、年金の受給や財産の相続といった、異性婚と同様の権利が与えられることになる。

ゲイやレズビアンの人々からは「これで愛する相手と連れ添うことが出来る」と喜びの声が上がっている。この法案を先頭に立って推し進めたのは、他でもないポール・マーティン首相だ。首相が繰り返し言っていたのは「カナダは少数派の人々によって作られている国家だ。各自の権利が尊重されなければならない」という言葉である。まさに、様々な人種、民族が集まった「多文化主義」カナダならではの決断といえるだろう。

同性愛者はキャンパスでもオープンな存在だ。私の大学には、ゲイ、レズビアン、バイセクシュアルといった人々のためのサークルがある。冒頭の看板を立てたのもこのサークルだ。同性愛者が集う場所であることを大きくうたい、部室も人通りの多い場所に構えるなど、堂々としたものである。キャンパス内には「同性愛者の人はこんな健康問題に注意しましょう」と丁寧にアドバイスするパンフレットまで置かれている程だ。授業でも、セクシュアリティ(性的特質)はテーマとして成り立っている。コミュニケーションや女性学といった分野では、同性愛者が辿ってきた歴史や社会での地位などを研究する授業があり、当事者である学生たちも多く学んでいる。

しかし、いくらカナダが同性愛者に理解のある国といっても、全ての人が彼らに好意的なわけではない。学校でのいじめは存在するし、家族や友人に自分の性的指向を告白することへのためらいも相当なものである。ゲイの友人がいるというカナダ人の学生は、「これまで彼らが味わってきた生きづらさを考えたら、あの法案は当然成立するべきだよ」と語っていた。

翻って日本はまだまだ、同性愛者への理解が進んでいるとは言い難い。彼女ら彼らはどうしても、人目をはばからざるを得ない状況にある。「カナダに来ると肩の力が抜ける。本当の自分に戻れる」と語るゲイの日本人留学生もいた。マーティン首相は、同性同士の結婚を認めることで「カナダは世界の手本となるだろう」と語っている。お互いの違いを受け入れ、個性として尊重する。そんな価値観に触れるのも、この国に留学するからこそ得られる経験の1つだろう。


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2009年11月09日

大学と授業の実態

campus, Victoria, Konrad 002
サイモンフレイザー大学

ようやく中間試験が終わった。「中間試験」なんて高校のような響きだが、私の大学では中間と期末試験、さらにその間に論文提出と、計4回以上の試験があるのは珍しくない。だから学生たちは常に勉強に追い立てられ、気の休まる暇がないのである。もちろん留学生は、テキストブックを読むにも辞書を引くなど時間がかかるので、カナディアン学生の数倍机にかじりつくハメになる。試験といえば期末一回きりで、あとはサークルだバイトだと遊びまわっていた日本の大学生活が懐かしい。あなたもカナダに来るなら覚悟しましょうね。

バンクーバーにはカナダのトップクラスとされる大学が2つある。1つは私の通うSimon Fraser University (SFU) で、もう1つはThe University of British Colombia (UBC)だ。留学希望者はどちらの大学にすべきか迷うハズなので、簡単に(少々SFUびいきかもしれないが)ご紹介しよう。UBCが創立90年目を迎え、学生数も4万人と大規模、知名度も高いのに比べ、創立40年で学生数約2万人のSFUは、少人数制の講義や授業内容の充実などで区別化を図っている。特にコンピューターサイエンスや犯罪学、私が所属するコミュニケーションなどの学科の評価が高い。授業内容に魅かれてSFUに決めたという学生が多く、私もその1人だ。

また、SFUには日本人学生にとって嬉しいポイントがある。ズバリ、日本人が殆どいないのだ。UBCは関西の某私立大学からまとまった数の交換留学生を受け入れているが、SFUはそのようなことはない。さらにTOEFLの要求点がUBCより高く設定され、しかも日本での知名度は高くないときているので、自然と日本人は集まってこないと思われる。英語環境にドップリ身を浸したいという方にはおススメだ。

ところで、そんなSFUの授業の仕組みはどうなっているだろうか。1年は3つの学期に分かれ、1月、5月、9月のいつからでも入学出来る。3学期通して在籍する必要はないので、夏学期(5月~8月)を丸々休んでヨーロッパ一周旅行にあてるなどという学生もいる。優雅なものだ。授業は講義に加え、20人程度のグループ単位で議論をするチュートリアル(日本の大学のゼミみたいなもの)から成り立つ。文系の場合、この授業に備えて読むテキストブックの量が1回100ページ以上と、オソロシい事態になることもある。文系留学を希望するならまずリーディングと、さらに論文を書く機会もやたら多いのでライティングの技術を磨いておくことは不可欠だ。理系の場合、アジア人留学生はカナディアンより優位に立つことも難しくないようだが・・・・・・。

最後に、気になる授業料について。実はバンクーバーのあるブリティッシュ・コロンビア州はこの数年、高等教育機関の授業料を急激に引き上げ続けているのだ。4年前に比べてなんと2倍近くになっているというから驚きである。バンクーバーに留学しようか迷っているあなた、これ以上値上がりする前に、エイッと決断した方がいいのではないだろうか。


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2009年11月03日

「私がカナダを選んだ理由~そのイメージと現実」

バンクーバーオリンピック記念コイン

バンクーバー五輪記念コイン

留学先にカナダもいいかなと思っているあなた。何となく、イメージだけで選んではいないだろうか。自らの経験に基づき声を大にして言いたいが、イメージなど往々にして外れるものである。留学国選びに必要なのは正確な情報、そして自分なりの「基準」だ。この連載初回はご参考までに、留学先としてカナダを選んだ際の私の基準(イメージにまみれた)と、実際に暮らして初めてわかった現実についてお話しよう。

大和撫子として優先したのは「治安」である。英語圏で安全なイメージの国といえばオーストラリアとカナダだろう。オーストラリアは学生時代に留学経験があるため(確かにそこそこ安全だったが)同じ国に2度暮らすよりは他の国を知りたいと、ガイドブックで治安の良さが強調されるカナダを選んだ。さて、実際のカナダの治安はというと・・。確かに凶悪犯罪は日本よりも少ないようである。だが日本の都会が不夜城なのに比べ、バンクーバーは夜遅くなると街の灯りも歩行者の数も一気に減り、一人歩きは危ない。ドラッグは蔓延しているし、夕方6時の電車内で泥酔した浮浪者が私の膝元に倒れ込んできたこともある。日本で紹介される「あんぜ~ん」なイメージとは少々差があると言えよう。

「物価」も大事なポイント。カナダは自然が多いから安いんだろうなと(根拠になっていないが)思っていた。ところがである。私が安さを測る物差しは、ランチが日本円にして500円以内で食べられるかどうかなのだが、そしてオーストラリアではライスとおかずのワンディッシュがしっかり400円台に収まっていたのだが、カナダは違った。ワンディッシュ500~600円、バーガーとポテトのセットも600円位はする。日用品も日本と同じか、ヘタするともっと高いのだ。買い物のたびにどうもナットクがいかない。

そして「気候」である。金沢育ちなのに寒さが苦手な私にとって、カナダで住むなら温暖といわれるバンクーバーしかあり得なかった。だが、再びところがである。今年1月の到着早々大雪に見舞われたのだ。吹雪を顔面に受け、凍った路面をスベらないよう必死に踏みしめ歩きながら「話がちがうんじゃないの!」と心の中で何度叫んだか知れない。

最後に「授業内容」。実はこれが最も重要視した点だ。カナダはメディア教育が世界最先端とされるため、メディア・リテラシーに関心があった私は授業内容を調べた時点でカナダに決定したのだった。カナダの授業については今後詳しくご紹介していこう。

さて、あなたが留学先の国を選ぶ基準は何だろうか。結局、自分にとって最も譲れない点さえ満たされていれば、後は少々イメージと異なってもまあ見過ごせるものである。私も何だかんだ言ってカナダが気に入っているのだから。




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