獣儀式 幻冬舎アウトロー文庫_SL500_AA300_
狂鬼降臨 (SMスピリッツ, 1985年8月号〜1986年1月号)

私がグロい描写を書くようになったのは菊池秀行氏より友成純一氏の影響が強い。
上記出典のとおり、大昔に買ったSMスピリッツに狂鬼降臨が連載中だった。
読んだのは卑弥呼の村でおこなわれる死んでも魂の行き場が無くなった人間達がお互いに体を破壊する描写だった。
友成氏の小説は官能でもエロでも無く、スプラッタ小説だと言われるように悪魔のいけにえ、死霊の盆踊りの如く人間の肉そのものの中身を文章にしている。
服の描写なんてほとんど無い。
物語は地獄で働いた鬼達を神が現世に放り出したことから始まる。
人間を地獄でおこなっていた作業のまま糞便と反吐の詰まった肉袋として粉砕してゆく。
それらの表現をここでは書けないほど汚らしく惨たらしく嫌らしい。
この話が文庫になり、手に入れて前半部分を読んだ時、私は強烈な興奮を感じた。
銀座のど真ん中に街路樹の枝を払って作られた巨大な串の林。
地下に逃れていた男二人と女一人。彼らは逃げられない恐怖をSEXで忘れようとしていた。
その地下に鬼が現れ、彼らは捕らえられ全裸で銀座を引き回される。行く先からはどんどん悪臭が立ちこめ、木々には串刺しになった人間が積み重なり腐っていた。
奥へゆくとまだ腐っていない人間の串団子が現れる。ここで彼らも一人ずつ串刺しにされるのだ。
最初は虚勢を張る男、足首を掴まれ、肛門の位置を覗き込まれ木の先端に穴をあてがわれ、あっというまに串刺しにされてしまう。
女は自分もあのように穴の位置を確かめられてしまうのかと体が火照り出す。串刺しにされるなら膣にならないように自分から肛門に導くようにしようと心に決める。
串が貫通する時、男は口から血しぶきを上げ臓物をはみ出させずるずると下がってくるが、まだ死なず涙を流して苦しんでいた。
血しぶきを浴びてしまった女は子宮が激しく収縮するのを感じる。
串刺しになった男のペニスは自然にそうなるのか勃起しており、女はそれを死の快感と確信する。
とうとう自分の番になり、男と同じ串に団子のように串刺しにされるのだ。
男の顔に自分の股間が被さる嫌らしさを想像し、期待と恐怖にあそこは洪水のようになっていた。
そして……。

この小説で人間、特に女は個性もあっというまにかき消され、肉塊とされてしまう。
数百人を閉じこめた校舎では人間ブロイラーとして綺麗だった女も太らされ、校庭に引き出されると地獄の責め苦の上鬼達に喰われてしまう。
鬼という絶対的な加虐者とそれに全く抵抗できないまま殺されてゆく人間。
そのうち地獄も天国も魂の行き場が無くなり、人間は死ねなくなる。

この絶対的な加虐者を持った女性、インナーマスターを持った被虐に酔える女性を描きたいと思った。
友成氏の小説にも官能はあると思う。しかし、一般的な人間の想像を超えた状況には少し引いてしまう。
出版されているものでもこれだけ酷い事を書いているのだからたぶん個人ホームページならなんでもアリだな思った。
自分はそこまで想像できないが、一般人の考えられる程度の酷い加虐者や被虐状況なら書けそうだと思った。

小説を電子化しようとしてて、この本見つけたのでまた全部読んでしまい、やっぱりこれ凄いわというお話しw