2016年10月13日 17:55

『ノルウェイの森』

 今年のノーベル文学賞が誰になるのか分かりませんが、この何年か有力候補として作家の村上春樹氏の名前が出てきますね。もし今年受賞を逃したとしても、たぶん存命であれば近いうちに受賞するのかなと思います。

 私は村上春樹氏の小説は『ノルウェイの森』1作しか読んだことがありません。

最初に読んだのが20年以上前で、記憶も薄らいで、感動も薄れているですが傑作だと思います。傑作だと思っていて他にもヒットして話題になる作品があるのに、私がこれしか読んでいないと言うことは、作品が好きに成れなかったのだと思います。

(ネタばれ注意)

 主人公が、20年位前の大学生の頃(昭和40年代半ば位)を回想する話です。

 小説の最初のほうで、主人公が高校生の時(神戸に住む)、親友が自動車の排気ガスで自殺した時以来、「死は生の対極としてではなく、その一部として存在している。」と言う人生観を抱いていると言うことが出てくるのですが、これが作品のテーマの様なものなのだろうと私は思いました、。

 大学に入って上京したら、親友の恋人だった直子も進学で上京していて、しばらく友達として会っていたですが、関係をもった後に、直子が音信不通になったと思えば、直子は精神のバランスを崩して、精神病院に入院した末に、自殺してしまう。

主人公が親友の代わりにはなれずに、助けてもあげられなかったと言う青春時代の遺恨な話です。

 作風が「現代の漱石」と言う評論を聞いたことがありますが、確かにそんな感じがします。

 ちなみにタイトルは中で出てくるビートルズの曲名から来ています。邦題として曲につけられて定着している「ノルウェイの森」は実は誤訳で「ノルウェイ製の家具」が正しいと言う話を聞いたことがあります。




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