形が変わってもテイストは変わらない4年に一度のお祭り気分

2012年02月27日

方法はいろいろ

ワックスジュエリー制作方法には、幾つかの手法があります。

ジュエリーを作るというと、「彫金」という言葉が一番多く知られていると思います。
私が理解しているわかりやすい言葉で言うと、彫金は金属そのものを、ヤスリやたがねを使って、彫りをいれたり、切ったりして形を整えて、ジュエリーを作ること。

その他の方法では鋳造(鋳金とも言うようです)があります。
キャストとも呼ばれています。
これは鋳型を作り、そこに溶かした金属を流し入れて、ジュエリーを作ります。
もちろん鋳造で出来た形だけでは、綺麗なジュエリーにならないので、彫金の技術を使って、仕上げます。
その鋳型を作るための原型を作るのに、写真のワックスを使います。
(原型をワックスではなく、金属で作ることもありますし、他の物で作ることもできます)

緑の棒がワックスです。
ワックスはいろいろな形がありますが、リングを作る場合は最初から指穴があるワックスを削って、リングの形を作っています。
使う道具は、ヤスリや糸鋸や、スパチュラ、その他いろいろです。

そして、あまり馴染みの無い言葉ですが、鍛金という方法があります。
これは金属を叩いて形作る方法です。
主に刀剣や甲冑を作るのに使われた技術です。
ジュエリーを作るときに使うこともあります。

どの方法が一番良いとか、どの方法だとダメとかそういうことはないのですが、鋳造だと溶かした金属を流し込むときに、空気が含まれて、微細な穴ができることがあります。
強度を考えると、彫金や鍛金の方が優れていると考える場合もあります。

まだ鋳造という技術がなかった時代には、現代の人が見ると信じられない繊細な作りのジュエリーがあります。
そういうジュエリーを見ると、技術の素晴らしさに驚くとともに、その優美な作りにため息がでます。

しかし、ワックスを利用する鋳造では、彫金では表現しきれない表情を出すことができます。
それはボリュームであったり、柔らかさであったりします。
どうしても金属から削り出すとなると、時間や労力がかかってしまい、ラインを美しく出すのが大変なことがあります。
ワックスは加工しやすいので、短時間で金属では表現できないフォルムを表現できます。

彫金、鋳造、鍛金、それぞれの表現の得意な部分を、組み合わせてより良いジュエリーが出来上がるように、工夫していけたら、いいなと思っています。

私がお願いしている職人さんは、どの技術も持っていて、素晴らしいジュエリーを何時も作ってくれています。
私がデザインした形に合わせて、これはワックスを使った方が、綺麗に仕上がるのでワックスを使いますとか、これは地金から直接作っちゃうねとか、その時々に作り方を変えてくれているのです。

特にどのジュエリーがどの方法かとは、お知らせしておりませんが、オンリーワンでお作りしているもの、あるいはフルオーダーでお作りしているものは、ほとんどが手作り一個もので、ワックスは使っていません。
最近オーダーいただいたリングは、ラインとボリューム感でワックスを使った方が、綺麗だからということで、ワックスを使って鋳造しましたけど。

もっとも、私としては出来上がりが美しければ、工程は問題ないと思っているので、あまり深く追求はしていません。

そうは言っても、もう少し彫金的な知識が増えるといいなと思って、金属を直接加工する方法を勉強したいと思っている今日この頃です。
4月になったら、習いに行きたいような気がしているのですが、果たしてその時間が取れるのでしょうか。。。

今年の目標の一つです。


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verdelite at 23:25│Comments(0)TrackBack(0) 宝石とジュエリー | 四方山話

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