ヴェルデナイト式閉鎖型植物工場では、2009年研究を開始
して以来、全国で問題なく購入もでき、量を間違えて多く
混合してもあまり問題にならない、高付加価値野菜の栽培を
行なう等の観点から、有機肥料(鶏糞)をメインに使用して
参りました。
有機鶏糞肥料に含まれる成分が、リン、カリは比較的多い
のに対し、窒素含有量は少く、土壌に対しての混合量が多く
なり、少なからずコストを押し上げる結果となっていました。
高付加価値野菜(特別栽培農産物)の栽培基準は維持しつつ、
コスト削減に取り組む事ができないか、栽培試験を実施して
おります。
試験は、市販されている育苗用培土に含まれる窒素肥料成分
量をベースとして、有機鶏糞肥料区、混合肥料①、混合肥料
区②の3試験区にて実施しました。

試験区①(市販育苗培土 N:P:K=14:16:18(%) 13g/10L
 N=1.82g/10L)
試験区② 有機肥料区(N:P:K=2:6:3(%)
90g/10L → N=1.80g/10L)
試験区③ 混合区②(N:P:K=6:3:3(%) 有機82%
30g/10L → N=1.80g/10L)
試験区④ 混合区①(N:P:K=8:5:5(%) 有機60%
23g/10L → N=1.84g/10L)

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育苗期間14日間にて、試験区①、試験区③(有機82%)にて
生育が良好である事を確認しております。
試験区④(有機60%)にて若干生育が劣る事を確認しております。
試験区②有機鶏糞肥料に関して、閉鎖型植物工場運用開始時
(2009年頃)に育苗試験を実施し、混合量を200g/10Lに決定
した経緯があります。
肥料特性か、今回の試験結果からも90g/10Lでは生育が緩慢
(不良?)になる傾向にありますので、肥料量は200g/10Lを
推奨いたします。

土壌10L当たりの肥料コスト
有機鶏糞肥料 ¥40/10L(¥3000/15㎏)
混合肥料① ¥4.5/10L(¥3000/20㎏)
混合肥料② ¥3.1(¥2700/20kg)

よって、混合肥料(有機82%)に変更する事で、特別栽培農産
物の基準に批准しつつ、肥料コストはおよそ1/9に削減する
事が可能になると考えております。


備考:
有機鶏糞肥料の肥料量(200g/10L N=4.00g/10L)をベースに
混合肥料を使用した場合、濃度障害によって生育不良を起こす
事を確認しております。
有機肥料のみでは起こりにくい濃度障害ですが、化成肥料の
割合が多くなるにつれ発現しやすくなりますので、留意すべき
事項であると考えております。
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