第一日目と第二日目については、兄弟ブログである「ロングトレイル & ウルトラライトハイキング」にて書きました。 それは、こちらのブログに掲載しましたので、合わせてご覧ください。


本記事では、第一日目と第二日目のはざまで起きたことを述べています。

 

第一日目のブログは、朝にJR河津駅から歩き始め、夕方に旧天城トンネルに到達し、トイレの脇にツエルトを張り眠りについたところで終わっています。 以下は現場に到着してから撤収するまでに起きた出来事です。

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まずは最初にお断りしますが、今回の出来事は心霊現象であるとは考えていません。 その場に相応しくない、発生原因がわからない音を聞いたわけですが、何らかの論理的な理由はあると思います。 しかしながら、真っ暗闇の現場で聞くと、恐怖感が湧いてきてしまい、撤収となったわけです。

 

さて、ツエルトを張り始めた直後の午後345分頃に、北から南へトンネルを通る乗用車が1台通過しました。 それから食事中の午後430頃に、今度は南から北へトンネルを通る乗用車が1台通過しました。 どちらの車も、この寒い中で野宿なんて酔狂なという感じで、私の前にしばし停車したうえで、誰も車から降りもせずに通過していきました。 結局、この場所に到着してから撤収するまでに通過した車はこの2台だけでした。

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夕食後の午後5時過ぎには寝てしまいましたが、その前にトンネルから異音が聞こえてきていました。 「カチャン」又は「ガチャン」という人工的な音です。 最初は電球が割れた音だと思いましたが、破裂音が無かったので、電球では無いでしょう。 例えて言えば、ガラスを割ったような、または短い鎖を落としたような音です。 音がした直後にトンネルの中を覗いてみましたが、先ほど同様にトンネル内の照明はついており、人影や動物らしき姿は目が届く範囲では見られず、異常は感じられませんでした。

 

眠りについてから最初に目が覚めたのは午後9時頃でした。 その時にはトンネル内の照明も消え、真っ暗闇であったと思います。 目が覚めた理由は、やはりトンネルからの異音でした。 先ほどと全く同じような音で、聞こえる方向はどう考えてもトンネル内からでした。

 

音自体には強弱はありますが、音源が移動しているからなのか、トンネルを吹き抜ける風の強弱によるものかはわかりません。

 

その音は、自然がたてる音とは異質な音です。 例えば、森の上端を吹き抜ける風の轟音、落ち葉が地面に落ちる音、風に舞う落ち葉の音、触れ合う木の枝がたてる音、動物が落ち葉の上を歩く音、等は音が発生する理由はすぐにわかりますし、違和感はなく耳に入ってきます。 子守唄のようなものです。 例えば今回も夜中にツエルトに近寄る足音が聞こえましたが、動物だと思い、わざと咳をしたらサッサと逃げていきましたからね。

 

ツエルトから這いだして用をたしたあとに、再び眠りに落ちましたが、午前2時頃に再び異音により目が覚めてしまいました。 今回は数十秒ほどおいて何回も聞こえてくるので、私もとうとうツエルトから這い出し、真っ暗闇のトンネル内をヘッドランプで照射してみました。 しかし、特に異常は見られませんでした。 さすがにトンネル内に足を踏み入れる勇気はありませんでしたけど。

 

トンネル内を照射している間に異音はしませんでしたが、用を足している間に再び聞こえてきました。 さすがに怖くなり、このまま寝るのは無理と判断し、この場所を撤収することにしました。 急いで撤収の準備をする間にも、異音が度々聞こえてきましたが、何とか気を落ち着かせて、粛々と撤収の準備を進め、午前3時頃に歩き始めました。

 

この後は結局何事もなく舗装路に出ることが出来ましたが、舗装路に出るまではやはり心細く感じていました。 トンネルを出発してからのことは、「ロングトレイル & ウルトラライトハイキング」の第二日目をこちらでご覧ください。

 

さて、この異音について考えてみました。

 

トンネル内の照明が消えて真っ暗闇になってからも、ヘッドライト等の照明は一切見えなかったので、保守点検にしても(夜中に保守点検はしないでしょうが)、いたずらにしても、人がたてた音ではないと思います。 さすがに真っ暗闇の中で人がそのようなことをすることはないでしょうからね。

 

動物がたてた音にしても、「カチャン」又は「ガチャン」と音をたてるような音源になりそうなものは、トンネル通過時には目に入る範囲ではありませんでしたし、臆病な動物が夜中にトンネル内に入るというのも、ちょっと考えにくいところです。

 

考えられることは3点あります。

 

1.  トンネル内に自動スイッチもしくはリレーがあり、それが作動した音

2.  風によりトンネル内の電燈(裸電球ではなく、ガラスのフードがあったように記憶していますが定かではありません)が動いて発生した音

3.  夕方から朝方にかけて気温はぐんぐんと下がっていたので、前述の電燈が気温低下により収縮して発生した音

 

私は3番かなと考えています。

 

家に戻る電車の中でネット検索をしたら、旧天城トンネルは全国でも有数な心霊スポットということでした。 現象としては、トンネル内で車が停まってしまう、車の窓にべたべたと手形がつく、懐中電灯がトンネル内で消える、女性と子供の幽霊の姿を見た、彷徨える武士の幽霊を見た、というところですね。 しかしながら、私が聞いたような異音についての記述は一切みられませんでした。 また、私がツエルトを張った場所で野宿したハイカーのブログも何件かありましたが、心霊現象及び異音の報告は、やはりありませんでした。 でも「カチャン」又は「ガチャン」は武士の鎧がたてる音に似ていると言ったら似ていますね(苦笑)。

 

第一日目の昼食時に、お店のお姉さんから「日が暮れる前にトンネルを通れると良いですね~。」と言われたのが、やはり引っかかりますね(笑)。 地元の人も心霊スポットと捉えているのかもしれませんね。

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私は今回の件は心霊現象とは考えていませんが、それでも真っ暗闇の現場で恐怖を感じたことは、認めざるを得ません。 しかしパニックにならずに、冷静にその場を撤収できたと思います(笑)。

 

私が心霊現象を感知できると考えたら、真っ暗闇での独りビバークなんて出来ません(笑)。 私としては今回の件も合理的説明があるはずであり、心霊現象を感知したわけではないと信じて、今後も単独行での独りビバークは続けるつもりです。