中学入試が終わると、合格した子たちは、たいてい進学準備のために英語の授業を受けにきてくれる。もちろん、いつからでも始められるから、中学を受験しない生徒が春から受講していることもある。その場合は、進度は別々にしている。
ベリタスの小学英語は、基礎基本の反復練習をモットーにしている。聞くところによると、小学校の英語の授業は、会話中心というか、ゲームをしたり、歌を歌ったり、とにかく発声することだけのようだ。読み書きはやらないという。授業は毎週あるのではなく、ネイティブスピーカーの英語補助教員(ALT)が、時々やってきて行われるのだそうだ。したがって、英語に慣れるとか「外人」を見ても驚かないようになるとかという程度の効果しか期待できない。
ベリタスの小学英語は、筆記が中心である。まずアルファベットが大文字小文字ともブロック体で正確に書けるようにする。やる気のある子には、筆記体も教える。次に、厳選した易しい単語を覚えて、自分で単文を作れるように指導している。教材は、そのために開発したオリジナルの物を用いている。
中学生に英語を教えていて、最初の関門は、アルファベットをきちんと書けるようにすることである。最近の生徒は、以前と比べると、覚えるのが遅い傾向にある。中学1年生の4月から始めて5月末までに終わらないことすらある。小学校の国語の授業でローマ字をちゃんと教えていないのが一因のように思う。ローマ字の読み書きが出来ない子も多いのである。さらに小中学校での反復練習の少なさも原因の一つであろう。小学校低学年の漢字練習は、3回程度書かせるだけで終わりにするのが大半である。10回も20回も書いて覚えるということをしてこないので、彼らは、同じ文字を繰り返し書くのが苦痛で、反復練習を非常にいやがる。
そこで、ベリタスの小学英語では、アルファベット、英単語、英文のいずれにおいても、きちんと、反復練習をさせて、書くことをいとわない習慣を身に付けさせるようにしている。また、小学生のうちにきちんとアルファベットを書けるようにしておくことは、中学英語へのスムーズな導入となり、最初の時点で英語嫌いになるのを防ぐ意味も大きい。アルファベットを覚えるのに苦労した生徒はたいていが英語嫌いになってしまうのである。
中学から初めて英語に取り組む生徒の、次なる関門は、英語の語順である。彼らは、英文を読む時は、日本語と同じような順序で訳そうとするし、英文を書く時は、日本語と同じ順序に英単語を並べるようにしてしまう。何度言ってもなかなか直らない子も多い。単純な文ではきちんと訳せるのに、ちょっと文が複雑になって、「わからないなぁ」と思うと、たちまち英語の語順を無視して日本語の語順で訳そうとするのである。日本語は、原則として、「だれが・いつ・どこで・なにを・どのように・どうする」の順に並ぶが、その語順の自由度は高い。なぜなら、助詞によって、語句相互の関係を規定するからである。そのうえ、主語の省略も頻繁に起きる。生徒たちは、この自由度の高い日本語の思考から抜け出せないために、英語でも、意味が通じればいいとばかりに、適当な語順で訳そうと試みるのである。その結果、とんでもない訳が出来上がるのだが、その訳文だけを取り上げて見れば、一応意味の通る文になっていたりする。なかなかの才能であるが、喜んではいられない。
ベリタスの小学英語では、この英語の語順感覚が自然に身に付くように、教材を工夫している。英語は、語順によって語句相互の関係を表すから、全く同じ単語、たとえば「John」が、語順によって、「ジョンは」になったり「ジョンを」になったりする。簡単な英作文を反復しながら、早い段階で、これを体得させるようにしている。
中学生では、空所補充(いわゆる穴埋め)問題や並べ替え問題は出来るのに、日本語文を英訳する、いわゆる英作文問題になると、手も足もでないという生徒が多い。どこから訳し始めて、どのように並べたらいいのか、見当がつかないのだと言う。ベリタスの小学英語で訓練を積んだ生徒は、そういうことがない。英作文の基礎を反復練習で身につけているから、自然に、主語と動詞を日本語の中から拾い出して書き始めることが出来る。
ベリタスの小学英語は、学習塾の英語の授業である。中学校の英語で良い成績を収めるため、高校・大学受験で良い結果を得るために、小学生のうちに、どうすれば有利になるかを考えて設計されている。昨今の「英会話」が出来るようになるという目的に合わせてはいない。しかし、英作文の一つも出来ない子供が、英語で何か言いたいことが言えるのであろうか?動物の絵が描かれたカードを見て、その名前を英語で叫んだり、英語の歌を歌ったりしているだけでは、言いたいことを言えるようにはならない。まず、しっかりとした英作文の力があって、それをベースに話す力、聞く力を付けていくのが順当だと思う。
ところで、ネイティブスピーカーの発音を聞くことで、英語の正しい発音が自然に身に付くと考えている方も多いと思う。だが、これは、小学校入学前の幼児については言えるが、小学校入学後の児童には、当てはまらない。すでに、日本語の発音の型が身についてしまった児童はの発音は、容易に改まらないのである。かつて、ベリタスは、子供英会話教室と提携して、ネイティブスピーカーの教師に、幼稚園から小学校低学年の生徒を見てもらっていたことがある。そのときの経験から言うと、幼稚園児は、あっという間にネイティブのような発音を身につけたが、小学生は、いつまでたってもカタカナの発音のまま向上しなかった。小学生以上には、唇や舌をどのように動かすか、具体的に説明して、練習させないとうまくならないのである。アメリカの聾学校で行うような発音の教授方法が適している。ベリタスの小学英語では、この方式をまねた方法で、アルファベットや英単語の正しい発音を指導している。
